門屋総合設計  〒224-0006 横浜市都筑区荏田東4-37-22 TEL 045-948-3007
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2005年3月
   住まいづくりの手順

1.住まいづくりのフロー

準備  敷地を探し、建設可能なボリュームと資金計画をたてる。
任意
  ↓
基本計画  大まかな間取りと空間構成をたてる
1〜3ヶ月
  ↓
基本設計  外壁・外構・全体共通事項・次項に各室の詳細条件をまとめ、間取りにフィードバックする。
1〜2ヶ月
  ↓
実施設計  基本設計でまとまった詳細条件によって、詳細設計図を作成する。
2〜3ヶ月
  ↓
建築確認  実施設計図に基づいて建築確認を行う。
1〜2ヶ月
  ↓
工事発注
・調整
 業者を選定し、見積り依頼を行う。見積り内容を査定し、必要に応じて、ネゴシエーションを行う。
1ヶ月
  ↓
工事  設計図に基づいて工事を行う。工事期間は、設計内容によって異なる。
  ↓
竣工検査
引渡し
 所轄行政による竣工検査を受ける。処置が終わったら引渡し手続きを行う。
  ↓
入居  引渡し手続きが完了すれば、入居できる。




2.住まいづくりの準備

1)基本計画のための準備
 土地をすでにお持ちの方は、ここからスタートします。まず、住まいのイメージを作ります。モデルルームに行ったり、住宅雑誌を眺めたり、ショールーム巡りをしたり、ホームページを見たり、様々な方法が考えられます。気にいった写真や図面などがあったらまとめて保存しておきます。もう1つの方法は、希望するイメージを簡潔な言葉で書きとめて置く方法です。これは意外に有効です。以上の作業ができていれば、基本計画はかなり短期間で完了するはずです。もしスケジュールが厳しかったり、どのようなスケジュールになるかも解らない時は、早めに設計者を探し、基本計画と同時進行することも考えましょう。

2)資金計画

 資金計画は、住まいづくりのもうひとつの原点です。次項に概要をまとめてあります。この段階で、投入できる建設資金を概ねつかんでおきましょう。

3)土地探し
 土地購入はやっかいです。土地に関わる様々な属性を見落とし無くチェックする必要があります。そのため、できればこの段階から設計者に関わってもらうと、専門的な立場から様々なアドバイスが得られると思います。焦りは禁物です。首都圏では一般に建物より土地代の方が高いですから、時間の許す範囲内でじっくり検討して下さい。



3.基本計画(構想)

1)基本計画とは
 基本計画とは、概ねの間取りと建物の全体構成を決める作業です。(基本)構想企画という場合もあります。まず、敷地条件を整理することから始めます。次にその敷地条件に基づいて、建築可能な建物のボリュームが定まり、住まい手の具体的な種条件・要望を聞きながら、概ねの間取りと建物の外形をつくります。この段階で住まい手自ら間取りを描かれることがありますが、あまりお勧めしません。その理由は、与えられた敷地に関わる法律条件のチェックが必要ですし、1度間取りができるとそれにとらわれる(設計者も含めて)傾向があるからです。白紙から始めてイメージを設計者に伝えるのがベストです。
基本計画に必要な図面:平面図、断面図、立面図
・基本計画には十分時間を費やし、住まい方のイメージとテーマを確定した方が良い。

2)設計者との情報交換

 気に入った設計者がみつかったら、いよいよ専門家による作業が開始します。設計者が基本プランを作るためには、住まい手の家族構成や生活実態、様々な住まい方のイメージ、室毎の条件等、できる限り詳しい情報が必要になります。時にはかなりプライベートなこともお尋ねしますが、設計者には、弁護士同様守秘義務があるから心配いりません。設計は、設計者がする行為ではなく、住まい手と設計者が共同で行う行為(コラボレーション)です。

3)条件交換のためのツール

 門屋総合設計では、基本計画に必要な住まい手の条件や意向を漏れなく的確に捉えるために『基本調査シート』(7部構成)を用意し、コミュニケーションを確実にします。これに記入する事は、それなりに労力のいることですが、設計作業に不可欠なものです。断片的な情報でもかまいません。それらを分析しながら再構築して基本計画を提案します。また、受領した基本調査シートは、門屋総合設計で内容を分析し確認した上で作業にかかります。
   
   基本調査シート @基本条件調書 
           A敷地調査書
           B家族調書
           C生活調書
           D要望調書
           E室別調書
           F家具調書

4)家具配置

 また、この段階の後半には、家具配置まで提案します。家具配置をすると、空間のイメージや使い勝手、生活のあり方が見えてきますし、室面積の妥当性が検証できるからです。

5)スケジュール管理

 スケジュールは、『総合工程表』によって管理します。完成予定から逆算し無理のないスケジュールを提案します。スケジュールがタイトな場合は、詳細工程表を作成し厳密な管理を行います。いつの時点で何を決めなければならないか、具体的に明示し、円滑に推進して行きます。

