☆8月号(2024年8月1日)
「自信!」「安心!」「自由!」。くじらぐみの子どもたちの声が響きます。7月中旬にCAP(エンパワメントかながわ)にお願いして実施したワークショップで学んだ言葉です。子どもたちに先駆けて保護者の方のワークショップも開催しました。来年も実施する予定ですので参加していただきたいです。
子どもたちは3日間連続で指導員の方のお話や人形を使った寸劇により「あらゆる性暴力や誘拐などから自分を守ること」、「自分はかけがえのない大切な人」ということを学びました。
日本人は元来「耐えること」や「我慢すること」に美徳を感じやすいですが、この学びでは子どもたちが保育園ですごしている間、ひと(友達)から嫌なことをされたときには「いやだ」と言っていい。ほかの人(保育士)に話していい。どんなに小さい子どもでも、みんな同じ権利(基本的人権)があるんだということを、興味を持ってたのしく学びました。
TVニュースで子どもに対する性暴力をよく目にします。イギリスでは10年も前からDBS(前歴開示及び前歴者就業制限機構)という仕組みがあり、子どもたちを守っていますが、日本でも教職や保育関係者による性犯罪が多発していることを受けて日本版DBS(こども性暴力防止法)が6月19日成立しました。多方面からの疑義はありながらも施行は2026年です。
ひよこ保育園では子どもたちをあらゆる性被害から守る決意から、園舎内外で園児をむやみに撮影しない、園舎内においては保護者証を携帯する、ひよこだより等に個人情報源となるフルネームは記載しない、など保護者の皆さんにお願いしている次第です。
☆7月号(2024年7月1日)
週末の豪雨から一転して、いよいよ猛暑がやってきました。今日はプール開きの予定でしたが、雷雨・強風・波浪注意報が出ていたので延期しました。子どもたちはがっかりですが楽しみは先に伸ばすことにして、思い通りにならないこともあることを学びました。今後2か月の間、水の神様が子どもたちが思いっきりプールや水遊びを楽しめるように、と見守ってくれることでしょう。
ひよこ保育園では、他にも伝説として子どもたちを見守ってくれる存在が月出松公園の茂み深くに隠れ住んでいると言われています。なぜか、こちらも夏になると子どもたちの事が気になって、物陰からそっとのぞいて見たり、手紙をくれたりするそうです。今年も、様子を見に来るかもしれませんね。
保育園での生活は安心できるじっくりとした時間の流れの中で、身近な環境に自発的に働きかけながら、思う存分周囲の世界に対しての好奇心や探求心を満足させたり、友達と関わりながら人との関係を学び築いていくためにとても大事な時期です。幼いころに自分の感性を研ぎ澄ませて屈託なく過ごすことが、その後の人生のあり様を決めることになるのではないと思っています。そういう意味でも、毎日の保育において、子どもたち一人一人が大切にされ、認められるようにして行きたいです。
今夏も猛暑の日々となりますが、ご都合のつくときに保育参加などで保育の様子をじっくりとごらんいただいて保護者のみなさんとの連携を築いていきたいと願っています。
また、子どもが保育士による虐待や性暴力の被害に遭う事件が多発しています。自分たちには関係がないと思いこまず、保護者の皆さんはじめ、地域や子どもに関わる学校、保育所等の職員が子どもたちを被害に遭わせないための予防策について学び、話し合う機会を計画しました。お忙しいとは思いますが、ご参加くださいますようお願いいたします。
☆6月号(2024年6月1日)
6月と言えば「梅雨」を思い浮かべますね。今年の梅雨入りは例年より遅く中旬頃の予想ですが、いずれジメジメムシムシの時期は到来するので、子どもたちが快適に過ごせるように、思う存分保育園で楽しく過ごせるようにしたいです。園庭では多少雨が降っても、どろんこあそびが出来るのでお家では洗濯が大変ですね。泥じみはおちにくいので、汚れてもよい服を用意していただければ幸いです。
子どもたちが好き放題に土と水を使って遊んだつけは、保育園では排水溝のつまりと言う顛末に直結していて、それも仕方がないかとあきらめる気持ち半分に、どろんこで遊んだ後始末も子どもたちと楽しめる保育をどう創るかと模索中です。
園庭は昨年以来、狭いながらもいろいろな体験ができるように少しずつ改造していて、同年代の友達や、兄弟児を含めた異年齢での遊びが広がっています。また、中庭も夏の水遊び以外にも子どもたちがのびのび遊べる空間にする術を思いめぐらせています。
以前TV番組で都筑区の1番の評価は「緑道」と放送されていました。豊かで安全な木立がいたるところに続いているので、ちょっとした時間にもご家族での散歩を楽しめますね。ひよこ保育園も恩恵を受けて自然を享受しながら保育をすることができることに感謝です。ご家族ぐるみの旅行やキャンプなど大きな計画でなくても日常的な小さな体験が子どもたちには身近な自然との触れ合いとなり、子ども同士の情報交換や探求心の育ちに繋がっています。
☆5月号(2024年5月1日)
ぴよぴよ10名、はとぽっぽ11名、うさぎ3名、きりん2名の新入園児を迎えて賑やかな新年度4月が過ぎ、ゴールデンウィークに入りました。他県から転入が多く5月はうさぎ、きりん、いるかくじらに1名ずつ入園するので合わせて109名の園児数になります。
国で少子高齢化が語られて久しいですが、都筑区も横浜市の中で世帯年齢が最も若いと言われながらも就学前児童数は減少しています。ひよこ保育園では日々パワフルな子どもたちが大勢通って来るので活気があり元気いっぱいですが、一方で開所当初から努めている保育者の高齢化が顕著です。
保育士養成校出身で保育所に勤務していない大勢の保育士資格保有者に再度、保育の面白さを知ってもらって保育士として働いてほしいと願っています。
子どもたちにとって保育園はまさに「第2のおうち」です。友達と夢中になって遊び、子どもたち一人一人がそうであるように、いろいろな個性の保育士たちと細切れでない時間をじっくり関わり、手作りの心のこもった給食やおやつを食べ、満足してぐっすり眠る。そんな何でもない普通の暮らしがめまぐるしく変わる賑々しい時代にあって、おとなの価値観に振り回される子どもたちにまず保障されるべきことだと思っています。
☆4月号(2024年4月1日)
桜の開花を楽しみにしながらも、突然の暴風雨に見舞われた年度末でした。お忙しい中、保育最終日の短縮保育にご理解ご協力ありがとうございました。保育園は学校や幼稚園と違って春休みがないので、保育最終日の夕方からロッカーや靴箱の名前を付け替えたり、いすやテーブルのサイズを確認して4月1日から新しい担任での保育が始まります。今年度は24人の乳児が入園したのでしばらくは元気な泣き声が保育園中に響き渡ることでしょう。コロナが拡大している期間は乳児クラスでの親子通園は感染防止の観点より中止していましたが、他の行事などと同様に徐々に戻していこうと考えています。
子どもたちがそれぞれの発達の仕方で安心してゆっくりと育っていけるように、また保護者の皆さんのお子さんに対する想いを受け止めながらご一緒に新しい1年、保育を進めてまいります。
今年度も子どもたちを真ん中に、すべての職種の職員が話し合って重大な事故を防ぎ、ひよこ保育園の保育を高めていきたいと願っています。今年度もご理解ご協力お願いいたします。
☆3月号(2024年3月1日)
2月中は汗ばむ夏日と降雪の冬日が入り混じった稀有な日々を過ごしました。おとなは「体に障る!」などとぼやきますが、子どもたちはタンクトップで汗をかきながら園庭を走り回ったり、フリースを羽織ったりと目まぐるしい気象の変化にもめげず元気いっぱいです。一方、インフルエンザやコロナに罹患する子どもたちもいて、保護者の方はほぼ1週間休むことになるので大変ですね。
さて令和5年度も終わりに近づき、子どもたちが年度初めとは全く違う姿を見せてくれています。抱っこでミルクを飲んでいたぴよぴよの子どもたちは自由に歩き回り保育園での生活を謳歌しています。くじらぐみの子どもたちは思う存分自由に、大胆に過ごしたひよこでの日々を名残惜しく感じているのでしょう。時々、不安な表情を見せたり、逆にはしゃぎが激しくなったりしています。おやつかふぇで何度もお代わりしてお腹いっぱいおやつをほおばる子どもたちに、「小学校に行ったらおやつは出ないけど、おなかがすくだろうな」などとおばあちゃんの気持ちになっています。ともあれ、残りの日々それぞれのクラスでじっくり遊んで、新しい年度を迎えてほしいです。
今年度は、世界中で戦争が激しくなり戦禍を逃れる難民が行く先々で多くの災難に見舞われました。また、地震や山火事などの自然災害もいたるところで勃発しました。国内でも能登半島での大地震により多くの犠牲者が出たことは記憶に新しいことです。どんなに文明が進歩しても大自然の脅威には逆らえないと、あらためて感じました。これから先、長い時間を歩んでいく子どもたちには、いろいろな体験を通して自然の偉大さと怖さを徐々に知ってもらいたいと願います。
今年度も様々な出来事に対峙させていただきました。一つ一つを貴重な経験として職員一同と共に保育の質の向上に活かして参ります。今後も子どもたちの幸せにつながるべく、率直なご意見をお寄せいただけますようお願いいたします。ご協力ありがとうございました。
☆2月号(2024年2月1日)
今年度も残り2か月となり、1月末に来年度の保育所利用調整結果が通知されたので、年度末と新年度の保育の計画を並行して考える時期となり、例年のことながら慌ただしくなってきました。
こどもたちにおとなのバタバタが伝わらないようにしていますが、くじらぐみのこどもたちは卒園と小学校入学と言う一大事をまぢかに感じて落ちつかない気持ちになっているようです。ほとんどの子どもが6年もの年月を過ごして来たのですから寂しい気持ちになって当然、人生の機微のトンネルの入り口なのですね。
保育所を巡っては昨年12月に閣議決定された「こども未来戦略」において保育所職員配置基準について改正を行うとしています。また、「こども誰でも通園制度」を創設して就労の如何を問わず、こどもが保育所で過ごす時間を保障するともしています。在宅で困難を抱えている親子が保育園に遊びに来たり、預けられる制度はこども受難の時代にあって理想的とは思いますが、現在の一時保育や子育て支援拠点とどう違うのか、今でさえ、手一杯な保育士配置では危険が伴うのではないか、などわからないことだらけです。
すべてのこどもたちが降園して静まり返った園舎で、一日大きな事故やけががなく過ごせたことに感謝する毎日ですが、寒い時期、インフルエンザやコロナの流行が収まらない中で体調管理に気を付けましょう。
☆1月号(2024年1月4日)
十二支の中で唯一実在しない動物である辰年の初めです。年末年始にかけて冬とは思えないほど暖かく心地よい日々でしたが、元旦には石川県で大地震と津波の大災害、2日には羽田空港で飛行機事故が起き多くの犠牲者が出てお正月気分も払拭されたようです。
昨年末にはインフルエンザや新型コロナが再度はやり始めて、休日診療を利用されたご家庭が多かったのではないかと思います。小さなこどもがいるご家庭はなかなか思い通りにならないのが定番ですね。コロナが5類になって思いとどまっていた大人数での飲食の機会が増えたことも原因の一つ、とか言われていますが、仲の良い人々と集まりたい気持ちはよくわかります。保育園の行事の時も皆さん楽しそうですね。
今年度は4月以来幼児クラスでの異年齢の関りを増やそうと、おやつの時間にくじら保育室を「おやつかふえ」と銘打ってきりん・いるか・くじらのこどもたちが午睡後にそれぞれ「自分で決めて立ち寄って食べる」というやり方を試みました。はじめは他クラスの子がいるなれない風景にたじろいで足が向かなかったり、涙を見せる子もいましたが、次第に慣れて女子トークが盛んな様子も見られます。半面、男子では少々悪乗りの過ぎる場面もあったりと、何事も一朝一夕にはいかないものだなぁと感じていますが、異年齢のこどもの関りが深まっている面もあり、今後どうしていきたいかこどもたちに聞いてみようと思います。ひよこ保育園は兄弟児が多く通ってきているので、学校での同年齢の関りでなく家庭の延長のようなのびのびした雰囲気が醸し出されているのが、良きにつけ悪しきにつけひよこ保育園の特徴と思います。それぞれ別個の家庭で生まれ育っているこどもたちがこれからの長い年月を何を大切にして、心地よく生活していくのか保育園の影響は大きいと思います。今月は昨年11月に保護者の皆さんにアンケートのご協力をいただいた第3者評価を受審するので、又違った角度から保育を振り返ることができると期待しています。
今年度はあと3か月ですが、新年早々7日の日曜日には職員全員の参加で実施する「全体職員会議」の場でそれぞれのクラスの保育総括を行い、意見交換しながら他のクラスとの連携強化に向けていきます。保育士間のコミュニケーションの良さは保育の質に関わることですから充実した会議にしたいですし、保育内容について保護者の方々の建設的なご意見を伺いたいと願っています。
☆12月号(2023年12月1日)
12月は「師走」と言われ、昔、年末に法事を行う家が多くて僧侶が忙しく走り回る様子を表わしたものとか。現代でも年の瀬は大掃除やお正月の食卓の準備などで忙しいイメージはありますが、こどものいる家庭ではクリスマスイベントなどでにぎわうことが多いでしょう。今月は保育園の日常の中でもこどもたちは長期の休みをひかえてうきうきした気分になります。インフルエンザやアデノウィルス感染症がはやっている折ですが、健康に過ごして家族で楽しい年末年始を迎えたいですね。
年が変わると間もなく令和6年度保育所運営に向けて様々な動きがあります。保護者の方の最大の関心は新年度の保育体制や入所の可否でしょうか。当園にも多くの見学者が来園されましたが、入所決定については個別の保育園ではなく横浜市が行うので保育園としては悩まずに済みます。一方で保育内容に無関心ながら、とりあえず申し込んで入所決定した方々との入所後のミスマッチを危惧せざるを得ない面もあり、こちらは深刻です。
都筑ひよこ保育園は民間保育園なので公立保育園の保育理念とは異なり、保育方針には設立者の強い思い入れがあります。異なる家庭環境の中で生まれ育ち、さまざまな個性を育んだこどもたち。どの子にとっても毎日の保育園でのあそびと生活が楽しいと同時に、友達とのかかわりの中で人として大切なことの基本を学びながらたくましく育ってほしいと、職員たちと話し合いながら運営しています。
こどもの人権が損なわれる事案が多く起きている昨今の状況に、国では子育て支援を加速し誰でも保育所保育を受けられるように、と政策が進んでいます。国際的にトップクラスで超高齢化・少子化の進む日本が、将来、国を背負う人を健全に育成していく責任の一端を保育園、幼稚園、学校等が負っていますが、現実的にはどこも目いっぱい、手一杯であるのが正直なところです。大きいことにはしり込みしがちですが、保護者や地域の方と協働することで身近なところから、こどもたちの平和な生活を創造することの一端を担うことで許容してもらえるといいかな、と思います。
こどもたちが健やかに育つためには、おとなたちの力が不可欠であることを戦場のこどもたちが訴えています。
今年は感染症の流行が多くあり保育運営についてもいろいろと問題提起の年でしたが、保育参加や大掃除の協力などありがとうございました。コロナが落ち着いているようですがまだまだ楽観できませんね。心配の種は尽きませんが、先ずは健康で朗らかに過ごすことを目標に、来年もよろしくお願いいたします。
☆11月号(2023年11月1日)
親子で遊ぶ会、芋ほりと天気に恵まれて楽しいひと時を過ごした10月でした。お忙しい中参加していただきありがとうございました。この時期は近隣小学校の運動会と重なることが多く日程調整が課題となっています。来年度は開催日時や会場について検討が必要と感じています。ともあれ、こどもたちにとってはいつものお友達や家族と一緒に遊ぶ機会は楽しいようで、幼児では楽しかった場面をお絵描きにして2度目のお楽しみにしています。
コロナが5類になったので保育参加を再開しています。普段、どんなことをして過ごしているか、お友達とどのように関わっているかなど保育園でのお子さんの様子をじっくりとご覧いただける機会として試してください。
