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   2005年3月
   防犯対策を考える


 住宅の犯罪はなんと言っても窃盗犯罪=空き巣狙いです。田舎では、以前は鍵をかけるなどというのは稀でしたが、最近ではいよいよ施錠するようになっていると聞きます。2002年の空き巣の被害件数はなんと19万件で、200件に1件が被害にあっているという計算になります。
 空き巣は、予め狙いを定めて下調査し、計画的に実行するのが一般的といわれています。そのような犯罪者には、日常の市民ぐるみの防犯対策が効果的だと言われます。
 また、入りやすいところを場当たり的に見つけて侵入する場合もあります。
 計画犯罪に対しては、留守に見せない工夫が大事です。また弱い部分を作らないのもポイントです。即ち総合的でバランスの良い防犯対策が必要になるわけです。
 侵入作業の時間は、一般に5分以内とされています。5分を過ぎても侵入できない場合は大半の窃盗犯は諦めるといわれますが、100%では無いことも認識すべきでしょう。
 万が一侵入された場合の対応は、やはりホームセキュリティの導入しか手がありません。また在宅中の侵入に対してHA在宅警戒システムもあります。機械警備会社は、まず侵入防止を重点におきますが、ステッカーや機器の存在が見えるのも有効だと言われてています。




1.防犯一般

1)侵入方法

@ガラス破りとピッキング
 侵入方法の代表は、窓などのガラス破りピッキングが代表的です。一戸建て住宅では、ガラス破りが特に多く、ピッキング、施錠忘れ、マンションでは、ピッキング、ガラス破り、施錠忘れの順になっています。ガラス破りは、ガラス全体を破って侵入するわけではなく、クレセント周りを小さく破って侵入します。この違いは、マンションの侵入ルートが比較的玄関ドアに限られているためで、結局弱いところから侵入されるということです。
 また驚いたことに、合鍵利用が挙がってています。玄関先のちょっとした場所に隠しておいた鍵を見付けられての犯行です。
 その他、ドア自体の堅牢性も求められますし、空き巣以外に押し込み強盗もあります。
Aカム送り開錠
 もう一つにカム送り開錠があります。カムとはデッドボルトの出入りをつかさどる装置でサムターンや鍵の回転をデッドボルトに伝える金具です。錠前大手4社の製品でシリンダー(鍵穴)部分が突出しているものは、カバーを引くと僅かな隙間が開きます。そこから特殊な金物を差し入れてカムを動かしデッドボルトを動かしてしまう手口です。
Bサムターン回し
 最近話題になっているものに、サムターン回しがあります。これは、シリンダーの脇に数ミリの穴を開けてそこから専用の金物を差し、内側のサムターンを回して侵入するものです。サムターンは、一般に災害や火災の緊急避難の際、室内側から鍵が無くても開けられるようにするために設置されるもので、避難安全と防犯が相容れない典型です。内側もシリンダー(鍵)にすることも有り得ないことではありませんが、避難時だけでなく日常的にも不便を感じることがあるでしょう。
Cこじ開け
 最も大胆な方法として、バール類を使ったこじ開けがあります。これをやられては打つ手がありません。最近は、盗んだ工事用車両でキャッシュディスペンサーを持ち帰るといった大掛かりな犯罪もありますから、夜間人口の少ない場所の住宅は注意が必要です。
D焼き破り
 ガスバーナーやライター等でガラスを加熱するとその部分が熱で割れます。そこから手を入れてクレセントを回す方法です。音が小さいので最近被害が急増しています。主に塀などで四角のある一戸建住宅の1階が狙われます。
















警察庁/カム送り開錠対策について






2)侵入場所
 侵入方法の代表がガラス破りと施錠忘れにあるように、玄関が最も多くなっています。継いで縁側やバルコニーになっています。勝手口からの侵入もあります。その他は大丈夫ということではなく、これも死角になっている場所や弱い場所から侵入されていると言えるでしょう。
 塀は要注意です。死角ができる一方足がかりになるからです。バルコニーは何かの足がかり(塀や縦樋等)を伝って上がります。その意味で2階までは防犯対策は欠かせません。