6)コミュニケーションのツール

 イメージ写真、建物実例写真、間取りの実例等を利用して、建物イメージの共有をはかります。

7)地盤調査のすすめ

 空間構成は、この時点で90%決まります。状況により地盤調査をお勧めする場合があります。建築物の構造は、地盤条件が基本になるからです。



4.基本設計

1)詳細条件の確認
 基本計画に基づいて、各室の使い方を検討します。一室一室じっくり検討して行きます。家具や各種設備機器、家電製品の配置をしておく必要があります。現在住まい手が所有している家具類のリスト(『家具調書』)を作り、新居のプランに反映します。新規購入か廃棄かのアドバイスも行います。また、造り付けとするか否かもここで決めます。外部の植栽のイメージ、カーテンやブラインド、置き敷きカーペット等の条件が揃えば、これに引越し費用を加え、建設に関わる全体費用が見えてきます。住まい手が直接発注する工事の場合も可能な範囲でお手伝いします。
 門屋総合設計では、室毎に『室別調書』を用意し、丹念に条件を整理していきます。室毎の各部仕上げ、設備機器、その他の必要事項をシートの設問に従って記入すれば、簡単に完成します。
基本設計に必要な図面:平面図、立面図、断面図、各部仕上表、雑工事リスト、各室与条件表

2)機能別確認
 
基本設計は、住まい手側が深く関わる重要なプロセスです。実施設計に向けての諸条件をくまなく整理できれば、90%は完成したようなものです。設計者側からは、条件表に基づいた室別条件とは別に、機能毎に総括的な計画案が提示されます。例えば、照明計画やコンセント配置、建具の仕様やカギの計画などです。

3)コミュニケーションのツール

間取りや外観、各部の材料等が概ね定まると、着色立面図、スタディ模型、カタログ、材料見本等を提示したり、スケッチを描きます。契約条件によって、専門家による模型やパースを製作し、出来上がりの確認を行います。



5.実施設計

1)実施設計とは
 基本設計に基づいて、実施設計を行います。実施設計は、実際に建物を建てるための詳細な設計図を作成し、精度の高い積算と工事をするために不可欠です。
 また、基本設計段階で整理された様々な条件に対して、実際に詳細図を書いていくと数多くの矛盾や課題が発生します。それらをひとつひとつ検討し、地道に解決策を見出す作業です。
 門屋総合設計では、建築的な造作家具だけでなく、置き家具の設計も行います。特注の置き家具の製造業者の情報は、幅広く持っておりますからお任せ下さい。設計図がまとまれば、発注業務代行も行います。

2)詳細条件の再確認

門屋総合設計では、基本設計の最終段階または実施設計の初期段階で、再度基本設計内容の確認を行います。設備・電気の機器やアウトレット位置の配置などを再確認し、ミスを防止します。

3)情報交換の方法

情報交換は、面談が基本ですが、実施設計の後半は、設計者側の作図中心の作業になります。この時期は、設計者の作業負担が増大するため、簡単なことはメールの利用をお勧めします。

4)変更・見なおしの対応

住まい手側で、基本設計段階で積み残したものがあったり、新しいアイデアが出て来ることもありますから、なるべく早いうちに遠慮無く設計者に伝えておきましょう。特に間取りの変更は、その後のスケジュールに大きな悪影響を与えます。もし、迷いがあったなら、実施設計の初期段階までに再度設計者を交えて話し合い、結論を出しておきましょう。

5)業者選定・発注の方法

業者選定や発注方式について、早めに設計者と議論しておくことも大事です。発注方式には、見積形式として、特命方式(1社指定)、複数者を相手にする見積合せ方式や入札方式、請負形式の違いによって、一括発注方式・分離発注方式・部分材料支給方式等があり、それぞれに特徴があります。住宅では、一括発注で特命または見積り合わせを行うのが一般的です。



6.建築確認

 実施設計図面に基づいて、建築確認を行います。設計者側は、実用に応じて早い段階から事前の相談をしますが、まれに是正指導を受けることがあります。



7.工事発注・調整

1)工事発注の時期と方法
実施設計に基づいて、業者に見積もり依頼をします(見積合せ方式)。入札方式をとることもあります。本来、建築確認を終えてからのプロセスとなりますが、スケジュールが厳しい場合は、建築確認と並行してもかまいません。ただし建築確認に伴う指導結果を、必要に応じて追加指示する必要があります。
ネゴシエーション:設計者が建築主に代わって見積り内容の交渉を行うこと。

2)見積り査定

複数社に見積もり依頼する場合、かなりの較差がでるのが通例です。安ければ良いということではなく、見積書の内容を査定・吟味し、落ちや単価を是正し、適切な契約金額に導くことが設計事務所の仕事です。

3)見積り結果に基づく調整

まれに、予算が合わない場合もあります。その時は、発注方式や材料仕様を見直して予算に合わせます。



8.工事

1)門屋総合設計の工事監理
いくつかのセレモニーを経た後、工事が開始されます。門屋総合設計では、独自の『工事監理マニュアル』を用意し、それに基づいて、設計監理業務を行います。 

