スローフード
 ファストフードに対するアンチテーゼとして、社会的認知を得たスローフードです。その発祥は、イタリアです。

 1980年代半ばにローマのスペイン広場にマクドナルド1号店が開店しました。このことで、イタリアの食文化が崩壊すると危機感を抱いた人々が多く現れました。そして1986年、イタリアのブラという町で「スローフード運動」が始まりました。この運動は世界中に広まり、1989年はパリにて「スローフード宣言」が採択されました。

 ところで、一般の認識としてスローフードはファストフードを否定するとされています。この解釈は一部誤りがあります。「スローフード宣言」には下記の文面があります。

 「私たちはスピードに束縛され、誰もが同じウイルスに感染している。私たちの慣習を狂わせ、家庭内にまで入り込み『ファストフード』を食することを強いる『ファストライフ』というウイルスに」

 この文面を読むと、スローフードはファストフードを単に否定している訳ではありません。ファストフードを食べることを強いる、時間に脅かされた生活を変えようと提唱していることが分かります。

 「スローフード宣言」は、食文化の範疇を超え、生活スタイルそのものをスロー化しようとする「スローライフの運動」へと発展することとなりました。

イタリアのおいしい旅―スローフード・ガイドブック

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