4月号(No.1 2004年4月1日)


  ご入園おめでとうございます。

  15人の新入園児を迎えて今朝、2度目の入園を祝う会を行いました。昨年は100名を超す大人数で乳児と幼児の部に分けましたが、今年からは毎年こじんまりとした会になります。

  皆さんも数年前に経験なさったように、赤ちゃんが生まれて1歳のお誕生日を迎えるまでは何かと落ち着かず、熱を出したり、ミルクを受け付けなくなったり、中には毎晩の夜泣きにはほとほと疲れ果てた、と言う方も多くいらっしゃると思います。なれない育児のあわただしさに追われ、泣き笑いしながらふと気がつくといつしか子どもは乳児から幼児へと成長していた、なんていうこともあるのかもしれませんね。

  都筑ひよこ保育園は今日、満1歳の誕生日です。昨年の3月27日、一部に工事未完了の部分を残しながら建物の竣工引渡しを受け、4月1日、104名の新入園児を迎え入れての保育の開始でした。
  園児と保護者の名簿と写真を見ながら名前を覚えるので精一杯という状況でのスタートでしたが、子どもたちの元気と笑顔に励まされて、1年という時間の流れに何とか無事に乳児期を乗り越えたかな、と思います。今年度の1年間は119名(4月1日現在)の園児とともに都筑ひよこ保育園もよちよち歩きを経て、歩行の確立としっかりした大人の保育園としての歩みに向かってまいりたいと思います。

  今年度も都筑ひよこ保育園の歩みにご理解とご協力をお願いいたします。


                                              園 長 川上 初代



  乳児フロアは12名の新しいお友達を迎えました。昨日31日は、進級のお祝いと卒園や転園するお友達のお別れを全園児で行いました。一つずつ大きなクラスになる子ども達には、素敵な進級メダルのプレゼントがあり、皆ニコニコ顔でした。その後は、おいしいイチゴのショートケーキでにぎやかなパーティを楽しみました。進級した子ども達は、へやが変わったり、先生の顔ぶれが変わったりしたことでしたことでしばらくは緊張しているかもしれません。この間は少しゆっくりした生活が出来るとよいかもしれませんね。小さい子どもは緊張や疲れが発熱になったりしますので、保護者の方が気をつけてください。
 初めて保育園に子どもをお預けになる保護者の方は、色々心配もあるでしょが、子どもの集団は子どもにとってとても楽しい場所ですし、私達職員もそのような場になるように努力していきます。困ったこと、心配なことを一人で悩まずに声に出して下さい。保護者の方と気持ちを合わせて子どもの成長を関わり、明日も来たくなる楽しい生活を子どもと一緒につくっていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

                                              乳児主任 島田 有子


  ひよこ保育園も1年が過ぎ、先月27日に、行なわれた“卒園を祝う会”には、在園児代表としているか組が参加して、11名の子ども達がひよこ保育園を、元気よく巣立っていきました。そしてひよこ保育園に、2度目の春がきてみんなひとつ大きなクラスになり誇らしげな表情です。新年度は、いるか組に二人の新しいお友達、くじら組にも、一人のお友達を迎えて、幼児は67名でのスタートとなりました。今までの生活の中でもクラスにこだわることなくたくさんの友だちや先生達と関わってきたので大きな混乱はないようですが、それでも、子ども達にとっての4月は不安や戸惑いもあるかと思います。去年一年間そうしてきたように、今年もゆっくり、じっくりと子ども達と関わりながらと過ごすことができたらきっと、楽しい一年になる事と思います。どうぞ、よろしくお願いします。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  5月号(No.2 2004年5月6日)


  鯉のぼりをかたどったミートローフに「あーっ、おさかなだ!」との歓声。「中庭の鯉のぼりがこのごろ居なくなっちゃけど、これになっちゃったのかしら?」と、保育士。「違うよ。あのこいのぼりはMちゃんがたべたんだよ」。そんな会話を楽しみながらのランチはとてものどかで、ほほえましく、屈託ない笑顔に囲まれていると保育者冥利に尽きる気がします。

  4月30日、一足早いこどもの日のお楽しみ会を催しました。暮れのお楽しみ会同様にクラスの枠を外しての異年齢保育の日です。散歩に行くため、グループごとに違う色の帽子をかぶり「なんか、いつもとは違うぞ」と小さなはとぽっぽぐみやうさぎぐみの子どもたちの中には、わくわくした様子の子とちょっと不安げな表情を浮かべた子がいましたが、保育園に戻ってきた時には皆、おにいさん、おねえさんとしっかり手をつないで満足げな表情をしていました。

  都筑ひよこ保育園では「みんなの大きなお家」と言うイメージの元に保育を進めていますが、それは「平和で暖かな、心と体がほっとする家庭」、「いろいろな世代、年齢、性別の人が安心していられる家庭」という家庭のあるべき姿が土台になっています。家庭の中でお互いに分かり合っているように、(今の時代はそれも難しいこと・・・?)保育園の中でも子ども同士、おとな同士、またすべての子どもとすべてのおとなが知り合い、仲良しになれることを大事にしています。 

