Rachmaninoff
(1873-1943)
◆組曲 第1番 《幻想的絵画》 作品5 (1893) |
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4つの詩を音楽的な絵画に表現したもので、その詩は楽譜の冒頭にも印刷されている。そのインスピレーションの源を格子ともに明らかにしていることはラフマニノフとしては例外的である。チャイコフスキーに献呈されたが、その初演の5週間前に他界し、聴くことはできなかった。(Y.C)
T.舟歌
ゆうべの冷たい波よ。
ゴンドラのオールをやさしくあらう。
− あの歌をもう一度!そしてギターの響きよ!
− 遠くから、時には物憂げに、時には楽しげに
古い舟歌が聞こえる。
「ゴンドラは水をつきぬけて飛ぶ。
海はふたたび穏やかになり
感情はもはや燃え上がることはない。」 M・レールモントフ(1814-1841)
U.夜・・・愛
ナイチンゲールの高いさえずりが
木の枝から聞こえてくる時刻だ。
恋人たちが誓いをたてる時刻だ。
どのささやきも甘く聞こえる。
そして 優しい風と近くの水音が
孤独な耳に音楽となる。 バイロン卿(1788-1824)
V.涙
人の涙、人の涙よ!
おまえは朝早くにも、夜遅くにも流れる。
おまえは人知れず、目にも見えず流れる。
無尽蔵に、無数に。
おまえはどしゃ降りの雨のように流れる。
秋の夜の深みの中で。 F・チュッチェフ(1803-1873)
W.復活祭
力強い鐘の音が大地に鳴り響き
すべての大気はうれり、震え、うめいた。
メロディアスな銀色の轟きが
聖なる勝利の知らせを告げる。 A・ホミャコフ(1804-1860)
(添田慎二 訳) |
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ラフマニノフは1892年、19才でペテルブルク音楽院を卒業し、オペラ「アレコ」をはじめ数々の作品を発表して、順風満帆に作曲活動を続けていた。ところが、1897年「第一交響曲」初演が大失敗に終わり、それを境に数年間、まったく作曲できないというほどの精神的痛手を蒙ったのであった。
作品16の「楽興の時」(1896)から実に5年の空白を置いて、ラフマニノフは当時親しくしていたピアニスト、A.ゴルデンヴェイゼルのために復活第一作としてこの「組曲第2番」を作曲することを思い立ち、1900年12月から1901年4月までに、有名な「ピアノ協奏曲第2番 作品18」と並行して作曲した。復活の冒頭作品にふさわしく、円熟期に入ったラフマニノフの音楽がいたるところにあふれた作品である。
ロマンティックな情緒、軽妙なリズム、甘美な旋律、躍動感に満ちたダイナミズム、絡み合う旋律線、ロシアの大地を思わせる息の長いフレーズ・・・作曲家であるとともに、優れたピアニストでもあったラフマニノフは、ピアノという楽器を知り尽くした上で、ロマン派爛熟期の音楽を、彼独自のピアニズムによって表現することができた作曲家であると言えよう。
曲は4つの楽章より成る。〔T. 序奏 U. ワルツ V. ロマンス W. タランテラ〕(F.K) |
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