3)侵入時刻

 誰もが夜だろうと考えますが、夜10時から明け方6時までは比較的少なく、その他が多くなっている中で、実は午前8時から10時頃が突出して多くなっています。その理由は、ゴミ捨て等のちょっとした外出時に施錠しない傾向があると考えられます。また、年間では年末が多くなっています。

4)空き巣の侵入防止のポイント

@留守に見せない
 空き巣は留守を狙うので、留守に見えない工夫が大事です。
カーテンはレースを閉める程度にする。
照明やテレビをつけておく(タイマー設定する)。
留守電のアナウンスの内容を工夫する。『〜接客中〜』など。
洗濯物を干したまま外出しない(雨が降っているのに洗濯物があると狙われる)。
郵便ポストをいっぱいにしない。長期外出の場合は、新聞や牛乳の配達を止める。
郵便ポストの表示は最小限に。郵便ポストはその家の情報の宝庫と言われます。犯罪者もなるべく金のある家を狙います。そのため事前にポストの中身をチェックすると言われています。ポストを施錠すると共に、家族構成が解かるような表示もしない方が懸命です。
自転車や車、鉢植えなどの様子をみて留守をさとられないようにする。
 以上のほか、最近の報道で知ったことですが、玄関先に何者かが小さな落書きのようなものやちょっと気がつかないステッカーが貼られていることがあるそうです。アルファベットと数字を用いた暗号のようなものや色のついたマーク等です。報道では、不在時間を示す暗号だろうと解説していました。誰が何故このようなことをしたかは、ある程度は推測できますが、それより泥棒に解読されると大変なことになります。玄関先のこのような暗号やマークを見つけたら必ず消しましょう。
A必ず施錠する
 短い外出でも必ず施錠するようにします。施錠忘れ防止のためには、ホームセキュリティを導入する方法もあります。置き鍵はやめましょう。
B威嚇する
 夜間は、センサーライトが効果があると言われています。また、防犯ラインを破られたときでも、簡易な防犯ブザーホームセキュリティの導入によって威嚇する方法が考えられます。
C堅牢なガードを行う
 鍵は、アンチピッキングキーをつけたり、補助錠をつけると効果的です。補助錠があるだけで3人のうち2人はあきらめると言われています。窓には、面格子をつけたり、補助錠を設けたり、防犯ガラスを採用する方法があります。
D死角を少なくする
 一般住宅では、目立たない場所からの侵入が多いと言われています。高い塀は一見入りにくそうですが、いざ入られてしまうと、あとは泥棒の思うがままになってしまいます。なるべく死角を作らないようにします。
E隣近所と仲良くする
 隣近所と仲良くして、不信な人物がいたら通報や問いかけをすることで犯罪を防止できます。営業マンを装ったり、工事業者のような格好をして堂々と正面から侵入する場合もあるので、長期不在の場合は連絡をしておきます。
F番犬も有効?
 昔から言われている番犬を飼うのも有効だといわれています。しかし、愛犬はしばしば人懐こく育てられているので手なずけられてしまうことがあります。
G豆砂利の効用
 昔から、家の周りに豆砂利を敷く方法があります。これは、建物際に植物を植えると湿気やシロアリを呼び建物の耐久性に影響するために行われてきましたが、窃盗に対しても効果があると言われています。特に住宅密集地では、自宅だけでなく隣家にも気配を伝える効果があると言われます。窃盗行為を静かにやりたいという犯罪者心理に効果があるようです。
H2階は安全ではない
 2階は安全だと思われる方が多い中で、実は2階は大丈夫とは言えないのです。塀や竪樋等を伝って簡単に侵入できてしまいます。2階までは、1階同様の防御が不可欠です。
I自分の家だけでなく隣も良く見る
 自分の家がいくらがんばっても隣の家を介しての進入があります。特に密集地では注意が必要です。隣地の塀や屋根から簡単に侵入されることがあります。
J危険なドアスコープ
 一戸建てでは比較的少ないドアスコープですが、最近リバースドアスコープを使って室内の様子を伺ってから犯罪に至るケースが増えています。特にリビングアクセスのような住宅は外から丸見えになってしまいますので、ドアスコープには内蓋を付けるのが鉄則です。



