「怪盗キッドを捕まえろ?!」
クリスマスニ日前。
高木刑事は朝からとんでもないことを聞かされていた。
目暮警部からのクリスマスデートのお誘いは、
こんな内容だった。
「何しろ歳末で人手不足らしいから・・・」
「だから僕も手伝えというのですか?!」
「ちょっと・・・なんで私まで・・・」
隣には佐藤刑事もいる。
二人は目暮警部からの命令で、
明後日のキッド捕獲大作戦のスタッフにされてしまった。
(でも・・・これでクリスマスは佐藤さんと一緒だ・・・)
「あ〜あ、せっかくの非番だったのに」
佐藤刑事はちょうど一昨日、
目暮警部に呼び出された高木刑事をからかっていたのに、
自分までも巻き添えを食らってしまった。
せっかくのクリスマスも二人揃ってお仕事です!!
★
一年で一度きりの記念日。 サンタクロースを待つ街で、 聖なる鐘が鳴ると共に 米花駅前のツリーを頂きに参上する。 怪盗キッド |
怪盗キッドからの予告状を眺めながら、
中森警部は溜め息をついていた。
いつもと同じような予告状だが、
何かが違うような気がする。
「サンタクロースを待つ街・・・か」
確かにこの街は眠っているようにみえる。
あの駅前のツリーだってほとんど飾りつけもしていない。
「一体何をしでかすつもりなんだ・・・?」
★
「何?!」
ちょうどその頃、コナンも驚いていた。
結局終業式には間に合わなかったが、
体調はあれからだいぶ回復し、
こうやって起きていられるようになった。
隣にはいつもの少年探偵団のメンバー勢ぞろいである。
「えぇ、駅前のツリーを盗むそうですよ」
「すげぇーな!あんなのどうやって盗む気だよ?」
(どうやら神様は相当オレ達の対決が見たいらしいな・・・)
「嬉しそうじゃない・・・」
微笑しながら哀が話しかけてきた。
「これなら熱も下がるわけね」
「まぁな」
胸がドキドキしている。
久しぶりのこのスリル感。
「今度こそ絶対、捕まえてみせる!!」
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