読書遍歴
(2000~2005)
ゴール
2000年を前にしてわたしはメーカーから小さなコンサルティング会社に転職しました。自分が企業内のSEで得た知識をもっと広げてみたかったのです。この時期はコンサルタントの書く本をよく読みました。当時のわたしは会社を通じて、ビジネス系のメールマガジンの発行をしていました。メルマガを書く上で、コンサル本は大いに参考になりました。2000年に、ハーバード・ビジネス・レビューが日本語版・月刊誌として、登場すると、定期的に読めることを喜びました。
また、日本総合研究所の設立に参加した田坂広志さんについては、本だけでなく講演にもよく行きました。田坂さんの講演はレジュメがなく、語りが面白いので飽きませんでした。話しを聞きながら、知識を持っていることと、それを伝えることは異なる能力だと感じました。言うまでもなくコンサルタントに求められるのは言葉の力です。
田坂さんの話のなかでもっとも印象に残っているのが「『山登り』の戦略思考を『波乗り』の戦略思考に改めることの必要性について」です。わたしは経営者が自らの戦略を語るとき、山を描きそこへの道標を示すものと思っていました。その前提を覆す見事な発想の転換で、これこそ21世紀の経営に求められる考え方だと思いました。なお、このパラダイム変革は「まず、戦略思考を変えよ」に記載されています。
業務系のノウハウにおいて衝撃的だったのは、2001年に日本語化された「ザ・ゴール」(エリヤフ ゴールドラット著)です。この本は機械メーカーの工場長である主人公のアレックス・ロゴを中心に繰り広げられる工場の業務改善プロセスを主題にした小説です。元々、生産管理に携わっていたわたしにとっては興味深い内容でした。この本でわたしはSCMに関心を持つようになりました。そもそもこのような題材が小説になること自体びっくりした記憶があります。
時代はIT革命。わたしが関わったある電気メーカーのSCMプロジェクトはテレビで特集されました。プロジェクトは多忙を極め、わたしは朝8時から明け方5時まで働きました!今から思えば、狂騒曲のような日々でした。
ザ・ゴール
/エリヤフゴールドラット
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