Q1.マンションの換気窓(?、丸いもので、エアコンの下の壁についている、中央の突起をまわすとしまったり??するもの)が、年数が経ったせいか,丸い窓が,窓のしたの壁の上の紙の一部と共に落下してしまいます.
接着剤で、窓のふちの円と、くっついておちてくる壁紙部を接着すれば解決する(換気窓としての機能を保つ)と考えられますが,そうなのでしょうか.その場合,どのような接着剤(具体名を教えて下さい、アロンアルファ,など)を使用すれば良いのかご教示下さい.よろしくおねがいいたします。
2002.4.1
通常給気口は、スリーブ(構造体に穴をあけたもの)にきちんとサヤ管をつけて、そこに取り付けるもので落下するようなものではありませんが、お問い合わせの事例は、かなり簡易に取り付けているもののようです。落下だけのことなら簡単に補修できますが、お問い合わせの場合は、むしろ壁体内の内部結露の方が心配になります。ともあれ、給気口を簡易接着する場合は、一般の接着剤では付着しない場合が多い(プラスチックとの相性によります)ので、ホームセンター等で販売しているシーリング材(シリコンやウレタンが代表的)のクリアタイプを使って、カバーのツバ部分の裏側に丸い形状に合わせてぐるりと押し出し、そおっとくっつけると、固まればかなりの接着強度が保てます。1度ためしてみて下さい。あまり沢山付けるとはみ出してしまうので注意して下さい。
Q2.キッチン排気についてアイランドキッチンのプランで進めている物件がありまして、排気を下面排気を考えております。(上部が吹抜のため)そこで、アドバイスを頂けたらと思いましてアクセス致しました。図面等もなく大変申し訳ないのですが、このような製品がある・・ですとか・・コスト的なもの・・いろいろな点からアドバイスをよろしくお願い致します。
2002.4.4
プロのご質問と理解しました。下面排気はなかなかやっかいなものです。まず、下面排気だけに頼ることは基本的に避けるべきであると考えております。下面排気によって煙をある程度は防ぐことはできますが、臭いは防げません。従って室内換気との併用が必要条件になります。その時、室内のエアバランスを維持し、室内全体が外気より負圧になりながら、さらに下面排気フードがそれより低い圧力にしなければなりません。そのためには排気ファンの能力の適切な設計や臭い逃しのための空間構成も考えなければなりません。
どの程度までの性能を求めるかの判断が難しいのですが、技術的には可能であっても住宅や別荘では、コストとや使われ方との関係で圧力制御が難しいので、実例の少ない原因になっていると思います。
空間構成上やむを得ない場合は、クライアントにそのを旨きちんと伝えて、導入の是非を考えるべきだと思います。
私の考えでは、アイランド型であっても大型のフードをきちんと設置した方が無難だと思います。
Q3.道路と敷地に段差のある土地で住まいを考えています。そこには建築協定という規制があって、自動車車庫を除いて地盤の切り土・盛り土ができないことになっています。しかし、住宅の地下が容積対象から外れるようになったので、地下を出きる限り有効に使いたいと考えています。門屋総合設計さんの作品にあるような住まいにはできないものでしょうか。
2002.4.5
建築協定は、建築基準法及び都市計画法で定義されていますが、厳密に言うと建築確認対象にはなっていない法令です。もともと、建築基準法が建築物の最低基準を定めた法令であるのに対して、建築協定はさらに地域環境の保全等を主たる目的としてさらに厳しい基準を定めているものですが、時代の変遷に伴って実体に合わない協定が幅をきしているところも多いと聞いいています。従ってどちらかというと民法上の取り決め事になります。
建築確認行為に伴って建築協定運営委員会宛正式な通知書を提出し、定期委員会または案件がある毎にきちんと審査している自治体もありますが、運営委員会自体が形骸化しているところも多いようです。
建築協定が定められた敷地を購入またはそこに住宅建設を考える場合は、規制内容ばかりでなくその運用状況を確認する必要があります。時々何故こんなことになっているのだろうという住宅を見掛けることがあります。恐らく建築協定による弊害でしょう。こと今回のように地盤に関する切り土・盛り土の規制がある場合は用心して下さい。建築確認の審査を司る建築主事は、建築協定に関わる決済権を持っていますので、あまり時代にそぐわない協定が存続している場合は、相応の判断が下されるでしょう。交渉次第です。
私見ですが、この件は、建築協定の自己矛盾を露呈しているものとも言うことができます。もともと、建築協定の成立自体が、ディベロッパーの宅地造成行為に対する行政指導によって許可要件として与えらたケースが大半ですから、そこにそれから住まう人々の意思は入っていません。いわゆる『一人協定』の典型例です。土地が売却されて、実際の運用段階になると、住民は素人が大半ですから、問題が起きて条文の改廃問題が上がってもまず改訂することなど殆どないでしょう。誰かが1度違反行為をやり出すと歯止めが利かなくなります。そうなると条文の存在自体が意味をなさなくなってしまいます。
何故そのような取り決めをしたかは、もともと盛り土に伴うトラブルが多いことに起因していると思います。宅地造成地で特に敷地に高低差があり、擁壁や外階段があるような敷地の場合は、地盤に関する切り土・盛り土の規制は、かえって良質な環境保全の枷になる場合もあります。建築行為は極めて個別的です。出きる限り良いプランと敷地の有効利用、バリアフリー等を考えると、造成段階の地盤を維持することがかえって災いすることがあります。例えば、建物正面に薄皮一枚の擁壁が残ってしまったり、外階段のかけらが残ってしまったりすることがあります。果たしてそれが良好な地域環境保全に本当に貢献するかどうかは、疑問が残ります。