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日米両政府は21日午前、BSE(牛海綿状脳症)の危険部位である背骨の混入により、米国産牛肉の輸入を再停止した問題を巡って、外務省で局長級のテレビ電話会議を再開し、輸入を再開することで最終合意した。(読売新聞/2006.06.21)
● Comment
最近、すっかり沈静化した感の、米国産牛肉の輸入問題です。しかし「食の安全性確保」という極めて重大な命題は、依然、解が得られていません。この問題の難しさの根本原因は、アメリカ人と日本人の志向性の違いにあると思います。アメリカ人は論理的志向を好みます。それは、ジョハンズ米農務長官が「食料品店に行く途中で交通事故に遭う確率の方が、店頭で買った牛肉で被害を受けるよりも高い」と発言したことに象徴されます。"被害"という言葉そのものに着目して、被害率が低ければ大きな問題ではないという発想は論理的です。しかし、日本人には直線的で、視野の狭い発想と感じます。日本人は牛海綿状脳症という"被害"ではなく、「食の安全性確保」という倫理観の問題として捉えています。お互いで見ている次元が違う以上、この問題の解決は時間の経過によって、ほとぼりが冷めるのを待つしかなかったのです。
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