1.門の意味
門には、2つの考え方があります。住まいの格式を重んじたり、伝統文化のひとつとして捉えれば、門や門扉は重要な位置付けになります。またセキュリティラインを構築する機能的な意味もあります。もうひとつは、あえて門を設けず、そのまま迎え入れたいと考える場合があります。
また、来客者の動きを考えれば、敷地に近づく時の到達観と玄関の位置を暗示する装置としても、意味のあるものだと思います。 |
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御手洗の門 |
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2.門・門扉の作り方
1)隣家との関係を考える
アプローチ同様、隣地(家)との関係をチェックすることから始めます。また建物の一部としてだけではなく、周辺環境を意識したデザインと素材選定が求められます。 |
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2)門の種類
くぐらせるか、両袖に分けるかの2つの方法があります。くぐらせる場合は相応の高さが必要になります。 |
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3)門のデザイン
格式を重んじる場合は、相応のデザインが求められます。住まい手の考え方次第だと思います。
到達観や玄関の暗示装置として考える場合は、あらゆるデザインが可能です。下の写真は、石灯篭をさり気なく設けた民家の例と、建物の一部を門に見たてて構成した例です。 |
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角館の民家入口 |
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都筑の家 玄関周り |
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4)門扉の考え方
門の構えができると門扉が欲しくなります。しかし門扉があるとどうしても閉鎖的な構成になり、迎え入れるというより結界が構築されてしまいます。また雨の日など、迎えにあがる間ずっと傘をさして待たされるのでは、とても迎え入れるとは言えません。門扉を作るのならば、上の写真の民家のような雨よけの屋根を用意してあげましょう。あるいは、日中は開け放つのもひとつの方法です。
特殊な例ですが、 上の写真の都筑の家では、門らしき部分には、門扉を設けず、大き目の玄関庇の下に扉を設けています。扉は、FRPグレーチングを使ってあっさりと作っています。
この場合のアプローチと門扉の位置関係は逆転しています。門扉を出きる限り玄関に近づけることで、前面に空間が生まれ、迎え入れる場を作った例です。
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