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政治参加で未来をまもろう

「政治参加で未来をまもろう」

            岩波書店ジュニア新書

                                   2006年出版 定価740円


親愛なる皆様


未来は現在の次に自動的に到来するものではありません。われわれが希望を託す「未来」はもう溶解しつつあって、今の政治が次に提供しようとしているものは、もはや「未来」とは呼べないような質の悪いものなのです。

今、世界では若者が自分たちの未来をまもるために、選挙権があろうが無かろうが、さまざまな手段を使って社会の不条理、抑圧的な政府や社会構造と闘っています。それはある意味で、若者の自己防衛(セルフディフェンス)なのです。

フランスでは高校生組合が数十万の高校生デモで政府の政策撤回を勝ち取り、韓国では高校生向けのインターネット新聞が発行され、アメリカでは十八歳の市長が誕生する...そうした世界全体で若者が立ち上がっているのに、なぜ日本では若者は自分の人生をそして未来をまもろうとしないのか、そこに日本社会の抱える深刻な問題があります。


 そうした問題点を分析すると同時に、現代社会における民主主義の意義、政治の役割、そして市民が政治に参加するための具体的な方法などを書きました。高校生や大学生の皆さん、そしてその親の世代にもぜひ読んでほしいと思います。   


                 2006年8月

           首藤信彦(すとうのぶひこ)



金ジフン記者との会談
韓国の高校生の政治活動の代表例として2002年米軍装甲車による女学生轢逃げ事件への抗議集会の様子の写真を p115に掲載しました。そこでマイクを持って抗議文を読み上げている長い髪の女子高校生が金祉訓(キミジフン)さんです。韓国は日本とは比較にならないほど若者の政治活動が盛んで、とくにしがらみのない高校生は先鋭化し、政治変革の先鋒を務める場合があります。2002年に盛り上がった米軍基地撤廃運動では、二人の女学生の不条理な死に抗議して、学生が米軍基地を包囲し、血を意味する紅い紙で紙飛行機を作って基地になげいれるなどの抗議行動を行いました。


金記者とともに
写真説明
文中の写真は高校生の米軍基地反対集会の時代のもので、金さんは、眼鏡をかけた勉強の良く出来るしっかりした高校生...という感じです。彼女は大学に入って、いつしか学生記者に成長し、2007年実際に会ったときには、右の写真のような現代女性、バリバリの女性記者に変身(?)していました。


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