●気になるニュース
小樽育ちの作家、小林多喜二の代表作「蟹工船」の人気にあやかろうと、JTB北海道小樽支店は21日から、小樽市内の多喜二ゆかりの地を巡る「小林多喜二・1日文学散歩」と銘打ったバスツアーの募集を始めた。(毎日新聞/2008.10.21)
●スローなコメント
 「昔の名作がブームとなり、その舞台を巡るツアーが生まれる!」―このこと自体はありがちなストーリーです。

 しかし今の「蟹工船人気」は現代社会が生んだ闇です。それは例えば「坊ちゃん」の舞台となった松山の道後温泉を巡るといった類とは根本的に異なります。

 経営者が従業員を消耗品としてしか思わないのは今も昔も同じです。いや、現代企業は「ワークライフバランス」「CSR」といったキレイな用語が飛び交う分、より悪質かもしれません。

 日本経済に不況の足音が聞こえてきます。企業が偽善の仮面を解き、醜い本質を表す日は間近です。わたしたち労働者は、そのことを認識しておくべきでしょう。
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蟹工船・党生活者

海軍の保護のもとオホーツク海で操業する蟹工船は、乗員たちに過酷な労働を強いて暴利を貪っていた。
――29歳の若さで虐殺された著者の、日本プロレタリア文学を代表する名作。
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