スタンドバイミー
クリスはゴーディに言った。
「君は他の子と違って頭が良い!親の言うことを聞くんじゃなくてやりたいことをやればいい!
小説家になりたければなればいい!もし、小説家として行き詰まったらこの日のことを書けばいいじゃないか」
自分の存在価値に疑問を抱いているゴーディに対し、まっすぐな目でクリスは言ったのだ。
これは小説家スティーブン・キングの少年時代の実話なのだ。
ゴーディと呼ばれる少年はスティーブン・キングの事である。
ある小さな町に住んでいる4人の悪ガキ。
それぞれ家庭に事情があり、町の人からもあまり好かれていなかった4人。
ある者はひどい家庭内暴力を受け、ある者は犯罪者の息子と言われる。
物語の主人公ゴーディの家庭も一見ごく普通の家庭に見えたが、優秀な兄のせいで
両親からよく兄と比べられていた。しかし、ゴーディは兄が大好きだったのだ。
そんな兄が突然交通事故で亡くなってしまう。それから、両親は兄の期待をすべてゴーディにぶつけてくるようになるのだ。
落ち込んでいるゴーディを他の3人の少年がある話を持ちかける。
それは有名人になろうというものであった。
数日前に行方不明になったある少年の遺体が川で流されていることを知った4人は
その遺体を見つけて、新聞に載って有名人になろうとたくらむのであった。
そして遺体を探しに4人は少しの食料と必要と思われる道具を持って冒険に出かけるのだ。
それはたった数日間であったが、かけがえのない少年時代の冒険物語であった。