おかあさん、おとうさんが保育園でこどもたちや保育者と楽しく会話したり、遊んだりしている様子を見ることが、こどもたちにとって保育園での時間が安心で、満たされることに繋がると思います。また、保護者の皆さんが抱く不安の解決にもなると思います。ぜひチャレンジしてみてください。
ウクライナとロシア、イスラエルとパレスチナでは目を覆う惨状が現実となっています。日本では考えられない戦禍が日常となっている時間・空間で、こどもたちの恐怖と絶望はどれほどの事か。元々は人々を幸せにすることが目当ての宗教に由来する戦争であるのに、何千人ものこどもが殺戮されている現状は許されません。
保育園では全身で喜怒哀楽を表現しているこどもたち、感情のままにぶつかり合うこどもたちを目の当たりにしながら戦地にいるこどもたちの平和を望むばかりです。日本にいて出来ることがあれば、ひよこ保育園全体で取り組みたいと思います。共感していただける方は募金などあつめる際にご協力をお願いします。
☆10月号(2023年10月1日)
熱中症指数が真っ赤な「危険」やオレンジの「厳重警戒に」塗りつぶされた9月。思うように外遊びやプール遊びは出来ませんでしたが、こどもたちが熱中症を発症しないようにと配慮しながらの毎日でした。ご家庭でも様々な工夫をされたことと思います。9月末に時々凉風が吹く日もあってか、こどもとおとな、どちらもこのところ疲れが出てきているように感じます。受診しても診断名のはっきりつかない発熱やせき込みのこどもが増えてきました。TVのニュースでは.コロナをはじめ、インフルエンザ、RSウィルス感染症、ヒトメタニューモウィルス感染症など様々な感染症が流行していて学級閉鎖している小中学校も多いようです。ひよこ保育園でも9月以来、病欠児童が増えて多くのこどもが高熱が出た後、解熱しても治りきらずに長引いています。こどもはお互いに距離を置かずに接触するので感染が拡大しやすいのです。勤務の事情もあるとは思いますが、感染症罹患後は体調が回復してから登園していただければ感染の拡大が緩和されるのではと思います。
10月は小学校や保育園、幼稚園で運動会や祭りなどの行事が多く開催されますが、一昔前を振り返ってみると、一様に規模が縮小されているようです。コロナ禍や職員の不足、会場の確保、近隣対策など様々な事情がある中での開催とならざるを得ないのですが、制約の多い中でこどもたちやご家族が楽しめるように考えて実施しています。ひよこ保育園では「親子で遊ぶ会」を予定していますが、心地よく楽しむ行事としていきましょう。
☆9月号(2023年9月1日)
猛暑の夏休みが終わり、学校が始まりました。今年のお盆は各地が大型台風や高気温など異常気象に見舞われて旅行や帰省が出来なかったご家庭が多かったのではと思います。それでもゆっくりとしたご家族での時間を過ごして子どもたちは一回り大きくなったようです。今夏は暑すぎて熱中症指数が5を示す日が多く、プールあそびができない日が多くありました。水の中でも多く汗をかき、気づかない内に熱中症になるのだそうです。ひよこ保育園では毎朝、気象条件を確認してから活動を始めています。「安全保育でもの足りない」と思う方もいるでしょうが、ひとたび大きな事故が起きたときには、まして生命が脅かされることがあっては取り返しがつかないのです。
さまざまな条件を配慮しながら、可能な限りの体験を保障したいと願って保育を進めていますが、酷暑で制限の多い保育でありながらも、思いっきり活動的で元気いっぱいな子どもたちの屈託ない表情に安堵しています。
保育園は様々な性格や個性の子どもたちが大勢、長い時間を友達と一緒に過ごしていますが、それぞれの家庭での育児方針や価値観、子どもに対する想いは様々なので、子どもたちのやり取りを見ていると友達との関係性にご家庭の影響が大きいと感じます。けれど、共に過ごす子どもたち同士の関りの中で少しずつお互いの違いに気づいて認められるようになっています。おとなが固定的な価値観や先入観で決めつけず接することができれば、もっと伸び伸びと育ちあうことができるかもしれませんね。平凡な日々を大切にしながら保育を見直します。
一方、海外ではウクライナとロシア間の戦争から発する不穏な情報や憶測が飛び交い、北朝鮮の頻繁なミサイル発射、福島原発汚染処理水の海洋放出を巡って中国が日本産水産物を全面的に輸入禁止するなど、国内外でかつてないおおきな騒動が勃発しています。また、TVやスマホにそのようなニュースがある一方、コロナ感染症が5類になったことによって私たちの生活に賑わいが戻った様子が報道されるにつけ、明暗の混在するこの時代がどんなふうに歴史の中で位置づけられるのかな、平和に暮らしている子どもたちにどのように影響するのかな、などと混乱してしまいます。何より子どもたちには平和な生活を保障したいです。
☆8月号(2023年8月1日)
「暑いですね」が朝の挨拶になっているこの頃、世界中が猛暑に見舞われています。世界気象機関(WMO)は7月の世界の平均気温が観測史上最高としています。「地球沸騰の時代が来た」として世界各国に具体的な行動を求めているそうです。私たちも身の回りの小さいところから関心を向けていきたいところですね。この異常気象は海外では台風の大型化や大雨、洪水、山林火災など多くの自然災害を引き起こし、国内でも大雨による河川の氾濫、土砂災害が各地で頻発して大勢の方が被災しています。高齢者が多い地域では後始末が大変なことでしょう。
保育園では、コロナが5類となって保育の様子が変わっていくかと思いきや、はやり目、ヘルパンギーナ、プール熱など次々に感染症が流行したり、活動の指標とする熱中症指数が「危険」となって思うように保育が進められない日々が続いています。一方、お子さんの病気で何日も欠勤せざるを得ない保護者の方は、大変だろうとお察ししています。暑さも病気も早く治まって屈託なく保育園での時間を楽しんでいただきたいと願っています。
例年この時期には、海や川、プールでの事故の報道が多くなります。今年もすでに数件の事故がありましたが子どもだけでなくおとなも犠牲となるのが水の事故ですね。「子どもは静かに溺れる」と言います。5cmの水でも溺れる事はあるのですから、プール保育の実施に当たっては十分に注意します。夏休み中のお出かけには車や水の事故などくれぐれもご用心ください。
4月から幼児クラスでは異年齢の時間を『おやつカフェ』と称してくじら保育室で自由におやつを楽しむようにしています。初めは他のクラスの子どもがいることで気後れする子どもが数名いましたが、4か月経過した今、慣れてきて他のクラスの子どもたちに交じって食べる姿があります。2時半になると午睡しない子どもたちがきりんぐみに起こしに行ってくれています。ねぼけまなこでもしっかりと食べる子もいれば、時には「牛乳(お茶)だけ」と言う子もいますが、拘束されない自由な気分なので、秋ごろには全員が食べられるようになります。
この猛暑の中で食欲がなかったり、しょっちゅう発熱や下痢を繰り返したりしてご心配になられている保護者の方も多いことでしょう。保育園に通っている年齢の子どもたちはまだまだ育ちでは初心者マークですから、いろいろな場面で親の想いとは違う方向になったり、逆戻りしたりと、腑に落ちないことも多々あるとは思います。けれど長い目で見る時には着実に育っていることが実感できますので、ゆったりと構えていていただきたいです。
☆7月号(2023年7月1日)
梅雨明け宣言が出ていないのに、連日の猛暑に汗だくの毎日です。熱中症での救急搬送や食中毒が多発しているので十分注意したいですね。ひよこ保育園では6月初めより「流行性角結膜炎(はやり目)」やアデノウィルス感染症に罹患する園児や保護者、職員が急増しており、1〜2週間、ひどい場合はそれ以上欠席していただいており、申し訳なく思っております。コロナ感染拡大以来、手を洗うことや園内ではこまめにピューラックス希釈液を使用して拭き掃除を行っていますが、目に見えないウィルスがはびこっているようで、今後も継続して手洗い・消毒を行います。白目が赤いようでしたら、眼科で受診していただくようお願いします。小児科で登園OKとの診断の後、眼科の検査ではやり目と診断されるケースがあり、感染が広がっている気配があります。
都筑区福祉保健センターに6月14日(水)に感染症発生報告書を提出して以来、2週間以上経過報告を更新していますがまだ、感染者が0人になっていないので、プール遊びを始められないでいます。保健課の指導により感染者が0になってから7日間経過後に初めて開始できることになっています。
早急に終結させて、子どもたちが楽しみにしているプール遊びを開始したいのでご理解ご協力よろしくお願いいたします。
また、横浜市こども青少年局保育・教育運営課長より、プール保育をしている場面の写真の取り扱いについて、他の保育園でホームページに掲載された写真が別のサイト上で悪用(売買)されていたという情報がありました。掲載された写真の情報から個人が特定され犯罪の危険にさらされる恐れもあることから、安易な転載を行わないことなど注意喚起がありました。夏季休暇など外出する機会が増えると思いますが、子どもたちの安全を第一として過ごしてまいりましょう。
☆6月号(2023年6月1日)
街のあちらこちらにアジサイがきれいに咲いています。ひよこ保育園の駐車場脇にも大きな株が咲き誇っています。数年前、我が家の鉢植えが枯れかかっていたので移し替えたのですが、1年ごとに大きく育ってきれいな花を楽しませてくれています。エントランスにも前のお宅からいただいた切り花が色鮮やかで園児たちも「いろんな色があるね」と言っています。園芸店で購入した花苗はきれいはその時限りで無残に枯れてしまうことが多いのに、アジサイや道端にさく雑草はどんなに手荒く刈られても翌年はしぶとく咲いてくれるのには驚嘆します。
「雑草のようにたくましく育つ」とは、誉め言葉としてよく語られますが、どのようにしたら雑草のようにたくましく、けれど人の心をほっとさせる優しさや謙虚さを兼ね添えた人に育つのか、保育の究極であると思う時保育所の職員としての重責を感じています。毎日、大勢の子どもたちと接する中で様々な個性の子どもたちがどんなおとなになるのかな、と思いを馳せることがしばしばですが、ご家庭でもさまざまにお子さんとの将来を設計されていることでしょう。
最近、生成AI(人工知能)が世界中で話題になっていますが、数か月程度で世界を席巻できる文明の進化に驚愕する一方で、この先人間の世界がどんなふうになるかと、まるでSF映画の世界に投げ込まれたかのような気がします。保育実践の中で困難なことに巡り合ったときに、「いま、〇〇で困っています」と、問いかけたら「それでは〇〇したらいいでしょう」なんて完璧な回答が返されたりしたらどうなるかな・・・なんてブラックジョークです。保育の中では、コンピューターのような完璧は求められないです。
世界中で戦乱が勃発して大勢の子どもたちが犠牲になる混とんとした時代背景に、多くの人々が心理的に暗く不安定になっています。最近、国内では犯罪や事故が多発する状況があり、少なからず時代の雰囲気に巻き込まれている気がしています。
そんな時ですから一人ひとり異なる人格の人間が寄り添い、思いやって、出来る限りの最善を探り合うことが保育では求められているかと思います。
☆5月号(2023年5月1日)
新年度になって、しばらくは赤ちゃんの泣き声がエントランスに響き渡っていましたが、最近はめっきりと減り、泣きの種類も変わってきました。子どもたちの順応性は素晴らしく、ゴールデンウィークで登園しない日が続いても全くの振出しに戻ってしまうようなことはありませんので、特に乳児さんはご心配かと思いますが安心してお過ごしください。
コロナが5類になって行動の自由さが増し、外国からのインバウンドが増えて観光地がにぎわっている光景が報道されていますが、今後はどうなるかなと危惧します。身近に感染者が出ないように感染対策を守っていきましょう。ひよこ保育園では、久しぶりにひよこまつりを計画しました。子どもたちの保育園での日常の延長で、子どもたちがいつも通りに楽しんでくれるように願っています。保護者の皆さんもそんなお子さんの様子を見て、安心していただけるといいかなと思います。
☆4月号(2023年4月1日)
創立21年目、4月の保育が始まりました。新しく0歳児10名、1歳児7名、3歳児1名を受け入れて総勢110名でのスタートです。この3年間はコロナウィルスのパンデミックで世界中が大きな変化に見舞われました。ひよこ保育園でも保育や行事がそれまでのようにはできず、工夫しながらの実践でしたが、結果的に子どもたちの楽しむ姿が見られたと思います。国は感染が減りつつあるとして連休明けの5月8日から感染症法上での5類、季節性インフルエンザと同等の対応に変えます。移行するにあたって専門家の間での意見はあるようですが、保育園としては引き続き今まで通りの感染予防対策を採ることで鎮静するまでの時間をしのぎたいです。
昨年度は20年間の保育実践の振り返りから、園庭の大型遊具を取り壊し、築山は修繕してひよこふじに変身させたり、かめきちの園庭デビューやめだかの仲間入りなど園庭あそびを拡げる試みをしました。はとぽっぽぐみの子どもたちやうさぎぐみの子どもたちがのびのび遊ぶようになり異年齢の関りが増えています。今年度は幼児クラスの子どもたちが異年齢で過ごす時間の在り方を工夫しながら、子ども同士、また子どもと保育士との関係性がさらに向上するように子どもたちと相談しながら、ひよこ保育園ならではの生活を組み立てていきます。
コロナで社会の様相が大きく変わった上、ウクライナの戦禍やシリア・トルコでの大地震などによって世界規模で経済・産業界が劇的に変革しています。めまぐるしい変動の波は庶民の生活にも光熱費や食料品、日用品などの値上がりなど大きな打撃となって押し寄せています。保育園でも電気代や給食材料費などが大幅に上がっているのでこまめに電灯を消すなど微々たるものですが対応しています。
暗いニュースが続く中、WBC日米決勝戦の平均世帯視聴率が関東地区では42.4%だったそうで、どれだけ国民が明るいニュースを渇望していたかを物語っています。普段は野球に興味がないのにうれしくなってニュースを見ました。大活躍した選手が勝因を「チームワーク」と語っていましたが、一人の突出したリーダーの存在もさることながら、一つの目標に向かってみんなで担うことの重要さがアピールされていると感じました。
21年目という節目の年度初めに当たり、今まで様々な出来事がありながらも、保護者の皆さんのご理解と職員の子どもに対する想いとチームワークによって重大な事故なく運営を続けられたことに感謝しています。
少子化対策が国の重要施策となって今月、こども家庭庁が発足しますが、保育園はずっと「子どもを真ん中に」と言い続けてきました。国の将来のための少子化対策ということと同時に、子どもは子どもであること自体が称賛に値するのだと思います。おとなの様々な思惑からでなく、子どもたちが子どもとして守られ尊重されて過ごせる保育園づくりに向けて、ひよこ保育園の職員はチームワークで頑張ります。今後も子どもたちが安心して安全に過ごすための建設的なご意見をいただければと思います。
☆3月号(2023年3月1日)
令和4年度最終月になりました。平成15(2003)年に創設・開所して以来、20年の年月が過ぎて横浜市との市有地貸借契約が更新された区切りの時ともなります。開所当時から勤務している職員や中途で入職した職員共に、保育中の子どもの姿や様々な出来事を思い起こし、振り返っています。この20年間にはうれしいこと、辛いことなどいろいろなことがありましたが、また、保育にまつわる情勢の急激な変化の余波を受けながら、4月からは心機一転して新たなひよこ保育園の保育の開始となります。
「保護者と話し合いながら一人一人かけがえのない子どもとして見守り、社会の一員として主体性を尊重して育みます」とは都筑ひよこ保育園の保育理念です。認可保育所創設に当たって保育に対する想いの丈を表したつもりでいましたが、果たして実践しているか?保護者に十分説明してきているか?コロナ禍によって世界中が混とんとしている中で、子どもたちの健やかな成長発達と保育ニーズの変化とをどのように調整していくか?
