玄関は、玄関ポーチと内外の違いはあっても住まいの顔になります。玄関での滞在時間は少ないので、まれに生活のしわ寄せが玄関に集中し、自転車やカラーボックスが置いてある住まいを見かけますが、そうならないよう設計段階に良く考えましょう。
|
|
|
|
1.面積と構成
全体面積とのバランスによりますが、1.5坪くらいは必要になります。バリアフリーを考えてできれば上がり框の段差は2cm位にします。
玄関付近に2階への階段の上り口を設けると、面積は小さくても視覚的な広がりが生まれます。
|
|
|
|
2.各部の仕上げ材料
踏み込みの床仕上げは、靴で汚れない少し濃い目のタイルや石を選定します。
|
|
|
|
3.演出
飾り棚や絵を飾るスペース等があると、迎え入れる演出ができます。絵画等を飾るためのピクチャーレールがあると便利です。
|
|
|
|
4.玄関ドア
最近は、輸入の木製ドアを含めて、様々な商品が流通しています。金属ドアもアルミやステンレス、塩ビ鋼板等と多彩になってきました。リビングアクセスを前提にした断熱ドアもあります。
基本的には、建物全体のデザインに合わせることになりますが、ここだけ象徴的に表現することもあります。特注することもできます。
ドアの両側にガラス窓をつけて光を取り入れる(両袖付き)と、明るい玄関になります。防犯ガラスが開発されていますから安心です。
錠前は、デッドボルトとラッチが別になった箱錠にします。できれば、もうひとつ錠前をつけるとピッキングに強くなります。キーはピッキングに強いものを選びます。
|
・防犯へのリンク |
|
|
5.造作・備品類
靴箱の他、傘立て、姿見があると便利です。客用のスリッパ立てを兼用したコートハンガーも必要です。ワードローブを作る方法もあります。
靴箱に併設してスキー板やゴルフバッグの収納を作る場合がありますが、空間が狭くなるので、使用頻度が高くなければ納戸等に収めます。普段使わない靴まで、入れておくのはやめましょう。家族人数が多いと巨大な靴箱になってしまいます。
靴箱には1つでも良いので抽出しを設け、印鑑や台帳入れにします。不意にやって来る御用聞きや宅配用に便利です。
高齢者用の靴の履き替え用に小さなベンチや手摺を設置したりイスを置くことも考えます。
|
|
|
|
6.設備機器
照明は適宜選択します。姿見を設けた場合は、ブラケット照明があると効果的です。飾り棚の上にはスポットライトを設置します。
ホームセキュリティ導入の場合は、空間センサー、カードリーダーまたはテンキーなどが付属します。
玄関周りには、外部廻りの照明スイッチ類をまとめて設置してコントロールすると良いと思います。
|
|
|
|
7.その他の注意点
@傘干し場
傘を干す場所を考えておきましょう。
A玄関の積極利用
狭い玄関は単なる通過空間や上下足の履き替えスペース、生活や来客のための収納スペースにしかならないものですが、玄関ポーチでも紹介した縁側に変わる空間を玄関で実現することもできます。ホテルのロビーやラウンジに代わるスペースでもあります。
都筑の家では、飾り棚を兼用した壁付きテーブルとイスを2脚用意しました。お茶を用意しながら簡単な対話ができます。田舎の縁側でおばあちゃん達が団欒ししていた風景に代わる場所にしたものです。
B外部廻りのメンテナンス用品の収納スペース
意外に忘れ勝ちなのが、外回り用品の置き場です。多くは汚れものですから、きれいに清掃された室内空間を継由するのは得策ではありません。パブリックとサービス、表と裏を明快に分ける必要があります。
外回りの園芸用品、維持・管理用品、外部スポーツ用品、日曜大工用品、ペット用品等の最も適した置き場は、室内化されたカーポートだと考えています。カーポートが外の場合は、勝手口付近がベストです。何故ならユーティリティも近くにあり、基本的にダーティなものを収納するからです。勝手口が設けられない場合は、玄関に隣接して小さな納戸を作る方法があります。機能的には、外から直接入れるのが原則ですが、収容物によっては、玄関内から入る納戸もあり得ます。
これらは、一戸建てだからこそ可能なるものです。わざわざ高い土地を購入したわけですから、メリットを生かしましょう。
|
|