ひよこだより(No.1 2003年4月1日)


  ご入園おめでとうございます。

  お天気に恵まれて心もからだもぽかぽかで入園式の朝を迎えられとてもうれしいです。園舎もピカピカ、子どもたちもお母さん、お父さん、保育士もみんなぴかぴか輝いています。
  今日から都筑ひよこ保育園の保育が始まります。これから続く保育の歴史がどんな色になるのかわくわくドキドキしながら今朝を迎えました。
  保護者の皆さんは、きっと不安をいっぱい胸の内に抱えて今日ひよこ保育園に向かわれた事でしょう。
  これからは毎日、保育士を初めとして主任先生、給食の先生、看護師、栄養士、事務員、警備員そして園長、みんなで手をしっかりつないで、みなさんの大切なお子さんをしっかり守りますので、どうぞ安心してあずけてください。
  生まれたばかりの都筑ひよこ保育園ですが、みんなで力を合わせて、育み育てて参りましょう。どうぞよろしくお願いいたします。

                                              園 長 川上 初代


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  ひよこだより(No.2 2003年4月9日)


  長年、夢見ていた新しいひよこ保育園の入園式が終わり、慣らし保育の2日間を経て、いよいよ通常保育、長時間保育、園長保育が始まりました。何もかもが初めてという厳しい状況の中、何とか1週間が過ぎ、今週に入ってからは子どもたちの中から笑い声や、保育士を呼ぶ声が聞こえるようになっています。

  入園式の次の日、保育園の玄関に入ったとたん「お家へ帰るー」、「いやだー」と大声どころか体中で拒絶を表していた子どもたちも大勢でにぎやかでしたが、今日あたりは泣いている内にも少しずつ余裕が出てきており、保育士の側で絵本を見たり、おともだちと遊んだりする様子が見られます。子どもたちと保育士がお互いに慣れて本来の保育園らしい雰囲気になるにはもうしばらく時間がかかりますが、子どもたちの心とからだの柔軟性に信頼して今しばらく見守っていてください。

  都筑ひよこ保育園は昨年10月下旬に工事着工、今年3月末に竣工、4月1日104名の新入園児を一度に迎え入れて開園、と言う本当にめまぐるしいなかで産声をあげたわけですが、全職員が子どもたちと関わり、また保護者の皆さんとも仲良く打ち解けて保育にあたります。

  今まで他の保育園に通っていたり、初めてお子さんを預けて働くことになったご家庭も多く、ひよこ保育園の保育について、戸惑われることがおおいと思われますが、どうぞご遠慮なくお話ください。保護者の方々と話し合いながら少しずつ保育を向上させていきたいと思っています。

                                              園 長 川上 初代




  保育初日ピカピカの園舎に元気のいい泣き声が響き渡っていました。0歳児のぴよぴよ組は、飲む、眠るの要求が満たされると、思ったより早く落ち着いた時間がありました。担任の先生達はおんぶに抱っこと、スキンシップがとれるよう精一杯努力しています。

  1歳時児のはとぽっぽ組は、半分以上の子ども達が大きな声で泣いていました。少しでも手の空いている大人たちはみんなお手伝いに入りました。それぞれがおんぶに抱っこそれでもまだ手が足りないときもありましたが、泣かないでいられる子どもが泣いている子どもに、優しくオモチャを渡してあげるほほえましい場面もありました。

  2歳児のうさぎ組は、覚悟していたより泣く子が少なくちょっとびっくりでした。でもいろんな時間に時々思い出したように、悲しくなる子どもがあちらこちらに。てんやわんやの慣らし保育の日々の中にも、しっかり年齢発達の違いが出ています。保育園に慣れていく姿もたくさん泣いてある日突然泣かなくなる、はじめは平気そうにしていたのにしばらくしてから泣き出すなど色々です。この時期は保育は無理せずに、できるだけ子どもに合わせながらゆっくり進めていきたいと思っています。

                                              乳児主任 島田 有子


  入園式から10日が経ち、きりん組の子ども達の泣き声もだんだんと小さくなり始め、いるか、くじら組の子ども達は園庭で早く遊びたくて仕方がない様子です。皆様もご存知のようにひよこ保育園は、生まれたてのほやほやで各クラスもまだ落ち着かず準備も十分でなくご迷惑をおかけしています。きっと他の園の3、4、5歳児のクラスと比べてみても、大分様子が違うと思いますが、なにしろ生まれたての保育園なので子ども達も今までのルールや習慣の違いから戸惑うこともあり時には、トラブルになることもあります。少しずつ押し付けではない子ども達の中から自然にこうだったらいいな!と思えるようなルールや習慣がみにつけばいいなと思っています。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  ひよこだより(No.3 2003年5月1日)


  「無我夢中」というこどばがぴったりだった4月、毎朝、必死の形相でしがみつく子どもを振り払い心を奮い立たせて向かう職場への道のりが遠く、よそよそしくも感じられた4月が終わり、ゴールデンウィークの始まりと共に5月になろうとしています。あいにく入園当初から風邪や水疱瘡、おたふく風邪など色々な感染症が次々と流行り、満足にも登園できなかったお子さんが大勢いましたが、この2、3日でやっと下火になり朝の欠席通知の電話対応も落ち着いてきました。

  ゴールデンウィーク明けには「五月晴れ」の空と、子ども達の元気一杯の笑顔に会えることを期待しています。

  何もかもが新しく始まった都筑ひよこ保育園ですが、子ども達と同じように1ヶ月を経て、だいぶ落ち着いてきたようです。保育士を始めとする職員の個性も徐々にはっきりとする中で、それぞれの持ち味を生かした保育がどんな風に作られていくのか、加賀原という地域の中で、どのような保育が求められどのように保育園が機能していくのか。また何も始まっていないだけにとても楽しみです。

                                              園 長  川上 初代




  若葉がまぶしい気持の良い季節です。お天気の良い日は、1、2歳児の子ども達が散歩に出かけることも多くなりました。子どもは誰でも外に出ることは大好きです。「散歩に行くよ」という大人の言葉に心は外に行くことでいっぱい、子ども達は早く外へと体も弾みます。こんな光景が多くなりました。