2)監理と管理

 ここで、余談になるかも知れませんが、面白くもない話を長々とします。設計と監理、工事と管理の説明が必要になります。建設省(現国土交通省)は、設計行為と設計者によるカンリ行為を以前から区別していました。工事と工事管理も同様です。組織事務所でも全く同じ考え方をとっています。その最も大きな理由は、設計行為をする者も、工事をする者も組織であるという点につきると思います。設計と設計監理、工事と工事管理の責任範囲が明快に定義されているというものです。ここで感の良い方は気がつかれたと思いますが、設計と工事のカンリの字が異なるのです。文字の謂れを調べてもあまり意味がないと思うので(私も知らない)、設計者によるカンリを監理と書き、施工者によるカンリを管理と書きます。これ以上この話を進めると何ページにもなりますし、ISOに繋がる面もありますのでこの程度でやめて、字が異なること、会話の中では区別がつきませんから『設計監理(者)』『工事管理(者)』と呼ぶのが業界の慣わしであることを覚えておきましょう。
 さらに面倒な話になりますが、住宅の場合、設計と設計監理の区別はされないことが多いと思います。同じ人格であることが多いからです。しかし、担当が異なる場合は、区別されます。その方が責任分担が明快になるからです。そのため、現場での全ての相談対象は、監理者を通じて設計者に伝えられるのが原則になります。
監理者は設計図通りに施工されるよう監理する立場にあり、設計内容のいかなる事も設計者の承諾なしに変更することはできないためです。
 もし、設計者との設計監理業務が締結されず、現場の監理業務を別の組織が受けた場合、その組織が監理業務の責任を負うことになります。
 ちなみに上記マニュアルは、工事監理となっています。これは、設計組織による工事の監理という意味があり、設計担当者による現場の監理とは区別しているためです。

3)総合図の作成

施工・制作に先だって、『総合図』を作成し、住まい手に最終的な確認業務を行います。総合図とは、平面詳細図と天井伏図(必要に応じて展開図)に設備機器をくまなくプロットしたものです。家具類も記入します。家具類と設備機器類の総合的な調整を行い、住まい手に確認するものです。

4)現場での変更について

良くあることですが、この段階に、住まい手側で少し変えたい部分があって、現場を見に行くとまだ大丈夫と思いこんで、しばらく考えた後、申し出るケースがあります。多くは設備工事がすでに行われていたり、関係する部分の工場手配が済んでいたりします。この段階で変更要望がある場合には、可能な限り早めに監理者に依頼してください。具体的な内容がイメージできない場合は、その旨を監理者に伝えておいた方が万全です。工事現場は、時間が勝負なのです。監理者を通じて、設計者はあらゆる手立てを考え対応しますが、全て良い結果が得られるとは限りません。

5)情報伝達のルール

まれに、住まい手から施工者に直接指示を出してしまって、問題が発生する場合があります。工事監理(業者のカンリは、管理と書きます。設計者によるカンリ者は、監理者、工事のカンリ者は管理者といいます。誤解を避けるために、カンリ(者)と言わずそれぞれ”設計”、”工事”を付け加えるようにします。)は、設計者が住まい手に委託されて行っていますから、法律的な責任は全て委託を受けた設計者にあります。施工者に直接指示をすると、責任の所在が曖昧になり問題が発生します。必ず設計者に伝えるようにしましょう。また建築は総合的なものです。建築を構成する要素は常に相互に関係があります。手戻り工事が発生しして無駄な出費をしないようにすることも大事です。

6)施工図・製作図・工事報告

総合図が定まると、『施工図』や『製作図』の段階に進みます。通常この段階になると、住まい手は関係ないように思われ勝ちですが、内容によっては、設計者から再度住まい手に確認します。
また、住まい手には、毎月の出来高や工事写真、現場での主要な出来事を書類にまとめた『工事報告書』が渡されます。

7)中間検査と引越しの準備

工事期間中には、行政による中間検査があります。
 この時期、引越し計画をたてておきましょう。家具配置図が役に立つはずです。



9.竣工検査・引渡し

 所轄行政による竣工検査の前に、設計者と住まい手による入念な検査を行います。その後に行政検査が行われ、指摘事項が是正され、検査済証が発行されると、引渡しの手続きがあります。
 引渡しの際には、引渡し書の他、鍵の授受、設備機器を中心としたの取り扱い説明書、建築確認の書類等がまとめて住まい手に渡されます。書類は、大切に保管して下さい。
 引渡しが終われば、入居できます。



10.入居

入居後は、次の点に留意しましょう。
@換気
しばらくの間、新築臭があります。また、ややもすると湿気が残っている場合があります。なるべくこまめに換気を行いましょう
A不具合について
竣工検査は万全な体制で行われますが、まれに見落としもあります。また何かの不具合があった場合は、設計者に連絡しましょう。
本ページは、作成者が20年間の建築設計監理の業務を通じて得た情報と経験をもとに作成したものですが、不具合やご意見・ご要望がございましたら、お手数ですが下記までご連絡下さい。
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