「JR横浜線の昔」@80万人ご乗車達成記念
横浜線電化の歴史
および
電化施設・装置類
架空電車線方式(架線集電方式) :直流電化 (1500V)
横浜線は
■大正14年 東神奈川〜原町田間が電化
されましたが・・・・
東海道線の電化試験および訓練のための電化で電車による旅客営業運転はありませんでした。
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東海道線東京・沼津間および山手貨物線の電化用をかねた試用のため海外から電気機関車(EL)を輸入
アメリカ ウエスチングハウス社1000形(改正後ED10形) アメリカ GE社 1010形(ED11形) イギリス イングリッシュ・エレクトリック社 1030形(ED13形) スイス ブラウン・ボベリ社 1020形(ED12形) イギリス メトロポリタン・ビッカース社ED56形 ドイツ シーメンス・シュケール社 ED57形 イギリス イングリッシュ・エレクトリック社 6000形(ED51形・52形)・8000形(EF50形)・1040形(ED50形) |
架線柱 |
本線開業前の試運転線に山手貨物線を使用したが、車両故障が多いため
比較的線路容量に余裕のある横浜線横浜-原町田間23Kmを電化して、
上記の輸入ELの慣らし運転と乗務員の練習運転を実施しました。
※実際にどのELが走行したかは不明
しかし横浜線で実際に電車による旅客営業運転したのは・・・
架線柱+吊架線 |
■昭和7年10月のことでした。 |
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参考文献:鉄道ジャーナル 1988年8月号
情報提供 北海道在住 増田様
架空電車線(架線):エアジョイント
電車や機関車の集電装置(パンタグラフ)と接触しながら連続的に電力を供給するための電線
上図は架線を上方から見たもので、架線の長さは数100m〜数kmですが,
架線同士を接続するために,接続部分は隣接する区間の架線と平行し
両者をジャンパ線で接続して電気的に連続しています。
(後述の「エアセクション」は、ジャンパ線を接続しないものです。:電気的不連続状態)
気温の変化で架線が伸縮するため一般的には1500m毎に区分し
張力調整機(後述)にて張力を調整しています。
カテナリー吊架式架空電車線
カテナリー ( Catenary) とは懸垂線の意味で
カテナリー曲線とは電線などの両端を持って垂らしたときにできる曲線である。
ウイキペディアより引用
架線柱+吊架線+ハンガー+トロリー線
横浜線の架線の大半は「シンプルカテナリー式」で代表的な架線です。
パンタグラフが接触するトロリー線と、トロリー線をハンガーで吊して支えるための吊架線とで構成されています。
東神奈川・大口間下り線の一部には「ツインシンプルカテナリー式」で
シンプルカテナリー方式の架線を2組並べたものになっています。
●架線が、完成しても電車は、まだ走行できません。
電力を供給する変電所が、必要です。
横浜線の変電所 2009年現在
■小机変電所
発電所からの高圧交流電力を変電所にて1500Vに降圧し直流に変換してから(直流・1500V)架線に電力を供給しています。
架線電圧計は1500V(1.5KV) |
電気運転計画の目安として変動範囲の最高電圧1650V,最低電圧1100Vとしています。
東神奈川・八王子間には5ケ所変電所があります。
JR東日本 横浜電力区 横 浜変電所 JR東日本 横浜電力区 新子安変電所 ----------------------------------- JR東日本 横浜電力区 小 机変電所 JR東日本 横浜電力区 長津田変電所 JR東日本 横浜電力区 町 田変電所 JR東日本 橋 本変電所 JR東日本 八王子変電所 ----------------------------------- JR東日本 高尾変電所 |
(横浜-東神奈川間) (新子安-鶴見間) -------------------- (小机) (十日市場-長津田間) (町田-古淵間) (相模原-橋本間) (片倉-八王子間) --------------------- (高尾) |
8ケ所の変電所により電力が供給されています。
小机変電所
では
鴨居・小机間のエアセクション(後述)を境にして4系統の電力を供給(画像上)しています。
@横浜方面下り線 A横浜方面上り線 B長津田方面上り線 C長津田方面下り線
長津田変電所(十日市場・長津田間)
でも
4系統の電力を供給しています。
D下り線の小机変電所のエアセクションまでCと接続
E上り線の小机変電所のエアセクションまでBと接続
F下り線の町田変電所のエアセクションまで
G上り線の町田変電所のエアセクションまで
エアセクション
記号
エアセクションは電力を供給する変電所で異なる電力系統を絶縁(空気を絶縁体としています)するため、架線に設けられた設備です。