コロナウィルスへの対応が国や自治体でまちまちである中で、今後の保育の進め方は理想像ではなく、現実の子どもの姿をしっかりと見ながら、どの子どもにとっても安心して過ごせる場として機能するようにしていきます。現在、4月からの新体制について保育者間では話し合いを重ねながら計画しています。
今年度も保育運営にご協力いただきありがとうございました。新年度もより良い保育園づくりに向けてよろしくお願いいたします。
☆2月号(2023年2月1日)
2月は如月(きさらぎ)と言われます。まだまだ寒く、衣類を重ねて着る(衣更着)ことから来たというのが定説だそうです。先週末は大寒波が襲来して日本海側は大雪に見舞われ、いたるところ幹線道路で大型輸送トラックが立ち往生している映像がTVに映し出されていました。雪下ろしで事故に遭う高齢者が大勢いらして、若者が少ない地方の暮らしの厳しさに、とき時人気のない田舎で暮らしたくなる己の身勝手さや考えの甘さを知らされています。
2月は、日数が少ないことに加えて新年度の入所児童が決定するので、担任配置など保育運営での重要な決め事が山積する上、年度末の事務処理も重なって慌ただしくあっという間に過ぎ去ります。3月は年度末の特別感ある生活を過ごして、卒園を祝う会ではくじらぐみの子どもたちはひよこ保育園から小学校という新しい社会に向かって飛び立っていきます。こどもたちと担任はこの1年を振り返り、残された日々を充実して過ごそうとしています。くじらぐみの子どもたちはひよこ保育園でのお気に入りの給食メニューをリクエストして食べ納めようとしています。おいしい思い出づくりのためにそれを快く受け入れる給食室の先生たち。なんともほのぼのとした保育園の日常の風景と思います。
気を引くための派手な行事や環境から距離を置くひよこ保育園の保育では、毎日の何気ないことが子どもたちの深奥にささやかな思い出となって住み着いてくれると思っています。成長の過程で経験する様々な試練の時に、ふっと思い出してくれるぐらいがいいかな、と感じています。
☆1月号(2023年1月4日)
あけましておめでとうございます
年末から正月3が日の間、横浜は天気に恵まれて穏やかな陽気でした。行動制限のない休日に久しぶりに帰省した方も多かったことでしょう。この間も働いていてくださった医療職や介護職の方々には感謝です。
暮れに孫たちと遊園地に行きました。何十年ぶりでしたが、抱いていた遊園地のイメージとは大きく様変わりして大人も楽しめるようになっていて時代の移ろいを感じました。家族連れの親も子も日常のわずらわしさから離れて心が解放されているのでしょう、一様にゆったりとした表情をしていました。普段は様々なことに追われていて心も体も余裕を失っているのかもしれませんね。
都筑ひよこ保育園が開所して20年が過ぎ、4月からは21年目になります。前身の乳児保育室からは通算38年の年月が経ち、当時の園児たちの多くは家庭を築いて活躍しています。自宅で保育を始めた当時を振り返ると毎日がとてものどかだった気がしますが、子どもたちの姿は今も変わらないように思います。
様々な領域で多様性が尊重され、生活の隅々までデジタル化、ICT化が浸透しつつある現代社会では好むと好まざるにかかわらず暮らしぶりが変化して当然ながら、子どもたちの過ごし方はおとな寄りになっています。結果的に、個人の自由を尊重すると言いながらも、多発するSNSにまつわる犯罪や事故から子どもを守るべく学校や家庭では管理優先になって、かえって子どもたちを息苦しくさせているのかもしれません。
4月に「子ども家庭庁」が創設され、「こどもまんなか」へと社会全体を変える仕組みを作るとされています。今までおとな中心の目線で施策が策定・運用され続けてきたことへの評価、そして、子どもたちに広がりつつある不安定さや家庭内の虐待、少子化など現状の様々な問題発生を受けての大きな方向転換ということなのでしょうか。
子どもたちには子どもたちの世界があり、おとなは不用意に介入しないように心していきたい。超高齢化社会、超少子化社会のど真ん中の日本ですが、何より一人一人が大切にされる国になってほしい。
コロナ感染も終息が見えず何かと厳しい状況ですが、保護者の皆さんのご理解と保育者全員の協力でひよこ保育園がどの子ものびのびと自分を表現して育っていくにふさわしい場にしていきたいと願っています。
☆12月号(2022年12月1日)
今年も駆け足で過ぎてはや12月になりました。先日は大掃除のご協力ありがとうございました。窓から見える空がきれいです。
今、ウクライナとロシアの戦争、中国と台湾、北朝鮮の脅威など地球上のいたるところが不穏で悲惨な状況になっています。日本国内ではコロナ感染第8波とインフルエンザの同時流行が危惧されていますが、十分とは言えないにしろ投薬や医療の対応が可能である暮らしは恵まれています。世界で難民の救済活動をおこなっているNPO諸団体やTVニュースではウクライナやアフガニスタン、シリア、インドネシアなど多くの国の人々が重大な困窮状況にあることが報道されています。戦後77年を経て戦争体験者が減少し高齢者の自分でさえ今一歩、戦争の悲惨さが実感できていない中、長年戦争放棄をうたってきた日本が防衛費予算を激増するなど今後どんな方向に進むのか危惧します。
公園や遊歩道、園庭の樹々が紅葉と落葉の真っただ中で子どもたちの遊びも夏や秋とはまったく変化しています。四季の移ろいを全身で感じ取って絵にかいたり、図鑑で調べたり、中にはお散歩マップを作成して樹々の様子や公園の名前の由来を考えるなど、おとなが誘導しなくても自分たちで考え出した活動でしっかり学んでいる様子があり、ひよこ保育園で自由気ままに過ごしている間に育った「先伸びする力」を感じます。
日中の大部分を保育園で過ごして友達とは実の兄弟よりも触れ合う時間が長い分、気心知れた仲で容赦なく悪態をついたり手が出る喧嘩に発展することもありますが、興奮が収まると何事もなかったかのように遊び始めます。そんな時に保育者は審判者になるのではなく、双方の言い分を整理して伝えるようにしています。子どもたちの中からふつふつと沸いてくる攻撃的な想いや言葉の裏に何か負の体験があるのか、ないのかを詮索するよりも環境を整えて、子どもたちが友達と一緒に楽しく満たされた時間を豊かにしていきたいです。
世の中、デジタル化が急速に進んで子どもたちの生活にも大きな影響を及ぼしています。それに抗えるわけではないけれど、せっかく大勢の友達と生活を共にしながら、子どもたちがキラキラした表情で現実の世界で遊んでいる様子に「今のまま子どもの世界を全身で感じて楽しんで育ってほしい」と願います。
今年も残り少なくなりました。毎日の送迎など、ご協力ありがとうございました。ひさしぶりの行動制限のない年末年始ですがコロナ感染拡大が予想されています。どうぞ健康に留意してお過ごしください。
☆11月号(2022年11月1日)
日中は暖かい日差しで心地よく過ごしていますが、4時過ぎになると空気が冷たく、上着を着こむようです。
気温の変動に乳児さんは敏感で、多くの子どもが高熱を出したり、せき込んだりと風邪症状を来しています。コロナ感染もまた徐々に増えてきていますし、インフルエンザやRSウィルスの重複感染も危惧されています。予防接種や出来るだけの感染予防対策をとって、今年の冬を迎えたいものです。
9月には親子散歩ラリー、10月には親子で遊ぶ会を実施しました。ご参加ありがとうございます。3年来のコロナウィルス感染拡大期間は恒例だった諸行事がほとんど中止となり、久しぶりの行事の取り組みでした。安心安全を第1としての実施でしたが、流行前から在籍していた園児にとっては変更点が多く、流行後に入園してきた園児には初めての経験で、どちらにとっても様々な感想や疑問があったことが、事後に実施したアンケートの回答結果から読み取れました。(行事アンケート集計結果をお読みください)
コロナ感染予防を前提に、子どもたちの普段の保育から派生した内容構成であること、子どもたちと保護者が楽しめること、場所の確保が万全であること、事前事後の準備や片づけ等が大変すぎないことなど、総合的に考慮しての実施でした。来年度は保護者の協力の下、ご一緒に考え合わせて実行できるといいですね。
園庭の整備が着々と進んでいます。大きなアスレチックが白アリの被害に遭い、修繕や消毒の費用がかさむことから思い切って撤去しました。跡地は築山にゴムチップをかぶせた「ひよこふじ」、お父さん方に地面を掘ってもらい、タイヤを埋めていただいた「どろんこぬま」(園長独断の命名ですが)、いつか実のなるたわらぐみ、ゆすらうめ、オリーブ、ブルーベリーのガーデンもできました。温帯スイレンとメダカのビオトープも長年使用して壊れかけたプールを利用して隅っこに置きました。思いのほか、幼児だけでなく乳児も大胆に遊んでいます。さらにわくわくと遊びこめる手作りのあそび場をめざして、遊び心を刺激する遊具を創ります。
☆10月号(2022年10月1日)
朝晩心地よい気候になりました。強い日差しがやわらぎ、子どもたちは駐車場や園庭で段ボールやお風呂マットでお家を作ったり、穴を掘ったりして遊んでいます。夏の間楽しんだせみ取りはまた来年のお楽しみにするとして、早速新しい遊び方を見つけています。20年間、たっぷり遊んだ大きなアスレチックが白アリの被害に遭い、急遽7月に撤去しましたが、跡地が思ったより広々していて小さい子にも遊びやすくなったので異年齢での関わりが増えたのは予想外でした。保護者の方から寄贈していただいたタイヤは園庭で目新しい遊具となって輝いています。まだまだいろいろな遊びができる園庭づくりにチャレンジしたいです。
子どもたちが夢中になって遊ぶ姿を思い浮かべながら、お金を掛けずに手間を掛け、知恵を絞ってあれこれ工夫して創造する園庭づくりは保育の醍醐味です。子どものころ野原を走り回って遊んだおとうさん、おかあさん方、よいアイデアがありましたら提案していただけると嬉しいです。
10月12日から令和5年度の保育所入所申し込みが開始するにあたり、このところ見学者が増えています。コロナ禍や未婚率の上昇などによる少子化の急激な進展があって、国は育児休業給付金支給範囲の拡大を検討しているそうです。そのため育児休業明けの1歳児の保育所入所児童が激増すると思われます。0歳児がゆったりご家庭で過ごせるのは望ましいとして、在宅の母子に対する子育て支援がさらに求められるだろうと思います。1歳児は世話してくれるおとなとの愛着関係を強く求める時期ですから、1歳児での入園が増えていくとしたら、果たして現在の保育体制で安心安全の保育が維持できるかと危惧します。1歳児4人を1人で長時間保育することがどれほど大変なことか、国は保育現場の実情を知ってほしいと思います。
☆9月号(2022年9月1日)
8月はコロナ感染第7波が押し寄せた上、学校が夏休み期間中だったこともあって登園する子どもたちが減りました。一方、ひよこ保育園の職員やその家族が感染するケースも多く、出勤できる職員はシフトの調整にてんやわんやしながら、猛暑の夏に通って来る子どもたちの体調管理に明け暮れた1か月でした。
お盆で帰省することもままならない状況でしたが、感染対策を採りながら子どもたちとしばしの休暇を楽しまれたご家族も多かったことでしょう。休み明けの子どもたちの安定した表情が物語っています。
オンラインでの就労が増えて通勤時間が減ったとはいえ、日本の子育て世代は国際的に主要な国の中では育児や余暇の時間が最も少ない「時間貧困」の状況にあると言われています。特に正社員の共働き世帯の3割が十分な育児時間や余暇が採れない状況だということです。また、特に妻の方が夫よりも時間貧困に陥っている状況があり、それは夫の家事参加が少ないことに大きな原因があるとしています(日経8月21日記載)
日本でも父親の育児休暇取得が声高に言われ始めてはいますが、現実はなかなか難しいようですね。
国のコロナ対策方針が頻繁に変更される中で、横浜市の取り組みが日々変わり、かつ、行政間での周知
徹底・共有不足もあって正確な情報が入手できず、保育園より保護者の方にお伝えする内容にもわかりにくい点が多々あったかと思います。現時点ではコロナ感染に伴う利用料日割り計算を行っているところです。
「コロナ感染者で無症状の場合は感染対策を徹底することで外出を認める。また、全数把握を定点把握に変更する」という政府の方針が出たようですが、長引く閉塞感と経済の停滞の中でやむを得ないながらも、身近に乳幼児や高齢者が大勢いる立場からは不安を感じます。せめて重症化する方が増えないようにと願います。
☆8月号(2022年8月1日)
朝、TVで熱中症指数を見て、全国至るところが赤またはオレンジ色に塗られているのにうんざりしながら一日が始まりますが、保育園に来て子どもたちに「おはよう」と言うとエネルギーが老体にチャージされます。
元気いっぱいの子どもたちに、時には「トホホ」と思わされる事態もままありますが、子どもたちが思い切り泣いたり、大声で笑ったり、喧嘩したりできる日本は平和ですね。
最近の事件報道に接して、政治や経済の世界には一般人には理解できない複雑な部分や表には出ない不透明な裏の世界があるのだろう、という程度には感じながらも、海外で戦禍の中でおびえる子どもたちの映像を目にするたび、国と国の利害の対立で勃発する戦争とは今のところ距離を置く島国日本が現に平和であるのは特殊なのだとあらためて思います。
子どもたちに戦争の悲惨について伝える時、必要以上に怖がらせることはないけれど、平和の大切なことは年齢相応に伝えていきたいと思います。一方で、最近国内でたびたび発生している事件、特に若い女性が巻き込まれる事件の多くにSNSが関連していることに不安を覚えます。保育園の子どもたちにとってはパソコンやスマホは生まれた時から身近ですから、幼くても扱いに慣れているようで、おままごとしながらも積み木のスマホ片手に大人顔負けの会話をしている様子に感心します。今は微笑ましく見ていますがもう少し大きくなって一人で行動する年齢になった時に、間違った使い方をしないこと、自分の心と体を守ることを伝えていくことも、戦争を起こさない心と理性を育てるのと同じくらい必要だと思います。
春に遊歩道側の花壇に種まきしたヒマワリがのびのびとしたかわいい花を咲かせています。同時に種まきしたコスモスはまだ一輪だけですが、赤トンボの飛ぶころに咲くことでしょう。楽しみです。
猛暑の夏、コロナ感染拡大の夏、熱中症など厳しいことがたくさんですが、夏休みをとるご家庭もあることでしょう。体調を整えて楽しく過ごしてくださいね。
☆7月号(2022年7月1日)
早々と梅雨明けしました。観測史上最も早いそうです。連日35℃越えどころか40℃を超えたところもあるというから驚きです。朝からじりじりと照り付ける太陽にうんざりですが、子どもたちは保育園で友達に会うと次第にテンションアップして元気いっぱいです。こまめな水分補給とエアコンの適正な使用で熱中症の危険を避けて過ごしています。
本日はプール開きでした。水遊び以外にこの暑さの中、元気っこ達のパワーの発散は思いつきませんが、皮膚疾患や病気でプールに入れないのは残念ですね。園児健康診断で指摘を受けながらまだ受診していないお子さんは速やかに治療しましょう。また、プール保育申込書に記載がないと本人は元気でもプールには入れられないのでもっと残念です。お子さんの自主性を尊重するのは大事ですが、保護者の方は背後で水着など登園支度の手助けをしていただきたいです
6月末もすでに連日の暑さで、園舎外に出るにも勇気がいるほどでしたが、園庭では早速、泥の海が出現しました。エントランスのモニターで見ていただいた通り、じゃぶじゃぶ池や、築山、アスレチックで思う存分はしゃぎ、泥水を浴びて狂ったように遊んで、ストレス発散!子どもって慣れたところではこんなに大胆に遊べるんだなと、改めて思いました。お洗濯が大変ですが、よろしくお願いします。ちなみに泥汚れは洗っても元通りにならないので、汚れてもよい服をご用意ください。
園庭のケヤキの梢が天に向かって力強く伸びて豊かに葉を茂らせ、子どもたちの頭上に木陰を作ってくれているのを見ながら、創設以来20年という月日が流れたことを実感しています。無認可保育所だったころの保護者のご尽力で株立ちのケヤキを植えていただいたのですが、当時は幹も細くこじんまりとしていたのです。今ではひよこ保育園のシンボルツリーとして堂々たる大木に育っています。
