Reger
(1873-1916)


モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ (1914)
 1873年、バイエルンのブラントに生まれる。レーガーは、まずブラームスの音楽を研究、その後バッハ、ベートーヴェンのエクリチュール、変奏法などを学びつつ、伝統的な三和音和声を発展、ワーグナーの“トリスタン”半音階法、ドビュッシーの印象主義などを自由に駆使し、これを線的対位法と結合させるなど、近代音楽への開拓者である。

 1914年3月、脳卒中発作で倒れ、サナトリウムで療養後、シュネーヴィンゲルにて静養。楽しい時を過ごしていた。同曲はオーケストラ版、2台ピアノ版、4手(連弾)版があり、それぞれ音の厚み、色合いなど、編成の特徴が顕著である。

 テーマは有名なモーツァルト:ピアノ・ソナタ「トルコ行進曲付き」K.331の第一楽章のテーマ。8つの変奏とフーガから成る。楽譜上のデュナーミクやアーティキュレーションは、モーツァルトというよりは逆にレーガーの個性を際だたせ、対峙させている。彼の作品は、高度なテクニック、分厚い和声、激情、悪戯 −時に荒々しく喜び、波間に漂う− を要求しているが、レーガー自身のピアノの演奏は、テクニシャンというよりは、ピアニッシモの得意なタイプであったらしい。(Y.C)
演奏時間:約28分
ベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガ 作品86
1873年、ドイツ バイエルンのブラントに生まれ、後期ロマン派の時代に、純ドイツ的古典主義に徹したレーガーは、まずブラームスの音楽を研究、その後バッハ、ベートーヴェンのエクリチュール、変奏法などを学びつつ、伝統的な三和音和声を発展させた。ワーグナーの“トリスタン”半音階法、ドビュッシーの印象主義などを自由に駆使し、これを線的対位法と結合させ、対位法の権威と呼ばれる。
 この曲のテーマは、ベートーベンのバガテルOp.119-11 Es-durアンダンテ「無邪気に、かつ歌うように」。老境の悟りの域の 爽やかな可憐さを、漂わせている。
12の変奏曲とフーガから成り、極めて自由多彩に、ある時は静溢でロマンチックな対話、またある時は強烈で複雑なリズムと情熱、と揺れ動き、上品で溌溂としたフーガのテーマは、自由にしかし厳粛に力強い総奏を迎える。ベートーベンの“宇宙的人間愛”に至る道は、平坦ではない?!(Y.C)
演奏時間:約32分


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