  また同年齢ばかりの仲間とのかかわりでつまずいたり、伸び悩んでいるとき、年上のお友達にくっついて遊びをまねたり、小さい子の面倒を見たりするうちに、自分の力で解決の糸口を見つけられるようになることがたびたびあるのは、多くの優れた保育実践報告の証明するところですが、ひよこ保育園でも経験豊かな歴史のある保育園の実践に学び、子どもたちがより充実して過ごせることを願って、時々、兄弟のような関係を味わえる異年齢(たてわり)の保育にしています。そして、子どもたちの笑顔からみて、とても有意義な保育の試みと感じていますので、今後も時々行っていこうと保育士たちは一生懸命あれこれ保育のメニューを考えています。

  先日、某生命保険会社主催の「サラリーマン川柳コンクール」入選作が発表されたそうです。2位の作品はわが保育園の駐車場にも書かれているので苦笑したのですが「『前向きで』駐車場にも励まされ」だそうで、ちなみに1位は「『課長いる?』」返ったこたえは『いりません!』」そういわれないように園長もがんばります。

                                              園 長 川上 初代



こどもの日に思うこと
  4月末に保育園のこどもの日を楽しみました。0才児はいつも通りの生活でしたが 1、2才児はお兄さんお姉さんと一緒の半日を楽しみました。当日は暑いくらいの陽気だったので、園に帰った時にはみんなお風呂上がりのような顔でしたがなんだかみんなにこにこ顔でした。お楽しみの一つはグループごとの食事で、 2種類の味についたご飯を手巻きのようにのりで巻いて食べました。まだ自分では出来ない小さい子の分を大きい子がやってあげ、それを食い入るように見ている様子は、大家族の頼りになる上の子と小さい子といった風景でした。大皿の鯉のぼり型ミートローフは自分で食べる分をよそいました。この時とばかりに付け合わせのプチトマト好きなだけ食べた2才児のT君の満足そうな顔、何度もお肉のお代わりをして大満足のUちゃん、小さい子の面倒をあれこれ見たからでしょうかいつもにもましてお兄さんぶりを発揮していた5才児のK君、それぞれがとても楽しい時間だったようです。

  今の時代、子ども達は物質的には恵まれ、大事にされ一年中がこどもの日であるかのような状況もあります。 しかし一方では子どもが子どもらしく育つ環境はどんどん悪化しています。保育園はそれぞれも子どもの出番がたくさんあり、子どもが子どもらしく元気に育っていく場でありたいと、改めて思います。

                                              乳児主任 島田 有子


子ども達のようす
  「おはよう!」と元気にかけよってくる子もいれば、泣かないまでもなんとなく不安気な表情な子、しがみついて泣いている子と朝の顔は皆さまざまで、もちろん、一日中泣いて過ごす子はいませんけれど、出勤前に泣いた姿を見てしまうと保護者の方にとっては、その日一日気にかかることでしょうね。新年度も一か月が過ぎ、ゴールデンウィークも終わり いよいよ本格的に活動開始!といったところでしょうか。先日、保育園では少し早い“子どもの日”をみんなで楽しみました。、各クラス4名程のグループに分け、1歳児から5歳児の異年齢グループで給食の時間まで過ごしました。(はとぽっぽ組は自分のクラスでの給食でしたが)さっそく、近くの公園へ出かけようと園を出た途端いきなり座り込んでしまった2歳のIちゃん。保育士がいくら声をかけても、ちらちらと顔を見るだけで頑として動こうをしません。普段もよく抱っこをされている姿を見かけるIちゃんですが、今日も、どうやら抱っこをして欲しい様子なのですが近くにいた4歳のMちゃん達に、連れてきてもらうように頼むと驚くほどすんなりとそして2人とも嬉しそうに、手をつないで歩いてきてくれました。その後も、何かとIちゃんを気にかけてくれている様子が分かり私たちも嬉しく思いました。小さい子にとって大きなお兄さんお姉さんの存在は保育士や保護者とはまた違ったあこがれの存在でもあるし特別な存在のようです。今回初めての、異年齢のグループでしたがこれからも、少しずつ一緒に活動ができるようにしていきたいと思います。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  6月号(No.3 2004年6月1日)


  早々と入梅かなと思っていたら、真夏のような日々の到来に胃腸の調子を崩された方が多いのではないかと思います。こどもの国への遠足は66家族192人の参加でした。暑い日でしたが緑豊かな広々した公園で楽しいひと時を過ごせ、怪我もなく終了できてよかったです。今日はほっとするような雨が降って、子どもたちはぐっすりとお昼寝しています。今年の関東の入梅は6月11日だそうですが、日本の南方海上に夏型高気圧、北方に春型高気圧が来たとき境目の辺りに梅雨前線ができて、初めて「梅雨入り」が宣言されるのだそうです。このところ天気予報は見事はずれていますが、気象の予測って難しいようですね。

  横浜市では今年度から「新時代行政プラン・アクションプラン」として7つの重点改革項目を挙げていますが、その中で私たちに関係あるものとして「地域行政機能の拡大・強化」があります。

  これは福祉局と行政区の役割分担を明確にしたうえで区民満足度の向上を目指すものだそうですが保育所については保育料の徴収事務、保育料表や入所選考基準など全市共通の制度や基準であるもの、国や他都市との対外的業務以外の業務ほとんどが区で行われるようになります。居住地の身近なところでスピーディーで暖かな対応を、ということなのでしょうが、今まで区役所のサービス課にあった子ども家庭支援担当窓口以外に保育担当の窓口が増えます。

  少子化がいわれて久しく、子どもの虐待など頻発する現在、いわゆる就労のために保育に欠ける子どもの保育だけにとどまらず、地域の家庭の子どもについても保育所など子育ての専門家の援助が必要とされるようになり、保育所の近隣の子どもたちと親の方を含めての活動も広めていかなくてはならない様です。