2.ドアからの侵入防止
 ピッキングに対応するために、様々なキーが開発されています。ピッキングの対象になってきたのは、ディスクシリンダーでした。住まいの外部周りで、キーのついている個所は、玄関と勝手口です。窃盗犯の70%は、10分以上かかるとあきらめると言われてています。1箇所のドアに2個のキーをつけるワンドアツーロックも有効であると言われています。
 また、こじ開けもあります。こじ開けしにくい構造のドアを考えましょう。

1)ピッキング対策
 鍵は、錠前やハンドルの種類ではありません。錠前には、モノロックや箱錠、ホテル錠といった種類があり、ハンドルには、握り玉やレバーハンドル等の種類があります。 また、モノロック(いわゆる円筒錠のこと。本締まりモノロックを除く)は、古い建物で多く使われたラッチとデッドボルとが一体になったもので、ピッキング以前にこじ開けされてしまうため防犯性に乏しい商品です。今では、まず用いられません。
 現在の錠前のデッドボルト(かんぬき)は非常に堅牢になったため、鍵穴部分に特殊な工具を差し込んで、開けてしまう=ピッキング犯罪が流行っているわけです。
@高性能キーを使う
 輸入品も含めて、アンチピッキングキーとして注目されています。リバーシブル型のディンプルキーが代表です。またロータリーシリンダー(リバーシブルタイプもある)やピンシリンダーもピッキングに強い構造をもっています。リバーシブルタイプは、目の悪くなった高齢者にも使いやすいキーです。
 最近では、電源を使わないカードキーも登場しています。
 全国防犯協会連合会が認定した防犯性能の高い錠前をCP認定錠、シリンダーの耐ピッキング性能のみを評価して認定したシリンダーをCP-C認定シリンダーと言います。選定の際には必ずチェックしておくことをお勧めします。
A電気錠を導入する
 ピッキングできない代表が電気錠です。停電の場合どうするかという宿命をもっているので結局シリンダーを併設することが多いのも事実です。一般にホームセキュリティの一環として導入します。指紋認識非接触式カードキー磁気読み取り型カードキー、遠隔操作する電磁(電波)キー等があります。テンキーによるものは、いつも使っているキーが汚れてしまったり、後ろや遠方から読み取られるうので注意します。最近では、パネルを用いてテンキーがランダムに表示されるものまで商品化されています。機械警備会社にによって様々な方式があり、一度調査することをお勧めします。しかし住宅ではまだまだ普及率は少ない状況にあります。


















全国防犯協会連合会へのリンク
日本ロック工業会へのリンク
日本ロックセキュリティ協同組合へのリンク





2)カム送り対策
 最近の新築物件では、各社とも対応商品を出していますので安心ですが、それでもきちんとチェックしておいた方が無難です。もし、このホームページをご覧になった方で不安な場合は、該当メーカーのホームページを必ず見ておきましょう。対策用の金物が僅かな金額で市販されており、一般の方でも簡単に取り付けることができます。取り扱い店は、HPに出ています。


美和ロックへのリンク
ゴールへのリンク
ユーシン・ショウワへのリンク
堀商店へのリンク


3)サムターン回し防止
 穴あけに時間がかかるよう大型のエスカチオン(20cm角内外の座板)をつける方法もありますが、万全とは言えません。
 サムターン回しに確実に対処する場合は、専用のカバーを取り付ける方法です。様々な商品が市販されています。外出時にいちいち外すことになりますが効果はてき面です。
 