  4月には大きな声でよく泣いていた子どもが、今ではお友達と楽しそうに散歩に出かけていく姿に見ているこちらもうれしくなります。1歳時のR君もそんな一人です。4月に連日泣いていたR君、付き合っているうちにわかったことがありました。 1歳児の部屋より2歳児や時には4、5歳児の部屋に行くと泣かずに遊びます。少し大きいお兄さんやお姉さん達と一緒だと気分良く過ごせるのです。ある日は2歳児クラスに長期留学、散歩から4、5歳の先生におんぶされて帰ってきた日もありました。大人が声を掛け合ってR君に限らずこんなことができる保育園はいいなと思います。R君、今では自分のクラスで安心して遊んでいます。

                                              乳児主任 島田 有子


  入園して1ヶ月が過ぎましたが、本当にめまぐるしい毎日だった事と思います。入園当初泣いていたきりん組の子ども達も、少しずつ慣れ始め泣かずに「いってらっしゃい」が出来るようになったり、またご家庭では、友達の名前も聞かれるようになったのではないでしょうか?保育園の生活にも慣れ、気持にも少し余裕が出てきて、自分以外のクラスや兄弟のクラスにも興味を持ち始め「お手伝い」と称して数人の友達と一緒に園内を探索したり、小さい子のクラスを覗いたりしています。これから、気候が良くなりそとで遊ぶ機会が多くなりますが、ケガや事故に気をつけながら、時には他のクラスと関わりを持ちながら子ども達と一緒に戸外遊びを楽しみにしたいと思います。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  ひよこだより(No.4 2003年6月2日)


  「五月晴れ」という文字が恨めしく思えるほど天候不順な5月でしたが、その重苦しさをはねのけるに十分な子どもたちのパワーに、保育士たちも元気をいっぱいもらう事が出来ました。

  かぎられた空間、時間の中でかぎりない子どもたちのパワーをどのように昇華させ、絶える事のない好奇心をどう満足させるか、クラス毎に考え、日々工夫しながら保育しています。そのためまずできる事として保育室の模様替えを頻繁に行っており、戸惑っている方もいらっしゃるかと思いますが、ご了解お願いします。

  第1回ひよこまつりは残念ながら台風のため、中止になってしまいましたが、子どもたちのがっかりした様子に保育士たちから「日を改めて又やりましょう」という声が上がり、秋にふたたび行う事になりました。日時は未定ですが決まり次第おたよりでお知らせします。ひよこまつりは元の無認可の保育室時代に園庭がなく地域の公園をいつも占領していたので「そのお礼を」という発想から始まり、1度も途絶える事なく15回続きましたが、地域の子どもたちが楽しんで参加してくれていたので、加賀原の都筑ひよこ保育園でも行う事にしたものです。保育士手作りの行事を通して、保護者の方と親しくなれたり、地域の方々との交流が出来たらと思います。

                                              園 長 川上 初代




  園庭で遊ぶクラスが多くなりました。砂や水を存分に使って夢中になって遊ぶ子ども、砂遊びの道具の中には本物の中華鍋などもあり、各自思い思いのものを使って実に楽しそうす。アスレチックを使いながらダイナミックな鬼ごっこをしている大きい子ども達、築山を豪快に上り下りしている子どもといろいろな遊びが同時に展開されています。2クラスで遊んでも楽しく遊べる空間です。2歳児と4、5歳児が一緒に遊んだある日、この2つのクラスには兄弟姉妹が何組かいますが、見ているとそれぞれの兄弟姉妹がくっついて遊んでいます。ある2人は砂で大きなケーキを作り、それをまた何人かの子どもが囲んで頭を付き合わせています。弟に何かを盛んに言い含めている場面もあります。お家で家族の中にいる時とは違う感じがあるのでしょうか、みんなしっとりとして仲がいいのです。

  保育園の中には大きい子と小さい子が兄弟のように遊べる機会がいろんな所にあります。保育士もクラス以外の子ども達の様子を知り合いながら、縦の交流を入れていきたいと考えています。

                                              乳児主任 島田有子


  入園から二ヶ月が過ぎ、入園当初大粒の涙を流していた子ども達も毎日の生活に慣れ、あちらこちらで楽しいそうな笑い声が聞こえてくるようになりました。ところが、その反面、全く泣くことがなかった子が今になり泣き出すという姿も見られた5月でした。日ごろ保育者は、友達とトラブルの多い子や、よく泣く子などについつい目が行きがちですが、なにも言わず一人でがんばっている子にこそ、目を配り気をつけて行きたいと思っています。

  5月に入り、少しずつですが異年齢との交流の機会を持ちました。7人の一歳児が遊びに来ると、いつもはついつい走ってしまう部屋も静かに歩いたり、使っていたボールを一歳児が持って行ってしまい、どのように返してもらえばいいのか分からず、もじもじしたりといつもの様子からは見られない光景も見ることができました。また、兄弟のいる子は自分の兄弟をちょっぴり友達に自慢し 下の子はぴったりおにいちゃんに寄り添って安心して遊んでいました。これからもこのような機会を増やして、少しずつお互いのクラスを行き来できたらいいなと思います。 

                                              幼児主任 片桐 温子


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  ひよこだより(No.5 2003年7月1日)


 梅雨明けまであと1歩。いよいよ子どもたちが心待ちにしていたプール遊びが始まります。設計段階でのプランは園庭に設置する予定で専用給排水設備を整えましたが、子どもたちの泥んこ遊びがあまりにも楽しそうなので急遽、駐車場にプールを設置する事に変更しました。アスファルトの上なので部分的にラバーマットを敷いたり、日除けタープを張ったりと準備もちゃくちゃくで、子どもたちはプール開きの前に「プールそうじをするぞー!」と、おおはりきり。もう、すでに子どもも大人も楽しんでいます。(^。^)

 最近、地域のお母さんと子どもが園庭に遊びにきてくれるようになりました。また、先日はお孫さんにと買っておいたお人形をプレゼントしてくださった方がいらっしゃいました。開園後3ヶ月を経て、地域の保育園として少しずつ機能し始めてきた感があります。9月からは休日の保育を始める事ですし、地域との関わりと役割について考えていきたいと思っています。

                                              園 長 川上 初代




  先日の懇談会で、乳児ではどのクラスでも食事のことが話題の一つになっていました。「お休みの日は一日中食べるものを欲しがる」「食べる量が少なすぎる」「食べ過ぎる」「偏食がひどい」「甘えてちゃんと食べない」等々、それに対して「うちも一緒」と同じような悩みが出されたり、困っていることに先輩のお母さんから体験談も交えた良いアドバイスがあったりとひとしきり話が弾んでいました。食べることは毎日のことなので切実な問題なのですね。日頃なかなか顔も合わせることのない父母の方たちが子どものことで少しでも話せたことは良かったのではないでしょうか。

