蟹工船とロハス
2008年に売れた書籍のなかでも異彩を放っているのが「蟹工船(小林多喜二)」です。昭和初期の作品が80年余りの歳月を経て売れるのは極めてレアなケースだと思います。しかし「蟹工船ブーム」は、現代の企業がロハスとは程遠い、労働環境を従業員に与えていることの証しに思えます。
ワーキングプア問題を提唱している作家の雨宮処凛さんは「蟹工船がリアルに感じられるほど、今の若い人の労働条件はひどい。」といいます。
特に2008年10月以降、金融危機を発端とする世界的不況で、急速に経済が悪化しました。派遣切りと呼ばれる契約の打ち切りを大々的に行っている企業の多くがCSRを掲げています。結局のところ、企業は利潤の追求の為に存在している訳で、儲かっている間だけ、社会にも優しい存在でいようとするように思えます。
ですからロハスについて考えるとき、わたしは「企業の限界(=資本主義の限界)」について考慮しなければならないと思います。ローマクラブが唱えた「成長の限界」は「企業の限界」でもあると考えています。わたしは、企業主導で牽引しているロハスよりも、市民による「持続可能な社会にむけた運動」としてのロハスに価値があると考えます。
暴走する資本主義
ロバート・ライシュ
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資本論
ロハスに想う
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