4)こじ開けを防止する
 まずドアが堅牢である必要があります。またこじ開けに対しては、堅牢なデッドボルトが設けられた箱錠が強みを発揮します。
 また押し込み強盗のように、住人が居ながらの犯罪もあります。内側から面付き箱錠(外側からは、シリンダー穴もデッドボルトも見えない)をつけておけば、かなり有効です。勝手口は、内側から施錠すれば良いので、面付き箱錠は、勝手口ではピッキングにも対応できます。
 まれに、丁番ごとドアを外されることがあります。余程の死角になっているか、工事業者を装っての犯行です。内開きの場合、デッドボルトが見えず、丁番も内側になるので、防犯上有利です。ただし、雨じまいの点で欠点があるので、玄関ポーチの構造を合わせて考えておく必要があります。
 在宅時の犯罪の場合は、カメラ付きドアホンで相手が誰かを知ることも大事です。ドアの小窓や、ドアスコープドアチェーンも有効です。



3.窓からの侵入防止
1)必ず施錠する
 短時間の外出や2階の窓であっても、必ず施錠するようにしましょう。3階は大丈夫とも言われていますが、状況によっては保証されません。

2)補助錠をつける
 普通のガラス窓は、内側にクレセントがあって施錠します。クレセントは、ガラスの一部を破壊することで簡単に開けることができます。補助錠を設けることによって、少しでも侵入時間を稼ぐ工夫をしましょう。

3)雨戸やシャッター、面格子をつける
 ガラスのバリアの前に雨戸シャッター面格子でガードする方法があります。面格子の取り付け部分が簡単にはずせない工夫や、商品選定が必要になります。
 しかし、目覚めたときに明るい光をあびたいせいか、雨戸やシャッターは少なくなりました。また、面格子は、大型の窓や出入りする掃き出し窓では、日常面を考えると使えなくなってしまいます。

4)防犯ガラスや防犯フィルムを導入する
 網入りガラスや、合わせガラス(樹脂をはさんだ衝撃に強いガラス)も多少の防犯効果がありますが、特に防犯性を高めた防犯ガラスを採用する方法があります。防犯ガラスには、合わせガラスの樹脂層を特に強化したもの、ポリカーボネート樹脂板を挟んだ高防犯のものまで数段階のものが市販されています。適材適所で、面格子等と使い分けすると良いでしょう。ただし、かなり高額になります。
 防犯フィルム防犯シートは、どちらかというとリフォーム等で後施工する場合に向いています。



4.ホームセキュリティの意味と構築方法
 ホームセキュリティ(機械警備設備)設備は、一戸建て住宅では、普及の途上にあります。。恐らく、発報(侵入者をとらえた時に警報がなり、センターに通報されるとき)から、現場到達まで15分(標準)程度を要するために、その時はどろぼうは退散しているのではないかという疑問や、まさか自分の家が−−と考えたりするからでしょう。
 しかし、相手は窃盗のプロです。余程万全な設計がされ、運用(施錠)も完璧であればある程度は安全と考えても良いですが、弱い部分を狙われれば絶対安全とは言えません。どこの何が弱いかは、様々なケースが考えられます。総合的に考えるのが大事です。また、高齢化社会を迎えた今、従前からの火災報知やガス漏れ警報等に加えて、様々な高齢者対応の付加サービスも当為されています。
 初期費用がかかるほか、運用費用は、概ね1日コーヒー1杯分(300円前後)と言われています。機械警備会社自体も保健に加入しているために、設置機器が十分でないと月々の運用費用が高くなりこともあります。
 ホームセキュリティは、今、総合的なサービス体制を整えて、凶悪化する犯罪だけでなく火災や高齢者のための総合的な付加機能を備えるようになりましたから、新築の際は、一度は導入を検討しましょう。
 センサーや非常押しボタンによって警備会社の人的な対応によって警察署や消防署に通報されます。
 ホームセキュリティの効用には、もうひとつ機械警備会社のステッカーの存在が威力を発揮するとも言われています。近年、テレビ等で窃盗団の横行が話題になっているようですが、ホームセキュリティ会社のデータには、犯罪数が増えている傾向はないそうです。つまり、窃盗のプロは、ホームセキュリティが導入された住宅への侵入は避ける傾向にあると言えるわけです。機械警備会社のPRをするつもりはありませんが、進入場所が弱いところが狙われるのと同じように、機械警備を導入していない弱い家が狙われれ易いということが言えるでしょう。 

