無題

●東神奈川・八王子間（昭和五年十月一日改正）　（全部三等車）　　　横濱線

実際には時刻表内の時刻は１２時制で午前は細字、午後は太字で表示され

始発駅のみ”前”と”後”が付記され、縦書きの漢数字で表されています。

時刻表には【いろは別索引】があります。

乗車賃

●省線三等旅客運賃賃率及乗車賃算出法

　　八十粁以下の粁程　　　毎一粁　　一銭五厘六毛

　　　＜中略＞

注意　最低運賃は三粁分にて三粁未満でも三粁分（五銭）を支払はなければなりません

●省線三等對運賃表

　　　　　＜略＞

東神奈川・八王子間（４２．６粁）の三等旅客運賃は６８銭

東神奈川・原町田間（２２．５粁）の三等旅客運賃は３６銭

解　　　説

浜太郎　「浜奈　まだ解らない事ある？」

浜　奈　「明治44年5月1日改正時刻表で説明してもらったので解らない事はないけど

　　　　　本数が増えているね」

浜太郎　「これは昭和５年10月改正の時刻表だけど、まだ汽車すなわち蒸気機関車が客車を

　　　　　引っ張っていたんだ。本数が増えているといっても、１日１０往復と今と比べてかなり少ない

　　　　　本数だね。東神奈川・八王子間は開業当時と比べて速くはなったが、１時間25分前後も

　　　　　かかっていたんだ。編成は２編成から３編成に増えているんだ。少しは乗客も増えたんだろうね

　　　　　夜は八王子構内で２編成が、もう１編成が東神奈川で始発を待ったんだ。」　

浜　奈　「電化されたのは早かったと聞いたのに、まだ汽車が走っていたの？

浜太郎　「そう大正14年には電化（原町田まで）されていたが、これは東海道線の電化試験と運転手の

　　　　　訓練のために電化されたんだ。電車が営業運転されたのは７年後の昭和7年からなんだ。」　

　　　　　「”粁”の説明はまだだったね　”粁”は”米”に”千”と書いて”キロメートル”と読んだんだ。

　　　　　そう浜奈も知っている”Km”だよ。

　　　　　”粁程”は単位がkmであることを言っていて八王子・東神奈川間が

　　　　　42.6kmであることを示しているんだ。

浜　奈　「やっぱり距離は”km”じゃなければね！」