平成15年5月18日 関東おもと実生研究会の会員の中でも、播種の数の多い加藤さん。 江戸川区葛西にある4階建てのマンションのオーナーで、屋上を全部おもとの作場にしてい る。実親は全部で2,000鉢もある。今年の播種は4,000粒だという。 お棚拝見の日は、交配のさかりで、日と風をよけたコーナーに花のすすんだ実親を取り込ん でライトをあてている。 写真は加藤氏作出の縞羅紗 覆輪もまわっている。丸葉の 愛嬌の良い姿であるが、少しあばれるそう で中々見本木ができないそうである。 孔明 これも覆輪がまわっている。小型で今流行りの多芸の縞羅紗の逸品。 関東実生研究会の会報の表紙を飾った自慢の実生。 千代田獅子 加藤氏はすでに・松喜・と命名した千代田獅子は棚割りして水戸の名棚に入っている。 この獅子も有望な木。竜が良すぎるので表が青くなって千代田斑がみえなくなりそう。 交配中の加藤氏 日光と風をさえぎって花芽を保護している理想的なコーナーで交配している。 加藤さんの棚は、 4階建てのビルの屋上にあって、約40坪の広さがあって、風通しと日照 は申し分なく、都会の作場としては非常にめぐまれている。 資金的にもめぐまれている氏は、 積極的に優秀な実親を棚入れされて、交配の技術も熱心に研究されていて、千代田の獅子、 縞羅紗の優秀な実生が育っている。 加藤さんの若さと、温厚な人柄で交友がひろく、今後が期待される実生家であるが、 チョット酒をのみ過ぎるのが心配。 成15年5月30日 八王子市に住まれていた頃に、福原誠一・木村克夫・吉田芳成・石井栄一氏などと多磨おも と同好会をつくられ、今は静岡の伊東市に住まわれている。昨年、川奈から伊東市内に転居し て新しく温室を作られて、10匹ほどの猫たちと美人の奥様と悠々自適のおもと三昧を楽しまれ ている。 万歴は相当に長く、培養は八王子で覚えられた標準的で手堅い作風。あく水を多く使われて いる。 川奈では海に近く潮風に苦労されたようだが、今後は上作が期待される。 実生も興味があって実親も集められて、かなりの花芽がある。新居は丁度、伊東市郊外の 東向きの高台にあって、朝から採光のある申し分のない所。温厚な人柄で、24時間温泉の内 湯があって、健康な毎日を過ごされている。近くに、おもと仲間が少ないのが残念でしょう。 平成15年6月18日 昭和40年ごろから、会社の先輩のおもと入門をすすめられて以来だから、万歴40年ちかい キャリヤの持ち主。
とにかく、おもとの数が多いのに驚く。羅紗が主体で大葉や薄葉・獅子などは、温室の外に捨
て作りされている。おもとが大好きなのだ。
名品の栄光・聖岳・大覚・天児・鑑真・琴治・舞子・力和の図など同じものが何本も作られてい
る。東京支部展や万寿会の作品展では、毎年のように名作を沢山出品されている。
本植えされている今年の芋吹きが70本。その他にこれからのものもあって芋吹きだけで10
0本以上。私の実生で協会に伊東氏、内野氏と共同で登録した”明湘“も10本ある。
丁度、上砂替えが半分ほど終わったところで、温室内」のおもとは、丁寧に作られていて感心
する。この数の多いのに、おもとが好きで数をへらすことが、できない伊東氏。さぞや、毎日が おもとの手入れで日が暮れていることでしょう。
温室のおもとのほかに、獅子や大葉は
外の棚にも沢山
芋ふき・・・70本
平成15年7月27日 関東おもと実生研究会のお棚見学会
今年のお棚見学会は、静岡・富士市、富士宮市の福原常光氏、佐藤栄市郎、小林春雄氏を見 学致しました。 朝8時30分東京駅前に集合。 総員33名の参加。 50人のりの観光バスにて一路東名 高速を走る。 今年のめずらしい涼しい陽気で、快適な見学が始まる。 富士市 福原常光氏棚 おもと実生40年のベテラン。 約200坪の敷地に大きな温室が二つあり、沢山の実親と 実生があって、どれから見てよいやら、迷ってしまうほどである。 「一番成績の良い実親はどれですか。」 と聞いたら、このBO10と栄前宝がいいですよ。 BO10は 岡山の小野田敏男さんが大宝に大判をかけて作ったF1で、マル葉の愛嬌のよい実生が生え ます。 栄前宝は(前田大宝に英宝をかけて作出)雄木として優秀だそうだ。 BO10は広 葉に竜にガシがある木で、一見丸小に似ている。