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  2003年9月25日
   構造設計基準の矛盾



 20年、建築の設計に携わってきて、ひとつ大きな疑問を持って来ました。それは、建築の基準が、常に最低限を規定する考え方でありながら、仮設建築物を除くと構造の想定地震再現期間(ある規模の地震が再び発生する期間)は耐用年数によって定められているからです。25年できっかり解体廃棄する予定の建築物であっても、50年間有効に使用する建物であっても求められる構造性能が同じなのです。しかも、日本の戸建て住宅は、平均25年で解体されているそうですから、大変大きな矛盾があると言わねばなりません。耐震性能が人命に大きな影響があるとしても、大きな資源ロスといえると思います。逆に、もっと長く生き永らえる建築もあり得ることも社会的にもっと認知されるべきだと永く考えていました。古民家が300年経過しても健在で、新しい建物が25年で解体されている現状があまり知らていないのは大変不思議です。また、建築物を長寿命化することが、実は最も効果的に地球環境保全への貢献につながるということも重要です。
 医療業界では、インフォームドコンセントの考えが浸透し、患者に選択権が与えられています。私見ですが、建築にも例えば25年建築、50年建築、100年建築と言った選択の自由があれば、もっと合理的な建物ができるのではないかとも考えてきました。ところが、本来の目的とは全く異なる『住宅新法』(品確法:住宅品質確保促進法)の施行によって、耐震性の選択の巾が一般の方に解かりやすく示されました。そのため、今まで耐震性の相互比較ができなかったハウスメーカーやディベロッパーの住宅の耐震性能が横並びで比較できるようになったわけです。