プロジェクトX−5
〜クリスマス・イヴ〜











「「メリークリスマス!!」」

声と共にクラッカーの音がする。

今日はクリスマス・イヴ。

「このケーキ、青子が焼いたの?」

「そうだよ」

「味は・・・まぁまぁだな」

「ちょっと快斗!!何勝手に食べてんの?」





毎年のように行われているクリスマスパーティー。

でも今年は少し違っていた。

(今は午後七時・・・)

ニセモノキッドが予告状に示したのは、

どうも午前零時きっかりらしい。





一年で一度きりの記念日。

サンタクロースを待つ街で、

聖なる鐘が鳴ると共に

米花駅前のツリーを頂きに参上する・・・か。

青子から教えてもらった予告状の内容。

サンタクロースを待つ街。

聖なる鐘が鳴ると共に・・・

米花駅前の時計が鳴るのは、

午前と午後の零時のみ。





午前零時まであと五時間・・・





















「「メリークリスマス!!」」

ちょうどその頃、阿笠邸でもクリスマスパーティーをやっていた。

今年のプレゼント交換では、

歩美ちゃんの手作りのマフラーが当たった。

(ハハ・・去年は手袋で今年はマフラーか)

コナンが持ってきたミニチュアツリーは光彦に当たっていた。

「可愛いですね、コナン君」

「あ・・あぁ、駅前のアンティークショップで見つけたんだ」

いつもと変わらない会話

でもコナンだけは独りソワソワしていた。

「怪盗キッドが気になる?」

「・・・まぁな」

冷たい哀の視線を受けながら、

下唇をギュっと噛む。

時刻は午後八時。





午前零時まであと四時間・・・




















 
「あれ?快斗?」

いつの間にか快斗が消えていた。

時刻は午後十一時。

他のみんなはほとんど帰ってしまった。

「ヤダ・・・快斗帰っちゃったのかな?」





















「・・・ったく、なんでお前まで来るんだよ?」

「別にいいじゃない」

スケボーの後ろに乗り、コナンの肩に手を置きながら

哀は淡々としゃべっている。

「あたしだって怪盗キッドの面を眺めてみたいのよ」

「・・・勝手にしろ」

ぐっすり眠っている歩美達を置いて、

二人は眠る街にやってきていた。

時刻は午前零時五分前。




カウントダウンが始まる

















ゼロ