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  2005年3月
   玄関ポーチの作り方


 玄関ポーチは、来客者を迎えるだけでなく家族の送り迎えの場として重要です。古い住宅は、玄関の構えをきちっと形づくって、家の格式や構えを構築していました。最近良くみかける住宅の玄関ポーチは、庇があるだけの素っ気無いものが多いのは、何故でしょう。安藤忠雄の住吉の長屋のように、一面のコンクリート打ち放しの壁の真中に玄関ドアがポツンとあるような建築表現は、卓越したデザイン能力によって、建物の顔と足元空間と玄関先が極限にまで凝縮された、詩情性さえ感じられる傑作だと思いますが、がさつな環境、無造作に置かれるメーター類、ひどい場合は空調室外機ががんがんうなる玄関先では、とても住まいの顔と心地よく客人を迎えるこころを表現しているとは言えません。
 玄関ポーチは、面積的には小さなものですが、設計段階で良く話しあって、小さくとも豊かな空間にしたいものです。




1.基本的な考え方

1)迎える工夫

 迎えるこころを現し、待たせる客の心情を考えた工夫が必要です。
 玄関ポーチは、家族や客を迎え、見送る場所です。また来客者は、ここでしばらく待たされます。待つ時間を長く感じさせない工夫が必要です。

2)機能的に必要なもの

 玄関ドアが雨に濡れないだけのスペースが必要です。1坪くらいあると良いでしょう。その分の庇または屋根も必要です。屋根(庇)は、あまり高いと雨が吹き込みますから、2m20cm位から、2m40cm程度に押さえます。
 木造では、1〜2段上げることになりますが、、バリアフリーを考え、スロープで上げるかスロープを併設すると良いでしょう。 雨の日のために庇や屋根が必要になります。

3)一歩進んだ玄関ポーチ
 住まいを訪れるの人は様々です。御用聞き、隣人、友人、仕事で訪れる人、宅配業者等。その中で、隣人の扱いが課題になります。ちょっとした立ち話をしている光景がありますが、昔の家はそうではありませんでした。縁側があったからです。広く開いた縁側は、様々な用途に逞しく耐え、内部と外部を繋ぐ接点としての機能を持っていました。玄関先での立ち話が寒々しい印象を与えるのはそのためでしょう。
 玄関ポーチは、ゆとりをもって作り、ちょっとしたテーブルと椅子を置いておくと、豊かで暖かな暮らしが見えてきます。




2.具体的な手法

1)演出

 来客者の目を楽しませる樹木や鉢植え等で目の置き場を作ります。小物を置いても良いでしょう。

2)仕上げ材料

 ポーチの床には、石やタイルを使いたいところです。壁仕上げも他の部分より少し良い材料を選びましょう。

4)造作・備品類

 門がなければ、メールボックス、傘立て等が必要になります。庭の手入れや車の清掃等に必要な備品の収納は、玄関先では避けたいものです。

5)設備機器
 門が無い場合は、ポーチに各種機器を設置します。チャイム付きのインターホンは、テレビカメラ付が便利です。照明は、鍵穴付近が明るくなるようにブラケット照明にします。天井照明+ブラケット照明にする場合もあります。
 センサーライトも防犯上有利になります。

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