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  2005年3月
   居間(リビング)の作り方


 居間のあり方は、住まいを考える上で最も大切な、住まいのへそになる部屋です。居間をどう作るかが、実は住まいづくりの成功・失敗を左右する大きな要素になります。


1.居間は家のかなめ
 リビングは、家族の生活の中心になる場所です。主婦は、家事の合間にリビングでくつろぐでしょうし、老夫婦などはここに居る時間が最も長くなります。主人が、勤務先から帰ってくつろぐ場所です。たまに友人達を呼ぶ場合は、ここがパーティー会場になります。時間をかけて使い方を良く考え、気持ちの良いリビングにしたいものです

1)居間での行為

 独立した居間で行われる行為は、団欒、くつろぎ、コミュニケーション、接客、簡単な事務作業、昼寝、読書、アイロンがけ、書き物、編物、裁縫、ごろ寝、子供の遊び場・学習、ゲーム遊び他様々です。様々な利用用途に対応できる工夫が必要になります。

2)居間のスタイル

 どのようなスタイルになるかで作り方も変わります。平面図に家具を書きこむのがこつです。一般的な対面ソファー形式は少なくなっています。L型のソファー形式、建築的に段を作って椅子代わりにする段状リビング、掘りこたつ風、クッションだけを使ってのごろ寝リビング等。また、一角にタタミの小上がりを設けて、和室の良さを利用する方法もあります。
 建築的に作りこむと、何かの臨時利用の際困ることもありますから、利用のしかたのパターンを考えておきましょう。

3)居間(リビング)の位置

 リビングの位置は、端部に設けると独立性が高く落ち着いたスペースになりますが、階段とともに建物中央寄りに作ると他室との関係が深くなり、また廊下を最短に作ることなどのメリットがでてきます。建物規模にもよりますが、中央寄りにするのがこつだと思います。




2.他室との関係

1)接客機能の独立
 接客機能を独立させ、ファミリーリビングとプライベートリビングに分ける場合は、かなり大型の住まいでしょう。

2)吹き抜け利用

 居間を吹き抜けにすると、居間の位置付けが明快になります。水平・垂直の要となって、全ての諸室が居間を中心にした構成にできます。この場合の階段は、居間内に作るのがより効果的です。

3)食堂

 食堂と一体にすれば、リビングダイニング(LD)やリビングダイニングキッチン(LDK)になります。室内がより広くなるので、大半がこの形式を採用します。
 食堂との関係は、食堂とキッチンの関係と同じように、空間の連続性のありかたで無限の可能性があります。食堂をすこしコーナー的に扱うと落ち着いた雰囲気になりますが、大人数のパーティーの場合などでは、一体型にしておくと便利です。





4)キッチン

 子供が小さな時など、オープン型キッチンまたは、対面キッチンが子供の様子を見ながら作業できます。いずれの場合も匂いや不意の来客を考えて、目隠しの工夫をしておくことも考えます。

5)書斎

 書斎は、主人の書斎であれば寝室脇が最も落ち着く場所ですが、主婦と共有する書籍類や文具等も沢山ありますから、本当はリビングの脇が最も使い易いと思います。主婦の書き物は簡単なものであれば、大き目のダイニングテーブルにして利用することもできますが後片付けをこまめにしないとテーブル周りが雑然としてしまいます。

6)階段

 子供とのふれあいを考えて、居間内に階段を設ける場合がありますが、来客が多い住まいの場合は、少し煩わしくなることもあります。また、空調容量もかなり大きくなりますから、一般には、居間の近くに設けるのが良いでしょう。

7)外構との関係

 1階にリビングを設ける場合は、窓先にテラスや庭、中庭等を配置すると、天気の良い日は一体的に利用できます。
 2階の場合は、大き目のバルコニーやテラスを設けましょう。



