読書遍歴
(1984~1985)
ひまつぶし
 わたしは高校時代、余り勉強が出来なかったので、わたしを受け入れる大学はありませんでした。当然の如く浪人生活をおくりました。1984年のことです。

 浪人時代、わたしはとても勉強しました。代々木ゼミナール(渋谷区)に通っていましたが、一日も休みませんでした。勉強に励む一方、読書に求める要素は「ひまつぶし」になりました。何日もかけて一冊の本を読むより、通学電車のなかで読みきるような気軽な作品を好むようになりました。高校時代、好んで読んだ純文学は、疎ましく敬遠するようになりました。

 そこで目をつけたのが赤川次郎です。当時、赤川次郎は書く本のすべてがベストセラーになる超・人気作家でした。軽い作風はマンガを読む感覚で、毎日一冊づつ読んでも飽きませんでした。わたしは代ゼミ帰りにゲームセンターに入り浸り、ギャラガやエレベータアクションをしまくっていましたが、そのゲームと赤川次郎を読む感覚は似たものでした。三姉妹探偵団など人気キャラクターを多く抱える赤川作品は、面白さが保証されています。勉強の合間の清涼剤として最適だと思いました。

 また、ショートショートもよく読みました。小松左京星新一筒井康隆はSF作家の御三家と呼ばれますが、彼らの書くショートショートを読みながらある種の癒しを感じました。

 赤川次郎にしてもSFショートショートにしても、閉塞感がある浪人生活のいい清涼剤になったと思います。

三姉妹探偵団
/赤川次郎

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