  ひよこ保育園の保護者の方から保護者間での交流を望む声が届いておりますが、地域のかたがたとも交流を広げながら区役所とのパイプを太くしてしっかりと地域の中に根を張って生きたいと思います。



                                              園 長 川上 初代



 大切にしたい大人の関係    
  親子遠足はいかがでしたか。日頃顔を会わす事のない保護者の方々が、少しでも顔見知りになり○○ちゃんのお母さん、お父さんと分かったら、これからは少しおしゃべりができるかもしれませんね。夏のような暑さになりお疲れ様でした。

  先日魚の解体を1、2才児も見学しました。当日は8〜9Kgもある大きなぶりを目の前でさばく様子をしばらくはじっと見ていました。普段の生活の中ではなかなか見る事ができない事です。その日はあちこちで「ぶり」と言う言葉が飛び交っていました。さばいたお魚は煮付けにしてもらいお昼においしくいただきました。子ども達にとって印象深い事だったようです。

  最近気分が重くなるような虐待事件が後を絶ちません。まだ小さな赤ちゃんの事も多く、どうしてそんな事ができるのかしらと思いますが、そこに至るにはいろいろな事が絡み合って密室のような状況でどんどんエスカレートしていく事が多いそうです。少し前までは子どもが歩けるくらいになると「公園デビュー」をどうするかが大きな話題でしたが、最近は「公園デビュー」という言葉もあまり使われなくなり、家の中で引きこもったような子育てをしている親子も少なくないという事です。ささいな事でも気軽に聞く人もなく、母親が追いつめられて止められなくなるケースも多いとの事です。どんなにかわいいと思っている我が子でもかわいくないと思う瞬間が誰にでもあります。そんな話を誰かにしたり、子育ての愚痴を言い合う相手がいる事で救われる事がたくさんあります。保育園は子育て仲間がたくさんいる場所です。これからクラス懇談会も開かれます、限られた時間ですが保護者のお話も出し合えるような会にしたいと思っています。

                                              乳児主任 島田 有子


ある日のこと
  ある日の事、クラスの友達は昼寝をしたのに、一人眠れないK君が事務所にやってきて「先生紙飛行機の紙とって!」といいました。紙飛行機の紙というのは、事務の先生がインターネットで検索してプリントアウトしてくれたもので以前一緒に事務所で遊んだことを思い出したのでしょう。早速事務の先生が戸棚から出すと、一人黙々と折り方の紙を見ながら折り上げ事務所の中で飛ばし始めたのですがそのうち、ランチルームの方へ行ったかと思うとK君が息せき切って戻ってきて「先生、今度はへそ飛行機の紙(説明書)ちょうだい!ちいさい子に作ってあげるから」といいながら事務所を飛び出そうとしたので飛行機の紙はあるの?」と慌てて聞くと「うん、大丈夫、大丈夫!Kちゃんいっぱいあるとこ知ってるもん」と。少しして、中庭の様子を見てみると、普段友達には見せないような優しい表情で小さい子に紙飛行機を折ってあげていました。自分より小さい子に自分の出来ることをしてあげるという事は、大きい子にとっても喜びなのでしょうね。また、一年が過ぎて子ども達が少しずつですが自分の居心地のいい場所を見つけ始め、保育園で過ごすうちにどこに何があるか、どこに行けば自分のしたい事が出来るかということを体で感じているようですね。1歳になったばかりのK君でさえ、「時々やってくるこの人はボクをいろいろなクラスへ連れていってくれる人なんだ」と思っているようで「ふぇ〜ん」と声を掛けてきますから。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  7月号(No.4 2004年7月1日)


  2週間ほど前から園庭のねむの木に花が咲き始めました。ほわっとしたピンクの花がとても優しくて「ねむのき」という響きにふさわしいです。玄関前の七夕飾りの短冊は子どもを取り巻く環境のこんなに様変わりした今日にも、昔ながらに、それぞれのご家庭の温かい思いを伝えてくれ、短崎の言葉を読むものをほのぼのとした気持ちにさせてくれます。

  今年、4月から朝の受け入れを子育て支援ルーム(ランチルーム)で行っており、昨年から見ると今年はなんだかにぎやかですが、この様にしたのは、昨年、園庭や中庭、ランチルームが余り活用されないでもったいないね、という意見があり、それなら、いっそ、早朝から園庭遊びができるようにしよう、もっと体を使った遊びができるように環境を整えようということになったものです。

  また1歳くらいからはお兄さんやお姉さんの遊んでいる様子を見ることが大好きで、同じことはできないのですがそばに行って参加している気分になったり、逆に小さい子のお世話をしてお兄さん、お姉さん気分を味わえるのは兄弟の少ない今、「兄弟保育」として、有効な面があるようです。

  6月27日、丸1日を使った職員会議では「ひよこの理念、方針を具体的保育実践にするためには」というテーマで話し合いました。どの人にとっても望ましい保育の有り方を探っても「こうすればいい」という特効薬がないだけにいくら時間をかけても十分ということはないのですが、全職員が発言した、という点で少しづつ、前進しているのだと思います。

  7月、8月はプール保育やお泊り保育、ひよこまつり、バーべキュー大会など楽しいことがいっぱいです。子どもは楽しいことを通して、心が開放されたときにぐーんと大きく成長するので、夏を経て秋にはどんな顔を見せてくれるか楽しみです。

