学校へ行こう!!

〜第ニ話 部活編〜











「ねぇ、コナン君!部活どうするの?」

授業が本格的に始まったある日、歩美が声をかけてきた。
「あぁ、たぶんサッカーかな?」
「やっぱり?歩美ね、サッカー部のマネージャーやろうと思って・・・」
「へぇーそうなんだ?」
「元太君は柔道だって」
「ハハ・・・元太らしいや。光彦は?」
「光彦君はまだ決めてないって」



(そういやあいつはどうすんだろう・・・?)
ふと窓際に座って本を読んでる少女に目を向けた。
こちらの話し声は聞こえないらしく、
難しそうな本を姿勢を変えず読んでいる。
「で、灰原さんも誘ってみようと思うの」
「えっ?!」
「だから、サッカー部のマネージャー」
「そっか・・・・」
ちょっと嬉しくなった。





「へぇー、やっぱりコナン君はサッカーですか」
放課後、みんなで帰るのは日課となっている。
「光彦はどうすんだ?」
「一緒に柔道やろうぜ!!」
「僕は運動はちょっと・・・・・」
「じゃぁ文化部にするの?」
「推理小説研究部っていうのがあるんですよ。そこにしようかと・・・」
「へぇー」
一番反応したのはコナンだった。
「あら・・・そっちにするの?」
クスっと笑って、哀は聞いてきた。
「別にそういうわけじゃねーけど・・・・」
「あ、そうだ!灰原さん、一緒にサッカー部のマネージャーやらない?」
「サッカー部のマネージャー?」
「あ、イヤならいいんだけど・・・・」
「・・・・・・分かったわ。考えとく」
(やけにあっさりしてんな。絶対断ると思ったのに・・・・)
「あれ?歩美ちゃん、テニス部にするって言ってませんでした?」
「う、うん。ちょっと気が変わってね」
「歩美のスコート姿見たかったな」
「元太君のエッチ!!」





「じゃ、またな」
パン屋の前の小さな交差点でコナンと哀は他の三人と別れた。
ここからはいつも二人である。
(なんか気まずいんだよな・・・・)
とか思っていると、
「本当にサッカー部に入るの?」
彼女の方から話しかけてきた。
「あぁ、ほぼ完全に決定」
「そう・・・・・」
ちょっと表情を曇らせた。
「貴方はあたしがマネージャーやるのどう思う?」
「は?」
どういう意味だろうか。
「だから・・・・イヤかしら?」
「別にイヤじゃねーけど?」
むしろ大歓迎。
「そう・・・・」
「なんだよ?一人でまた勝手に納得しやがって」
もっと自分を頼って欲しい。
「あたしには無理だと思うんだけど・・・・」
「そんなのやってみなきゃ分かんねーだろ?」
オレはいつものようにニカっと笑う。
「そうね」
彼女は表情を変えずに、それっきり黙ってしまった。





「ただいまー」
探偵事務所のドアをあけながら言った。
「おかえり〜!すぐご飯にするね」
蘭の優しい笑顔。
「うん」
「あ、そういえば部活どうするの?」
(今日はこの話ばっかだな)
「うん、サッカー部にしようと思って」
「そうなの?新一もサッカー部だったのよ」
(知ってるっつーの)
とか心のなかでツッコミをいれながらカバンを下ろした。
「ホントにマネージャーやるのかよ?」
さっきの彼女の言葉を思いだす。
「何か言った?コナン君」
「ううん、何でもないよ」
にっこり笑ってコナンは言った。





次の日の放課後、とりあえず仮入部として
コナンはジャージに着替えてグランドへ行った。
そこにはジャージ姿の歩美と・・・・哀だ。
「やっぱ来たじゃん」
ボールを蹴りながら、二人に話しかけた。
「うん、二人でがんばろうと思って」
「そっか」
哀の方に視線を向けた。
「べ・・・別にやらないなんて言ってないわよ」
真っ赤になって何やら弁解している。
「がんばれよ、マネージャー」
ふっと笑って、コナンは哀の頭をポンと叩いた。








そしてその一週間後、
コナンはサッカー部。
歩美と哀はサッカー部のマネージャー。
元太は柔道部。
光彦は推理小説研究部にそれぞれ正式に入部した。





















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