ESD
故、筑紫哲也さんは著書「スローライフ」のなかで、多元的生き方を提唱しています。いまのわたし達は、一元的な生き方をしています。生徒は学力という指標で序列化されています。社会人になると、会社の出世競争に勝ち抜くことが、良い人生とされます。
確かに、学力も出世も大事です。しかし、そのようなひとつの軸で生きることで、マイナスの要素も多く生むように思えます。
1972年の国連人間環境会議(環境サミット)で、環境教育の概念が初めて認知されました。これは生活の便利さと引き換えに深刻化する環境問題に対し、国際的な啓蒙活動が必要という視点にたったものです。更に2002年、日本はヨハネスブルグ・サミットで「持続可能な開発のための教育の10年計画」を提案しました。これにより開発と環境を融合させる新たな価値観が提唱されました。
英国のコンサルティング会社(Sustain Ability)は、企業を環境、経済、社会の3面から評価し、そのバランスを保ちながら成長する考え方(トリプルボトムライン)を提唱しました。持続的な社会を構築するには、それを否定する要素――戦争、貧困、人権侵害、環境破壊などをなくさなければいけません。ESDが提唱する新たな価値観とは、トリプルボトムラインに示されるような多元的な価値観をバランスさせる学習といえます。
持続可能な教育と文化
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トリプル・ボトムライン
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