                                              園 長 川上 初代



幼い時代をたっぷり、豊に!
  各クラスの懇談会が終わりました。子ども達の体調などから参加者の少ないクラスもありましたが、限られた時間ですがそれぞれのクラスで保護者の皆さんの話が弾んでいました。このところの子どもの引き起こす事件のこともあってか、乳児の保護者の方もそのような事件の被害者にも加害者にもならないようにしたい、そのためには小さい時から悪い事は悪いと、厳しくした方がいいのではないかというお話も出ました。そんな事を心配しなければならない世の中はどこか変ですよね。保育園の生活でもいけない事、悪い事は大人がしっかり伝えるようにしています。しかし、厳しくというより繰り返し分かるようになるまでというやり方が多いと思います。

  保育園の生活は、家庭での家族だけの生活と違い子ども達が集団で過ごします。お友達が大勢いるということは、家庭ではできない楽しい遊び方ができます。反面トラブルもいろいろあります。そして楽しい事も困った事も小さい仲間達の中で経験し、そこで大人の適切な対応があることで、より人間らしい感情や社会性が育ちます。泣いたり、笑ったり、甘えたり、怒ったりという感情をしっかり表現してほしいと思います。幼い時代の幼さが存分に出せる子ども時代を大切にしたいものです。保育園はそんな当たり前の子どもの育ちの場です。

                                              乳児主任 島田 有子


  毎日の中で
  先日の保護者懇談会には、お忙しい中お集まり頂きありがとうございました。仕事、家事、子育てと、毎日めまぐるしく過ごしている様子が、ひしひしと伝わると共に「あっ、うちも同じ!」「そうそう、そうは思っているのだけどねぇ〜」などと思わず頷く場面も多くあったのではないでしょうか?なかなか片付けが出来ない時は、命令口調ではなく「これ持って行ってくれる?」「手伝ってくれる?」などと少し伝え方を変えてみたりすると案外すんなりと片付けることが出来たりするというご家庭でのお話もありましたが。片付けがあまり得意ではないいるかぐみが「どうして、片付けが出来ないのかな?」という事を考え子ども達が、おもちゃをどこに何を置けばいいのかマークを付け工夫をすると、少しずつ片付けをする子も増え要領も良くなってきたようです。先日の朝の合同保育の片付けの時には、いるかぐみの何人かの子ども達が率先して片付けを始めその姿を見たうさぎぐみの子が後ろについて歩き一緒に片付けるというほほえましい光景を見かけました。「使ったから片付けなさい!」ではなく大人や少し大きなお兄さん、お姉さんの働きかけによって年齢の小さい子でも片付けがスムーズにできるのだなと感じた一コマと同時に保育園という場所は大人だけが関わって子どもが育つ所ではなく、同年齢の友達、お兄さん、お姉さんなどの多くの人と関わりながら共に育ちあうものだと改めて感じました。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  8月号(No.5 2004年8月2日)


  ぎらぎらと容赦ない日差しにおとなたちはげっそりとしていますが、ひよこの幼児さんたちは毎日プール遊びを満喫して食欲もりもり、どの子も夏ばて知らずです。ぴよぴよとはとぽっぽにとってはやはり今年の暑さは厳しすぎるようで毎日何人もの病気欠席の連絡をいただいています。保護者の方は働き始めて間もないのに職場でつらい思いをしていらっしゃるだろうなとお察ししてしますが、1年ごとに休む回数が減り、安心して出勤できる日が少しずつ増えていくのは、保育園生活の先輩方が経験するところですよね。

  子どもたちはクラス別に園庭、中庭、駐車場、ひなたぼっこデッキの4箇所で毎日本当にこころゆくまで泥んこ遊び、水遊びに興じています。築山にブルーシートをかぶせてダイナミックにウォータースライダーをしたり、砂場をプールに仕立てたり、体中に絵の具を塗りたくってボディーペインティングなど、子どもたちの遊び方を見ているとそれぞれのクラスのカラーが良く出ていてなるほど、と思ったりしています。少子化がいわれて久しい今、おとなの手と口の出しすぎ、良かれと思ってする心のかけすぎが子どもを縛り窒息させている、という見方がありますが、土や水や風と戯れる無心の子どもの表情を見るとき「生きる力は子ども自身の中にある」と反省させられます。

  7月31日(土)、8月1日(日)に、仙台で行われた全国保育団体合同研究集会に理事長、園長、主任、保育士総勢9人で行ってまいりました。ひよこの狭い枠の中だけでは見えない、気づかない事がたくさんあるんだなぁ、熱く心燃える保育者が大勢いるんだなぁと元気をいっぱいもらってきました。保育をめぐる情勢がめまぐるしい昨今だけにじっくり、子どもを見つめた地道で丁寧な保育が必要なんですね。


                                              園 長 川上 初代



暑さとうまく付き合う生活
  いよいよ夏本番となる時季ですが、今年はもうずっと前から夏といった毎日です。0、1才児の子ども達は暑さに体がついていかず、発熱など体調を崩す子ども達が続出です。しかし2才児になるとそのような子どもはそう多くなく、体力の違いを感じます。でも登園している子ども達はよく遊び、よく食べて、昼寝もたっぷりという毎日です。