コロナ感染はじめ、諸事情から20周年記念行事は今のところ実施しないつもりですが、老朽化している園庭遊具や設備の点検・修繕については、20年の節目として徐々に行うべく検討しています。
ひよこ保育園でのびのびと子ども同士が関わり合い安全を保障されて、第2のお家として安心して過ごせるように配慮していくこと。おとなの事情で大勢の子どもたちが長時間一緒に過ごさざるを得ない保育の現状ではそれが最も求められることと思っています。
☆6月号(2022年6月1日)
真夏のような暑さとひんやり雨の日が交互に来るので、着る服に迷う毎日です。毎朝のミーティングでは天気予報と熱中症指数の確認を行っていますが、梅雨入りも近づき保育の進め方が多彩となりますね。水の事故の報道が頻繁に出始める時期となり、海や川、プールでの遊びは要注意です。幼い子どもたちとの暮らしは、いつでも安全対策の先取りが大切です。
5月はコロナウィルス感染が園内で発生したため、行政の指導により一部休園の措置を取らせていただきました。皆さんには多大なご負担をおかけして申し訳ありません。現時点では発生はありませんが
気は許せません。今後も換気、消毒など出来る限りの感染対策を採っていきますので、ご家庭でも手洗い、検温などご協力をお願いします。
コロナウィルス感染が世界的に拡散して、経済、産業が大きく変化している一方で、ウクライナへの軍事侵攻が激しさを増しています。今後も戦乱が続く様相に、そして大勢の子どもたちの悲惨な状況の報道に保護者の皆さんも胸を痛めておられることと思います。世界中に頻発する不幸に共感し同情しながらも、自身のメンタルは健康的に維持していく努力を強いられる時代は、日々の暮らしの中での小さな楽しみを発見して、自分を癒すことが大切なのかと思っています。私は通勤の車内で映画のテーマミュージックのCDを聴くのを楽しみにしていますが、このごろ心を揺さぶられる曲は「ひまわり」です。
1970年に作成されたイタリア映画のテーマミュージックで、とても美しく心に染み入る旋律です。「ひまわり」は第2次世界大戦中のロシアとイタリアにまつわる映画ですが、現在に重なるテーマだと感じます。現実に起きているウクライナの戦禍の解決と平和を願って花壇にヒマワリの種をまきました。
☆5月号(2022年5月2日)
5月は「五月晴れ」という言葉があるように、こどもの日、こいのぼり、かしわもちなど、空は青く樹々は若葉が萌えて暖かくのどかな日を思い浮かべます。ですが、今年は連休を目前にした北海道の海難事故やウクライナの戦禍など、幼い子どもたちが犠牲になっているニュースが多く、胸が痛みます。
ひよこ保育園に通ってきている同じくらいの年齢の子どもたちは毎日、目いっぱいにあるがままの自分を出しながら一歩一歩着実に成長しているのに、何も知らない内に前途を突然断たれた子どもたちは、不運とか不条理とかの言葉では片づけられない、もっと深い悲しみの中にいます。親にとっても子どもを失うということは、たとえようのない悲しみと苦しみなのだろうと思うとき、戦争のない世界を希求することはもちろんですが、日常の保育中での事故については絶対に起こすまいと気が引き締まります。
新年度になってから1か月たち、新入園児も徐々に慣れてきました。はじめは目の前に用意されていても手で払うほどに拒絶していた給食を、今では自ら手を伸ばして食べられるようになっています。「おかわり」の声も聞こえます。食べ物をおいしいと感じながら口にし、お腹の中に入れることによって、心が満たされ安心した気持ちになります。しっかり給食をたべ、ゆったりと眠り、パワーを復活させて、夕方、はちきれんばかりに元気な姿はお迎えの時に目にされる通りです。子どもが大勢集う中では、ささいなこと(おとなから見ればですが)でのけんかや大事に至らない怪我を経験しながらも、保育園に通う子どもたちは幸せだなぁと毎日感じています。子どもたちは本気になって取っ組み合いのけんかをしても、しばらくして気持ちが落ち着けば、屈託なくお互いを許しあえたり、「ごめんね」を言えたりしています。
いま世界で起きている戦争は、力の強いもの勝ちとばかりに、人としての良心のかけらも感じられない、なんとも恐ろしい事態です。人間の負の面の最たるところが露呈しています。今後どのようになっていくのか、一介の市民としては危惧しながら毎日の暮らしの中で小さな平和を維持すべく努めています。
今、世界中に安全に住む家のない、飢えに苦しむ子どもたちが大勢います。世界で起きる事象の感じ方、捉え方は人さまざまですが、飢えた子どもたちに少しでも食べ物をわけてあげられたら、それは私たちの小さな幸せにつながるように思います。
☆4月号(2022年4月1日)
入園・進級おめでとうございます。例年より早く桜の開花宣言が出た今年ですが、満開の花吹雪を目にしながら本日、入園を祝う会が行われました。今年度は新たに19名の園児を迎えます。乳児が多いのでしばらくは元気いっぱいの泣き声が園舎に響き渡ります。それでも5月の連休を過ぎるころにはだいぶ慣れて保育者との愛着関係も出始めてくるお子さんの表情の変化に、保護者の皆さんもほっとするころです。4月中は幼児クラスでも変化への不安の裏返しで妙にテンションをあげたり、はしゃいだりして疲れがちですので、お子さんに寄り添いながら過ごしていただくと良いようです。
コロナ禍の中で過ごして早2年半がすぎました。今まで当たり前のように行ってきた日常の保育や行事を見直しながら都度、何を大切にしていくか、ひよこ保育園らしい方法は何か、職員間でたびたび話し合いながらこの間進めてきましたが、保護者の皆さんにとってはいかがでしたか。
保育は保育園が主導で進めるのでなく、保護者の方との協働で子どもたちの「今と未来のため」により良い保育を模索していく場です。昨日より今日、そして明日が少しでも子どもたちの発達と成長に資するように、また、保護者の皆さんの就労支援も並行しながら、みんなが安心して暮らせる居場所となるべく
運営してまいります。建設的なご意見をいただけると幸いです。
☆3月号(2022年3月1日)
「逃げる2月、去る3月」の言葉通り、新型コロナウィルス対応に追われて過ごした2021年度でした。気づけば早3月、年度末です。一昨年以来大きな行事は実施せず、この2年間はひよこ保育園の歴史の中でも特殊でしたが、子どもたちは大人の思い煩いからは自由に、自分たちなりの楽しみ方を探っていたようです。卒園、進級を控えた今、それぞれの持ち味ですくすく育っているなぁと感じます。
全国的に、また横浜市でもコロナウィルス感染拡大で休園・休校になっている保育園・学校が続出しています。ひよこ保育園ではまだ、長期休園には至っていませんが、近隣の保育園で休園が多くある中、今後の運営次第でどのようになるか見通しが立ちません。パートの職員がおもちゃや手すり、ドアノブなど消毒を小まめにしてくれたり、換気にも心がけて予防対策しています。ご家庭でも3密になるような状況を避け、手洗い、うがい、マスクを励行していただき、みんなで元気に新学期を迎えたいですね。
海外ではロシアのウクライナ侵攻による戦禍について、各国各様に取り上げています。TV画面の映像にはオリンピック気分の冷めきらないうちに、想像だにしなかった惨状と恐怖と悲嘆にくれる一般市民や子どもの姿が映し出されて、のんびり生活している私たちとのギャップの大きさに胸が痛みます。
ロシア以外にもシリア、アフガニスタンなど戦火を逃れた難民が大勢存在して生死をさまよっている事実があります。日本では今のところ平和な生活が送れていますが、時にはあっけなく崩れてしまうこともあると思います。大きくは国家間の戦争やパンデミックとなった新型コロナウィルス感染、小さくは身近な人間関係など、いつでも万全に保障されることではないのだと思います。何でも「結果オーライ」になるという安全性のバイアスにかかっていないか、今は慎重に慎重を重ねて振り返る時です。
大きな事故なく今年度が終えられることを心から願っています。ご協力ありがとうございます。
☆2月号(2022年2月1日)
国内ではオミクロン株の急激な感染拡大、頻発する事故や犯罪、海外ではアフガニスタンの惨状やウクライナを巡る大国間の対立など、目をつぶり耳をふさぎたくなるニュースに気を取られているうち、あっという間に過ぎた1月でした。
例年のことながら2月は卒園を控えたくじらぐみの子どもたちに、ひよこ保育園での最後の2か月を思い出豊かに過ごしてもらいたいと気配りしながら、一方で新年度の体制づくりに追われて過ごします。
1月9日に開催した全体職員会議では45名全員の出席で横浜市の保育情勢やひよこ保育園の現状について確認しました。エントランスに掲示しましたが「子どもといて幸せ♡と感じた瞬間」、「こんな保育園だったらいいな!」との2つのテーマで和気あいあいとグループワークしました。短時間勤務、正規、職域に関わらず自然体で話し合う事が「みんなのおおきなおうち」である保育園の土台となると、コロナ感染防止のため遠ざけていた全職員間での話し合いが大切であることを再確認しました。
横浜市は待機児童が多く、公立保育園の民間委託や新設園の開園などを計画・整備する一方で、認可保育園の半分以上で定員割れが起きているようです。特にひよこ保育園もそうですが0歳児の入園が激減しており、緊急的に1・2歳児に特化した保育園が必要とされています。コロナウィルス感染の不安から育児休業を延長する、在宅でのテレワークなど働き方がかわったとみられています。保育園不足、保育士不足が語られて久しいですが、超高齢化・少子化・人口減少がさらに進み、近い将来に保育士不足が解消されるという予測もある中で、ひよこ保育園がどのように運営していけばよいか考え時です。
☆1月号(2022年1月4日)
あけましておめでとうございます。
濃厚接触者やクラスターという言葉が出始めた昨年末、2年ぶりに帰省しておじいちゃんおばあちゃんに孫の顔を見せたいと計画していたご家族は希望がかなったでしょうか。TVニュースで、駅で出迎えた祖父母と孫とのうれしそうな再会場面を見るたび、ほっとした気持ちになりました。家族の気配りや思いやりに包まれて育つ子どもは幸せですね。距離は離れていても誰かに見守られている安心感が土台に有って日頃は保育園や学校で性格や気質の異なる友だちと交わり、夢中で遊んだりけんかしたり、日々様々な経験をしながら成長しています。
新聞などで「ト―横」という言葉を目にするようになりました。新宿歌舞伎町の「新宿東宝ビル」沿いの路上の事で家出などした10代の少年少女が深夜にたむろする場所として定着しているそうです。大阪では「グリ下」、横浜では「ビブ横」など各地に同じような場所が出来ていて、家庭や学校を居場所として感じられない子どもたちが一緒にいて安心できる仲間を求めて各地から集まっているそうです。また、飲酒や薬剤の過剰摂取などもみられ、犯罪や事件に巻き込まれるケースも多いと記載されています。
小中学校では不登校や学校嫌いが年々増加していて、教員不足から特別な支援の必要な子どもへの対応が追い付いていないということもあり、子どもたちにとって安心して生活し、学ぶという基本的に大切な事が学力で世界に追い付こうとする政策の中で必ずしも保障されてはいない側面が露呈してきているようです。
コロナウィルス感染の不安が数年にわたって続き、生活様式が大きく変わることを余儀なく強いられ、対面ではない学びや急速に導入されるICTなど、大人たちも慌ただしく混乱している中で、毎日がどっしりと安定感のある日常生活ではないのでしょう。子どもたちが安心して伸びやかに育つ権利を保障することは、保育園の職務であり義務ですから、大勢の保育者の個性により保育方法が異なってもその違いを活かしながら、今ひよこ保育園で出来ることは何か、時流の変化にも目を向けつつ保護者の方々のご意見をうかがいながら進めていきたいと思います。保育者にとって子どもたちの笑顔が何よりうれしいです。「また、あしたもあそぼうね!」の声に救われています。 まだまだ、コロナウィルスの不安は続きますが、保護者の皆さんのご協力の下、乗り越えていきたいと思います。今年もよろしくお願い致します。
☆12月号(2021年12月1日)
先週26日(金)にぴよぴよぐみの懇談会が開催されました。今年度はほとんどの行事が中止となったので、久しぶりに保護者の方々の和やかな懇談の様子がまじかで見られ、以前のように屈託ない日常が戻ってほしいなとあらためて思いました。今回はコロナウィルス感染防止の観点から1クラスずつに分けての開催で、兄弟で通っているご家庭には何度も勤務を早退されたのではないかと思いますが、終了時の混雑が緩和されてよかったかなと思います。
緊急事態宣言が解除されて以来、経済の復興、感染拡大防止が入り混じって語られますが、どちらも生活するうえで大切ですね。医療、介護、保育に携わる人の処遇改善、給料アップについてはありがたいと思う一方、失業や倒産など厳しい状況に置かれている方々が大勢いる中で、医療、介護、保育従事者は職を失うという不安はなく、毎日追われながらも生活は現状維持できていることに感謝しています。
今年もあと一月となりました。コロナ対応に時間と心を奪われているうちに、あっという間に年末を迎えた気がします。ひよこ保育園に関わる中で保護者の皆様にもいろいろな思いがあるとは思いますが、子どもたちが安心してより楽しく過ごせるように前向きに話し合いながら過ごしていけるといいですね。
お父さん方が汗をかいて土を耕してくださった泥団子コーナーで、今日も子どもたちが張り切って泥団子作りに励んでいます。園舎内も大掃除していただいたおかげで空気がさわやかな気がします。ありがとうございました。
☆11月号(2021年11月1日)
連日、全国のコロナウィルス感染者数が減少してさまざまな規制が解かれるにつれ、巷での楽し気な飲食、飲酒場面がTV画面に流されています。どの人も長期間の拘束から解放されてのびのびしたムードが漂っていますが、タガが外れたように人流が増えることで第6波感染拡大にならずにこのまま終息に向かってほしいです。
ウィズコロナ、アフターコロナという言葉が語られて、今までのように人が対面したり接触したりする機会がすべての事象から減らされて、デジタル化の流れが急加速されていくのでしょう。(疎い人間には辛いです。)
この間、小学校でもオンライン授業が導入され、横浜市ではロイロノートを全市立校でつかうようになりました。小・中学校からは次々と保護者のスマホに連絡が入り、就労している親にとっては便利であり、せわしなくもありのようです。子どもたちは生まれたときからスマホやパソコンが身近ですので、構えなくとも何となく操作ができるようですが、同時に犯罪めいたことに巻き込まれる機会も増えるということで、おとなたちは子どもたちと共に健全なスマホやパソコンの利用について学ばなくてはなりませんね。
保育園は毎日大勢の子どもたちが登園して、長時間滞在する場所です。保育士は自己主張する子どもたちが屈託なく遊ぶ時にも大けががないように、園内外で見失うことがないように、ふざけて食べて誤嚥しないようになど、絶えず気配り目配りして過ごすので若い保育士でも夕方には心身がくたくたです。また、多くの保育園や小学校の職員の間で、丁寧な対応の必要な子どもと家庭が増えているため業務時間以外にも研修や自己研鑽に時間を費やしていると話されています。
時間外に亘る長時間労働、低賃金、保護者対応など労働環境が厳しいという風評に保育士のなり手がなく、保育士の争奪戦になっている状況に横浜市からは保育士の業務負担の軽減を図るためのICT化システム導入の補助金が支給されることになりました。ひよこ保育園では今まで連絡票での確認や手計算であった登園、降園の管理をより正確、簡便化するためにエントランスにタブレットを設置することにしました。徐々に無理なく取り入れられる事から導入していきます。保護者の皆さんにはお忙しい中ですが主旨ご理解の上、ご協力をお願いいたします。
☆10月号(2021年10月1日)
緊急事態宣言解除、自民党総裁選、台風16号と枚挙にいとまがないこの頃です。9月中は登園自粛の要請にこたえてお休みしている園児もいて、例年に比べて静かでした。10月はみんな元気に戻ってきて、賑やかな秋になってくる気配です。行動制限が緩和されることによって再びコロナウィルス感染者が激増することがないように、身近で出来ることをしっかり守っていきましょう。
