ラストサムライ
オールグレンは勝元に近づき最後の戦いの指示を出していた。
「以前はなしたスパルタの300人の兵士の話を覚えているか?」
「100万の兵に立ち向かった話か・・・300の兵士はその後どうなったのだ?」
「全員死んだ」
勝元はオールグレンを見てニヤリと笑った。
そしてつられてオールグレンもニヤリと笑う。
そして勝元は鬼の形相になった。
「いくぞー!!」
その掛け声と共に生き残っている兵士がいっせいに
「ウォオオオオーーー」
と雄たけびを上げる。
地面を揺るがすような怒号だった。
幕末、尊皇攘夷により江戸幕府は倒れ、明治維新され
政府が日本という国を世界に通用する国に作り変えようとしていた。
そのとき、アメリカの南北戦争時代に活躍した天才オールグレン大尉が
鉄砲による戦闘指南に抜擢され、日本へ向かうことになる。
そこでオールグレンが教えられたことは
明治政府の敵は侍という戦士のことであることと、
その侍は腹を切らせることや斬首するなど非常に野蛮な連中にしか思えないということだった。
そして戦闘訓練をする中、最後の侍、勝元の兵が現れたと聞く。
オールグレンは態を率いて森での戦闘となるのだが、
勝元の戦術に破れ、オールグレンは捕虜となってしまう。
だが、捕虜となったはずのオールグレンは勝元の集落から逃げることはできないといわれ、
自由気ままに生活することを強いられる。
そこでは常に自分に厳しいが、みんな生き生きと生活する侍の姿であった。
そして、その生活に溶け込みオールグレンは剣術を覚え始めるのであった。
そして勝元と話をすることにより侍としての死を理解し始めていた。
さらに勝元が明治政府に楯突いている理由もわかってくるのだ。
それは天皇へ対する絶対の忠誠であったのだ。