  連日の猛暑で今年は水遊びがたっぷり楽しめています。0才児はテラス、1才児はテラスや中庭、2才児は園庭やテラスでと午前中の活動時間はどこを見ても水(温水)遊びで歓声が上がっています。暑いけれど体をさっぱりさせると食事も結構進みます。そしてほどよく涼しい部屋で昼寝です。おやつの後1、2才児は園庭で砂や水を使ってひと遊び。暑さともうまく付き合って夏ならではの過ごし方をしています。こうしてみると保育園の生活は実に健康的です。

  2才児と一緒に食事をした日のこと、お茶碗を持ってどこに座ろうかとうろうろしていると あちこちから「いいですよ」(ここに座ってもいいですよ)と声がかかりました。食事をしながら、その日のご飯に入っているなまのヒエの粒を見せ名前を教えると、またまた「ヒエ」「ヒエ」の声、おとなしいA君もにこにこ顔で何度も言っています。こんなたわいもない事でもみんなでわいわい言い合う事で楽しくなります。夏ならではの楽しい事をたくさん経験して、夏を元気に乗り切りたいと思っています。

                                              乳児主任 島田 有子


ごめんね!に込められた気持ち
  保育室から、ごめんね!いいよ!の声が日に何度か聞こえてくる時がありますがそういつもスムーズに行くわけではなく3歳児クラスでは「ごめんね!」「やだ!」「やだ!って言ったらいけないんだ!」と再びけんかが始まってしまうこともしばしばあります。これが2歳児だとなかなか相手の気持ちまで考える余裕がないのですが。ところが、先日5歳児が友達にちょっかいを出されたことが原因でけんかになり、最初にちょっかいを出してしまったT君は謝ったのですが出されたK君は怒りがおさまらず、ましてや自分も謝ることなんてとても考えられないといった様子でした。彼にしてみればせっかく遊んでいたのに邪魔さえしなければという思いがあり、T君が謝ってきたので腹の虫も抑さまらないけれど自分も謝らなければと思う気持ち・・・・でも今はとてもそんな気持ちにはなれず・・・・。でもこのままではすっきりしないし・・・・と、いった様子がひしひしと伝わってきました。大人は少々不本意でも謝ってしまうこともありますが、子どもはそうはいきません。でも、5歳児位になりますと相手の気持ちがわかるようになり自分だったら“嫌だな!”と考えられますし またそうなって欲しいと願っています。マイナスに見られがちなけんかですが、子ども達にとっては成長する過程でとても大切な事なのです。最後に、すっきりしなかったK君でしたが、少しして“さっきは、ごめんね!”とT君に一言。ほっとした表情で“うん!”と返事したT君の心の中もまた不安で一杯だったことでしょう。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  9月号(No.6 2004年9月1日)


  体中に力をこめて熱中しながら観戦したオリンピックが終わり、スポーツ好きの方はまるで自分が戦った後のような脱力感を秋風とともに味わわれているのではないかと思います。ホースからほとばしる水を思いっきり楽しんだ夏に子どもたちは一回り大きく、たくましくなり、夏の間おあずけになりがちだった鬼ごっこなど園庭での遊びを再開し始めています。
  今年は十二分に楽しんだとあって、9月に入り、早々にプールを片付けると、もう心は運動会に向かっています。毎日の遊びの中で、体を動かすことの心地よさをうんと発見して運動会につないでくれればと思います。

  先日、八王子にあるS保育園を見学してきました。園長先生は1級建築士の資格を持つ男性で、「子どもたちが主体的にあそぶ」事の大切なことを提唱し、園舎の設計から保育記録の書き方にいたるまで幅広い領域で自律的な子どもの遊びの追及に力を注いでおられますが、実際に現地に伺ってみると、ひよこ保育園と園舎や園庭について基本的な考え方に重なる部分が多くあり、また給食については他の保育園のどこよりもがんばっていることに今更ながら気づいた、ということがあり、自信を持って帰ってくることが出来ました。

  「小学校や中学校で静まりかけていた校内暴力が再び増加し始めている。特に神奈川では8割増」という記事が新聞に載っていました。そして、そのことを憂慮した知識人が「子どもたちに、感情を抑制できる教育を」とも。

  毎日、長時間を子どもたちと過ごす現場の人間からすると、今子どもに必要なのは幼いときから友達とかかわって十分遊び、いろいろな場面に出くわすこと。そして良くも悪しくも、感じたことを素直に吐露できる場と、それを受け止めるおとなたちのネットワークであると思えるのですが、いかがでしょうか。


                                              園 長 川上 初代


  10月号(No.7 2004年10月1日)


  9月は残暑が長引いたおかげで、思う存分水遊び、泥んこ遊びが出来ました。お家ではどろどろの靴やズボンに毎日うんざりしていらしたかもしれませんね。でも泥んこや水で遊んでいるときの子どもの表情は、ある子はじっと一人、黙々と考え深げでまるで小さな科学者のようだったり、水を運ぶ役、土を一輪車で運ぶ役など自然と分業しながら、友達と力を合わせて目的を共有し実現させることの心地よさを体で味わっている子どもがいたり、「遊びによって子どもは育つ」って本当だなぁと納得しています。時々、お家で洋服や靴を汚さないように言われているのか、思いっきり遊ぶことをためらう子どもがいて、どうしたものかと思ったりもしますが、病気や怪我のとき以外は汚すことも大目に見ていただければうれしいです。水、土、植物など自然のものは、子どもの心を開放してくれます。おとなが押し付けるのではない、それらのもので十分に遊び込んでいるとき、子どもたちは手や足や目や耳、時には鼻まですべての五感を稼動させて感じ取り、脳を使っているのだそうです。子どもの遊ぶ様子をじっくり見ていると、おとなに余計な口出しをされずに自然の中に包み込まれて遊んでいるとき、不思議なほど子どもたち同士仲良しになれると感じています。乳幼児期にはなによりも遊ぶことの楽しさ、お友達のうれしさを満喫してもらいたいと思うのです。