10月12日から令和4年度の保育所入所申し込みが始まるため、このところ保育園の見学者が多く来園しています。園内を案内していると、子どもたちが寄ってきて口々に「だれのママ?」やら「何しに来たの?」などと尋ねるので見学者からは「元気ですね」、「のびのびしていますね」と言われます。
ひよこ保育園の子どもたちは、「みんなの大きなお家」を体現するかのように日中のくらしの主人公として時間を過ごしていて、転げまわって笑っている顔、けんかして大声で泣いている顔、どの顔を見ても本当に子どもらしいな、と思います。
都筑区には様々な経営母体の保育園があり、それぞれに固有の保育理念で運営していますが、ひよこ保育園の土台は「幼年期をじぶんらしく自らじっくりと育ってほしい」という願いにつきます。ですから見学者には、誤解を恐れずに「一斉に教えて、皆が同じようにできること」や「しつけや学習」を重視していないと話しています。深くは子どもたちの表情から読み取ってほしいと願ってのことです。
保育園はいったん入園すると、ミスマッチがあっても不満を感じながら長い時間を過ごすことになるので、ご家庭の方針にあった保育、保育園を選んでほしいなと思いながら対応しています。
☆9月号(2021年9月1日)
政府による緊急事態宣言発令及び延長という非常事態の只中で、日々、小さな子どもを育てながら働くことがどんなに大変なことかとお察ししています。8月はコロナウィルス感染拡大と共に、オリンピックやパラリンピックという国際的な大会の開催の是非を巡って喧々囂々(けんけんごうごう・多くの人が口やかましく騒ぐ様子)でした。
保育園の子どもたちは「楽しむ」という視点からは例年と変わらない夏を過ごしたと思いますが、保護者の皆さんにとってはいかがでしたか。家族旅行や実家への帰省ができず、子どもたちが好む遊園地や動物園、水族館なども大勢の人が集まって密になるのが怖くて行けないなど、イベントとしては物足らない感があったかもしれませんね。
23日、秋分の日に予定していた親子遠足も中止することにしました。楽しみにしていた方には残念ですが、事情をご理解していただきたく思います。ひよこ保育園では朝、夕に階段手すりや床、棚、窓の桟など消毒をしていますが、それでも他の保育園でクラスターが発生した、休園になった、との情報に触れるにつけ、再びひよこ保育園で起きたらと、不安は拭えません。横浜市私立保育園・こども園園長会のHPによると、8月には横浜市内では100園近くが休園の憂き目を見たそうです。
コロナ禍の保育では、今まで通りにはできないけれど半面で子どもたちを伸びゆく主体として見たとき、大人が図って何をしたとか、しないかとかでなく、周囲のあらゆる環境と子どもが自ら、どう向き合ったか、何を感じ取ったかが大事だなと再認識した面があります。ひよこ保育園はもともと、大人がお膳立てして子どもに提供する保育ではないのですが、いまさらながら盛り沢山ではなく、余計なものやことをそぎ落とす保育もいいものだな、と思っています。
保護者の皆さんもテレワークを余儀なくせざるを得ない状況で、場所の確保もままならないご家庭もあるかと思います。お疲れ様です。保護者の方々の苦境に共感しながら、また、保育園が多くの子どもの集まる場所である特殊性を考え合わせながら、お互いに共感を礎として、この困難を乗り切りたいと思っています。
☆8月号(2021年8月1日)
前月のひよこだよりのころには、まだ、ワクチンの効果で感染が少しでも収まってくれれば、という期待感があったのですが、オリンピックが始まって1週間、早くもその願いが打 ち砕かれるどころか、今までにないほどの急激な感染拡大、緊急事態宣言の憂き目を見る事態に突入しています。ひよこ保育園周辺でも、幼稚園、保育園、小中学校、高齢者の施設など いたるところで感染者が出ているようですが、無症状の人も多いらしいので、なおさらに不安ですね。
一般人としては手洗い、消毒、人混みを避ける、不要不急の外出をしないなど、さらに徹底していくしかないと改めて気を引き締めています。
オリンピックではそれぞれの国の選手たちの健闘する姿は感動的で、思わずTVにくぎ付けになってしまいますが、コロナ禍という非常事態の只中に、一部の人がお祭り騒ぎになって はしゃいでひんしゅくを買い、オリンピックの心が傷ついたり、華やかな祭典の陰で苦境に追い込まれて行く人々が大勢いることを想うときに、開催に不安を感じる人の多い中での開催 が「結果オーライ」と言えるとは思えません。
ひよこ保育園は子どもたちの命を守ること、健全な成長と発達に寄り添うことを第一の目的にしているところなので見方によっては消極的であったり、時代の波に乗り遅れているか もしれません。けれどよく言うように「命あっての物種」なので。感染することで最悪の結果になったり、長期間にわたる体の不調を生じるなど、コロナウィルス感染症の怖さを実感し たことがないのは幸いですが、自分の身には降りかからない、という楽観バイアスにはまっているとしたら怖いことですね。いつもなら、夏休みで旅行や帰省など楽しいこといっぱいの 8月ですが、今年はみんなで我慢のとき、来年は何の不安もなく楽しめる夏になるように、まず自分が感染予防を徹底することにします。
☆7月号(2021年7月1日)
毎日、オリンピックについての報道が氾濫していますが、コロナウィルス感染拡大についてとセットのようです。感染拡大の原因が人流にあるならば、人の流れが大きく増えるオリ ンピックという世界的催事に関心が集約されるのは当然ですが、開催と中止(延期)の意見が大きく割れて、不安が渦巻く中での開催は、なんだか楽しみも半減です。
57年前の東京オリンピックが戦後復興の象徴だったとはいえ、あの時の国民の高揚感とは大きな隔たりがあります。将来、振り返った時に、「2021年東京オリンピックは困難な中 で開催したけれど結果オーライだったね」と思えるように、今後の数週間は正念場ですね。
昨日の新聞に、市立鴨居中学の校長先生の投稿が掲載されていました。『ICTを積極活用することで新しい不登校対策の実現に取り組み、有用性を実感した』という内容です。私が保 育に携わる中で出会った特別な支援が必要と思われる子どもたちが、小学校、中学校と集団の規模が大きくなっていくにつれ、孤立するのでなく保育園のような安心していられる場、自 分の得意分野が発揮できる場があればいいなと願っていたので、在籍する小・中学校に新たな教育的ビジョンを掲げて、一人ひとりを高めていける取り組みが導入されることは大歓迎で す。
横浜市の小学校では今月から全生徒にIPADが配布されるそうです。今の子どもたちは生まれたときからPCやスマホに接しているので、ICTの導入には違和感がないでしょう。但し、 OECDによると日本の子どもたちの学習面でのICT利用は世界主要国の平均以下、学習外では平均以上だそうです。そういえば確かに公園のベンチで大勢の子どもたちがゲームに興じている 姿を目にしますね。
教育の環境変化を巡っては、あわただしい時代に突入していく事になりますが、何はともあれ、子どもたちが何らかの方法で学びに対する意欲をもってほしい、精一杯生きている自 分に自信をもって歩んでほしいと願います。
☆6月号(2021年6月1日)
保育園前面道路に面した法面の植栽工事が終了してさっぱりしました。カルミア(シャクナゲの仲間).を植えましたが、今が盛りできれいに咲いています。建築当初は芝生を貼って
いたのですが直に雑草がはびこり、次に植え替えた玉龍もこれまた雑草に負けてしまい・・・。雑草と戦うのはあきらめましたが、荒れたままにしていると散歩犬の落し物が多くなって
非衛生だったので、地元の造園屋さんに相談して低木に換えました。保育園はこどもの城ですから、実のなる木や、季節を感じられる花の咲く木、色彩や香りのよい花で満たしてあげた
いと願いつつ、実行に移すのはなかなか根気のいることです。保護者の方でガーデニングの得意な方、協力していただけると嬉しいです。
緊急事態宣言が延長になり横浜も20日までまん延防止等重点措置期間が延長になりました。横浜市からのお便りを配布しましたが、各ご家庭で可能な感染予防対策を採っていただ くようお願いいたします。
不自由を強いられる長引く自粛生活に、気が晴れない、疲労感があるなど多くの方が心と体の不調を訴えていますが、コロナウィルス感染拡大という現実はしっかり受け止めなくて はなりません。さまざまな情報の氾濫の中で、まだ、しばらく続くコロナウィルス感染予防対策を生活の基盤に置き、人任せでなく自分と家族の安全な暮らしについてしっかり考える機 会にできればいいなと思います。今後、デジタル化が急速に進み、いろいろなことがスピーディーで効率よく運ぶ世の中になっても、現実社会で発生した様々な仕組みの不調を思い起こ すと、世界でも突出した超高齢化社会と言われる国とその国民が、今後、今まで以上に豊かで穏やかに歩むとは思えません。
保育園での行事がほとんど中止になっていますが、子どもたちは毎日の生活を楽しみ子どもらしい体験を重ねています。保育士たちはコロナの不安がなかった頃とは違う方法で保育 園での生活を楽しむすべを検討しているところです。
☆5月号(2021年5月1日)
4月中旬から連休にかけて、ひよこ保育園は修繕・工事に追われました。特にエアコン工事では5月1日の土曜日について登園を控えていただくようお願いしましたが、協力してい ただき、ありがとうございました。昨5日、無事終了しました。本格的な暑さになる前に終えてほっとしているところです。昨年の8月には突然、屋上に設置しているコンデンサーが壊 れて修繕不能となり、2階の幼児保育室のエアコンが全滅となりました。スポットクーラーを何台もレンタルして対応しましたが、大した効果もなく子どもたちには大変な不自由をかけて しまいました。幼児については子どもたちが動いてくれるので暑さを避けて少しでも涼しいところで過ごすことができ、幸い体調を崩す子どもがいなかったのですが、もしこれが1階の エアコンが全滅していたら・・・考えるのも恐ろしい事態です。その時点で今年のゴールデンウィークに1階部分のエアコンの全面交換を計画しました。本格的な暑さになる前に終えら れてほっとしています。
ひよこ保育園は園舎竣工以来、丸18年を経過しているので最近になってさまざまなところで不具合が発生しており、その都度修繕していますが、自分たちでできるところは日常的に こまめに手入れしており、保育士たちはドライバーの使い方が上手になりました。
創立当初から勤務している職員で当時20歳台だった人は40歳を超え、30歳台だった人は50歳を超え、40歳台だった人は・・・。みんな貫禄が十分つきました。これからも 心と体のメンテナンスを怠らず、子どもたちからパワーをもらって、より豊かな保育実践をしていきたいです。みんなが不安を感じて疲れているこんな時代だからこそ、保育園は安心で きる場所、明るく朗らかな場所でありたいです。
連休中はコロナウィルス感染対策徹底の呼びかけがTVから頻繁に流れていました。4都府県では緊急事態宣言も延長になりそうです。三密でなく一密でも二密でも感染してクラスタ ーが発生するそうですが、子どもたちに近寄らない、声を出さないというのは到底無理ですから、せめて今まで通り、手洗い、マスク、消毒を心掛けるようにしていきます。何よりご家 族の方が体調不良の時には受診していただくなど感染予防にご留意お願いします。
☆4月号(2021年4月1日)
入園・進級おめでとう
今日、19回目の入園を祝う会が行われ、16人の子どもたちがひよこ保育園に仲間入りました。進級した子どもたちも新しい担任と直になじんで新たにクラスのカラーを創ってい く事でしょう。昨日はくじらぐみのこどもたちが最後の時間を惜しむかのように今まで遊んできた様々な遊びを辿っていました。子どもたちの歓声を耳にしながら、豊かな幼年時代を過 ごして来たんだなと感じました。
ひよこ保育園は「入園式・卒園式」ではなく、「入園を祝う会・卒園を祝う会」という呼び方をしています。「式」と言う仰々しい場でなく、主人公である子どもにとっていつもの 保育の延長線上に位置付けているからです。
先日、卒園を祝う会が行われ19人が卒園しました。いつもは自由奔放という体の子どもたちですが、それでも緊張して普段は見られない表情をしていました。きりっとした成
長を感じさせる子どもたちの態度に多くの保護者が涙を流していらっしゃいました。
昨年度はコロナウィルスによって突然、保育園での過ごし方、行事の取りくみなどが余儀なく変更せざるを得なかったいう面は否めませんが、どんなことでも「こどもにとってどう なのか」という視点を見失うことなく保育を進めてきた1年でした。また、行事が縮小されたことにより負担感が減ったことも事実でした。今年は昨年実施した保護者アンケートに記載 されたご意見を参考にしながら、新たな視点での取り組みをしていきたいと思っています。まだまだコロナウィルス感染拡大の不安は払拭できませんが、十分な予防対策を取りながら子 どもたち、保護者、職員皆が楽しく満足できる保育園でありたいと思います。今年度もご協力、ご支援いただけますようお願いいたします。
☆3月号(2021年3月1日)
汗ばむほどの陽気と北風に体をこわばらせる日が行ったり来たり、まさに「三寒四温」で体調を崩しやすい日が続いています。TVでコロナの感染者が減っているとの報道が繰り返さ れる中で、他府県での緊急事態宣言解除の決定は飲食業などに携わる方の立場に立てばやむを得ないのでしょうが、子どもの安全性を重視する立場では再び感染が拡大しないかなと危惧 します。ワクチン接種が医療従事者から始まり、順次広げていく見通しですがオリンピック開催の有無はともかくとして一刻も早い効果を期待します。
先日18日、うさぎぐみといるかぐみの日誌に「月出松公園にキツツキが居てコツコツと木の幹をたたいている様子を子どもたちと見た」との記載がありました。「見間違いじゃな い?そんなところにいるはずがない」と思い、早速ネットで「都筑区・キツツキ」と検索してみました。ところがなんと、四季の森公園、都筑中央公園など緑深い公園や住宅地でしばし ば見かけられているそうです。ひよこ保育園の近くにも来てくれたんだな、とうれしくなりました。ちなみに「キツツキ目キツツキ科コゲラまたはアオゲラ」らしいです。近隣に緑の多 い環境で保育が出来る幸せを日々感じていますが、ビルの中で保育を営まざるを得ない保育園もたくさんあり、コロナ禍の中でのご苦労はいかばかりかと思います。どの保育園の子ども たちも青空の下で思いっきり遊ばせてあげたいですね。
コロナにふりまわされた感のある2020年度でしたが、保育を委縮させることなく子どもたちには今まで通りに様々な経験をさせてあげたいと、工夫しながら進めた1年でした。 保護者の皆さんには物足りなく感じられた方もいらっしゃるとは思いますが、保育者としては手抜きしたことはなかったと振り返っています。4月からは、また、新たな体制で楽しい保 育にしたいと思っています。様々なご協力ありがとうございました。
☆2月号(2021年2月1日)
明日は節分。今年は明治30年以来、124年ぶりに2月2日になるそうです。保育園では例年鬼退治をしていますが今年は少し変えた方法で鬼退治をします。お家でお子さんにど んなだったか聞いてみてくださいね。
通勤時の景色が変わっています。シャッター街とは言わないまでも、廃業、休業、「テイクアウトできます」の看板や張り紙をよく見かけます。コロナウィルス感染拡大になる以前 には、帰宅途中の車の窓から嬉しそうにお店に入る家族や勤め帰りの同僚と思しき人たちの姿をよく見かけたのですが、今はそんな様子がありません。緊急事態宣言が延長となるようで すが、皆が自粛生活を守っているのだなと思います。
早く以前の生活に戻れることを願いながらも、突然のコロナ禍にそれまで当たり前だった生活を見直した面がある気もしています。過剰なほどに自由気ままに過ごせることから、じ っくりと落ち着いた生活、知恵を出し合って工夫して過ごす時間を経験することが出来たのは不幸中の幸いですか?あれもこれもと勤務と育児と家事とで何かと慌ただしく過ぎていく日 常をちょっと立ち止まってみませんか?
