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   2001年11月2日
   コミュニテイを考える



 コミュニティという言葉は、建築業界以外ではなかなか聞きません。不思議な現象です。今は、NPOやNGOの代表されるボランティア活動の方が話題になります。
 今から、25年ほど前、私はある大学の門をくぐり、建築に関わる道を歩き始めました。教養課程の中の建築の専門的プログラムの中で地域計画の講座がありました。興味をもって、聴講すると、いきなりコミュニティという言葉を聞かされました。『コミュニティ』っていったい何だろう。それが解るまでは随分時間がかかった記憶があります。
 『コミュニティ』とは地域の共同体のことです。地域の共同体は、今は行政が培っていますが。昔は、住民が主体でした。消防活動、道普請(地域住民が共同で道路の手直しをやっていた)、廃品改修(今のリサイクル)等を住民がやっていました。その当時は『講』または『組講』があり、年齢や性別毎に様々な『講』がありました。教科書には、それが出ていました。なんと江戸時代の話です。なんで、我が家は江戸時代そのままかという疑問はわきませんでした。その生活は、長い地域の歴史があり、疑問の余地はありま
せんでした。
 今でも田舎に行くとあると思うのですが、田舎には隣地との間にやっと人が通れる狭いパス(近道、小道)がありました。今そんな道を都会のどこで見れるでしょうか。なんて素敵な道か。でも今は塀で遮断され、隣地の裏にも行ったことはありません。
 その当時は、家の裏が面白かった。池や井戸の周りにはくもの巣や地蜘蛛が沢山いた。池の周りには『目はじき』が花粉を出していました。秋には椎の実を食べ、竜のひげの実を玉代りに、篠竹を筒にして鉄砲を作った。きのこ取りは、わくわくする探検だった。そんな裏側で遊んでいても、大人達は必ず見ていた。私が池に落ちたときも、崖で穴掘りをして生き埋めになった時も必ず助けに来てくれた。遊びの場のまわりにいる人は、知らない人は殆どいなかった。近所のおばさんによくしかられた。イチゴ畑やミカン畑の前にさしかかると、空腹に耐えきれずほおばって家に帰ると、必ず親父の拳骨が待っていた。