Slow Down
スローライフを世界中に広めるのに多大な貢献を果たしたといわれる「スローライフ入門/カールオノレイ(著)」の出だしでは、サイモン&ガーファンクルのハッピーな曲「59番街橋の歌」が紹介されます。その歌詞の始まりは、"Slow
down, you move to fast(ゆっくりしようよ、早すぎるよ)"です。1960年代に流行ったドラッグ・ソングのひとつとも言われますが、この歌詞は、スローライフを提唱する相応しいフレーズです。ニューヨークという都会を象徴する、正に時間に追われた場所から発信される"Slow
down!"―なんとも素敵な響きです。
競争社会は、迅速さ・効率化に価値を求めますが、そのことが個人の生きる喜びにつながる訳ではありません。効率化は、経営の論理に過ぎません。たとえ効率化を実践しても、会社の業績が悪くなれば、社員の雇用は保証されません。効率化に縛られた人生は、日常生活にも支障をきたします。例えばパソコンの回線速度が遅いだけでイライラする人がいます。そのイライラは人生において、どれほどの価値があるのでしょうか!?傍からみると精神病魔に襲われているとしか思えません。効率化が最優先される社会は、精神病魔者が蔓延していく殺伐した社会なのです。
スローライフは時間をゆったりととって、人間が人間らしく生きようとするライフスタイルです。欧州を中心にして、先進的な感性を持つ人の間でスローライフに共鳴する人が多く出現しました。
時間をゆったりととることにより、心のゆとりが生まれます。そのことで、他人の気持ちを理解する心が生まれます。地域の文化や自然にも関心を持ち、新たな人間関係の形成にもつながります。そうした価値観を持った人々が増えることにより、地域は活性化していきます。
前述した「スローライフ入門」では、世界的なムーブメントとなったスローライフの活動を幾つか紹介しています。日本ではハチドリ計画で有名なナマケモノ倶楽部などが取り上げられています。
地球環境においても、スローライフは刹那的な消費が抑制されますので、資源のムダ使いがなくなります。そのことで持続可能な経済発展が見込まれます。
スローライフ―緩急自在のすすめ
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時間減速化協会
スローハス
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