 食事といえば、保育園では6月に入りランチルームで2才児から5才児までが一緒にお昼を食べています。(2才児は早めに食べ始めていますが)賑やかで活気のある食堂といった様子です。食事は楽しく食べてほしい、でもマナーも必要だよね、このふたつのことがなかなかうまくいかないのがもっかの課題です。

                                              乳児主任 島田 有子


  先日の懇談会にはお忙しいところ、出席頂きましてありがとうございました。3ヶ月が過ぎご家庭でも、そりそろ友達の名前が出始めた頃でもあり、また同じクラスでも登降園の時間が異なるため、保護者の方同士はなかなか顔を合わす事がなかったので、いい機会になっていただいたようです。懇談会の中でもお話をしましたが、子どもたちは雨が止むのを今か今かと待っていっせいに園庭や園外へと出かけていきますが、時には登園後すぐには自分のクラスへは入れず階段の下まで見送る子。いち、にぃ、さんと十数えるまでおかあさんにだっこされると満足する子や、しばらく保育士と一緒にいると安心する子など皆様々ですが、一日の大半を保育園で過ごす子ども達にとってそれぞれ「いごこちのいい場所」を持ってくれたらいいなと思っています。先日見かけた光景ですが、クラスに入れずにいるH君が2歳年下の子に一生懸命話しかけ積み木をその子の為に高く積み上げていました、その時のH君の表情は甘ったれでも泣き虫の顔でもなくて年下の子をやさしく思いやるたくましいお兄さんの表情でした。こうした光景を見かけると、ひとつの場面でみるのではなくていろいろな方向からみることによってまたひとつ、新しい子どもの姿が見えてくることを発見し嬉しくなりました。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  ひよこだより(No.6 2003年8月1日)


  雨明けが遅れ、体調を崩しているのは子どもたちばかりでなく、お母さん、お父さん方の中にも高熱や吐き気、頭痛に悩んでいる方が多いようです。文字どおり「風邪は万病の元」ですので、時にはゆっくりと静養していただければ、と思います。すっきりと晴れわたって子どもたちが元気一杯プール遊びを楽しむ声がまちどおしいです。

  夏は色々な研修やセミナーが目白押しで、保育士を始め、職員達は方々で学んでいます。私も先日小田原の「未来っ子センター」に行って参りました。そこは株式会社経営の「教育塾」で「遊びを通して生活体験を!」を柱としていて、子どもたちははだかんぼう、はだしで、染色や金づちでくぎを打ってパチンコを作ったり、泥だんごを卵ケースにならべたりと元気一杯遊んでいました。庭にはプールはなく、水遊びは本物の海と川に出かけていって楽しむそうで、ロケーションの良さはもとより保育に対するエネルギーに圧倒されてしまいました。

  「8月」という言葉の響きには人をわくわくした気分にさせる力がありますね。いくつになっても幼い時の「夏休み」や「家族揃ってのお出かけ」の前日の心が弾む気分を思い出します。幼い時の嬉しい、楽しい、平和な気分は大人になっても支えになりますから、皆さんのご家庭でも、楽しくこの夏をお過ごしください。

                                              園 長 川上 初代




   ”だだコネ“に付き合うこと
  乳児期の子どもを育てていて、大人が手を焼くことの一つに”だだコネ“があります。子どもによって出し方に個人差はありますが、誰でも通る成長の過程です。だだコネになる原因は主には自分の思い通りに行かないことに対する抵抗です。でもその思いを、大人が理解できなかったり要求していることができない時もあり、困ってしまいます。子どもにとっては分かってもらえないのでますますごね方がエスカレートすることもあります。1才児のF君も盛大にだだコネをする一人です。少し前まで、気に入らないことがあると体ごとひっくり返って大声で泣いていました。でも最近はひっくり返り方がゆっくりになり、とにかく体でアピールしているといった感じで泣く時間も短くなっています。小さいなりに考えたり納得したりしているようです。F君の”だだコネ“はまだ当分続くでしょうがどう変化するかが楽しみです。

  乳児期に自己主張に伴う感情を十分に出すこと、そしてそれが大人に受け止められ体験をくぐることは、やがて幼児期になった時に自分の感情をコントロールする力のもとになります。安心して自分の感情が出せる(甘えることも)ことは、人間らしく育つ土台のような事です。だだをこねた時何とか止めさせよう叱るより、とにかく嫌だったことを受け止めることで気持ちが落ち着くこともあります。保育園の生活の中で一人一人のいろいろな気持ちに出来るだけしっかり付き合っていきたいと思っています。

                                              乳児主任 島田 有子


  “待つこと”
  少し前まで、事務所や保育士と一緒に過ごす事の多かったH君がクラスで友達と楽しそうに遊ぶ姿を、見かけるようになりました。今でも、朝泣いてしまうこともありますが泣きながらでも“バイバイ”したり、時には笑顔で“いってらっしゃい”が出来るようになりました。他のクラスでも7月に入り初めて、泣かずに“いってらっしゃい”をしてくれたと、おかあさんがほっとした笑顔で教えて下さるという事がありました。毎日泣きながら後を追われる おとうさん、おかあさんもつらい毎日だったでしょうが、それぞれの子どもにとって必要な時間であり、それがあったからこそ今の姿を見ることができたのだと思います。そして、毎日の生活の中で自分の居場所を見つけてくれたのでしょうね。もっともっとそれぞれの、自分の居場所が心地よいものになってくれればいいなと思うと同時に、子どもの本来持っている力を信じて待つことの大切さをあらためて実感しました。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  ひよこだより(No.7 2003年9月1日)


  変則的な夏が終わり、夕暮れ時がすこしづつ寂し気になってきました。自然界のことだけにかぎらず、病気だ、怪我だ、と、なんだか今年はじっくりと夏を味わう暇も余裕もない、というご家庭も多かったのではないかと思いますが、私は事務室のカウンター越しに毎日、送り迎えのお父さんやお母さんのご様子を見るにつけ、大変な中、毎日頑張っていらっしゃるなーと感じ入るのと共に、前向きな勇気をいただいていました。

  9月になって、もう「何もかもが初めてで…」という言い訳はできないし、1年の中で行事など盛り沢山の一番充実した四半期である筈の季節がやってくるのですから、皆さんと一緒になってたのしく、心を通わせて実り豊かに過ごしたいと思っています。

