学校へ行こう!!

〜第四話 恐怖の夏休み編〜











無事期末試験も終え、夏休みに入った。
期末ももちろん灰原はトップで、内心ヒヤヒヤもんだった。
彼女に危害を加えるようなやつはいなく、
一学期は何事もなく平和そのものだった。





「肝試し?」
「そう、皆でやらない?」
夏休みも始まった七月二十一日。
突然のクラスメートの女の子からの電話に
ドキドキしながら出たら、こんな内容だった。
(くだらねー)
「え、江戸川君?」
「あ、あぁ・・ごめん」
「どうする?やる?」
(これで参加しなかったら何か言われそうだしな・・・)
「もちろん行くよ」
何だかんだ言ってお人よしである。




















「で、何でオレがお化け役なの?」
自分はバリバリ参加する気でいたのに、
渡されたのはお化けの衣装。
「だってピッタリじゃないv」
電話をくれた小田さんという子は、
歩美ちゃん並のボケぶりでこう笑った。
(な、何でかな〜?)
貞子みたいなかつらをかぶり、作り物の井戸の中に・・・
(パクリじゃん!!)
そんなことは考えてはいけない。
(しかも女装???)
アーメン。





コナンが井戸の中でそんなことを考えているうちに、第一回肝試しは始まった。
「そーいや、灰原は来るのか?」
もちろん独り言。
側には誰もいない。
「これ男女のペアだったよな・・・」
だんだん腹がたってきた。
「どんな男と来るか見てやろうじゃねーか」





適当にクラスメートたちを驚かし、
開始十五分ほど経ってから彼女らはやってきた。
(恐怖で歪んだ灰原の顔が拝めるぜ)
なんてニヤっと笑っていたら、
(ア、アイツは・・・!!)
相手の男の顔を見て、こっちの血の気が引いた。





松田英雄・・・!!

整った顔立ち。
運動神経バツグンで成績もなかなか。
中間・期末と共に学年五位であった。
クラスの女の子たちだけではなく、他のクラスや上級生、他校にまで大人気の男なのである。



「灰原さん、いいクジ引いたわね〜」
いつのまにか、隣には魔女の格好をした小田さんの姿が。
(洋風・和風混ざってんのかよ?)
じゃなくて・・・
「彼かっこいいよね」
「・・・そうだね」
ブズっとした顔で答えると、
「あ、でも私は江戸川君の方が好みだけど」
「・・・ありがと」
何だか情けなくなってきた。
「ほら、二人が来たよ」
「あぁ・・・・」









「うらめしや〜」








井戸の中から脅かす。
いまどきこんな台詞言うかよ?
と思ったが、台本にあるから仕方ない。

その0.01秒後
「うっ・・・!!」
「・・・何してるの?江戸川君」
二人の声が重なった。



心のどこかでは覚悟はしていた。
灰原はこんな子供試し驚くはずがない。
ってゆーか松田の方が驚いてるし。
もうひとつ言うと、何でオレだってわかったの???
女装までしてるのに・・・!!





恐怖で歪んだ松田の顔。
出るタイミングを逃した小田さん。
冷や汗かいてるオレ。
眉根を寄せ不思議がってる灰原。





どうしようもないこの微妙な沈黙を破ったのは、
もちろんこの人。
「似合ってるわよ、女装」
フっといつもの微笑で彼女は行ってしまった。
「あ、待ってくれよ」
と慌てて追う松田。
と思いきや、引き返し。
「オレ、彼女のこと狙ってんだよね」
とだけ言うだけ言ってまた追う。
「え〜?!松田君って灰原さん狙い?!」
目をくりくりに輝かせ乙女モード全開の小田さん。
女性芸能記者みたいだ。
(ってゆーか何でオレに言うの?)








新たなるバトルの予感・・・?!




















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