1)計画段階から考える
@機械だけに頼らない
 防犯計画は、機械だけに頼らないようにします。機械に頼らずバランスの良い防備を行ったうえで、最後に総仕上げとして機械を導入するようにします。
 国民の日常の安全を守る警察庁は、実は究極的には機械警備を信じていません。映画でもテレビドラまでもよく目にするように、どんなに堅牢なシステムを作っても、システムそのものの盲点を見破られたら、侵入されてしまいます。究極の防犯は、人間による組織的な警備なのです。
 住まいの場合は、どうしても家を開けることがありますから、そのようなわけにはいきません。計画段階で必ず一度防犯チェックしましょう。 
 ところで、意外に思われるかも知れませんが、建築的にどれだけ堅牢な防犯対策をやっても、実は機械警備会社の保障とは、何ら関係がないということも知っておく必要があります。これは極めて不合理なことで、いずれもっと合理的な保障システムを構築する機械警備会社や外資系の会社が進出すれば、変わっていくことでしょう。
A計画段階から考える
 前記したように最終的に弱点を作らないのが原則です。しかし、隣地との関係や間取りその他によって弱点ができてしまうケースがあります。また、空き巣対策だけでなく、押し込み強盗や家族の緊急事態も考え、様々なケースを考えます。
 警備システムの構成は、警備会社と通信を行なったり(現在は電話回線を利用する)、室内の状態を表示する機械警備総合盤とそれに接続された各種センサー等の端末機器で構成されます。特に中央の総合盤は、あとから取り付けると見苦しい裸配線が出てしまいます。また電話回線は単独にするか、ISDN回線を利用し、常時ONにできるようにしないと機能が発揮されません。ただし、発報時に強制的に一般回線を閉鎖し、優先的に信号を送る方法もあります。
 後施工(リフォーム)の場合の端末器機は、無線タイプを利用すすことができますが、電池切れの心配があります。ただしリースの場合、きちんと対処してもらえます。無線タイプは、発信機内臓型と分離型があり、発信機が大型なので、意匠性には乏しいのですが、配線がいらない大きなメリットがあります。新築の場合も配管や配線がいらないので、総じて安価になる傾向があります。

2)防犯
 防犯用端末機器は、まず、施錠忘れ防止の機能があります。次に、進入しようとしたらライトで威嚇します。建物側で構築したバリアを打ち破った場合に、専用のセンサーでキャッチします。さらにそのバリアを破って侵入した場合や、リフォーム等でそのバリアを構築しにくい場合は、赤外線センサー(空間センサー)でキャッチします。また、大音響で威嚇する装置もあります。このように、段階的に構成するのが一般的です。
@施錠忘れ防止
 玄関ドア、勝手口の施錠忘れ防止のために、電気錠スイッチストライクを設置したり、窓にマグネットセンサーを取り付けて、開いているかどうかチェックできます。外出時に警戒をONにした時に、どこかが開いていたらアナウンスが流れます。マグネットセンサーは、開いているかどうかしか感知しないため、施錠忘れには効果はありませんので注意します。
A建物外で威嚇する。
 夜間だけに限っての効果のある方法にセンサーを併用したフラッシュライト等で威嚇する方法があります。
Bこじ開け時の発報
 ガラスを破壊した場合はガラスセンサー、侵入の際にドアや窓、引き戸を動かした場合はマグネットスイッチ(センサー)が感知して通報します。発報の際のブザーや音声内容は選択することができます。
B室内に侵入した場合
 上記のバリアを潜り抜けた場合のために、要所に空間センサー(赤外線)を設置し、侵入者を感知し発報します。大音量のブザーで威嚇する方法もあります。
C記録する
 ITVカメラを使って、犯罪者の素顔や体型を記録する方法です。住宅ではここまでやるのは大邸宅になるでしょう。ダミーのITVをつけて騙し合いをすることもあります。
 静止画像を数十枚記録する簡易型のシステムも開発されています。
D通報する
 在宅中の住まい手が異変に気づいて通報する場合は、非常押しボタンによって通報します。