縞柄がよく継続するようで、各地で縞羅紗の 実親として評判が良く 平成の大宝とでもいう木である。 福原常光氏棚 福原さんは、近頃視力が弱くなられて、実親の交配はほとんど奥様が担当されており、各地の 展示会にもお二人で参加されています。 大勢の見学で、あまり取材も出来ぬうちに、つぎの会場に移動することになった。 富士宮市 佐藤栄市郎氏棚 羅紗千代田の作出のサキガケをされたのが、佐藤さん。富士1号をつくり(広瀬千代田に 大宝を交配)瑞松・岳松・松栄を作出して、当時のおもと界に衝撃をあたえた。そして今日の羅 紗千代田ブームが到来。 その後も、千代田獅子でも良いものが育っている。羅紗千代田もボリュームのある実生が 生えている。 富士1号にマル小を交配した、富士まる小の1,2,3,4,5号が順調に育って、今後の実生 を期待されている。 富士宮市 小林春雄氏棚 日本おもと協会の静岡県支部長であった数年前には、掛川市で全国展を盛大に開催され た有力趣味者。 大葉の図モノの大家でもあり、この富士・富士宮地区のまとめ役として活躍さ れておられます。 小林さん、福原さんなどの努力で、この地区で実生の情報や実親の交流 がさかんですばらしい結果を生んでいるのだと思う。 庭から正面に霊峰富士を望む(当日は生憎雲の中でした)丘の斜面の広い敷地があり、3つ の大きな作場に、図モノ大葉・虎もの、実親、実生がぎっしり。 小林さんはEM菌栽培方法を見つけ出され、おもと界に新風を送り込まれた方で、相変わら ず綺麗に整頓されたお棚で、見ていても気持ちがいいですね。これは性格でしょう。 EM菌培養の成果がでていて、図物、虎物、の大葉が首が太く美術品にできあがっていて品評 会に入賞まちがいない出来栄えです。 今年の羅紗千代田の生えでは、賀松×春風が成績がよかったようだ。 賀松には春風の交配で5,6本の羅紗が 鉢上げされている。 EM菌培養について藤本さんが関西の HPに書いておられるので、転載させて 頂く。 小林さんにEM菌栽培について伺いま した。 「私の場合万年青の数が多く、EMボカシ を作っております」 見てくださいと、発泡 スチロールに保管されたビニール袋に入ったボカシを見せていただきました。 数日前に出来上がった物で、少し赤みが付き甘酢っぱい香りが漂ってきます。これは乳酸菌 の匂いだそうです。 「これだけあれば1年は使えます。月に3回1000倍に薄めた物を葉にかかるように与えます」 「今年生えた実生にも1000倍にして与えておりますよ」 「決まり物、実親などは置肥を鉢に乗せた時にだけ300倍のEM菌を与えます」 「これは置肥にEM菌を早く取り付かせるためで、EM菌が活動を始めると真っ白になってきま す」 「肥料にEM菌が取り付くと、半年間は、いろんな菌が活動していくため、肥料が少しづつ小さく なっていきます」 「始めに麹菌(こうじきん)が活動するため肥料が白くなるわけです」 「ですから、白いのは始めだけで菌の世代交代が続くと肥料は黒くなっていきます」 「麹菌から納豆菌に移り、次に乳酸菌、酵母菌と世代交代があるのです」 なるほど、世代交代が肥料の中で行われているんですね 我々は、肥料が黒くなると菌がいなくなったと勘違いをしておりました。 「そして、色々な菌の活躍で鉢全体が抗生物質化され、青にえなどの悪玉菌から万年青を守っ てくれる訳です」 「古い肥料を捨てるのは、せっかく住み着いたEM菌を捨てるわけでもったいないですね」 「沢山の万年青にEM菌をかけますから、ぬかと、魚粉を混ぜたEMボカシを作っているんです」 「袋詰めにして空気を抜き、完全に空気を遮断します」 「空気を遮断することで、乳酸菌が増殖するのです。