プロジェクトX−5
〜クリスマス・イヴ〜
「「メリークリスマス!!」」
声と共にクラッカーの音がする。
今日はクリスマス・イヴ。
「このケーキ、青子が焼いたの?」
「そうだよ」
「味は・・・まぁまぁだな」
「ちょっと快斗!!何勝手に食べてんの?」
毎年のように行われているクリスマスパーティー。
でも今年は少し違っていた。
(今は午後七時・・・)
ニセモノキッドが予告状に示したのは、
どうも午前零時きっかりらしい。
一年で一度きりの記念日。
サンタクロースを待つ街で、
聖なる鐘が鳴ると共に
米花駅前のツリーを頂きに参上する・・・か。
青子から教えてもらった予告状の内容。
サンタクロースを待つ街。
聖なる鐘が鳴ると共に・・・
米花駅前の時計が鳴るのは、
午前と午後の零時のみ。
午前零時まであと五時間・・・
★
「「メリークリスマス!!」」
ちょうどその頃、阿笠邸でもクリスマスパーティーをやっていた。
今年のプレゼント交換では、
歩美ちゃんの手作りのマフラーが当たった。
(ハハ・・去年は手袋で今年はマフラーか)
コナンが持ってきたミニチュアツリーは光彦に当たっていた。
「可愛いですね、コナン君」
「あ・・あぁ、駅前のアンティークショップで見つけたんだ」
いつもと変わらない会話
でもコナンだけは独りソワソワしていた。
「怪盗キッドが気になる?」
「・・・まぁな」
冷たい哀の視線を受けながら、
下唇をギュっと噛む。
時刻は午後八時。
午前零時まであと四時間・・・
★
「あれ?快斗?」
いつの間にか快斗が消えていた。
時刻は午後十一時。
他のみんなはほとんど帰ってしまった。
「ヤダ・・・快斗帰っちゃったのかな?」
★
「・・・ったく、なんでお前まで来るんだよ?」
「別にいいじゃない」
スケボーの後ろに乗り、コナンの肩に手を置きながら
哀は淡々としゃべっている。
「あたしだって怪盗キッドの面を眺めてみたいのよ」
「・・・勝手にしろ」
ぐっすり眠っている歩美達を置いて、
二人は眠る街にやってきていた。
時刻は午前零時五分前。
カウントダウンが始まる
5
4
3
2
1
・
・
・
ゼロ
→