4)防災、高齢者、非常時対応
 ホームセキュリティは、防犯機能だけとお考えの方が多いのですが、実は出火や高齢者等の非常時にも対応します。出火はガス漏れ警報煙感知器熱感知器によって自動通報されます。また、非常通報ボタンは、押し込み強盗や、怪我や転倒等緊急事態の場合に警察や消防に警備会社を通じて通報される端末機です。
 インターネット回線を使って、高齢者の健康状態を常時監視し、通報する『バーチャル2世帯』システムももうすこしで実現されようとしています。
 ITの優れた機能が人間の健康管理まで制御するのは、目の前にあります。テレビとパソコンと電話と携帯電話と家電製品がが融合するときです。

5)在宅警戒

 セキュリティの基本はかつて無人警戒(空き巣狙い対策)が基本でしたが、最近は、凶悪犯に対処するための在宅警戒も一般的になってきました。窓や、外部に面するドアだけを警戒したり、建物内をいくつかのゾーンに分けて警戒するものです。ものより人命の方が大事だというあたりまえの発想です。このシステムを有効に利用するためには、入念な生活イメージが必要になります。特に配線で直接機器を接続している場合は、配線方法が決まってしまうので、後で変えることができないので注意が必要です。無線機器の場合は、後でも簡単に変えられます。

6)2世帯住宅

 在宅警戒のシステムは、在宅時の浸入と2世帯住宅に対応するよう考えられています。問題は、室内で行き来するドアを境に警戒ONのエリアとOFFのエリアを構築しなければならないことです。生活パターンを入念に想定し、システムを構築する必要があります。機械警備会社が用意しているシステムには、多少の違いがあるため、話を良く聞いておく必要があります。
 万全を期する場合は、完全独立した2つのシステムを導入する方法がありますが、契約料が倍になるので総合的に判断します。

7)ペットの取り扱い

 ホームセキュリティの意外な盲点はペットです。ペットのうち室内放し飼いの犬や猫を自宅に残して外出する場合、発報の危険性があるからです。機械警備業者の端末機器の感知機能によって多少の差異があるため、十分に打ち合わせてください。

8)事故発生時の保障
 運悪く、事故が発生した場合の保障はどうでしょうか。実はこの点が、機械警備会社で最も大きな差が出る部分です。なんと数十万から億の単位まで巾があります。業界で最も有名な会社は意外に保障額が小さく、住宅を得意とする某会社は補償額が高額です。良く読み込んでいくと様々な附加条件があるので、契約前に内容をチェックする必要があります。
 保障の多寡は考え方の問題です。同様に機械警備会社の思想にも関わることで、機械警備会社自身が加入する保険との関係もあります。あくまで防犯を主体に考えるか、対策を主に考えるか、良く考える必要があります。

9)誤報や警戒忘れに注意
 ホームセキュリティの欠点の一つに誤報があります。もっとも一般的な方式であるカード方式では、警戒を解かなければならないときにカードが見つからなかったり、2世帯住宅で警戒ONの環境を知らず、帰宅して警戒解除を忘れたようなときに発生します。しかし、誤報は宿命でもあるのであまり重視する必要はないでしょう。
 誤報による警察や消防の出動軽減のために、必ず確認のため事前に電話がかかってきます。それでは、押し込み強盗で、喉に刃物を突き付けられているとき確認電話が入ったらどうするかという課題があります。確認行為なしの契約をするか否かは住まい手の判断によります。
 また折角システムを構築しても外出の際、警戒手続きを忘れてはなにもなりません。面倒がらずに、必ずスイッチをONにしましょう。
 機械警備のもうひとつの不思議な点は、警備会社によってかなり異なることです。機器の配置の考え方やシステム構成に随分差異があります。前記した保障の考え方もそうです。機械警備会社の思想だけでなく、システムそのものの違いがあるので、もし使い勝手に問題があるようであれば、別の会社をあたっておいた方が良いでしょう。
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