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 2002年5月
 住宅に関するQ&A集/2002年5月号/Q1/在来浴室とユニットバスの比較について
メール等で問い合わせのあった内容等を紹介します。表現については、多少変えていますので質問者の方はご了解下さい。

Q.浴槽をユニットバスにするか在来にするか迷っています。ユニットバスと在来バスの性能比較を教えて下さい。
2002.5.12
A.住宅の浴室は、日進月歩でメーカーの開発が進んできました。余談ですが私の幼年時代は、ごんべい風呂でした。母親の実家に行くと浴室はトイレ同様離れで桧の木製の風呂でした。手入れが良いとはとても言えず、離れにも関わらず木製風呂特有の臭いがあってぬるもあり、現在の風呂と比較したら格段の差があります。風呂焚きは、子供のノルマでした。薪をくべて火にあたると、子供の世界には沢山の新鮮な学ぶべきことがありました。火のくべかた、種火をどうするか、燃え易いようにするにはどうしたら良いか、ついでにニンニクやサツマイモを焼いたらどうなるか。そんなことを今言ってもしかたが無いので、もっと機能的な比較論を言わなければなりません。
 @施工的上の比較
 在来浴槽とユニットバスには、まず施工上の差異があります。ユニットバスの場合は防水工事が必要ないということです。また防水がいらないので工期的なメリットがあります。
 A耐震上の比較
 住宅の主要構造が木造や軽量鉄骨の住宅で在来工法にする場合は、構造体の揺れによって壁にひび割れが入ることが懸念されます。そこで、1階に設置する場合は、部分的に鉄筋コンクリート造にしたりしますが、2階は難しくなります。 
 B断熱上の比較
 意外に良く知られていないのは、在来浴槽の場合の断熱設計が大変良く考えられていることです。この課題が最も大きなものと言っても良いでしょう。在来浴槽で同等の断熱性能を確保するためには、相応の工夫が必要で、それによって得られるメリットとは別にかなり無理=コストアップした断熱計画が必要です。ユニットと在来の根本的な違いは何かといえば、断熱性が1番、次に耐震性が上げられます。
 C見た目はどうか。
 見た目の評価は、単純ではありません。昔からの木製の浴槽に慣れ親しんだ方には、今の浴槽は明るすぎて清潔過ぎて、材料は全部あるいは大半がプラスチック、素材感がありません。しかし、良く考えられています。寒さを気にせずとかっこ良さをベースにするか、より機能性を重視するかは、判断に困ります。
 D何にこだわるか。
 確かにお風呂の課題は重要です。環境性、デザイン性、使い勝手、バリアフリー性、結露対応、乾き対応、断熱性、多目的性、数え上げればきりがありません。しかし、多くの求められる機能が実現されているのがユニットバスであるのは確かです。
E在来か、ユニットか?
 そこで、必ず通りぬけなければならない課題があります。在来かユニットかということです。残念ながら決め手はありません。しかし、浴室に何を求めるかを真剣に考え、その意図することを明快にできれば、確実に回答は得られます。
 その中で大きな分かれ目は、断熱と結露がキーポイントになるでしょう。在来かユニットかは、設計の初期段階で決めておきたいことです。構造体に影響するからです。浴室の選定は早期に、真剣に考えなければならないというのがひとつの回答です。

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