  佐世保の事件について、加害少女の措置が決定したニュースが駆け巡り、それについてのコメントも多く出る中で、インターネットや、TVゲーム、ビデオなどが、かつてない勢いで槍玉にあがっています。現実と仮想との境界が不明瞭だとか、空想の世界の居場所だとか。ひとたび重大な事件が起こると瞬く間にいろいろな所見が噴出してにぎやか極まりないのですが、明らかなことはすべてが仮説であると言うことです。真実はまだ誰にもわからない。とてつもない大罪を犯してしまった加害少女でさえ、自分が判らないのだろうと思います。

  恐ろしく残酷な手立てで、生命を突然奪い取られた少女について、その無念を言い表せる言葉は見当たりません。

  ただ、同じ時代に生きているおとなとして、その苦しみについて思い巡らせるとき、2度と同じような事件が起きないように自分の回りにいる子どもたちの心をしっかり受け止めるよう努めること。保育園という子育ての砦で何人ものおとなが力を出し合って子どもたちを見守ることならできるかなと思うのです。


                                              園 長 川上 初代


  11月号(No.8 2004年11月1日)


  運動会、芋ほり遠足と行事が続き、お弁当作りやお手伝いなど保護者の皆さんには忙しい中、ご協力いただきありがとうございました。おかげ様で事故もなく楽しんで終えることが出来ました。特に芋ほりは初めてのバス遠足とあって、うさぎぐみのバスの中は子どもたちの弾んだおしゃべりの声が行き交っていました。まだ、保育園を出発して間もない石橋の交差点だというのに「いもほりってたのしいねーっ!!!」(まだ、なんにもしていないよ・・・。 ^。^)おとなたちもわくわく、幸せ気分満載の1日をすごせました。また、運動会についてのアンケートでは、貴重なご意見をいただきましたので、別紙にて取りまとめた結果を報告します。来年の運動会にどのように反映させるか通常保育を見直しながら職員間でじっくりと話し合って行きます。

  都筑区は11月6日に10周年を迎えます。子どもで10歳というと小学3、4年生、「徒党時代」と言われるように、ちょっと前までは集団で群れて遊びほうけ、ほどほどの悪さをしながらも仲間意識を醸成した年頃です。今の時代は、子どもたちから仲間意識を育てるための時間も空間も奪ってしまったといわれていますが、どうでしょうか。

  姑が生前、「子どもの年から『つ』が取れれば体は丈夫になる」と話しておりました。「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・ここのつ、とお」と数え、「10歳になれば病気もあまりしなくなるよ」と、子どもの病気にくよくよしていた嫁の私を慰めてくれたのです。10年の歳月は1つの区切りなんですね。

  都筑区は10年前と比べ、空き地や緑地は大幅に減り、代わりに都会的な高層のビルやマンションの似合うニュータウンとして変貌しました。その急激な様変わりの様子はまるで宮崎駿の「平成たぬきぽんぽこ合戦」とうりふたつですが、たぬきならぬ子どもの世界から奪ってしまった空き地や緑地に代わるものを私たちおとなはどう保障できるのでしょうか。

  子どもたちの育ちが危ういとは久しく言われていることですが、なによりも自然豊かな環境を子どもたちのために守ることをこれからの都筑区政の要にすえて新しい10年を歩み出してほしいなと思うのです。


                                              園 長 川上 初代


  12月号(No.9 2004年12月1日)


  夕暮れ時になるとあちらこちらでイルミネーションがにぎやかに輝きはじめ12月の訪れに気づかせてくれます。まだそれほどの寒さではないのでしっくりしない気もしますが、ひよこ保育園の中庭にもブルーライトを控えめに点灯しており子どもたちは時々足を止めて見ながら「ぴかぴかひかってるねー」とはしゃいでいます。

  この時期、一般的に幼稚園や保育園ではクリスマス会や生活発表会といった行事の準備に追われていることが多いようですが、ひよこ保育園では「あまり行事のために子どもたちを追い立てることはしたくないよね」と、昨年同様お楽しみ会を予定しています。子どもたちを中心にめぐる1日、保育士が出し物をプレゼントしたり、お昼はバイキング形式にするなどいつもとはちょっと違う特別な日を楽しんでもらおうと、あれこれ考えながらプランを練っているところです。おとなに見せることを念頭においた日ではないのですが、手伝いなどで参加をご希望の方はお申し出下さい。

  昨日の朝日新聞の夕刊に「悩む親支え 虐待防げ」と大見出しで記載されていました。「児童虐待を未然に防ぐため、東京都は来年度から、育児をめぐって精神的に不安定な状態になった親たちについて産婦人科など医療機関から情報提供を受け、重点的に支援する方針を決めた」と続いています。きっと近いうちに横浜も追随した施策を行うでしょう。「虫歯が不自然に多いなど、養育環境の悪さが疑われる例も報告対称にする予定」だそうです。そんなことまで行政が口出しするのかなあーと腹立たしい気がしますが、保育園の外はすでにそれほどに危機的状況があるようです。保育園に通っている子どもは幸せだなーと改めて思ってしまいます。

