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  2005年3月
   通風・自然換気・計画換気


 私達の先人達は、通風の天才でした。湿気の多い日本の気候に合わせて長い間に培われた知恵が、民家に凝縮されています。
 ところが現在の住宅は、アルミサッシュや堅牢な壁によって、気密性や断熱性が良くなったためエアコンに頼って、夏涼しく冬暖かいのがあたりまえになってしまいました。
 しかし、通風の良い設計を行えば、夏でもかなりの期間をエアコンに頼らずとも気持ちの良い涼を得ることができます。問題は、冬の夜の寒さです。やっと計画換気の考え方が住まいに導入され、今、断熱・気密は大きな転換期を迎えようとしています。




1.自然通風の意義

1)省エネルギー

 断熱と通風に工夫された家は、夏場でもエアコン利用は少なくてすみます。自然の力を利用して、暑い夏を乗りきりましょう。

2)人の健康

 通風によって自然な換気が得られ、化学物質に汚染された室内空気が新鮮な外気に入れ替わります。
 ダニやカビは、鼻炎などの原因になります。通風によって発生を押さえることができます。

3)住まいの健康

 カビは、木造建築の大敵です。通風によって、発生を押さえましょう。

4)精神的充実感

 室内を外気に開け放つことによって季節の移り変わりや、風や小鳥の声を楽しむことができます。



2.通風の良い家造り

1)通風の基本
 風の入るところ、出るところを作るのが基本です。

2)隣地との関係

 隣地との間は、あまり狭くしないようにして風の通り道を作ります。

3)全体構成の工夫

@風の道を作る
 風の抜け道を作ることがポイントになります。廊下には、できる限り窓を設けて抜け道を作ると効果的です。
さらに階段室を間取りの中央に設け、垂直の抜け道にして、際上部に換気窓を設けると、水平垂直の風の流れができます。
A中庭やライトコートの効用
 中庭を作ると各室の外壁面が広くなり、窓が作り易くなります。また中庭が風を誘引作用を助けてくれるでしょう。

4)各室の工夫

@二つの窓
 各室には、できれば窓を2つ設けます。
A窓の配置
 窓の平面的な位置は、風のよどみが少なくなるよう出きるだけ対角またはか対面させます。
B上下の風の通り道
 トイレなどの狭い室や、吹き抜けなどの天井が高い室は、上下に窓を作るとより効果的です。
Cドア廻りの工夫
 これにドアからの流れを加えれば完璧です。ドアは、開け放っても良いような、平面的な工夫も必要です。ガラリや欄間を付けても多少の効果が得られます。
D雨の日の工夫
 雨の日のことを考える場合、窓先には庇をつけます。



3.通風・自然換気の弱点と計画換気

 通風・自然換気は、日本の家屋の原点です。関東以西に地域では、通風の良い住まいは、冬を除けば実に快適になります。しかし、冬の夜の寒さや天気の良くない冬の日中だけは、自然通風はしないで閉じることになります。室内の換気は、浴室やトイレ、キッチンの排気ファンで室内が負圧になるために、壁やサッシュの僅かな隙間から室内に流れていくことになります。これが、換気における現代の代表的な住宅像です。

1)通風・自然換気のジレンマ

 自然換気に頼った従来型の住まいは、春・夏・秋の3季は極めて快適にすごすことができます。しかし、夏の一部と冬の夜、天候の良くない冬の日中では、冷暖房に頼らざるを得なくなります。冷暖房しながら水周りのファンを動かし、換気小窓やサッシュの僅かな隙間から外気を導入します。
 その際以下の3つの問題があります。
@安定した換気量が得られないために、エネルギー効率の管理が困難になってしまいます。
A場合によると換気量が不足し、化学物質過敏症の発症にさららせる危険性を含んでいます。
B冬の室内温度がどうしても偏ってしまい、廊下やトイレの温度が低温になりがちで、寒い思いをするだけでなく、脳血管系の疾病の引き金(クールショック)にさらされる可能性が高くなります。

2)計画換気の意義

 前項の@Aについては、外気の取り入れ口と最終的な排気口を適切に配置し、有効な換気量を確保する必要があります。また、Bについては、有効な暖房装置を設置することで対処します。
 機械の手を借りて、部屋に応じた適切な換気計画を行うことは、実は計画換気そのものです。エネルギー利用の適切化と室内空気汚染の管理のためには、どうしても必要になるものです。


3)鍵は高気密・高断熱・計画換気住宅に

 さらに、前々項Bの解決策は、多くのエネルギー使用を伴います。実際に利用するのは僅かな時間なのに、昼夜エネルギーを浪費することになります。
 この課題を解決する方法は、出きる限りエネルギーロスの少ない住まいにして、エネルギー使用量そのものを減量するてだてが必要です。
 高断熱・高気密・計画換気住宅がこの問題を解決してくれます。


本ページは、作成者が20年間の建築設計監理の業務を通じて得た情報と経験をもとに作成したものですが、不具合やご意見・ご要望がございましたら、お手数ですが下記までご連絡下さい。
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