人生ゲーム
わたしはIT業界で働いていますが、基本的にアナログ志向です。長年、この携帯サイトを運営していますが、ケータイに特別の関心はありません。スマートフォンもiPadも所有していません。コンピュータゲームへの関心は薄く、DS、Wiiはやりません。特にやりたいとも思いません。息子にそうしたゲームを与えることは考えていません。先日、7歳になったわが息子――誕生日プレゼントは「人生ゲーム(タカラトミー)」です。
「人生ゲーム」――わたしが少年期の1970年代、一家に一つの「人生ゲーム」がありました。子どもがお家に集まれば、当たり前のように人生ゲームです。日本の子どもであるにも関わらずを扱うことで、根拠がない特権気分を味わいました。このゲームは子どもの隠れた個性をあぶりだします。しっかり保険に入り、後で損をしないコツコツ型。就職コース(今のバージョンにはありません)に進み、手っ取り早くお金を入れようとする刹那型。今から思えば、その子の将来を暗示するかのようです。
あれから40年たった今の「人生ゲーム」は、当時と趣が異なります。インパクトが強かった「貧乏農場」という終着点はありません。当時「貧乏農場」に行くことは、人生の負け組であり、子ども心に屈辱感を味わいました。そして「絶対、農民になんかなるものか」と、訳の分からない偏見と意思を持ちました。現実には「農民=貧乏」なる図式はありません。おそらく、こうした差別的用語は教育上望ましくないということで、排除したのでしょう。いまは「貧乏農場」は「開拓地」と表記されています。それは、正しい配慮かもしれませんが、所詮はゲームです。「開拓地」という抽象的な言葉より「貧乏農場」の方が面白いと感じます。そういった面から、今の「人生ゲーム」には、かっての魅力はありません。
そうは言っても、わたしが子ども時代に楽しんだゲームを息子が同じように楽しむのは、感慨深いものです。これから、電力供給が厳しい夏に向けて、会社はサマータイム制や長期休暇、場合によっては在宅勤務を実施するかもしれません。そうすると、必然的に家族と過ごす時間が長くなるでしょう。また、これは想像したくないことですが、放射能を含んだ雨が降れば、外出も出来ません。そんなとき、家族みんなで人生ゲーム親と子で顔を近づけながらのやり取りをするのもいいかもしれません。(2011/4)
●関連商品●
人生ゲーム
デザイン一新、6代目の人生ゲーム。大人といっしょなら6歳から遊べるので、小さな子どもでも楽しめる。「ジュニアステージ」と、「億万長者ステージ」があり、2つのステージを続けて遊べば、「生まれてから億万長者の土地」へ行くまでの人生を楽しむことができる。
←前へ
次へ→
Menu