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  2005年3月
   設計段階から考える維持・保全


 省エネルギーの欄で紹介しましたが、住まいの維持・保全を考える時、設計段階から考えておくのと無いのでは、格段の差が出てきます。
 建物が建設されてから解体に至る建物生涯に要する費用のうちの建設費の割合は、住宅の場合のデータは手元にありませんが、さほど大きくは無いと考えられます。光熱費の削減と適切な修繕が行われないからこそ、30年足らずで解体されてしまうのではないでしょうか。
 LCC(ライフサイクルコスト)を年間費用に換算した時のコストを最小化する最も大きな方法は、建物寿命を長くすることだと言われています。
 日本の住まいも、今後はヨーロッパ並の手入れをしていくことが、実は長期的なライフプランニングのポイントになると思います。




1.設計段階のチェックリスト


1)竣工時の状態を維持するために行う維持・保全

@耐久性
・構造材の耐久性を高める措置は考えてあるか/耐久性の基本は構造体の寿命が長いことです。
・外壁や屋根に耐久性の高い材料が選定されているか/外壁や屋根の修繕には足場が必要であり、高耐久材料の選定が鉄則となります。
・道連れ工事に対して配慮されているか/特に大きな道連れ工事(当該工事に伴って発生する余分な工事)が発生するものや修繕・交換の際日常生活に大きく影響するものは、耐久性の高いもの(フリーメンテナンス)を選定するようにします。
A日常保全
・日常清掃に支障はないか/電源対応、水栓の配置、清掃に耐えられる材料等
・日常点検が簡単にできるか/点検ルート、点検口、点検用具等
・部品交換が簡単にできるか/吹きぬけ部の照明には注意が必要です。
・補修工事が簡単にできるか
B大規模修繕対応

・道ずれ工事が最小限に押さえられているか/機器交換のための搬入ルートは確保しておくのが重要です。
・工事用の足場がたつか/建物の外周周りには、足場が立てやすい配慮が必要です。
・給水配管の交換に対する配慮/さや管ヘッダー工法は優れた工法です。
・地中埋設配管の交換に対する対応/配管ピット等の対策をしておけば、配管寿命も長くなり交換しやすくなります。

2)生活ニーズの変化や家族の成長に伴って発生する維持・保全/将来対応へのリンク



2.引渡し段階のチェックリスト
 
1)維持・保全の手引き
維持・保全の手引きは用意されているか/簡単な清掃方法、連絡先リスト等。:引渡し書類に含まれる。

2)取り扱い説明書
・機器の取り扱い説明書は用意されているか。:引渡し書類に含まれる。

3)補修部品
 簡単な補修は、住まい手にもできます。塗装や仕上げ材料の補修分を引渡し時に加えておきましょう。設計図に明記されているかどうか確かめましょう。
 すぐに廃版になるような仕上げ材も、スペアとして5〜10%程度保存しておくと、補修時に役立ちます。

本ページは、作成者が20年に渡る建築設計監理の業務を通じて得た情報と経験をもとに作成したものですが、不具合やご意見・ご要望がございましたら、お手数ですが下記までご連絡下さい。
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