  入園のころご説明したと思いますが、ひよこの保育は「子ども第一主義」に徹していて、決して園の宣伝効果をねらったり、もうけ主義ではありません。あくまで子どもたちがそれぞれの年齢で無理のない色々な活動を経験する事によって、おともだちや保育士と仲良く、楽しく、生活が豊かになるように、と願って計画しています。お子さんがひよこでもっともっと楽しく、寛いで過ごせるように行事などの機会に是非保育園とかかわってください。1日保育園でお子さんと一緒に過ごすのもいいかもしれません。保育園にいる間どんな風にして過ごしているんだろう、という不安もきっと吹っ飛びますよ。

                                              園 長 川上 初代




   「だだコネ」 に付き合うこと  その2
  なんだか物足りない感じで夏が終わりました。それでも普段出来ない体験をしたり、夏の強い日差しを浴びたりして、どの子もちょっぴりたくましくなりました。 

  先月号に続いて今月も「だだコネ」について考えてみます。2才児のあるお母さんが、最近自分の子どもが人が変わったみたいに扱いにくくなったと困っていました。確かに保育園でも今までと違って大泣きをしたり、怒ったりすることが多くなっていました。それまでは家でも園でも聞き分けの良い手のかからない子どもでした。ですからお母さんはとまどってしまい、それまでのような聞き分けのよい子を求めて叱ることが多くなり、悩んでいました。保育園のほかの子どもの様子に影響を受けたこともあるかもしれませんが、今の自分の感情を出すことが、大人を困らせるほどになったのです。このことは人間が成長していく上では大切なことで必要なことであることを、お母さんと確認し合いました。そして何かでごねだしたら、出来るだけそのことをまず受け止めるようにして、叱って言い聞かせること事は控えるようにしました。時にはユーモアを持って受け応える、そんな風にゆったり関わることにしました。園とお母さんと気持ちを合わせて成長を見守っています。ごねだした時に、訳が分からなくなるほど泣きを長引かせることはさけたいですね。
  このような一見大人が困るようなことでも、子どもにとっては成長の過程、人間らしい感情や主体性が育つ芽としても見ていきたいと思います。

                                              乳児主任 島田 有子


  夏の思いで
  子ども達は、毎日今か今かとプールに入る日を楽しみにしていましたが、なかなか天候に恵まれず、お盆が終わる頃にやっと、本格的なプールが始まり子ども達の賑やかな声が聞こえ始めた8月でした。最初から大きなプールにドボンと入る子、浅い小さなプールに恐々入る子と様々でしたが皆それぞれプール遊びを楽しんでいたようです。また、楽しかった事を言えば今回8月のお誕生日会ではご家庭の協力によりかき氷屋さんをすることが出来ました。年長のくじら組が、シロップ屋となり“いらっしゃい!いらっしゃい!”“何にしますか?”などの呼び込みの中、ちょっぴり緊張気味のきりん、いるか組が手作りのお財布からお金を手渡し、かき氷を手にしていました。そして、その日の午後には、1階の中庭の方から“いらっしゃい、いらっしゃい”と大きな声が聞こえてくるので様子を見に行くと、誕生会では、シロップ屋にはなれなかったきりん組の子ども達が、色水でシロップ屋さんになっていました。きっと年長児の姿をあこがれて見ていたのでしょうね。このように異年齢の集まる保育園では、月齢の大きい子の姿を見ていろいろな事を覚え、学ぶ事が多いようです。ひよこ保育園でも10月に、初めての運動会が予定されていますが小さい子ども達にとってお兄さんお姉さんの姿がどのように映り、日々の生活の中に関わっていくのか楽しみのひとつでもあります。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  ひよこだより(No.8 2003年10月1日)


  急激な秋の到来で、早くも風邪をひく子どもが続出していますが運動会にはベストコンディションでおともだちやご家族と楽しく過ごしていただければと思います。子どもたちはみんな張り切って練習している様子で保育室のあちこちから「♪き・き・きのこ」とダンスの歌詞を口ずさむ子どもの弾んだ声が聞こえてきます。

  いるか・くじらぐみは毎日、月出松公園に行き競技の練習をしていますが、ルールの意味など良く理解できるようになったり、友達同士で作戦を練ったりと、様子を見守る保育士達が子どもたちの成長ぶりにびっくりしています。「〜 〜の経験をくぐって」と言う言い方を保育者はよくしますが自分から発生した思いや、決断で行動した時、周りの環境すべてが成長の糧になるんだな、と感じます。暗いトンネルを突き抜けて辺りがパーっと開けるように子どもたちの成長の扉も拓くのでしょうね。

  ひよこ保育園の初めての運動会は子どもたちの4月からの毎日の遊びの中で獲得した動きや力をありのままに保護者の皆さんにお見せする場として位置づけています。ですから運動会の為に日々の保育をおろそかにするも事なく、見せ場を作る為に練習を強制したりする事なく、大声や大音量でこどもたちを不必要に鼓舞する事もなく、運動会という特別な「お楽しみの日」に向けて、保育士と子どもたちの気持ちが1つになるような時間の流れが出来てきています。

  そんな事もすこし理解しながら運動会に参加していただけるといいなと思います。

                                              園 長 川上 初代




  運動会に向かって楽しく
  何をするのも過ごしやすい季節になりました。園内は幼児クラスを中心に運動会ムードでいっぱいです。乳児クラスの子ども達にとって、運動会はまだ意識できることではありません。でも、幼児のお兄さんお姉さんたちが音楽に合わせて元気に動く体操などには、一緒になって楽しく参加しています。散歩先の月出松公園でも大きいクラスが運動会にむけてやっていることを、興味ありげによく見ています。運動会では春から今までに出来るようになったことを、保護者の方と一緒に楽しく動ける種目として構成しました。当日は普段と違った雰囲気の中で、泣かずにかわいいつもの姿がお見せできれば上出来と考えています。何より楽しく参加してほしいと思っています。

  一年の半分が過ぎて皆大きくなったと感じる姿がたくさん見えます。0歳児では「せんせー」とはっきり呼んでくれる友達がいます。1歳児では何人かが仲良くトイレに座っています。2歳児はかわいいおしゃべりに花が咲いて、時にはけんかも・・・といった具合で子ども同士の関係も一段と楽しくなっています。そんな子ども達の成長ぶりを運動会でもみていただきたいと思います。