上図の下段は架線を上方から見たもので赤色架線と青色架線の電力供給の変電所系統が違います。
設置場所
小机・鴨居間のエアセクションの上り線は城山隧道と城山踏切間に、下り線は城山隧道と都筑踏切間にあります。
■東神奈川・八王子間には上り下り合わせて12ケ所のエアセクションがあります。
※注意 直流電化区間では両側2ヶ所の変電所から並列に、き電(電力供給)されています
長津田:十日市場間下り線のエアセクション
(本画像は長津田の場内信号の停止信号で停車中に撮影しましたが
もう2両分進んで停車すると・・・パンタが、このセクション内に入り・・・)
余談ですが、停車中に防護無線の受信音を初めて聞きました。
(2つ前の先行列車が成瀬・町田間の踏切で停車し発報したため)
張力調整機 | |
スプリング式バランサ スプリングによって、架線の張力を調整しています。 |
滑車式バランサ 滑車から錘によって、架線の張力調整しています。 |
エアセクションが設けられた箇所に表示されるのが「電車線区分標」です。
<<重要事項>>
■停止信号等で、このエアセクション内で電車が停車、
あるいは
停車状態から力行(フルノッチ)すると
アーク(火花)や熱が発生して架線が溶断(断線)する可能性があります。
注意 エアセクションにて架線が溶断する原因として @エアセクション内にパンタが接触して停止した場合 A停車状態からフルノッチで加速した場合 B複数パンタがある場合はエアセクションを挟んで停止あるいは加速した場合 などと文献やサイトで散見されますが どちらが正しいのか、あるいは全て正しいのか、 素人の私には判断出来ませんでした。 まあ一つ言えることは、 「エアセクションの前後では停車してはいけない」 事でしょうか |
【セクション外停止位置予告板】
2005年9月頃、架線断線を防止するためエアセクション内に停止させないように
【セクション外停止位置予告板】が設置されました。
設置場所:橋本・相模原間上り線 長津田・十日市場間上り線
【セクション内停止禁止】 前述の【セクション外停止位置予告板】と【セクション外停止位置標】(後述)の間の架線柱全てに2007年度設置されています。 ※全てのエアセクション(12ヶ所)の付近に設置されているわけではありません 設置場所:橋本・相模原間上り線 長津田・十日市場間上り線の2ヶ所 (2007年6月に発生した東北線架線断線による輸送障害による再発防止対策として設置) 【セクション内停止禁止】 よって十日市場・長津田間のエアセクションでは上り線にしか設置されていません。 ***独り言*** 設置の有無は信号機との位置関係による様ですが、全てのエアセクション付近に 設置すべきと管理人は考えますが・・・ このセクション内に 緊急事態で列車を停車せざるを得ない場合には、パンタグラフを下げる必要があります。(未確認事項です) |
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パんタを下げるには Mパンダグラフ下げスイッチ を押すことにより下がります。 |
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【セクション外停止位置標】 2005年9月頃設置 運転士は停止信号等で列車を停止する必要性がある場合は セクションを通り過ぎて 【セクション外停止位置標】の位置で停止させます。 設置場所:橋本・相模原間上り線 長津田・十日市場間上り線 |
【セクション外停止位置予告板】 | ------- | エアセクション |
------ | 【セクション外停止位置標】 | ----- | (停止)信号 |
←←←【セクション内停止禁止】→→ 【セクション外停止位置予告板】と【セクション外停止位置標】の間の架線柱全てに設置されています。 |
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小机・鴨居間下り線に設置 |
快速橋本様 【掲示板 2015/8/10投稿】 |
快速橋本様 【掲示板 2015/8/10/投稿】 |
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”5両クリア”は下り八王子方面行きは先頭車が数えて5両目にパンタグラフがありますので、これをクリアすれば停車も可能で ”7両クリア”は上り東神奈川方面行き」は先頭車から数えて7両目にパンタグラフが ありますので、これをクリアすれば停車も可能で ”4両クリア”は、はまかいじ号の八王子方面に設置されています。 |
■速度が25km/h 以下の低速でエアセクションに接近した列車の運転士に対して、
エアセクション内では停止してはならない旨の警告を音声アラームで知らせるシステムを導入する予定であるが
2009年11月1日現在、横浜線205系には全編成には設置されていません。