その他の菌は空気がないため活動しませ ん」 「これをカルキ抜きした水に入れると、空気と水で乳酸菌以外の麹菌、納豆菌、酵母菌などが いっせいに増殖していくのです」 「ボカシの餌を食べながらすごい勢いで増えていくわけです」 「しかし、水の中の酸素の限度があるため増殖しすぎると酸欠で死んでしまいます」 「EM菌の繁殖限度は二昼夜までです」 「カルキの残った水にEM菌を入れると、そもそもカルキは雑菌を消毒するものですから、EM菌 も死んでしまいます」 「くれぐれもカルキは抜いてください」 「私は炭とセラミックを水に入れて置いてカルキを抜いております」 「万年青の数が少ない場合は、EM菌原液を1000倍に薄めてすぐにあたえるのも効果があり ます」 「但し、水だけですとEM菌の餌がありませんから少し肥料を与える方がいいでしょうね」 「鉢内に栄養分があればEM菌が次々と増殖していきます」 「万年青の数が少ない方は、わざわざボカシを作る必要はありません」 「1000倍に薄めたもので十分です」 静岡のお棚拝見の3人の方がた、有難うございました。 また当日は、 そちらの渡井伸吉、平野三恵様にもご一緒にご案内いただきました。 お礼申し上げます。
関東おもと実生研究会
平成16年度 お棚見学会 平成16年7月11日
本年度のお棚見学は、長野県地区になりました。
笠原 威三氏・松井 久氏と業者の田哲園氏を見学いたしました。
東京駅前に8時30分に全員集合して、途中上里サービスエーリアで1名途中参加
して,総勢31名になり、50人乗りのバスは、道路の渋滞もなく、快適に走ります。
笠原 威三氏棚
厳父 右光氏から親子二代にわたり名作者で、(協)長野支部長の役職についておられ
る。 笠原氏の棚には、おもとの名品が揃っている。自慢の羅紗千代田の『冠松』は、3年葉が ついて愛嬌一杯の姿を、拝見できた。
富貴錦、楼蘭をはじめ高級品がずらりと並んでいる。芋吹きを多く切っているようで、芸一杯
に出来ている木は、少ないと思われた。 冠松の2才の芋吹きは、斑があかるく楽しみ。
中野市の笠原さんの棚をあとにして、小布施の栗料理で有名な竹風堂で昼食。栗おこわ
と山采料理は、美味しい。それぞれに、お土産などを買い、次の松井さんの棚へ・・・・
松井氏は、造園業を長く営業されて、現在は、悠々自適の毎日。
信州おもと実生研究会の会長をされていて、素朴な人柄で信州の実生会を
まとめられています。 毎年、良い実生を作出されています。
今年の生えを、ゆっくり拝見できませんでしたが、9月の品評会にまた、
お会いできるのを、楽しみにしています。
私の実生 『神童』は、派手になっていましたが、2歳になる、芋吹きが青く覆輪気でし
たので、楽しみにしています。
今年の実生を拝見するのには、チョットまだ時期が早いようでした。おもと
の棚の充実振りと実親の実付きの良いのには、感心しました
松井氏宅には、信州実生会の前会長の上田の湯本邦雄氏がわざわざ合流されて、久
しぶりのお元気なお顔を拝見する。バスの中で,食べるようにと上田名物の五十鈴飴の 差し入れを頂く。
田哲園
長野市の田哲園では、この夏のうちに、ガラスばりの大きな温室を改造中なので、おもとの
棚は、ちらかっていてご覧にいれるものがないと謙遜されていた。広い敷地があって、秋には 立派な棚が、完成する。
写真が少しボケていますが、今,人気の臥牛獅子がある。加藤裕男氏の1本ものの実生が
ある。 今年のS氏作出の,千代田の羅紗獅子(根も巻いているそうだ)がある。
真夏だと言うのに、あちこちでおもとや風蘭を買っている人がいる。美人の奥様がその対応
に忙しい。冷たい、飲み物と信州のつけものが美味い。
いつまでも、時間を忘れて、ゆっくりしたいところだが、帰りの渋滞も心配なので、新鮮なキュウ
リを車中で頂くことにして、帰路につく。
ご接待いただき有難うございました・ は、岡山や富山までもゆきました。伊豆の河津にも2度ほど泊りがけででかけました。
平成16年7月
大いに期待しています。
平成16年8月
唐澤邦彦氏は、相鉄線で横浜から15分位の郊外にお住まいで、古いおもと仲間である。
もう、35・6年になるが、相鉄線瀬谷というところに、或るおもとの実生会があって、そこではじ
めて唐澤さんとお会いして、時代物のおもとを勧め、内野翠苑を紹介しました。
内野翠苑の趣味者が集まり、サークルを作ることになり、品川さん・金子次郎・竹政健任・伊東
誠吾・吉田芳成・唐澤・三澤などで万寿会を発足し、品川会長のあと唐澤さんが長いこと会長 をつづけられましたが、本年内野氏が逝去され廃業になり、万寿会も33年の歴史を閉じること になりました。
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