☆1月号(2021年1月1日)
あけましておめでとうございます
新型コロナウィルスの感染拡大に誰もが穏やかならぬ日々を過ごした昨年でした。それでも新しい年はすべての人に平等に到来して、私たちはいつも通りに「おめでとう」と挨拶を 交わし日常生活を送れています。例年、年末年始は医療機関が連休になるので不安になったりもするのですが、今年は特にコロナの事があり、小さなお子さんや高齢の家族のいる方にと っては「もし、具合が悪くなったら・・・」と不安が増大したことと思います。
この年末年始は感染拡大が急激で「外出は避けましょう。家にいましょう」と国や自治体の呼びかけがあり、多くの人々が同調しましたが、ご自身にも家族が居ながら年末年始に休 み返上で診療してくださった医師、看護師、検査技師等の方々には本当に頭が下がります。使命感を持って働いていらっしゃるのですね。ありがたいことです。そのような報道を目にし て、私たち保育者も微力ながら手洗い、マスク、消毒など保育園内での感染予防に努めます。
また、コロナの脅威に加えて、私たちが実際に目にすることのない世界の所々で飢餓や貧困、戦争やテロが多発していることを報道で見聞きしています。ひよこ保育園で子どもらし
い生活を保障されている子どもたちと同じ年頃の子どもたちの悲惨を伝え聞いた者として何かできることがあれば(一人でするのでなくみんなで思いを寄せて).と思いますが、どなたか
ご協力いただけませんか。(保護者、職員で募金するなど)
昨年は保護者の方から保育運営について多くのご意見を頂きました。今、一人一人のご意見を保育者たち全員に伝えて意見を出してもらっているところです。ひよこ保育園の保育で 大切にしている理念と、時代の変化に合わせて柔軟に運用すべきところとをどのように調和させていけばよいか。そして、みんなが納得できる方向に変えていく際には保護者の方々には どのように関わっていただくのか。考えるべきことがたくさんありますね。
今年は丑年。牛は古くから食牛、乳牛、耕牛と人間の暮らしを支えてきた動物です。粘り強く忍耐強い動物とされ、丑年は「我慢」、「発展の前触れ」の年と言われるそうです。な んだか希望が持てますね。ウィズコロナからアフターコロナへ、ゆっくり、のんびり、反芻しながら歩みたいものです。間違っても「闘牛」にならないように心がけます。
☆12月号(2020年12月1日)
毎年、春、夏、秋に実施していた様々な行事や日常の保育の営みを、変更したり縮小したりしながら子どもたちと楽しんで過ごした8か月でした。世の中はコロナ不安に翻弄されてい る様相ですが、園庭や遊歩道の樹々は変わらず季節を感じて紅葉、落葉して、色とりどりのじゅうたんをプレゼントしてくれました。ひよこ保育園の園児たちも、ぴよぴよぐみの赤ちゃ んからくじらぐみのおねえさん、おにいさんたちまで、落ち葉の感触を満喫してたくさん楽しみました。散歩先で集めた落ち葉やドングリ、木の実などお家にたくさんのお土産を持ちか えったので日中の保育の様子を思い浮かべていただけたのではないかと思います。
自然が与えてくれるものに深く興味を持つ時、子ども同士が心を伝えあって関わっている時など保育中には子どもならではの感性を働かせているな、自分育てをしているんだなと思 える瞬間がたびたびあります。そんな場面を保育者が独占してはもったいないので連絡帳やドキュメンテーション、連絡ボード添付の「今日の保育」、時々のスライドショーなどでお伝 えしていますが、コロナが収束して再び保育参加などで子どもたちの生の姿を見ていただける日が来ることを願うばかりです。
幼児クラスになると子どもたちは廃材をたくさん持ち寄って思い思いに制作活動をしています。全員が一緒の既製品のキットでお手本通りに創るのではなく、一人一人が自由にイメ ージした作品を創っています。もちろん、思い付きで取り掛かったもののすぐ途中で飽きてしまったり、廃材を収集することにこだわってしまったりする子もいます。それでも友達とテ クニックを教えあったりしながら、次第に実際の遊びに使える作品が出来上がるように進歩していく成長ぶりはすごいなぁと脱帽です。時々、TVや雑誌で紹介される前衛アーティストの 作品とそっくりなものもあり、「これは将来有望かも・・・!」と親ばかならぬ園長ばかになっています。
ひよこ保育園では保育士たちは子どもたちがおとなの顔色をうかがうことなく、されど、自分と周囲の人を大切に思える感受性を育みながら伸び伸びと育ってほしいと願って試行錯誤しながら保育実践をしていますが、思うようにいかずに、願いとは違う方向に進んでいく事もあります。子どもたちと同じようにひよこ保育園もいろいろな経験を糧として、
保護者の知恵と協力を得ながら育つ保育園でありたいなと、コロナ感染で委縮しがちなこのごろに思っています。
慌ただしく過ぎる2020年ですが、来年は落ち付いた年になってほしいものです。手洗い、マスクなど感染対策の基本を守っていただき、残りの日々お健やかにお過ごしください。
☆11月号(2020年11月1日)
11月になり、街路樹のいちょうが黄葉しはじめましたね。園庭のモミジも赤くなってきました。近隣公園でのスズメバチ騒動が収まれば園外保育でまた、思う存分に走り回ったり 、落ち葉やドングリ拾いを満喫できますね。スズメバチの情報があったら教えてください。
ひよこ保育園の園庭には保育室時代の保護者からの寄贈である記念樹ケヤキの大木をはじめ、カツラ、モミジバフウ、カエデ、サクラ、ウメ、ネムノキ、シラカシ、カナメ、ハナミ ズキ、フジなどの木や、ヒメリンゴ、ウメ、ヤマモモ、ユスラウメ、ブルーベリーなど実のなる木も植えられています。保育園の庭には実のなる木を子どもたちと楽しみたくて植えたの ですが、現実的にはまだ実が熟さないうちにおままごとの素材になってしまっています。おとなとしては、トホホ!ですが子どもたちが夢中になって遊ぶ様子に、それもありかな、と思 っています。春にフジが満開になるころ、今年も藤棚に鳩が巣作りをしました。昨年も同じ所で卵からかえったひなが巣立ったのでおぼえているのでしょうか?
鳩の子育てを見守って巣の下にシートを張り、子どもたちには静かに遊ぶように教えている保育者の姿は輝いていましたよ。そんな日常を過ごす子どもたちはしあわせですね。
コロナウィルス感染の不安から今まで通りにはできないことが多く、こじんまりしがちな保育ですが、大きな、目立つ保育活動が出来ないことに不満やストレスを持つのではなく、好奇 心をもって日常の中にも楽しさや新しい発見をすることのできる子どもたちから、おとなたちはたくさんの事を教えてもらっています。小さな幸せって結構身の回りにたくさん隠れてい るんですね。
☆10月号(2020年10月1日)
今日は朝9時30分から、横浜市こども青少年局監査課による2年に1度の一般指導監査が実施されました。監査課の担当係長や担当職員、栄養士、保育士など数名が来園して、事前に提 出した資料を基に、細部にわたり点検・確認しました。今年度は新型コロナウィルス感染症が蔓延しているので、例年のように、施設や保育室内を観察して回ることはありませんでした が、経験を積んだ方々が要所要所をチェックします。保育園の運営状況、子どもたち、職員の処遇、保育の計画、保健衛生、給食の実施状況、そして会計・経理についてなど書類を細か く調べました。
ひよこ保育園は一見すると家庭的でのんびり、ほんわかした雰囲気ですが、そのためには多くの短時間勤務職員の熱意による念入りな清掃や消毒のおかげでコロナ不安の中、衛生面 ・安全面で安心した生活が成り立っています。表面には表れない様々な働きや想いがあってこそ、初めて保育園が生き生きと輝いていられるのです。
全国的に保育所の職員不足が言われ続けていますが、ひよこ保育園では地域の方々のご支援もあって今まで、ヒヤヒヤ、ハラハラの状態での保育を強いられたことはありません。も ちろん保護者の皆さんや職員を合わせると相当数の人間関係があるのですから、細かなトラブルはありながらも、みんなが根っこのところで「子どもたちとって何が大切か」を探りつつ 、また、保護者の方々にも理解していただきたいと、ぶれないでいることが安定の基礎になっているのかと思います。
令和2年度は登園自粛期間や育児休暇の延長があったため、特に0歳児クラスでは入園時期が8月以降にずれ込んだご家庭も多く、今まだ新学期の様相です。また、行事など今までのよ うには出来ないことも多く、保護者の中には物足りなさを感じている方々もおられますが、子どもたちはそんなことはお構いなしに今ある条件の中でそれぞれの想像力と応用力を駆使し て毎日を楽しんでこんな非常事態にこそ生きています。一人ひとりが自分の世界の地平線を拡げていっているようにも見えます。今までのような生活には戻れないだろうと言われ始めて いるこんな非常事態にこそ、こうでなくてはいけない、こうあらねばならない、という固定的価値観から脱出して、大人たちは前向きに、子どもたちが素直な感性で築こうとしている自 由な世界を守ってあげたいと望みます。
☆9月号(2020年9月1日)
ひよこだより9月号、と書いて、「ああ、もう9月なんだ」と思いました。月日の過ぎ去るのは当たり前のことなのに4月の新学期以来の数か月が何だか遠い昔のような、あるいは夢の中の出来事のように感じてしまいます。
コロナウィルス蔓延による「新しい生活様式」という言葉が様々な場面で使われて、順応性のある方々は日常の中にうまく取り入れて、どうにか暮らしているのでしょうが、脳みその固くなった自分は「どうしてこんなことになったんだろうか、とか何がいけなかったんだろうか」との思いが絶えず浮かんできて、不自由さと当てどない怒りを感じています。
50年以上昔のことですが、学生の頃、社会学の授業で「科学は人間を幸福にするのか?」ということをテーマにした講義を受けた記憶があります。文明の進歩を信じ切ってきた人類の大きな負の遺産として戦争や原爆があった…といった内容でした。不真面目な学生だった私は単位取得だけを目的としていたので内容は全く覚えていませんが、ただ、人間の利益を最優先して地球上の多くの物質や自然環境を利己的に利用して来たことのつけが、今回のコロナ禍騒動と無関係ではないのかな、と感じます。
最近、TVなどで昭和の生活や日用品を取り上げる番組が増えている気がします。ITやAIなどアルファベットで記載される情報の氾濫の中で、老若問わず昔ののんびりした時間の中に身を置いてみたいと思う人がいるのでしょう。
保育園では昨年来、幼児教育の無償化・給食副食費の自己負担化・緊急事態宣言・登園自粛依頼など、今までにない運営方法の変更に伴う関係書類の作成など事務作業が膨大化しました。また、保護者の皆さんへの伝え方が不十分と、一部の方よりご不満の声もいただきました。今後も国や市の施策が変わるたびに、保育所単位で変更しなくてはならないことも起きてくると思います。保護者の方には都度、出来る限り丁寧にお伝えして潤滑な保育を進めたいと願っています
☆8月号(2020年8月1日)
7月30日朝9:38、一斉にホワンホワンと大音量があちこちから響いてきました。直後に「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください」とのアナウンスも。子どもたちを保育園に預けて職場に向かう保護者の方はさぞ緊張されたことと思います。室内やデッキで遊んでいた幼児たちもびっくりして保育士の下に集まってきたそうで、「さすがに避難訓練の効果!!」と保育士たちは感心していました。日々の繰り返しって大切ですね。
コロナ感染者が1000人/日を超えたという危機的状況の中、地方をずたずたにしている大雨、更にここで大地震があったら・・・。脳裏に悲惨な光景が浮かびましたが、とりあえず誤報ということで大地震がなくてよかったですね。
「保育士もう辞めたい」・「園児が集団感染したら…負担増す対策」と大見出しで新聞に記事が載りました。どの保育園でも子どもたちに「密」な環境を避けるべく様々な対策をとり、また、こまめな消毒や手洗い、マスクなどを徹底していても人の出入りが多いので絶えず感染リスクにさらされています。ひよこ保育園では保護者の方にも入室前の手洗いとマスク着用の協力をしていただいていますが、それでも完全には程遠いと思います。
新聞によると「医療・介護従事者に支給される国の慰労金支給対象に保育労働者が除外されたので更に現場が疲弊している」風な書き方ですが、果たしてそうなのか?たしかにお金はいくらあっても邪魔にはなりませんし、給与は多いに越したことはありませんが、誠実な保育者が最も願うところは子どもたちの安心と安全の日々です。
「今日も、子どもたちに健やかで豊かな1日を過ごしてもらえた」という達成感と、翌日の保育への願いを保護者にも理解していただけたときの充実感をエネルギーにして毎日働けています。
コロナというかつて経験したことのない災禍に直面して、ひよこ保育園で一人も感染者を出さない努力と、保護者の方々との協力関係を基に、日常の些細なところから一歩一歩改善して乗り切っていきましょう。
☆7月号(2020年7月1日)
年度末の卒園を祝う会あたりから現在まで、例年とは全く異なる保育園の様子でした。誰も経験したことのない新型コロナウィルスの脅威に保護者の皆さんはじめ職員も、緊張しながら過ごしたこの数か月でした。6月で登園自粛要請が解除になったとはいえ、東京ではこの数日、50人を超える感染者が発生しているというニュースがあります。また、世界中でこれから大流行が起こるのでは?という先の見えない不安もあり、誰しもが安心して過ごせてはいない、というのが現実と思います。
TV画面からはリモートワークやらテレワークやらオンライン会議(呑み会・・・)やら、カタカナの言葉がひっきりなしに流れ、きわめて昭和的である人間にとっては毎日の生活が理解不能状態ですが、戻ってきた子どもたちの元気で活気ある生の声に今まで以上に感謝しています。
保育園での業務は子どもたちと過ごす時間や精神活動と同じくらいに記録や計画に掛ける時間もたくさんです。業務省力化・ICT化が言われて久しく、それを勧める業者も多いですが、顔を合わせて、表情を見ながらの話し合いや作業の楽しさも捨てきれず、ひよこ保育園では全員が集まっての会議も実施しています。
「新型コロナウィルスに係る保育所の対応についてのFAQ」(横浜市HP)には保育所行事の中止についての不満の声が上がっていますが、ひよこ保育園ではコロナ感染防止と親と子どもの保育所を楽しむ権利とをはかりに掛けながら行事をどのように実施するか検討中です。保護者の方々にもそれぞれの得意分野を生かして、出来るところで大いに参画していただき、知恵と力を貸していただいてみんなで負担を分かち合いながら、みんなが満足できるところを目指しましょう。
☆6月号(2020年6月1日)
2か月の登園自粛を経た今、さすがに子どもたちや親たちのストレスが高まっています。横浜市では依然として登園自粛の要請が出ていますが、兄弟児の分散登校が始まったり、親の在宅勤務が減ったりしているので、あたかもコロナ以前のような自由な生活になるのかなと、淡い期待を抱くかもしれませんね。TVに映し出されている街中の様子を見ていても「緊急事態宣言解除」の文字の意味合いが拡大解釈されているなと思うことが多くあります。
「命をとるか経済をとるか」というあり得ない二者択一の末に、ひょっこり〜と出てきたのが「新たな生活様式」の概念です。この言葉が今最もトレンディーになっていますね。
では、現実的に保育園での新たな生活様式を、どう創っていくか。三密を避けるといっても子どもたちに近よるな!大声を出すな!はしゃぐな!とはとても言えません。不可能です。広々と距離をとったテーブルで給食を食べ、別々の部屋を使ってゆったりと午睡をとり、子どもたちは一人づつ十分に間をあけて静かに遊んでいる…理想です。限られた人的、物的環境の中で感染リスクを負わないように、しかも充実した遊びを保障してこれからどのように保育したものか、今までの保育経験の蓄積と職員間の同僚性に負うところです。
4月、5月の登園自粛期間中は子どもたちの人数が少なく、職員たちは保育園内外の環境整備と、業者による不具合の修繕に明け暮れました。18年間の保育所運営でこれほど空間が広い事はかつて無かったので隅々まで点検して、子どもたちが戻ってきた日に備えました。今年度は、行事などは思うようにはできませんが、子どもたちの期待と願いをつぶさないように、丁寧に保育内容を検討して実践していきます。こんな時こそ、正念場だと思うのです。
☆5月号(2020年5月1日)
新型コロナウィルスの話題に終始する毎日です。現に生き、生活しているほとんどの人にとって経験したことのない事態に突然見舞われて、まるで、自分が昔の白黒映画の中にいるかのような非現実的気分を味わっています。