                                              乳児主任 島田 有子


  運動会にむけて
  10月12日は保育園にとっても、子ども達にとっても初めての運動会です。とは、言っても運動会を経験したことがない子どももいる中での練習なので無理せず、楽しみながら出来たらいいなと思っています。先日、綱引きの練習の時に転んでしまいその後の体操には、参加しようとせず膝をかかえて座りこんでしまったAちゃんでしたが。次の日、部屋の中で体操の音楽をかけると誰よりも真っ先に楽しそうに体操を始め、しかもほとんど初めてに近い状態だったのにもかかわらず、しっかりと覚えていたのでした。Aちゃんの姿を見ていて感じたのですが、子どもにとって必ずしもみんなと同じ行動をとっていなくても、その子なりに参加しているのだと教えられた気がします。運動会当日も、緊張して思うように出来なくても今までの子どもたちの頑張りを見て頂けたら、嬉しいです。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  ひよこだより(No.9 2003年11月4日)


  10月は運動会や懇談会を経て、子どもたちやお父さん、お母さん方とより親しくなれましたね。準備や当日にお手伝いしてくださった皆さん、ありがとうございました。また、2人のお母さんが1日保育参加をしてくださり、感想文を書いて下さったのでお読みください。行事を通して徐々にひよこ保育園の保育方針が伝わっている手ごたえがありうれしく思っています。

  久しぶりに家族で上高地を歩いてきました。11月15日には閉山するというぎりぎりのところでしたがすっきりと晴れ渡り梓川を吹く風も暖かく、カラマツの黄葉の一面に敷き詰められたじゅうたんのおかげで日ごろ運動不足の膝も痛めずにすみました。紅葉は10月中が1番ということですが、葉の落ちた木々の枝がかえって周囲の山々の全景を現してくれて、目にも、心にも優しさをたっぷり与えられました。

  幸い、遠くに行かなくても加賀原のあたりは自然に恵まれていますから、時間のあるときにゆっくりお話しながら歩かれるのもよろしいかと思います。身近な人(子どもや伴侶など)の意外な一面を発見したりして新鮮な気分になれますよ。ひよこでも楽しいこと、心がわくわくするようなことをいっぱい考えています。

                                              園 長 川上 初代




  まだまだ続く運動会
  記念すべき第一回都筑ひよこ保育園の運動会が無事に終わりました。多くの保護者の方から楽しい運動会だったという感想をいただき、私たち職員もうれしい気持ちでいっぱいです。乳児は全体に待ち時間が長くて子ども達が不機嫌になってしまったという声もあり、そのあたりは来年は考慮したいと思います。感想の中には、何をやっても、やらなくても、泣いても我が子がかわいかったというほほえましいものや、家では張り切っていてどんなにしっかりやると思ったのにちっともやらなくて残念、また4、5才児のリレーに感激したと、大きくなったらあんな風になるんだということも見ていただいたようです。ともかく、普段とは違った場所、雰囲気の中でみんな良くやったと思います。

  乳児の子ども達にとって運動会のイメージがはっきりしていたわけではありません。本番の運動会を経験して、運動会ってこういうものかと分かったといったところです。ですから、運動会が終わってからのフィーバーぶりがすごいのです。体操の音楽が流れるとうさぎ組を中心にした盛り上がりぶりは大変なものです。2才児はかなり動きを覚えていてそれなりに動けます。1才児はそのつもりで動いているのですがちょっと違うふりが何ともかわいいのです。みんなでやるからもっと楽しい、保育園ならではの楽しい活動がまだまだ続いています。

                                              乳児主任 島田 有子


  秋をむかえて
  ひよこ保育園にとって初めての運動会でしたが、おとなも子どもも楽しいひとときを過ごすことが出来たようです。子ども達に運動会の感想を尋ねてみたところ、自分自身“ものすごく頑張った”と感じた子どもが多く、実際運動会で見せてくれたひとりひとりの表情は普段の生活では見られないような、力強い姿でした。練習中、どのようにしたらリレーが速く走れるか考え、年長児を中心にバトンの受け渡しの練習をしたり走る順番を変えたり、今まで一度も勝つことが出来なかった競技に初めて勝ち飛び上がって喜んだ子ども達、自分達で歌を口ずさみながら、体操を覚えるうちに友達とより親密な関係になったりと、毎日の生活の中での積み重ねによりクラスも一段とまとまってきたようです。きりん組では、宇宙ってどんなところ?どうしたら宇宙へ行かれるの?などと夢を膨らませながら、絵の具だらけになって皆でロケット造りに取り組むことにより友達との関係も深まっていったようです。さあ、秋は食欲の秋!運動の秋!です。初めての運動会を、無事に終えてひとまわりたくましく成長した子ども達とどんな事をして秋を過ごそうか今から楽しみにしています。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  ひよこだより(No.10 2003年12月1日)


    
  8メートルにもなる大きなケヤキを園庭に植えることにしました。ひよこ保育室だったころのOB会有志の方々が認可保育園になった記念にとプレゼントしてくださったのです。今年の夏は木陰が少なくどうしたものかと思案していましたが、これで来年の夏は大丈夫(^。^)予算が許せば藤棚かキウイ・フルーツかひょうたんなどの棚も作りたいなと夢を膨らませています。

  早いものでひよこ保育園開所から8ヶ月が過ぎました。開所前は、「いったいどんな年末を迎えることになるか正直、考えるのも恐ろしい」ほどでしたが、おかげさまできっと大きな事故や事件もなく今月もすごせるでしょう。油断は禁物ですが・・・。

  ひよこ保育園で一番重大なこととして考えていること。子どもたち、保護者の皆さん、職員など、どの立場の方々に対しても共通することですが、それは「ゆっくり、じっくり、ゆったり」と言うことです。ひよこ保育園は新設園でありながら、子どもたちと職員が落ち着いていると外部の方からよく言われますが秘訣はその辺にあるのかもしれませんね。保育の方針を決定する要として定例職員会議を位置づけ、土曜日の夕方、時には休日になるべく全員参加で、議題を1つ1つ丁寧に、それぞれ抱え込んでいる問題や思いを率直にさらけ出しながら、話し合っています。そのほかにもクラス単位や課題担当別に自主的な話し合いや研究会を頻繁に行い、年齢や立場にこだわらず考えを伝え合うこと、結論を出し急がないことを大切にしています。そして、職員みんながそのことを尊重していることが良いところだと思っています。

