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  2005年3月
   色彩計画の基礎知識と手順


1.色彩の基礎知識
 色彩には、好き嫌いがありますが、テーマを決めテーマに従って大きな部分から小さな部分へと順番に考えて行けば、自然に決まっていくものです。また、適材適所に選定された材料には、限られた色しかないものもありますから、取り合わせを考えていくと自ずと絞られていきます。以下、色彩に関する知識と、住まいの色彩計画に関する手順と注意点を列挙しました。

1)色の構成要素

@明度:色の明るさの程度
A彩度:鮮やかさの程度
B色相:色合い

2)単一色彩の性質/人に及ぼす心理作用

@寒暖感/赤や黄色は暖かく感じる(暖色)
    /緑や青は涼しく感じる(寒色)
A軽量感/明るい色ほど軽く、暗い色ほど重く見える
B硬軟感/彩度が高く明度が低いと硬く、パステルカラーなどは柔らかく見える。
C強弱感/暖色系の彩度の高い色は目立つ

3)色彩のまとめ方の形式

@対比と類似
Aバランスとプロポーション、黄金比
Bリズム
C調和

4)色彩と風土

 色彩の学術的形式とは別に、国々や地方には、各々の文化・気候・風土に応じた独自の色彩形式があります。多くは素材自体の色彩に依存しています。外部の色彩を考えるときは、周辺建物を良く観察し、環境に調和した色彩を選定するよう心がけましょう。

5)色彩、色の配置、素材感、建築を構成する要素

 建築の色彩計画は、単体の色を検討する行為ではなく、素材の選定や素材が持つテクスチャー、それらの組み合わせ、それが用いられる部位とも深く関わります。



2.住宅の色彩計画

1)色彩計画の手順
@テーマを決める。
 明快なテーマを決めておくことが大切です。テーマが色彩の方向性を明らかにしてくれます。好き嫌いで決めると全体がばらばらになったり、返って迷ってりしてしまうことがあります。
A外壁の素材、色を決める。
 外壁の色彩と色は、内部にも大きく影響するでしょう。内外の印象が全く異なるデザインもあるでしょうが、テーマに従えば一連の流れが生まれるでしょう。
B内部の基準色
 内部の壁・天井の基準色を決めておくのがこつです。子供部屋や和室等の部屋は特別な扱いで考えるのが普通ですが、あまり室毎に変えていくと、建具や枠周りの仕分け(見切りと言います)が大変に面倒になります。また将来のリフォーム時にも障害となります。
C色数の少ないものを押さえる
 色数の少ない材料を最初にピックアップしておきます。塗装やビニールクロス等は、様々な色彩がありますが、自然素材の多くは色彩が限定されます。少ないものの内容を押さえておき、総合的にまとめていきます。
D雑物の色彩を押さえる
 造作や衛生陶器なども偏った傾向があります。予めサンプルを調べておき候補を絞ります。

E候補の選定

 適材適所に選ばれた床の素材に応じて、いくつかの色候補を選定します。
F室別の検討と候補の絞込み
 室毎に検討し、迷いがある場合は、2案位に絞ります。
Gパターン(模様)の作り方
 パターンを作る場合(タイルや石など)は、パターン図を作り見え方を確認します。
G見え方のチェック
 設計者の場合は、間取りと選定された材料からある程度実際の見え方をイメージすることができます。必要に応じ室内パース(またはスケッチ)を描くこともあります。 

2)住宅の色彩計画にあたっての注意点

@面積効果
 色彩には、面積効果という性質があり、同じものでも小さなものより大きなものほど明るく見えるので、サンプルを用いて検討する時は、補正が必要になります。
A面を構成する色彩の注意点
 面を構成する要素(壁・天井)は明るめの色を選定する。純白に近い壁にしている住宅を見かけるが、明るく見える一方、他の部位とコントラストが付きすぎてグレアを感じることがあるので注意します。純白より少し明度を落すのが落ち着いた室内にするこつです。
B防汚性
・床材
 床材は汚れやすいので、素材の選定と合わせて明るい色は避けるようにします。
・巾木
 幅木の部分(壁下で足先や掃除機の先端が当たる部分)はなるべく汚れにくい素材と色を選びます。
・腰
 壁の下の部分(腰と呼ぶ)は、手に触れたりイスに当たったりするので、明るい壁より少し濃い色にしたり、別の汚れにくい堅牢な素材を選定すると実用性が高くなります。
・柄やテクスチャーの持つ機能
 柄やテクスチャーは、単にデザインが目的であるのではなく、汚れが目立ちにくいという目的があります。 
C色の反射
 強く光の当たった部分の色は、その他の薄い色彩の部分に反射します。
D乱反射
 カーペット類のように表面のテクスチャーが複雑なものは、表面での光の乱反射によって見る角度で色が薄くなって見えます。
E原色の使い方
 原色はなるべく避けましょう。ただし、アクセントとして部分的に彩度の高い色を用いる場合は、効果があります。
F総合的に考える
 家具類や家電製品も合わせて、同時に検討するようにします。 

3)外部色彩の代表的事例
/事例写真収集中
本ページは、作成者が20年間の建築設計監理の業務を通じて得た情報と経験をもとに作成したものですが、不具合やご意見・ご要望がございましたら、お手数ですが下記までご連絡下さい。
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