保護者の皆さんには、在宅で仕事したり、感染の不安を感じながら職場へと電車通勤したり、また、仕事が減って収入が激減したりと困難な状況の中にいらっしゃることでしょう。また、子どもたちも長期間の自宅待機を強いられていて、おとなも子どももストレスがたまりにたまっていますね。
保護者の中には感染対策関連職務で危険と多忙の渦中にある方もいます。本当にありがとうございます。そのような方がいる中で緊急事態宣言が発出して以来、登園を控えるご家庭が多くなり、保育園は連日、出席児童数が激減しています。皆さんのご協力により、職員も交代で自宅待機出来ています。自分の子どもを他の保育園に預けて勤務している保育士、老親の介護をしながら働く保育士もいますが、その他の職員たちも例外ではなく世の中の諸事情と同様に様々な困難と折り合いをつけながら、お互いに思いやってチームワークよく朗らかに保育運営しています。
固有の事情で人数が極端に減った保育園に通う子どもたちもいて、いつもの友達とダイナミックに遊ぶ事は出来ませんが、小さな集団でのあそびや、異年齢での遊びを工夫しています。小さい子にお兄ちゃん、お姉ちゃんと言われて照れた表情を見せる子、大きい子にはじめは恐る恐る近づき次第にべったり甘える子、普段とは違う保育園で見せる子どもたちの満足した表情や笑い声に向き合って、子どもたちを悲しませないように、身近なところで一人として感染者を出さないように、一刻も早く元の生活に戻れるようにと願っています。
感染症については、手洗いの励行、咳エチケット、人混みを避ける、十分な睡眠とバランスのとれた食事など、普段から良いとされている基本を確実にし、緊張感と目的意識をもって向かうことが必要ですね。
☆4月号(2020年4月1日)
入園、進級おめでとうございます。子どもたちは新しいクラスになってワクワクすると同時に、担任が変わってちょっとドキドキもしています。何かとばたばたと落ち着かないこの時期、お家ではゆったりと向き合ってあげてください。
降ってわいたような新型コロナウィルス感染症の脅威、日本列島もほぼ全域で感染が拡大しており、有名なコメディアンのSさんが亡くなったニュースに多くの人々が絶句し、この病気の怖さを思い知ったところです。全国民がこの見えない敵におののき、せっかくの桜の季節、新学期の晴れやかな気分が台無しですね。
子どもたちは言葉では知っていても当然ながら本当の怖さは知りません。保育ではいたずらに不安をあおって脅かすのでなく「正しく恐れること」、そして何より実際に自分たちができることをしっかり伝えて、毎日実践していきます。食事の前後や遊んだ後、外出から戻ったときなど、見た目には汚れていなくてもしっかり手洗いする事、普段から大切と言われているようなご飯をしっかりと食べ、早寝早起きすることなど健康的な生活を子どもたちに保障していきたいと思います。ご家庭でも協力していただけますようお願いいたします。
オリンピックが1年延期となったように、この災禍が今後どのように推移するのか全く見えない状況ですが、本園においても、今年度の行事等の計画が明確には立てられないでいます。直近では、たまプラーザひよこ保育室時代から都筑ひよこ保育園へと、開所以来37年間に亘り続けてきた「ひよこまつり」は今年度は中止せざるをえないと考えます。更に小中学校の計画予定が大きく変更している中で、なつまつりや運動会もどうしたものか思案しているところです。例年、年度初めに提示している年間の行事計画はしばらくお待ちいただくようお願いします。
今、生活している私たちが誰も経験したことのないこの病魔拡大の危機を、一人一人の自覚と努力をつないで乗り越えていきましょう。子どもたちと保護者の皆さんと、保育所職員で安心して集える日を心待ちにしています。
☆3月最終号(2020年3月2日)
例年なら、ひなまつりのほんわかとした気分を味わう頃ですが、今年はコロナウィルス感染症大流行の不安にすっかり置き換えられています。3月は年度末の大切な行事がたくさんあ
り、保護者の方々には今後どうなることかと落ち着かない様子が見られます。ひよこ保育園としては、残り1か月を子どもたちにとって最善の時を過ごしてもらいたいと願っていますが、
目に見えないウィルスが相手だけに、対応策については自己判断でなく国や横浜市の指示に従うほかないと考えます。大勢が集う保育園ですからそれぞれに感覚が違い、今後の対応につ
いて全員に快諾していただくのは無理難題と思いますが、ひよこ保育園の主人公は、1日の大部分をここで過ごしている子どもたちであり、子どもたちにとってどうなのか、を第一義にし
て判断したいという保育者の気持ちはご理解いただきたいと思います。
子どもたちが保育園でのさまざまな場面で、大人たちの思惑を超えて楽しさを感じているか、友達と関わりあいながら育っているか、そのことが大事なのだと思っています。
昨年の夏以来、エントランスに日常の保育風景写真を掲示していますが、これは保護者に子どもたちの飾らないありのままの育ちの姿を見ていただくことを目的としています。人に 見せるために表情を作らせるのでなく、子ども同士の世界の中で、素直な感性を開花させているところを保育士の感性でシャッターチャンスとして捉えたものです。吹き出しに書かれた 言葉を味わいながら、友達との関係づくりに励んでいる子どもたちを再発見していただければと思います。
それぞれが手を尽くして一刻も早くコロナウィルスの流行が終結してくれるといいですね。そして、新年度4月には新入園児を迎え入れて、いつもの保育園生活に戻れることを切望し ています。今年度もいろいろな出来事がありましたが、ご協力いただきありがとうございました。
くじらぐみ保護者の方には長い間、都筑ひよこ保育園の運営にご協力いただきありがとうございました。不十分ではありましたが、重大な事故なく大きく成長して卒園されることに 職員一同安堵しております。のこりわずかな日々を子どもたちとともに充実した時間としたいと思います。最後の日までよろしくお願いいたします。
☆2月号(2020年2月3日)
このところ冬とは思えない暖かな日がつづき、子どもたちは園外での遊びを堪能しています。2月は別名、如月という響きのきれいな寒さが年間で最も厳しい月です。予報では今年は 寒さが緩やかようですが、それでも体を冷やさないで健康第一で過ごしましょう。
神奈川県と横浜市から新型コロナウィルスを「指定感染症および検疫感染症」に指定する旨、周知依頼文が届きました。今、保育園では感染性胃腸炎やインフルエンザが流行ってい るので、さらに手洗い、うがいなどの基本的な予防策をしっかりして乗り越えていきましょう。マスクが不足しているようですが布で手作りでもいいですよね。
今朝、通勤の車窓から某レストランの植栽に施している電飾が見えました。昨夜、帰宅する際にはきらきらと輝いて魅力的な景色でしたが、朝の光の中で見る景色は薄汚れていてかなり ギャップがありました。道路際の街路樹の根元に植えられているパンジーはそれなりにかわいらしく咲いて存在感があり、街は彩とりどりだなと感じました。
2月はあっという間に過ぎて、年度末の3月になります。くじらぐみではひよこ保育園で育った子どもたちが過ごす最後の時になります。最近、くじらぐみの子どもたちの様子がすこ し変わってきているのは、彼らなりに卒園していく事の寂しさを感じているのでしょう。保護者の方にもそんな子どもたちの想いに寄り添っていただければと思います。
ひよこ保育園は4月に進級して保育室や担任が変わっても、何もかも変えてしまうというわけではなく、慣れている保育士が仲立ちしながら、それまでの保育との連続性を大切にして 、子どもたちの笑顔が広がる暮らしを考えていきます。子どもたちが毎日をのびのびと屈託なく、夢中になれることを見つけ出して友達と楽しみながら遊べる暮らし、保護者の方が安心 して働ける暮らしを探って新年度の準備を進めます。
☆1月号(2020年1月6日)
あけましておめでとうございます。年末年始は天候に恵まれましたが、どのように過ごされましたか。この界隈では晴れ着姿も見かけず正月らしさもほどほどに静かに感じました。昨年は天皇譲位で国中が沸き、国民の祝日が多くなり業務によってはシフト調整が複雑だったようです。さて今年はいよいよオリンピック開催ですので、来年度の年間計画をどのようにするか思案しているところです。保育園は様々な働き方の保護者のお子さんが入所しているので、保護者負担が少ないように計画してはいるのですが、それでもすべての保護者の満足は難しくなってきたと実感します。 保育園としては保護者の皆さんには子どもたちの中に占める保育園生活の重みを推し量り、子どもと共感し、ともに関わることで楽しんでいただければ、と思います。たとえ乳児であっても子どもは保育園の日々に様々なことを肌で感じて、思考を作り上げていきます。幼児になり言葉が達者になってからの発言に「あーそんな風に感じていたんだ」と驚くことがあります。幼児期に見せるようになる様々な子どもの姿は、乳児期から少しずつ積み重ねられてきているので、1日1日がとても大切な経験の積み重ねです。
令和2年は華やかで慌ただしい年になる予感がしますが、危機管理を念頭に置きながらも保護者と一緒にじっくりと子育て・保育を楽しんでいけたらと願っています。
☆12月号(2019年12月2日)
今年度当初、0歳児ぴよぴよぐみは7名からのスタートでのんびり、ゆったりとしていましたが、徐々に入園してきたので、11月には20名定員いっぱいになり、エントランスで は毎日大きな泣き声が聞こえてくるようになりました。
他のクラスに園児の送迎で来られる保護者の中には赤ちゃんが生まれる予定の方が何人もいらっしゃるし、5人兄弟や4人兄弟の園児がいて、3人兄弟は珍しくないので、ひよこ保育園 にいるかぎりは、「少子化」という言葉が切実に感じられない気がします。けれど、実際には都筑区にも少子化の波は寄せていて、定員割れしている保育園もあるようです。新聞報道で は厚生労働省の人口動態統計によると今年、1〜9月に生まれた子どもの数67万3800人で昨年同期に比べて5.6%の減少、年間出生数は5%以上の減少となる見込みで、198 9年以来30年ぶりの大幅減となりそうだということです。
一方、児童虐待については保護者による虐待で亡くなったお子さんについてなど様々な報道に胸を痛める方が多いと思いますが、この10年で確実に激増しています。虐待防止法による 住民の通告義務が規定されて虐待についての関心が深まったこともある上、子育ての環境が厳しい現実、格差問題、親の身体的、精神的、社会的な困難など様々な要因があるということ です。
保育園では毎日子どもたちのはちきれんばかりのパワーに圧倒されますが、そんな中でも子どもたちをよく見ながら、些少な変化をも見逃さないようにしていきたいと考えます。親 心として子どもに安泰な将来を保障したい、よりよい人生のためにしつけたいと願うのは当然ながら、大切なことは、「おとなの行為をおとなの側の考えや意図で判断するのでなく、子 どもの側に立って、子ども自身が苦痛と感じているかどうかで判断すること」と言われています。
保育を進めるうえで、私たち保育者が子どもと関わる中でふさわしくない言動があるか振り返り、とことん子どもを守っていける保育者集団でありたいと思います。
☆11月号(2019年11月1日)
大型台風に3回見舞われた日本列島。方々で甚大な被害を及ぼし、まだインフラの復旧や生活の再建のめどが立たない方が大勢です。11月になり、霜月というにふさわしく急に寒 さがやってきました。避難所で過ごす方の身には厳しいですね。災難は突然起こるといいますが、何事もない少々退屈と思える日常が貴重なことに思います。
今月は保育園の行事はありませんが、祝日が多いので近隣では様々な催しがあり、家族で楽しむ機会が多いことでしょう。天気に恵まれて、秋を満喫できるといいですね。保育園で は今、ドングリやしいの実集めに夢中です。
運動会は空模様とにらめっこでひやひやしながらの開催でした。早朝よりお弁当の用意や搬入搬出のご協力ありがとうございました。台風が通過した直後の不安定な気象状況のため 、体育館で種目を短縮して行ないましたが、配布したアンケート集約結果にあるように様々な感想や意見を頂きました。十人十色どころか100を超す家庭が参集しての行事ですので受 け止め方は違って当然なのだと感じています。ただ、ひよこ保育園はどんな場面でも子どもたちが押し付けられてでなく、自らの意思で取り組むことを大切に考えているので、保護者か ら見ると種目によってはまとまりがなかったり、放置しているようにも感じられるかと思います。けれど、子どもたちが成長していく中での経験として、運動会が当日が終点ではなく単 に通過点であるとすると、今日も運動会で披露した様々な技にさらに磨きをかけようと一生懸命に取り組む子どもたちの姿は保育士の想いに応えてくれていると感じています。
☆10月号(2019年10月1日)
何度も大型台風に見舞われて甚大な被害を被り、日常の生活が脅かされて健康被害をも発症している方が大勢いらっしゃることが、毎日報道されています。ひよこ保育園の近隣では 大きな被害を耳にしませんが、台風の接近に備えてターフを外す、風にあおられて飛ぶおそれのある備品を固定するなどできることはしています。今回、14号台風では2階くじら側デッキ のテントが破れる被害があり、保険の適用を申請しているところです。
8年前の東日本大地震のときは、道路に面して設置していたアイビーの絡まったルーバーや、ランチルーム前と2階デッキのルーバーが大きくうねっていたので、倒壊した場合の危険 性を考えて即、撤去しました。本体はもう少し意匠を凝らした外観設計でしたが、安全第一に考えて保育に直接必要でないものを除去する方針に沿っての事でした。
保育園は毎日大勢の子どもが集い、長時間を過ごす場所のため、そして子どもたちはいわゆる「災害弱者」 という存在ですので、出来る限りの備えが必要と思っています。もちろ ん、育っていく道筋で全く危険なことに遭遇しないことは不可能ですし、自分の身は自分で守るために必要な経験は重ねてほしいとも思います。
10月になり、子どもたちは運動会を待ち望んでいる様子です。オリンピックやラグビーでの勝利の様子がTVで流れているのを見てぃるのでしょう。子どもたちはすっかり一丁前の アスリート気分です。自分たちから発した言葉で、子どもたち同士で盛り上がっています。お家でも運動会のことを話題にして、自信をもって運動会に臨めるように、体を動かすことの 楽しさを倍増させてあげてください。
☆9月号(2019年9月2日)
めまぐるしい天候の変化に夏休みの計画がままならなかったご家庭も多いとは思いますが、お子さんとのいつもとは違った時間や経験もできたでしょうか。保育園の職員たちも交代 で休暇を取って帰省や旅行を楽しんでリフレッシュしました。ありがとうございました。
8月中は保育も熱中症対策に追われた感がありました。冷房をうまく使用しながら換気にも気を付けて、沐浴やシャワーをこまめに行いました。それでもさすがに子どもたちも疲労が たまったようで朝晩が涼しくなったこの頃、低年齢児を中心に発熱や胃腸障害を起こす子どもが増えてきています。おとなも体調の管理をしっかりして盛り沢山の秋に備えていただきた いです。
夏の間、来年のオリンピックやパラリンピック期間の熱中症対策の話題で持ちきりでしたが、夏場の子どもたちの居場所についてはほとんど取り上げられていないことが残念です。 お金を使わずに心地よく利用できるところ・・・図書館や児童館、地区センターなども元気あふれる子どもたちが集うには狭くお粗末です。また、保育園では子どもたちが夏場を乗り切 るように出来る限りの配慮をして過ごしていますが、家にいる乳幼児はどこにも行くところがなく、どのように過ごしているのでしょう。母子で煮詰まってしまうのが、増え続けている 子どもの虐待と無縁でないと感じます。子育て支援センターも大変頑張っていただいていますが、追い付かないのが現状です。保育園も、子ども一人一人に豊かな時間と気配りが必要と なる場面が増えていて四苦八苦しています。一方で国や自治体が多額の補助金を出して新設しようとした企業立保育園が工事途中で頓挫したというニュースをちょくちょく目にしますが 、国民が支払った貴重な税金はきちんと有効に活かしてほしいと願います。
☆8月号(2019年8月1日)
先日、夏休みを持て余している孫につきあってもらって港北東急でアニメを観ました。夏休みとはいえ,天気もはっきりせず雷注意報も出ていたので近場で雨が降っても大丈夫なと ころ、ということで何十年ぶりかでした。
京都で起きた放火事件の報道でアニメが世界中を席巻していることを知り、また、大人たちがその火災現場を目前にして花束を手向けて涙を流す姿を見て、自分の全く知らない世界 を見た気がしたことも、足を運んだ理由の一つです。
