書斎というと、一般的には社会で成功を納めた著名人や経済人、文芸で生計をたてている方々が作業をしている部屋が浮かびます。
けれども、今、コンピューターが全盛の時代、書斎のニーズはますます高まっています。
マンションのプランを見ると明らかに書斎狙いの部屋が用意されている例を目にします。
また、主人の書斎、主婦の書斎も必要です。寝室の一角に原初的なもの書きスペースを設けることから始めて、書斎は、何かを考え、調べ、知識を高め、情報を発信する場になりつつあります。さらに発展すればSOHOも考えられます。
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1.書斎とは何か
1)個人の思索や勉学の場
夫婦間でも個人に立ちかえる場所や時間が欲しくなることがあります。家族を離れ過去の生活や将来のことを巡らす場所、時には仕事をすることもあるでしょう。
便利ながら迷惑なことなのですが、ITは時と場所を選ばなくなりました。ノートパソコン一つと無線装置やiモード契約した携帯電話があれば、いつでもどこでも大容量データ送信ができるようになりました。
どうやら書斎は、個人的通信拠点としての位置付けを果たすようになるのは明らかです。
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2)住まいの集中情報センター
ネットバンキング、ネットショッピング、ネットオークション、ホテル予約から交通予約・調査まで、パソコンのおかれたスペースは住まいの情報センターになります。ノートパソコンを使って無線LAN環境を構築すれば、書斎はコンピューターセンターになります。
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3)SOHOの場/執務室
パソコンの普及で主婦のサイドワーク収入の可能性が大きくなっています。
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2.書斎の種類と位置
1)寝室内の書斎コーナー/簡易書斎
最も簡易な書斎です。手紙を書いたり、短時間の読書程度ですますものです。利用の仕方で安眠妨害になりますので、簡単な仕切等を設ける工夫も考えておきましょう。 |
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2)寝室脇の書斎/研究・勉学・読書のための書斎
もっぱら勉学や読書のための書斎の場合は、寝室脇でもかまいません。 |
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3)情報センターとしての書斎
パソコンの普及で、書斎でも必需品になりました。インターネットを介して得られる情報や各種利便性は計り知れないものがあります。日常生活の事務作業と完全に一体になりますので、主婦、キッチンとの関係が濃密になってきます。
プリンターが必要になりますから寝室脇には適していません。居間やキッチンに面したところに設けるのが鉄則です。ユーティリティ機能の事務作業が膨らんだ部屋と考えれば良いと思います。
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3.書斎設置の注意点
1)構造荷重
書籍類はかなり重量があるので、蔵書数が極端に多い場合は床補強が必要になります。量によっては、1階に設けた方が良い場合があります。
住宅の床の耐荷重は、180kg/uですから、スライド式の書架や移動書架の場合、1t/u程度に耐える床設計が必要になります。 |
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2)室内環境
SOHO等に利用する場合は在室時間が長くなりますから、できるだけ良い環境になるよう位置を選びます。 |
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3)コンピューター対応の環境
・PC画面への写りこみ防止のため、窓にはブラインドを設けるのがベストです。
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3.書斎の設備
1)空調設備
基本的には専用の空調機が必要になります。 |
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2)電源設備
パソコンの電源は、独立回路にします。またSOHO対応の場合は、全ての機器の消費電力をチェックし、予備電源も含めすこし多めの専用回路を設けます。 |
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3)照明
読書の場合は全般照明に加えて、タスクライト(照明スタンド類)で手元を明るくします。パソコン回りは、あまり明るいと画面が見にくくなります。 |
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4)通信設備
最低電話が欲しいところです。パソコンを置く場合は、ISDN回線、さらにSOHOの場合は、電話、FAX、インターネットが必要になるので、最低2回線の電話回路が必要になります。家庭内LAN構築の場合は、無線LANが便利ですが、鉄筋コンクリート造の場合は電波が届きにくくなりますので、予め専用配管を用意しておきます。 |
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