  保育園は子どもと家庭を守る砦です。もちろん財政や人的資源の点からして多様な要望をすべて受け入れることは不可能ですが、「保護者と保育園がお互いにするべきことはきちんとする」という前提に立ったとき、保育園以上に子どもを守れるところはないのではないかと自負しています。

  保護者の皆様のご協力を得て、無事この1年を終えられそうです。来年もさらに保育の向上に努めます。ありがとうございました。


                                              園 長 川上 初代


  1月号(No.10 2005年1月4日)


  明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

  大晦日に何年ぶりかの大雪に見舞われ、いつもの事ながら都市型生活基盤に頼り切っているわが身の弱さを思い知らされましたが、元旦の朝は全ての浮遊塵芥が雪のおかげで拭われたような清らかな日差しと空気の中で迎えられました。「一年の計は元旦にあり」と言うほどに、2005年が清らかで、全ての子どもとおとなに暖かな日差しと澄んだ空気を与えてくれますようにと心から願っています。また、願うばかりでなく、身の回りの小さな幸せから実現させていきたいと思います。大雪の中、やり残した用事を思い出して人気のない保育園に来たのですが、子ども達や保育士達の声で活気に満ちたいつもの園舎とはまったく別の雰囲気をかもし出していました。エントランスを入ったとたん、視界に飛び込んできた中庭の雪景色は、2年前、園舎を建築中に降り積んだ雪と重なって、都筑ひよこ保育園が、「子どもたちが多くのおとなの知恵と力とたくさんの愛によって見守られてはぐくまれていって欲しい」という切実な思いから始まった事を再び思い起こさせてくれました。

  横浜市は平成18年度までに保育所入所待機児を0人にすべく、急ピッチで保育所づくりを進めています。特にこの都筑区は若年生活者が多いため、保育所不足が深刻であるとして今後も新設の予定がありますが、株式会社やNPO、保育をマニュアル化したチェーン店など根っからの保育者からは考えられない運営母体の保育所進出がめまぐるしいなかで、保育者を筆頭に子どもに関わるおとなたちは子どもの成長と発達の権利を保障するために何が必要か学びながら考えを出し合い、横浜の子どもたちを守り育てる事において連携しながらも阻害する事についてははっきり「ノー」と言えるような勇気と誠実さが欲しいなと思います。


                                              園 長 川上 初代


  2月号(No.11 2005年2月1日)


   昨年の10月から加賀原一丁目自治会に加入しています。保育園には自治会に加入する義務はないのですが。  
   保育にかかわる人々の間で子どもの育ちの危うさが語られるとき、必ずといっていいほど地域の人間関係が希薄になっていること、隣の家の住民さえどんな様子かわからないほどに孤立した家庭の姿が浮かび上がってきます。よその子どもについては、目の前で悪いことをしていてもなかなか叱れなかったりすることは、私自身も経験がありますが、下手にかかわりあっていやな思いをするくらいならあっさりと差し障りない程度の付き合い方を、というのがいまどきなのでしょう。公園デビューといわれるほどに大人も子どもも仲間作りが困難になっている現実に、直接よその子どもやその親と対峙するよりは、保育士や教員などのファインダー越しにいたいというのが本音であるようです。一方、子どもと真正面に向かい合いたいという思いは十分にあっても、どのように接していいかわからない、離乳食作りなど途方にくれるとケースもあるようで、毎日の暮らしの中では子どもがいつもテレビでニコニコ笑っている赤ちゃんモデルのようなわけには行かないというまったく当たり前のことを親身になって伝え、励ましてくれる人が回りにいないために不安定な心の状態になってしまうということもあるのでしょう。
    
   それだけにますます学校、ひいては保育園での子育てや教育に期待されることが増大していくようです。本来は家庭で行うべきしつけや教育がなかなかできにくくなっているのは、個人や個別的な家庭の事情によるものではなく、もっと次元の異なる流れの影響でもあるようです。
   聞くところによると、この加賀原周辺の小学校や中学校でも授業が成り立たないクラスがあるようです。授業中にふらふら立ち歩く、始業のベルが鳴っても教室に入らないなど、まるで保育園児や幼稚園児のような有様だと、言う話を耳にしました。学校の教員もお手上げ状態のところもあり、いくら親の方々から期待されてもすでに能力はいっぱいいっぱいという声も聞こえてきます。
   家庭も学校も過飽和状態であるならば、救いは地域にしかないということになるのですね。そう思ってみると新聞紙面にもしきりに「地域」という文字が載っていることに気づきました。

   都筑ひよこ保育園においても正直、毎日が平和一色というわけではありません。延長保育の子どもたちがにぎやかに夕食のテーブルを囲むころになるとやっと無事に1日を終えられ、ほっとした心持になれるのです。
地震や火災という災害ばかりでなく、変質者の侵入や危害のニュースが毎日、目と耳に飛び込んできます。こんな時代だからこそ、地域の方々と仲良くし、助けていただかなければ130人の子どもたちを守ることはできないなぁと思うのです。


                                              園 長 川上 初代


  3月号(No.12 2005年3月1日)


    2月下旬からインフルエンザがはやり始め、くじらぐみでは高熱で休む子ども、保育中に具合が悪くなって、「ご連絡コール」を掛ける子どもが増えています。卒園まじかになってかわいそうに、早く良くなって残り少ないひよこ保育園での生活を満喫してほしいなと思います。27日(日)にはいよいよ卒園を祝う会が行われる予定ですが、今年度は2期目の卒園児20名を送り出すことになります。昨年度の2倍の人数ですのでどんな卒園を祝う会になるか楽しみにしています。
    
