Messiaen
(1908-1992)


アーメンの幻影 より Ⅱ.星々の、環をもつ惑星のアーメン
               Ⅳ.願望のアーメン
               Ⅴ.天使、聖者、鳥の声のアーメン
 この曲は「Ⅰ.創造のアーメン Ⅱ.星々の、環をもつ惑星のアーメン Ⅲ.イエスの苦悶のアーメン Ⅳ.願望のアーメン Ⅴ.天使、聖者、鳥の声のアーメン Ⅵ.審判のアーメン Ⅶ.成就のアーメン」の7曲から成る。
 
 カトリック神秘主義に基づき、ドビュッシーの旋法と和声、バルトーク、古代ギリシャのリズムの影響と拡張がみられる。(Y.C)


 ◇作曲者のノートより (抜粋)

  “アーメン”は4つの異なった感覚を帯びる。
  -アーメン、存在せよ!創造者の行為。
  -アーメン、私は従い、受け容れる。
           御心のなされることを。
  -アーメン、願望、欲望、そうあることを。
           御身がわたしに、わたしがあなたに委ねられますように!
  -アーメン、それは成された。すべては永遠に定められ、
           天国で成就される。

 アーメンを唱える創造された者たちの生命に、その存在の事実をあわせて、アーメンの多様な豊かさを7つの音楽的幻視に分けあてた。

Ⅱ.星々の、環をもつ惑星のアーメン

 激しく、野蛮なおどり。星たち、太陽、土星そしてさまざまな色彩の環をもつ惑星が荒々しく回転する。

Ⅳ.願望のアーメン

 2つの欲望の主題。第1はゆるやかで恍惚、深い慈愛へのあこがれ。天国の静かな香気。第2はきわめて情熱的。魂は畏るべき愛の力に引き寄せられる。神の愛の渇望。最後に深い安らぎ。二つの声は互いのうちに溶け合うかのようである・・・そして天の調和の沈黙のみ。

Ⅴ.天使、聖者、鳥の声のアーメン

 聖者たちの純潔のうた。アーメン。
 鳥たちの歓喜のヴォカリーズ、アーメン。
 「天使たちは御座の前にひれ伏す、アーメン。」(ヨハネ黙示録)

 まず天使と聖者の飾りのない純粋な歌。次に鳥の歌による「中間部」、ピアノのかがやかしい書法がくる。ナイチンゲール、つぐみ、やまがら、うぐいすの歌と自然界の音のさわがしくもほほえましい混交。聖者の歌の再現は3重の非可逆リズムのカノンを伴う。鳥による短いコーダ。


トップへ
戻る