公園であった日本画壇の大家
先日新聞を見て驚いた。「元宋色」と言われる大胆な赤の色使いで知られる
日本画家、奥田元宋さんの訃報が載っていた。
もう何年も前のことだろう。私が毎朝、散歩している近くの石神井公園の池に、
水鳥にパンをやりに来る男性がいて、世間話をするようになった。
ある日、「おじさんの職業当てて見ましょうか。パン屋さんでしょう」と言うと
その人は「パン屋さんとはいいね。」と大笑いした。
しばらくして新聞記事に、奥田さんが石神井公園を散歩しているという話が載っていて
「あの人」が奥田さんだったと知った。どうしたものかと読売新聞社に電話した。
担当の記者さんは笑いながら
「いいお話ですね。奥田さんにお手紙を出したらどうですか」と教えてくれた。
手紙には、先日のお詫びと共に、小学生の時に、雪の日の犬を描いたら
「豚か」と言われ、絵が嫌いになったことを書いた。
まもなく、ご本人からの返信が届いた。
日展の招待券二枚が添えられ、絵画の鑑賞方法が丁寧に書かれてあった。
以来、私は日展にだけは毎年、足を運ぶ。
手紙の中で「自分なりの目で見れば良い」と絵画の楽しみ方を教えて下さった奥田さん。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
2003.2.21 読売新聞 気流
東京都主婦K,Sさん75歳投稿記事