3.演出

 ちょっとした飾り棚やサイドボード類が考えられます。食堂と兼ねる場合は、空間の独自性を考えて低い収納でエリア分けすることも良いでしょう。
 窓を大きくとったり、庭の植栽や草花を良く手入れして、風景としての庭を造ることもできます。
 空間構成を重要視して、スキップフロアー形式にしたり吹きぬけを作ったりして、空間性や室相互の関係性を重視する構成も可能です。



4.収納

1)居間の収納物
 居間に収容すべきものは沢山あります。特に主婦は、キッチンについでここにいる時間がかなり長いですから、家庭の多くの生活関連書籍や医薬品、文具、備品が置かれます。住所録、年賀状ファイルを始めとして地図類や辞書、銀行・保健関係書類、各種申請・納付書類、各種契約書類等が考えられます。音楽好きの方で居間にステレオを置かれる方は、CDの量だけでも相当量になります。ビデオテープに悩まされている方も多いでしょう。見せるものを除き、収納にはなるべく扉をつけましょう。
 設計段階に内容物の調査を行い、適切な収納設計を行います。
2)定期的な整理と廃棄
 これらは、増えることはあっても減ることはありませんから、定期的に整理し、日常的にあまり使わないものは、納戸に収容するか割り切って捨てることも大事です。
3)専用書斎の設置
 最近はパソコンを複数お持ちになる家庭が増えてきましたし、プリンターやFAXが居間に居座ると、ケーブル類もあらわになってあまり、良い環境にはなりません。スペースに余裕があれば、隣接して書斎(=ワーキングスペース)を設けることをお勧めします。リビングにはノートパソコンを置いて、ワイヤレスLANで繋げば、上記生活書籍や備品の多くを書斎に置くことができ、居間周りがかなりすっきりするでしょう。主婦の事務作業もここですれば良いことになります。スペースに余裕が無い場合は、必要な収納を居間内に用意することになります。
4)ピアノ
 ピアノは、遮音環境の整った音楽室に設置したいところですが、生活の一部になっていれば、居間に置くことも考えられます。




5.設備計画


1)空調・暖房

 エアコンは、通常窓側に設けます。部屋が大きい場合は、複数台設置します。床暖房は特に吹き抜けを設けた場合は、不可欠になります。

2)照明計画

 リビングは、利用形態が様々なので、利用状況に応じた点滅ができるようにしなければなりません。居間の片隅でひとりで本を読んでいるのに部屋全体を明るくしていたのでは、もったいないと思います。
 部屋をいくつかのゾーンに分け点滅するのが基本です。ダウンライトで全般照明を行う際も点滅分けは必須です。スポットライトで局部照明を行ったり、フロアースタンドやテーブルスタンドも有効です。
 利用パターン毎にどの器具を点灯すれば良いかを考えておきましょう。テレビを見るだけなら、ダウンライトだけでも十分に機能します。
 白熱灯は効率が悪いのですが、調光できるので、リビングでは良く用います。
 スイッチ類は、入り口脇に集中設置し、数が多い場合は、スイッチ毎に名前を入れてもらいましょう。

3)テレビ・電話計画

@テレビ
 設計の仕方にもよるのですが、家具配置とテレビの設置位置も設計段階で良く考えておきます。複数位置が考えられる場合は、複数のアウトレットを用意します。衛生放送と一般放送用に2口必要になります。
 最近売り出されている壁掛けテレビの場合は、取りつけ位置を決めておきます。
 まだまだ高いのですがプロジェクターを用いたホームシアターを導入する場合は、プロジェクターとスクリーンの位置を決めて置きます
A電話・FAX
 電話の位置も予め決めておいた方が良いと思います。合わせて専用電話台も考えます。最近は、親機をキッチンに置き、子機はコードレスで居間におくというやり方も増えています。
 ISDN回線を利用して、電話とFAX、インターネットを利用する場合は、3機能の同時使用はできませんので、いずれかの1つが犠牲になります。

本ページは、作成者が20年間の建築設計監理の業務を通じて得た情報と経験をもとに作成したものですが、不具合やご意見・ご要望がございましたら、お手数ですが下記までご連絡下さい。
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