  夏以来、職員会議で子どもたちの今の姿についてあれこれ話し合う内、子どもたちにもっと遊びこむ経験をしてもらおう、遊びの継続性を保障する手立てを考えることが保育の中では大事だよね、という話がメインテーマになっていたこともあり、今年度はこの時期によくあるクリスマス会は行わないことにしました。その代わりにこの8ヶ月間の保育を見直し、これからの保育を創るという意味もふくめて、子どもたちと一緒に思いっきり遊び、楽しむ日を設定することにしました。ひよこ保育園としても、またどの保育士にとっても初めての試みでわくわくしながら、知恵を出し合って企画し準備を進めています。 
  みんなで盛り上げる「お楽しみ会」、通常の保育とはちょっと違った1日に子どもたちが戸惑いながらも喜びはしゃぎまわる姿を思い描いて、どの職員もがそれぞれの持ち場で腕をふるい、力を発揮することを期待して1年の締めくくりにしたいと思っています。

                                              園 長 川上 初代




  子どもと一緒の時間を楽しんでいますか ?
  寒くなるにつれて風邪にかかる子ども達が増えています。保護者方に熱が上がったことを連絡することも多くなります。0才児では風邪から肺炎になってしまった子どもさんもいて、風邪くらいと安易にみてはいけないようです。子どもの様子を大人がよく見て注意していかなければと思います。

  12月にはいると大人は何かと気ぜわしくなりますね。でも子ども達はそんな大人の忙しい時に手を焼かせることが良くあります。あわただしい毎日の少しの時間でも子どもとのやりとりを楽しんでもらいたいです。子どもには大人とは違うペースや発想があります、そこに付き合ってあげると子どもの楽しさや発見があり、大人の気持もほのぼのとする事があります。1才児のMちゃんは大人の言うことも分かり、首でしっかりうなずきますが、次の瞬間にはこちらの言ったことではないことをしています。ある日なかなか部屋に帰りたがらないMちゃんに「Mちゃんがさみしくなっちゃうよ」と言うと「はい」と返事をしてすぐに帰る気になったとのことです。これには毎日一緒にいる先生もびっくりするやらおかしいやらで、Mちゃんの新発見でした。十分遊んだ満足感もあったのでしょうが、大人の言葉も良く聞いて考えたり、理解したりする力もついてきているんですね。子どもは一人一人違うし、毎日違う、だから一緒にいるとおもしろくて楽しい事がたくさんあります。子どもが小さい時にしか味わえない大きな幸せな時間かもしれません。

                                              乳児主任 島田 有子


  子ども達の姿
  ある日の夕方、普段は仲の良い二人がささいな事でけんかとなり保育者が仲介にはいったもののお互い納得できないまま降園となってしまったことがあり、保育者も気になりながら一日を終えた日がありました。次の日散歩から帰ると、その二人が嬉しそうに袋にいっぱい入ったどんぐりを見せながら“先生Kちゃんと、どんぐりいっぱいひろったよ!”と、するとKちゃんが“先生、ごめんねって言わなかったのに仲良しになれたんだ!”と嬉しそうに教えてくれました。言葉だけのごめんなさいを言うことより、大切な事を自分たちで感じてくれた出来事でした。たとえば遊びに誘っても“やりたくない!”という事がありますが、実はやりたいと思っている子、見ているだけで満足な子、失敗が心配な子、などと本当の気持ちは様々です。私達は、子どもの心の奥にある本当の気持ちを考えながら、子どもの姿を、職員同士、共有しながら少しでも分かり合いたいと日々思っています。世の中には、いろいろな仕事がありますが、仕事をしながら笑ったり感動したり出来る仕事ってなかなかありませんが、毎日子ども達と過ごしていると、“おもしろいな!すごいな!”と思う出来事がたくさんあります。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  ひよこだより(No.11 2004年1月5日)


    
  あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

  天候に恵まれ、穏やかなお正月を過ごされたことと思います。年末年始の長いお休みに子どもたちはご家庭でゆっくりとしたり、ご家族そろってお出かけしたり、きっとうれしさ満杯だったことでしょう。(仕事が休みでなかった方、ごめんなさい。)でも、今日の初登園はちょっと切り替えに戸惑ったお子さんがいらしたかもしれませんね。保育園もこの間8日間の連休が実現し、おかげさまで、職員たちはリフレッシュすることが出来ました。個人的な話ですが私自身も久しぶりの長いお休みに、なんと生まれてはじめて寄席に行きました。新宿の末広亭というところでしたが、満員御礼で3時間の立ち見(聞?)にもかかわらず、少しも飽きることなく、楽しめました。周りの観客が余りに大声で笑ったり、舞台上の演者と絶妙のやり取りをするのにはビックリ!落語家の人を飽きさせない話術にはカルチャーショックでした。保育園も楽しげな子どもたちの笑い声で満たしたいですね。

  さて、いよいよ開所1年目の最終4半期という重要な時期に入り、4月以降の9ヶ月の保育の見直しと来年度の計画を練ることが職員間では目下の課題であり、それを議題とした職員会議をたびたび開く事になっています。この都筑ひよこ保育園は言うまでもなく、横浜市の保育所入所待機児解消のための緊急的な施策の目玉として、市有地の貸付けを受け、社会福祉法人あおばによる園舎建設によって設置認可を受けた保育園です。そのため、職員たちはみな、それまで縁もゆかりもなかったこの加賀原に新しく建てられる保育園、しかも新設法人ゆえに先入観がないという真っ白な状態を礎石として、「子どもの幸せと発達保障を守る保育園を創り上げる」ことにやり甲斐を見出そうと集まってきた者たちばかりなので、それぞれにいろいろな経験や考えを持っていますが、そのことを大切にしながら、職員集団と保育の中身を創り上げていくことに時間をかけて行きたいと考えています。「みんな違ってみんないい」とは女流詩人・金子みすずの言葉ですがひよこ保育園のなかにおいて、子どもたち、職員たち、そして保護者の方々もそうでありたいと思っています。