またまた、「小学校で教員が17歳の少年に突然包丁で刺し殺される」という想像を絶する事件が起こってしまいました。亡くなった男性教師は子どもたちの間でとても人気があった方で、保護者からも厚い信頼を得ていたそうですが、30年掛けて着々と積み上げて来たであろう貴重な教育実践が一瞬のうちに奪われてしまう無念さ、理不尽さは筆舌に尽くしがたく、本当に気の毒なことです。
 
    変質者による事件の頻発をとどめるため、不審者対策として学校などに警備員の配置を検討している自治体やPTAが現れたと報道されていますが、ひよこ保育園では以前から警備の職員を配置して子どもたちの見守り体制を万全にしています。朝と夕方の駐車場混雑時の送迎車両の誘導のほか、園舎周辺の巡回や、園舎内の見回り、施錠確認など適時行っておりますのでご安心ください。特に今の時代、子どもを守るには多くの人の手が必要であり、また、多くの人の手によって支えられる子どもと家族は本当に幸せなんだなと思います。 

    保育の運営で言うと1月から3月は第4期にあたりますが、日々子どもに接していてもこの頃の子どもたちの成長には目覚しいものがあります。昨年の1期、4,5月を振り返ってみますと子どもたちがよく育っているな、伸びたなとどの子どもの顔を見ても実感でき、子どもたちの内面では4月からの進級準備は無事完了というところです。

    開所以来、ひよこ保育園では、まる一日掛けての職員会議を時々開き、保育や子どもたちの様子などについて十分な話し合いを行い、職員間の連携を深めることを大切にしながら保育を良くすることに努めてきました。保育士たちもそれぞれ休日を利用して研修などを受けたりしながら学習を重ね、またその成果を保育現場で子どもたちに反映させようと努めてきました。当然ながら、細かな点では保育者間で保育に対する考えに食い違いがなかったとは言えないのですが、3年目に入ろうとしている今、子どもたちののびのびした姿と笑顔を見るにつけ、この2年間の根本的な保育のあり方が間違っては居なかったのだと確信を抱いています。

    「みんなの大きな家」という言葉に象徴されるひよこ保育園らしい保育の輪郭がだいぶ見えてきたように感じています。4月からの保育が楽しみです。  


                                              園 長 川上 初代


  年度末号(2005年3月27日)


  卒園おめでとうございます。

  2003年の春、都筑区加賀原の石ころだらけの原っぱに都筑ひよこ保育園の新園舎が建ちあがったと同時に、未知の世界に一歩踏みだす期待と内心ちょっと不安な気持ちを抱きながら、104人の個性の彩り豊かなお子さんを迎え入れて、待ち望んだ認可保育園での保育を始めました。

  それから2年のあいだ、園長が勝手に言い出した「何もないところから生み出す醍醐味」「パイオニアの保育園」「横浜で1番すてきな保育園」などというイメージをそれぞれの職員がそれぞれの感覚で思い描きながら「子どもたちによい保育を」と願って歩んではきましたが、40人を超す職員集団が「同じ思いになる」ことはそんなたやすいことではありません。職員会議において長い沈黙が続いたり、保育士の顔から笑顔が消えていることもたびたびありました。

  そんな中でも子どもたち、特にいるかぐみ、くじらぐみの面々のエネルギーは尽きることもなく、毎日、目いっぱい遊んで、けんかして、泣いて、笑って、いたずらも、「ここまでするか」と思わされることも、たびたびありました。時には「こどもって純粋」とか「子どもは天使」などという言葉が昔はよく語られたっけなぁとつい懐かしがってみたりもしました。

  子どもたちの有り余るエネルギーってほんとうに上昇気流そのものです。周りの大人が適切なヒントを差し出しさえすれば、子どもの伸びようとする芽はあらゆる事象をすぐに自分の体に取りこんで栄養とし、止まるところ知らずです。

  今年のくじらぐみの子どもたちの2年間を追いながら見ていて本当にそう実感しています。保育を行うにあたって、まったく未開拓で手つかずのやせた土壌に蒔かれた21粒の貴重な種が、太陽と水となにより周りの大人と子どもからほどほどの肥料をもらってふくらみ、今日、けなげに芽を出してやわらかな双葉をつけようとしているようです。

  3月に入ってから、卒園を意識して、保育の中では今までと趣の異なる活動がいくつかありましたが、子どもたちの間にも「いるかぐみやもっと幼い子どもたちにかっこういいところを見せたい」という気構えが見られる様になり、程よい緊張感が芽生えていました。心持ちの面では2年間で、ほとんどはじめての経験といってもよいかもしれません。

  都筑ひよこ保育園での2年間で子どもたちに伝えられたことはほんの少しですが、担任保育士始めすべての職種の職員が「子どもたちには良い物を」とねがって精一杯がんばったこともお伝えしたいと思います。2年間という限られた中での保育実践で、やり残している事もたくさんあるのですが、小学校に入学してからの子どもたちの地に着いた歩みと自分から育つ力に信頼し手を離したいと思います。

  毎日、仕事と家事でお忙しいにもかかわらず、お子さんの送迎や保育園からのさまざまなお願い事に快くご協力くださり、ご支援くださいましたことを心からお礼申し上げ、卒園に際しての挨拶とさせていただきます。卒園おめでとうございます。


                                              園 長 川上 初代











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