美味しい沢庵の作り方
戸塚 寛
JA1PYP
1.素材の入手と養生
ま ず素材の入手方法です。スーパマーケットには干し大根は売っていません。八百屋さんに11月末から12月初めに掛けて予約することが必要です。私はさいた ま市にある埼玉卸売り市場内にある「船輝」から入手しています。JA群馬の製品で5kの束(たば)で6、7本あるのを使用します。一度10本10Kの束を 買いましたが干しが足りず、追加干しても個々のばらつきが大きくて良くありませんでした。06年度は長期出張で出回り時期を逃し、諦め掛けましたが金沢の 近江町市場の北形青果から年の暮れに取り寄せました。5K束で15本から20本とありましたがそれではあまりに小さいので10本程度を4束注文しました。 (20Kg)それでも例年より小振りです。送料込みで10,000円也でした。通常より大分高い。先のJA群馬の生産品は20Kgで6,000円程度で す。数えてみたら56本ありました。(何だ14本/束ではないか。騙された)180円弱/本です。入荷したら蒸れないように直ぐダンボールの蓋を開けてお きます。今回は正月休みなのですぐ仕事に掛かれました。追加干しのために2本を一束に葉の根本を荷造り用の紐で縛ります。数が多い場合この作業が一番大変 です。
寒風の晴天が理想ですが2日は追加干しをして下さい。自家製沢庵の一番の醍醐味である歯ごたえはこの追加干しで生まれます。やりすぎのきらいがありますがこれだけは譲れません。(市販品は重さで売る)
 
2.道具の準備
次に道具を用意します。60リットルの容積があるポリエチレンの漬け物樽が良いでしょう。 量を多くするには樽の数を増やします。仕込み道具の関係であまり大きい樽は扱いが大変です。 次に重石ですが。材料の2倍から3倍を使用し水があがったら半分にします。私は家伝の重石の他にドイトから御影の庭石を買ってきました。上下が平らに削ってあるので重ねが便利で価格が安い。 900円程度だと思います。一生使えます。
後は厚手のポリ袋が必要です。樽の大きさに合わせます。その他の道具は大型のステンレスボールが便利です。うどん、そば打ちにも使用できます。
 
3.副材料
副材料に移ります。米ぬかですがこれは近所のお米屋さんで1升50円です。1升で700g程あります。数年前に知ったのですが店頭の米ぬかが2袋しか置いてなく 追加を頼んだら「午後にまたきてくれ」と言われました。精米後の糠はそばに山積みになっていたので「これを袋詰めで良いよ」と言ったが、米糠として売るのは無農薬を選別しているらしい。 現にスーパで玄米を精米するサービスをしていますが米糠は最近持ち帰りできません。気を付けて下さい。(関係ないか)沢庵の色つけはウコンを使用します。
写真に写っているのは沖縄の春ウコンの粉末ですがこれは3,000円します。(これは直接肝臓の薬として飲んで下さい)通常はSB食品のターメリックの缶350円を使用します。
塩は凝る方は凝って下さい。天塩等漬物用で充分でしょう。次にザラメです。(今回残り物の氷砂糖も使いまし た)後は昆布を3cm角に切ったものと鷹の爪です。大切なのは追加干しをすると重量 が減るので、体重計等でしっかり計量して塩の量を決めて下さい。下に参考として、 村上昭子さんの著書にある材料を記しておきます。 (村上さんはウコンを色付けとして使用してはいません。)

@ 干し大根10Kg(乾燥重量)
A 粗塩   480g
B 生糠   1Kg
C 赤ザラメ 0.5〜1カップ
D 昆布   40cm
E 赤唐辛子10〜15本
F リンゴ、柿、ミカンの皮 適宜

 
4.仕込み作業
樽は綺麗に洗って逆さにしておき、水が切れたら中を太陽に当てておきます。此処で消毒について記しておきます。薬局で100パーセントのエチルアルコールを買ってきて、スプレー容器に入れ必要箇所を消毒すると便利です。
この時、理由はよく分かりませんが70%に薄めます。100%だと直ぐ蒸発して殺菌効果が薄い。少し滞留した方が効果が上がるということらしい。大きなステンレスボールに糠3升と塩を入れ塩が均等に混ざるよう攪拌します。ウコン、ザラメも同様です。
昆 布と鷹の爪は仕込む時に適当にばらまいた方が結果的に均等になります。樽にビニール袋を入れ込み糠を底に均等に撒きます。干し大根を並べるのですが大きい 大根は円形に中央までとぐろを巻かせます。この時干しが甘いと曲がりません。大小あるので選別して太いのは外側、細くて良く曲がる物を内側にします。小さ い大根は直線的に並べます。並べたら糠を均等に見えなくなるまで撒きまた 大根を並べます。隙間は葉っぱで埋めます。
最後は葉っぱで覆って糠をかぶせます。此処でビニールを綺麗に畳んで落とし蓋をし、重石を載せます。
漬 け物は何でもそうですが早く水をあげることが肝心です。塩を多くするか重石を重くすることです。 次に新聞紙で覆います。蒸発した水分を吸ってくれることと冷暗所にするためです。私の昔の家は土間の物置が有り、本物の樽を使うと適当に水が滲みだしてよ い状態が保てましたが、現在はそうはいきません。2階のルーフバルコニーの南の壁に密着して置いてあります。冬の太陽は仰角が低いので 直接太陽は当たりませんが明るい事は確かです。新聞紙の上に樽の蓋を置きその上にゴミ袋を掛けて紐で縛っておきます。最初は重石が飛び出て蓋は閉まりませ ん。これで仕込みは終了です。
一週間程度で開けてみます。最上部の糠が濡れている状態になっていれば重石を半分にしてまた養生しておきます。大根の嵩が減り重石の量も少なくなるので今度は樽の蓋が閉まります。
こ れで食べ頃まで待ちます。1ヵ月過ぎに適量を少しずつ楽しみます。ポリ袋の上まで水があがってきた場合はこれを取り除きますが、このとき便利なのはペット 用のおしっこシートです。3月が食べ頃ですが暖かくなると酸っぱくなりますので、置いておかないで全部出します。ラップに包んでから真空パックし、冷蔵庫 で保存するとかなりの期間、歯ごたえパリパリが楽しめます。
皆さんも挑戦して下さい。
以上
沢庵の作り方、その2
沢庵の作り方、その3
 
JA1PYPのホームページ