                                              園 長 川上 初代




  お正月に思うこと
  新しい年が始まりました。忙しくあわただしい年末から日付が変わり新しい年を迎えると、いつもとは違う少しゆったりとした時間が流れ、お正月は独特の雰囲気があります。仕事によってはお正月が忙しい場合もあるかもしれませんが、皆さんはどんなお正月を過ごされたでしょうか。子ども達にとってもお正月は食べるものや家の雰囲気などいつもと違う事を感じているのではないでしょうか。帰省などで遠出されたご家庭もあるかと思います。季節により迎える昔からの行事もあまり気にされなくなり何でも簡単にという傾向にありますが、その日を待つ楽しみや大人達がちょっと忙しくしている姿などを小さい子ども達にも感じられるようにするのはいいことではないでしょうか。普段は忙しくその日その日を無事に終えるのが精一杯の毎日ですが、大人が少し工夫することで特別な日を子どもに伝えていくことは生活にアクセントもつくのではないでしょうか。お正月は一年の始めの特別な日、それぞれのお家の特別がいろいろあったことでしょう。

  保育園の生活も年間を通じ季節の色々な行事を取り込んで、時々特別な日があります。1月は「昔あそびの会」があります。乳児の子ども達はまだやれることは少ないですが、大きな子ども達や大人がやっているのを見ることで、やってみたいという気持を育てます。 コマ回しなどはきっと興味を示しやりたがるのではないかと思います。ひもを巻くのはまだ難しいでしょうが、手回しのコマなら楽しめるかもしれません。どんな風に昔あそびを楽しむのか、それも楽しみです。

                                              乳児主任 島田 有子


  新年明けまして、おめでとうございます。
  4月に開園してから9ヶ月が経ち初めての長いお休みでしたが、お正月は、どのように過ごされたのでしょうか?家族の方とゆっくり過ごすことが出来ましたか?
  今日からまた子どもたちの元気な声が保育園に戻ってきました。今月の15日には、昔遊びの日が予定されていまして、普段の生活の中ではなかなか目に触れない物ばかりとなってしまいましたが、ご近所の方々と一緒に独楽、お手玉、けん玉、かるたなどに触れてみたいと思っています。どの遊びもかなりの集中力と根気が必要となりますが、文字に興味を持ち始めた子どもはかるたに飛びつくことでしょうし、誰かが上手に独楽を回せて見せたらきっと自分で回してみたいと思い夢中でひもを巻こうとするでしょうし、一人が上手く回せるようになると独楽回しの輪も広がり遊びにも広がりが出てくることと思います。この昔遊びの日をきっかけとして、毎日の遊びも今までとは少し違ってくるかもしれませんね。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  ひよこだより(No.12 2004年2月2日)


    
  保育所の入所申し込みや継続届などこの時期の一連の手続き事務が始まり、平成16年度が間近であることを実感しています。早いものでもうすぐ都筑ひよこ保育園は満1歳になります。
  子ども達の名前や親子の組み合わせを覚えきれず、日々の保育において事故のないよう、安全にお子さんを守り保護者の元にお返しすることを第一にエネルギーを費やした4月、5月は人間にたとえるなら昼夜のない新生児期のようなものでした。6月はクラス別懇談会によって保護者の方がお互いに顔見知りになり、雰囲気がホワッと保育園らしくなりました。 
  ひよこまつりや運動会、くじらぐみではお泊り保育を経て、秋ごろからは子ども達の関係が親密になり仲間意識の芽生えとともに、クラス担任を中心としてクラスのカラーがはっきりとしてきました。そして12月にお楽しみ会、1月には昔あそびの会と進めて行きましたが、職員間ではひよこ保育園としての実績や前例のない中で、あれこれ試行錯誤しながら計画した行事を子ども達とともに関わり楽しむ事によって、現実に目の前に居る子ども達の家庭に居る時の様子に近いありのままの姿を捉えたと実感しています。 

  新設園ということで子ども達、保護者の方々、職員、皆が初対面という特殊な状況で始まった保育ですが、時間の経過とともにそれぞれ、ざっくばらんにありのままの姿を見せてくださるようになってきたなぁと感じています。その事は直截的に言えば、保護者の事情と保育所の事情に距離があって、利害が対立するときなどに特にはっきりとしてきているようです。例えばお迎え時間について、不平等を生じさせないために一定の取り決めに従って、画一的にしたいと考える保育所に対して、個別的な対応を望む保護者の場合など素朴に不満を抱かれる場合が何度かありました。 
  問題を解決するときに保育所として最優先するのは、「すべての園児の発達と人権の保障に繋がるか」と言う視点です。ちいさな問題であってもこの点を念頭に置きながら1つ1つ丁寧に対処して行きます。 

  平成15年度も残り2ヶ月となりましたが、記念すべき第一期卒園児を送り出す日に向けて、この時期を「ひよこ保育園らしく」過ごすためには何を、どのように、していくか。それ以前に「ひよこ保育園らしさ」とは何か。子ども達、保護者の方々と「共にある姿」がどうしたら具体的に実現できるか。目の前に課題は山積みですが話し合いながら、検証しながら日々の保育に当たりたいと考えています。

                                              園 長 川上 初代



  みんなの中で育つ
  少しずつ日が長くなり、寒さの中にも春が近いことが感じられます。"昔あそびの会"では1才児から5才児までが一緒に集まり、近所の方たちがやって下さる昔あそびを見ました。日頃そんなに大勢で集まる事がない小さい子ども達がとても落ち着いて参加できて、ちょっとびっくりでした。当日のもう一つのお楽しみお餅つきは、ちょっと不思議そうな顔で見ていました。その日をきっかけに、乳児の子ども達は先生と一緒に手回しのコマを楽しんでいます。

  うさぎ組の子ども達がかなり前から遊んでいるお医者さんごっこを、はとぽっぽ組の子ども達もやるようになりました。お互いにまだ会話が成り立つほどではない2人が息もぴったりにやっている様子はとてもおもしろいです。ある日の事、まだほとんどしゃべらないS君が部屋の真ん中でクッションを枕に寝ころんでいると、I君がやってきて無言でS君の上着をめくりお腹を出し聴診器を当てる仕草をしていました。2人の意志はしっかり通じているらしく言葉はなくても遊びは成り立っています。こんな遊び方は保育園でたくさんのお友達がいるからこそ出来る事です。最近は4、5才児のお兄さんお姉さんが少人数で小さい子ども達の部屋に遊びに来てくれる事も多くなりました。同じ年齢だけではない関係から遊びが広がり、楽しさも大きくなると思います。自然な形でいろんな年齢の子ども達が交わる事をもっと工夫していきたいと考えています。