(JR東日本 2007年6月発表)
インシュレータセクション
記号
電気的に区分する必要があり、渡り線など列車の通過速度が低い箇所に用いられます。
横浜線内では電留線や駅構内の中線内の進入路や退出路にあります。(下図参照)
絶縁体としてFRP(ガラス繊維強化プラスチック)や、がいしなどが使用されています。
ここにも「電車線区分標」があります。
中山駅構内き電図
※中線の架線の電力は上り線と共通になります。
東神奈川・小机・中山・長津田・町田・淵野辺・橋本・八王子駅構内にあります。
上級者問題:撮影地は何処でしょう? ヒント:ある駅の下りホームより撮影したもので走行中です。 |
パンタグラフ PS21 避雷器 LA16 手前にある円柱の装置が避雷器です。 外部からの雷サージや車両で発生するサージを吸収し機器を保護しています。 |
架線からの電流は線路を通り、変電所にもどります。(帰線電流)
しかし、線路には信号電流も流れているため、閉塞区間の境では
信号電流を絶縁する必要があります。
これはこの信号電流をカットし変電所に戻る電流だけを通すための機器です。
(帰線電流は変電所に向かって隣のレールに流れていき、
終
架線終端標識
問題の解答:小机駅
ボンドを辞書(Yahoo!辞書)で調べると 1 証券。株券。 2 鉄道線路のレールの断ぎ目で、電気回路の保持のためにつなぐ電線。 3 接着剤の商標名。 とあります。 【ボンド】で 「接着剤」と「007」 しか思い浮かばなった私は「鉄ちゃん」・失格でしょうか? (^_^;) 「え〜!? 失格?」 (;一_一) * 「あ!はい イギリスの通貨単位です」 「・・・・・」 彡( ̄_ ̄;)彡ヒュー |
中山駅構内 |
今回は「電化」をキーワードに 色々調査いたしましたが、 この「張力調整機」は、 これが標準かと思っていました。 実はこのタイプは残り僅か??になっているようです。 時間のある時でも設置場所を探してみたいと思います。 今まで何気なく見ていたものが、 突然他のものに変わっていたなんて、 今後もあるかも知れません。 色々記録に残しておきたいものですね。 「パンタグラフ」も、そのうちの1つですね |
<<「JR横浜線の昔」@ワンポイント レッスン>> 電化についてご理解できましたか? 理解出来なかった方への特別講義 下記の図はわかりますか?
この回路は、下記の様に書き換える事が出来ます。 電池が変電所---赤い線が架線---青い線がレール そして豆電球が205系の電車 となります。 それぞれ架線にはパンタにて接続され レールとは車輪にて接続され 回路が形成されて豆電球が点灯(電車が走行)することになります。 これで、インピーダンスボンドやレールボンドの役割も お解りになりましたね! 直流1500Vの電化路線は一般的に、変電所は5〜10km間隔に設置されています。 |
★印は、「エアセクション」です。
え? エアセクション内に停車して力行すると何故、架線が断線するって? んん〜ん エアセクション内に停車、あるいは停車した状態からノッチを入れても100%断線するわけでは、ないらしいのですが 列車1のようにパンタがエアセクション内で停車した場合 「パンタグラフは違う系統(異なる電圧)の架線二本と接触状態になり、 停車あるいはノッチを入れると パンタと架線の間で アーク(火花)が発生して高熱のため架線が溶けて断線する。」らしい この時、2系統ともにぴったり1500V(あるいは電位差なし)であれば問題はないはずですが しかし離線時に火花が発生して溶断する可能もあるらしい。 電圧は他の列車の加速や減速によっても変動しますので 2系統の電圧の差が大きいとアーク(火花)や熱が発生し溶断し易くなるようです。 また架線は一定の張力で張られていることも一因のようです。 因みに高速で走行中は溶断はしないそうです。 列車2の様に複数のパンタがエアセクションを跨いで停車しても溶断する可能性があるようです。 え? ”らしい”が多いって。 詳細は他のwebサイトを参照して下さい。 (^_^;) (このエアセクション内の架線溶断に関しては未確認事項が多いため、参照程度にとどめておいて下さい) |
運転台の架線電圧計が変動するのが分かります。
撮影は2009年11月15日ですが シングルアームパンタグラフが多くなったと実感した日でした。 |
「JR横浜線の昔」@80万人ご乗車達成記念
完
<参考文献> |
昭和鉄道高等学校編 『<図解>鉄道のしくみと走らせ方』かんき出版,2007年 宮本昌幸編 『図解・鉄道の科学 安全・快適・高速・省エネ運転のしくみ』講談社,2006年 電気学会電気鉄道における教育調査専門委員会編 『最新 電気鉄道工学』コロナ社,2000年 電車研究会『205・211系直流電車』交友社,1988年 |
制作 ・ 著作
「JR横浜線の昔」
横 浜 線 .
YOKOHAMA−LINE