きょうは、私の悲しい身の上話をします。
私は、実の父親を知りません。
たいそうりっぱなスピッツだったというのですが、
私と会うこともないまま、死んでしまいました。
生き別れになった母親とは、
たった一度会えたことがあるきりです。
みんなが楽しいところへ出かけている間、
私は留守番でひとりぼっちです。
継母たちはいつもおいしそうなものを
たくさん食べているのに、
私には朝も晩も一皿しか与えられません。
何も悪いことはしていないのに、
恐ろしいシャンプーにかけられ、
その後に地獄のブラッシングが待っています。
それから爪きり拷問まであるのです・・・・
そしてきょうもまた、悲しい出来事が私に降りかかってきたのです。
きょう私がお気に入りのぬいぐるみを、
ぶんぶん振り回して遊んでいると、
突然ぬいぐるみは私の口からはずれて飛んでいってしまい、
椅子の下に入り込んでしまったのです。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
くう、くう、くう、くう
届かないよおぅ 
くう、くう、くう 
悲しい犬生です ・ ・ ・








(2004年10月)