                                              乳児主任 島田 有子


  子どもは風の子!
  寒い日が続きますが、子ども達は北風もなんのその、元気に外へ飛び出して行く毎日です。入園当初自分のことだけで精一杯だったいるか組と、小さいうさぎ組のクラスが半分に分かれて一緒に散歩に行ったり、数人のくじら組のお兄さんお姉さんと、もっと小さいはとぽつぽ組とが手をつないで散歩を楽しんだりするようになりました。また、寄り道が多くなかなか目的地までたどりつけなかったきりん組でしたが、最近では散歩途中にみんなに「ここで遊んでいると着けないけれどどうする? 今日は、ここで遊ぶ?」などと声を掛け子ども達の意見を聞きながら目的地に着くことが出来たりして、子ども達の成長ぶりに驚いています。以前のきりん組でしたら、先の目的よりもまず今のこと!(当たり前なのですが)だったのに、保育士の問いかけに耳を傾け最初の思いや約束を思いだし考え直すことが出来るようなったのですから。

  先日の"昔あそびの会"ではご近所の方とひよこの子ども達みんなと一緒にけん玉や独楽、お手玉、はねつきを楽しんだ後、餅つきをしましたがこのことを通じてますますクラス以外の友達と親しくなり、その後園庭では早速切り株の上で餅をつく子、返しをする子に別れて掛け声を掛け合い意気もぴったりで餅をつく姿もみられました。4、5才児を中心にひもの独楽を回せるようになった子どもが増えています。けん玉、独楽回しなどはまだまだ夢中で遊ぶことでしょう。

                                              幼児主任 片桐 温子


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  ひよこだより(No.13 2004年3月1日)


    
  4月中旬の暖かさに桜の便りも聞かれた2月でしたが、月が変わった今日は一転、冷たい雨に見舞われています。先ほどからランチルームではくじらぐみが卒園を祝う会で歌う歌の練習をしていますが、みんなそろって楽しげな中にも1人1人の子どもたちの表情にはきりっと真剣なまなざしが感じられ、幼いながらにもうすぐここを巣立っていくことの不安を胸の中に秘めながら過ごしているのだろうな、といとおしく感じています。いろんな意味で大人に守られていることが多かった幼児期から、いよいよ学齢期に差し掛かる時の不安は、誰もが1度は通り過ぎなければならないこととはいえ大人が想像するよりはるかに大きいものなのでしょう。入学までは張り切っていても、いざ小学校に通う段になって毎朝頭やおなかが痛くなって登校を渋る子どもさえ居るようです。

  ありがたいことに子どもたちは心も体も天性の柔軟性を備えており、新しい環境にも次第に慣れていくことができるのですが、子どもがその小さな体と心の中に大きな葛藤を抱え込んでいるとき、自力で乗り越えていくためには、周囲の大人たちの適切な配慮と助言がとても大事です。特にこの時期、「そんなことしたら学校に行けないよ」とか「先生に怒られるよ」などのおどし言葉は遣わないように、入学を控えたお子さんがこのところわがままが多かったり、不安定だったりしているとしたら、その辺を思いやって、じっくり、やさしく接してあげていただきたく思います。

  明日は、ぴよぴよぐみ、きりんぐみの給食試食と懇談の会ですが、すでに行ったうさぎぐみ、いるかぐみ、はとぽっぽぐみ、くじらぐみの保護者の方々からは給食内容について好評をいただいています。ひよこ保育園は園長はじめ食べること大好きな職員が集まっているので、栄養士を先頭にして、もっともっとおいしくて体と心がのびのび育つ給食をめざしてがんばります。大いに期待していてくださいね。(2月28,29日には給食職員全員を含め総勢19人で全国保育所給食セミナーに参加し学んできました。)

                                              園 長 川上 初代



  みんなの中で育つ その2
  去年の今頃、初めて保育園に入園させる事にした乳児の保護者の方の中にはいろいろ心配な事があったのではないでしょうか。実際にお子さんを保育園に預けてみていかがでしたか。保育園で生活するという事は、家庭で大人が一人、二人の子どもを育てると同じようにいかない事もあります。しかし、育児の責任を母親だけが負わなければならない家庭の育児は、子どもが健全にのびのび育つ条件が狭められている面もあります。そのような事から考えると、保育園は様々な面で子どもらしい生活を保障されていると場所です。たっぷり遊び、たっぷり食べ、たっぷり眠るという小さい子どもにとって当たり前のこのような事が出来にくい時代、保育園ではその当たり前がしっかり守られます。そして家庭では経験できないたくさんの子どもと交わり、たくさんの大人に可愛がられるという事もたっぷり経験します。相手がいるから自分の思うようにいかない事もありますが、相手がいるからたわいのない事でも大笑いになる楽しい時間があります。

  ある日の土曜日の夕方、全園児が一緒に遊んでいる時、2才児のSちゃんが0才児のMちゃんの側に寄ってきていかにもかわいいというように頭を優しくなでながら顔をのぞき込んでいました。2才児の中ではMちゃんは月齢が低い分時々わからずやになって大泣きしている事もあるのですが、このときは見ていてもほほえましくなるような優しい仕草でした。こんな気持が保育園の子ども同士の関係の中で育つ事は大切な事と考えていますので、とてもうれしい情景でした。みんな心も体も一回り大きくなって後1ヶ月で一つ大きなクラスになります。

                                              乳児主任 島田 有子


  一年を振り返って
  早いもので生まれたばかりのひよこ保育園も、ようやくよちよち歩きを始めようとし記念すべき第一回の卒園児を送り出す日が近づいてきました。新たな出会いに期待と緊張で胸を膨らませ入園式を迎えた日が、昨日の事のようです。この一年、さまざまな出来事があり何もかもが上手くいった訳ではありませんが、子どもを真ん中にひとつひとつ丁寧に考えていくように心がけてきました。時には、大声で泣いている子どものそばに誰もいない!なんて光景を目にした事もあったのはないでしょうか?でも私たちは決して放ったらかしにしておいた訳ではなくて、 “だいじょうぶだよ、ここでちゃんと見ているからね”と少し離れたところで見守っている事もありました。このような事も最初から、子ども達に私達からのメッセージが届くことはありませんでしたが 毎日子ども達と過ごすことにより、少しずつ確実に信頼関係も深まったように感じています。そして何よりも、私達や子ども達を暖かく見守ってくださった保護者の方に感謝しています。

                                              幼児主任 片桐 温子







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