さぞ混んでいるだろうと覚悟していったものの思いの外、小学生はほとんど見当たらず、高校生か大学生くらいの男子がたくさん来ていて驚きました。アニメは子どもが見るものと 思っていたので、自分がどれだけ時代について行っていないのか、生活感に距離があると実感しました。幼児でさえスマホを操作する時代なのですから、現実を知らないでは子ども理解 もおぼつかないですね。
なつまつりには多くの子どもたちや保護者の方が集まって楽しんでいただいて、おとな157人、子ども158人の参加でした。事前準備や保護者コーナーの企画・運営、また、い つものことながらテント設営などありがとうございました。今年は昨年までの流れと変えて、三角公園でのオープニングの後、子どもの遊びコーナーや保護者主催のコーナーと並行して 食事時間を設定しました。終わりの1時間をみんなでどろんこに集中して遊んでもらうという意向でしたが、説明不足で混乱したことをお詫びします。カレーやBBQも保護者有志の方 のご厚意で提供できていることなので、来年は今までに経験のない方々にも積極的に関わっていただき、より楽しく、よりおいしく召し上がって頂けたらと思います。何より「みんなで 創り上げる行事」であることがひよこ保育園らしさだと思います。
なつまつりに関してのアンケートは集約出来次第、皆さんにお伝えします。なるべくご要望にお応えできればとは思いますが、内容によっては保護者と保育者の協働で行うことがベ ストであることも多々あるようですので、その際には皆さんに諮り、みんなが満足するなつまつりにしたいです。
☆7月号(2019年7月1日)
蒸し暑く雨の日が続き、、熱を出す子どもが増えています。乳児さんは保育園に入園したとたん、病気ばかりで仕事を休む日々が続いている保護者の方々も多くいます。熱で何日か 休み、やっと下がって登園したのに職場について間もなく、保育園からお迎えの要請の電話・・・。子どものことは当然心配だけど、仕事も山積していておじいちゃん、おばあちゃんも なく、、フアミリーサポートなどに頼むな度それぞれに手を尽くしていますが長引くと焦燥感が募りますね。
「集団に入りたては病気がちだけど少しづつ体が慣れて丈夫になりますよ」と励ましていますが、大変だろうなと思います。保育園では感染対策としてトイレ、おもちゃやドアの取 っ手など、ピューラックス、アルコールでのこまめな消毒に留意し、高温多湿の日本の厳しい暑さにはエアコンでの温度湿度の管理や適時温水シャワーで汗を流す、窓を適当に開けて風 通しを良くするなど対応していますが、基本的には夏場に体力を維持するには、疲労をためないこと、夜間睡眠をしっかりとることかと思います。冷えすぎない程度にエアコンも使うと いいようです。保育園での午睡時にもエアコンを使用しています。7月は子どもたちが楽しみにしているなつまつりがあります保育園で用意したカレーや焼き肉を食べながら、また、い ろいろなゲームやどろんこを楽しみながら、他の家族の方や保育者との交流を楽しんでいただけたらと思います。先日のアンケートでは保護者の多くが保育者とのコミュニケーションを 望んでいました。、、、行事の折は保育者ともぜひ気軽にお話しください。また、開所以来、毎年2丁目の盆踊りにはヨーヨー釣りをボランティアとして出店協力していますのでこちら も楽しんでいただけたらと思います。
☆6月号(2019年6月3日)
5月は各地で大雨や猛暑に見舞われて、体に異変を感じた方が大勢いらしたことでしょう。今月は梅雨に入るのでしとしと、じとじとの毎日がやってくるのかと憂鬱な気分になりが ちですが、保育園のご近所のお庭にはアジサイがきれいに咲いていてこの時期ならではの楽しみもありますね。
川崎市で起きたスクールバスでの事件について、TVや新聞などで様々に報道されていますが、同じ年ごろの子ども、孫、また夫や、息子と重ね合わせて日本中が悲しみや憤り、やり きれない思いに包まれているのは、事件現場に花を手向け、手を合わせて涙している人々が途切れないことからも明らかです。
「何も悪いことをしていないのになぜこんな目にあうのか?」、「犯人はなぜこれほどの残虐な犯罪を犯すに至ったのか?」,犯罪心理学者や精神科医、防犯や子どもの安全についての研 究者が集い、様々な角度からこの事件について解明しようとしています。また、この事件についての報道の中には、引きこもりや不登校が関連するかのような発言がありますが、メディ アの影響力を考えると慎重さに欠けると危惧します。重大事件の背後には一朝一夕に解明できない大きなブラックホールが存在するようで不安になりますが、かといって、何もせずにお ののいているばかりでは能がありませんね。
今自分たちにできることは保育園に毎日通って来る子どもたちやその兄弟たちが事件に巻き込まれないように、また、地域の子どもたちをも気にかけて周辺での情報を伝えあい、お となたちはともに考えながら行動しましょう。ひとりで大きな事は出来ないけれど、小さな力も集まれば大きな犯罪抑止の一翼は担えるのかと思います。
☆5月号(2019年5月7日)
新年度になってひと月が過ぎました。子どもたちは進級した環境の変化にも、一人一人がそれぞれのやり方で乗り越えつつあるようで、子どもってすごいな、とあらためて思います。今年は天皇退位に関連して保育園は9連休の長いお休みをいただきました。休暇の取れない方もいらして、お子さんの預け先に苦慮されたことと思います。ご協力ありがとうございました。
4月27日(土)にひよこまつりを行いました。肌寒い日でしたが、卒園児や地域の子どもたちも大勢参加して再会を喜び合っていました。特に新1年生の子どもたちは1か月ぶりの保育園に安心した様子でした。子どもたちにとって保育園がいつも変わらず「ここにあること」の大切さをしっかりと受け止めねば、と感じました。事前にポスターや昆虫のプレートづくり、ヨーヨーの準備などのご協力ありがとうございました。また、今回も早朝よりターフ張りをしてくださったお父さん方、本当にありがとうございました。その他にも網戸サッシの修理等々していただきました。重ねて感謝申し上げます。普段、危険なところや不具合なところの手直しをしているつもりでありながら、見逃していることが多いことに改めて気づかされました。事故やけがになりかねないのでこまめに点検するように努めます。
今年はターフ張りに保護者の方の参加が少なく、保育園が年度代わりの多忙さにかまけて保護者の皆さんへの呼びかけが足りなかったと反省しております。今後、7月20日(土)には夏まつり(どろんこ)を予定しています。また、同日夕方にはお父さんの懇親会も予定していますので、その節には今回出られなかったお父さん方もぜひぜひご参加をお願いしたいです。行事の時は普段顔をあわせたり、話したりすることのない方とコミュニケーションをとるよい機会になると思います。時間の都合がつくようでしたら、準備段階から打ち合わせなどにも参画していただけると、「みんなでつくった行事」になり、楽しさも倍増すること間違いなし!です。保育園の送迎だけでなく「子どもたちが最も子どもらしくいる時間と空間」におとなたちも更に加わって参画してくださるように願っています。
☆4月号(2019年4月1日)
ひよこ保育園17年目の春、新年度の保育が始まりました。昭和風に言うなら「セブンティーンの春」です。胸がときめくようないいことが起るといいですね。新しい生活を目前に、卒園した子どもたちも在園している子どもたちも今、ワクワクとハラハラの混じった気分で、時に不安定になることもあるかと思いますが暖かく見守ってあげてくださいね。
先日、退職する職員、入職する職員、新しいクラス担任のお知らせをしました。年度が替わるたびに繰り返す人事異動については前年の夏の終わりから検討を始めます。特に保育所は女性の多い職場ですので、おめでたい出来事も多く、そのことを視野に入れながら次年度の体制を考えます。この頃は「働き方改革」という言葉が流行語になっていますが、ひよこ保育園では以前から人生の節目となる様々な出来事のたびに、葛藤や不安を感じないで働ける職場風土を作っていければと思いながら採用活動をしています。今年度も保育士不足を原因とする様々な状況について多くの報道がある中で、多くの職員を採用して充実した体制で新年度を向かえられることも、ひよこ保育園のときめきの一つになっているのかもしれませんね。
保育園での保育もご家庭での育児もそれぞれの個性があり、長所と短所は表裏ですが、一人一人の子どもが育つ道程で支えてくれる仲間とおとなは多いほどいいです。今年度も、笑ったり泣いたり、いろいろなことが起こり、時には不安になられることもあるかもしれませんが、ため込まずに率直に話し合って解決することが保育の改善と子どもたちの安心につながると思います。心配事などありましたら遠慮なくご相談ください。今年度もよろしくお願いします。
☆3月号(2019年3月1日)
いよいよ3月になり卒園や進級、また、ほかの保育園、幼稚園への転園など子どもたちにとって大きく生活環境が変化する時期になりました。保育者も年度末で退職する者、入職する者がおりますので、人的な環境も大きく変わりま
す。子どもたちにとっては毎日通って長い時間を過ごして来たとはいえ、落ち着かない時期となりがちですが、周りのおとなはどっしりと構えて4月からの生活に期待をもって乗り越えましょう。
保育士たちはこの一年間を振り返って、子どもたちの育ってきた道筋や一人一人が乗り越えてきた発達の節目をたどって次の担任へとつなげる準備を進めています。保育園は幼稚園や小学校のように期末の休園はないので日常の保育と次年度の準備とを並行していく、一年で最も忙しい時期になります。子どもたち同様、ひよこ保育園の保育士たちもさまざまな個性の持ち主で得意なことも多様なので、任務分担を図りながら新年度準備を進めているところです。
何はともあれ、「今年度もいろいろなことがあったけれど、みんな、ひよこの子らしくのびのびと育ってくれたね」と保護者の皆さんと喜び合えるように残りの日々を過ごしたいと願っています。ご協力ありがとうございました。
くじらぐみ保護者の方には、長い間、都筑ひよこ保育園の運営にご協力いただきありがとうございました。力不足のため不十分なところを多く残しながらではありますが、重大な怪我がなくお子さんが卒園されることに職員一同ほっと安堵しております。今後は小学校の先生方にバトンタッチして地域の中でお子さんの成長を見ていきたいと思います。残りわずかですが、今までと同じように、充実した日々を子どもたちと過ごしていきたいと思っておりますので最後の日までよろしくお願いいたします。
☆2月号(2019年2月1日)
2月は「節分」や「みんなのわくわくステージ」という日常とは異なる経験をねらいにした行事があります。節分には鬼が来て大暴れするので、ことの成り行きがわかっているくじらぐみでさえ怖がる子もいます。きりんぐみでは去年のことをはっきりと覚えていて、「もうすぐオニくるよねー」とビビっていました。いざ鬼が来るといつもはやんちゃな子が大泣きして保育士にしがみついている傍らで、おとなしめの子が友達をかばい、鬼に敢然と立ち向かって手づくりの豆を投げつけている光景がよく見られます。友達関係で子どもたちの意外な一面が見られる行事です。
「みんなのわくわくステージ」では子どもたちの誇らしげに歌う様子に、一人一人の成長ぶりはもちろんですが仲間に合わせて何かを仕上げるという力の育ちを見ることができます。大声を出してどなるのではなく、伴奏のピアノの音色に合わせて情景を考えながら歌うように、リトミックの先生に教えていただいているのでみんな真剣です。当日に至る子どもたちの歩みを思い浮かべながら観て、聴いていただければと思います。リトミックの後は余韻を楽しんで子どもたちの間から自然に歌声が流れ出て、望んでいた「歌声の流れる保育室」に近づいているなとうれしく感じています。
くじらぐみは書道の先生に来ていただいて硯と墨と毛筆を使って半紙に書いたり、美術の先生には絵筆と絵の具を使って描画を指導していただいています。日常的に自由奔放に遊び(創作や描画も含めて)に熱中することは子ども時代になくてはならないのですが、上から教え込むというのでなく、大きく言うなら芸術の入り口も伝えたいと思ってのことです。
☆1月号(2019年1月4日)
あけましておめでとうございます。
6日間の長いお休みをありがとうございました。天候に恵まれたお正月でしたね。職員は帰省したり、家族でゆっくり過ごしたりと普段できないことを楽しんで新しい年の初めを過ごしました。いよいよ保育が始まり、子どもたちの元気いっぱいな顔を見て今年も楽しいこといっぱいな年にしたいと願っています。年末年始に就労されていた保護者の方も大勢いらしたことと思います。重ねてお礼申し上げます。
年末年始を保育園から離れて過ごした子どもたちは、それまでとは違った表情を見せることがあります。ゆったりとした家族との時間をたっぷりと味わって所属観のようなもの、いわば家族の中での位置を確認したのだなと感じます。保育園で同年齢の友達と過ごす時間は長いので、お互いに影響しあいながら育っていますが、それ以上に家庭での時間や家族の関りが子どもたちに与える影響の大きさを感じます。子どもが穏やかな表情でいるためには周りのおとなたちの気持ちがゆったりと安定していることが大切なら、保育者の表情も穏やかでいられるような職場風土にしていかなければと思うところです。
出勤時、保育園に近づくにつれて子どもたちの元気でのびのびした声が耳に響いてきます。この子たちが近い将来、日本を支えるおとなになっていくのだなと想うときに、保育という仕事にまつわる様々な任務への責任と、同じくらいに面白さと楽しさを感じています。
天皇譲位、元号改元、消費税増税、幼児教育無償化など今年もめまぐるしくなりそうですが、保育園が子どもたちに提供すべき「最善の利益」は一連の流れに振り回されずに、しっかりと地に根を張って守っていきたいです。そのために最も必要なことは、保護者の皆さんのご理解とご協力を得て、行事など特別なことでなく何気ない毎日の都筑ひよこ保育園の保育を時間をかけてこつこつ創っていくことだと思います。今年もよろしくお願いいたします。
☆12月号(2018年12月1日)
木枯らし1号が吹くことなく師走を迎えるのは実に39年ぶりとのことです。コートの襟を立てて足早に歩くさまは人によっては映画の1シーンにもなりますが、今年はまだ凍えるほどの寒さには遭遇していないので体が楽ですね。もっとも、子どもたちは暑かろうが寒かろうが毎日体をたくさん動かして遊んで元気いっぱい、頼もしいです。はとぽっぽぐみやうさぎぐみの子どもたちもこの時期には見違えるほどに育っていて、ランチルームのスロープで年上の子に混じってあそんだり、保育士に連れられて事務所にも出現!するようになりました。半年前には事務所に来るなり人見知りで泣いていた子どもたちがお散歩カードをしっかりと手渡ししてくれます。次に来るときは言葉を添えてくれるかな?
来年4月からいよいよ幼児教育無償化の第1弾が始まるようです。まずは先行として年長児から、次に10月から消費税増税に合わせてすべての3歳以上児に適用するようですが、まだしっかりした情報は来ていません。ともあれ給食費の実費徴収の話もあるようですから、保育現場は混乱して事務的にも更に煩雑になってしまうことでしょう。
「子どもにかかる教育費等が莫大で家計の負担が多く、理想とするだけの子どもを望めないので少子化の進行に歯止めがかからない」から、また、「幼児教育の充実が子どもの将来的安定と生活の保障につながる」という国際的な研究結果を踏まえて諸外国の幼児教育の無償化に習ったということですが、保育園が足りない、保育士の離職が多く、養成校新卒の保育士の絶対数が不足している日本の現状において無償化が果たしてどう作用するのか、不安を覚えます。時代に逆行するようですが、家庭でゆったりと子育てする選択肢も大いに評価すべき時ではないか、家庭育児に特化した手当の充実は考えられないものかと思います。
☆11月号(2018年11月1日)
10月末に自治会の主催であるおまつり(加賀原1丁目ハロウィン・パーティー)がありました。今月は区民祭りも各区で行われてイベントが盛りだくさんですね。天気が良い日に家族や友達と外に出て身近な行事を楽しむと、気持ちがはればれするのでしょう、月出松公園に集った子どもたちの表情はみんな楽しげで、すっきりとしておちついていました。天候は体と心の両方に大きな影響を及ぼしますね。
30日、31日のTVニュースでは渋谷のセンター街でのハロウィン騒動が大々的に報じられていました。莫大な公金が投じられてDJポリス?はじめ多くの警官が警備にあたる中、トランス状態になって暴徒化した人たちが横倒しにした軽トラックに乗り込んで大騒ぎしていたり、店舗のショーウインドを壊している映像が流れています。その周りにいる派手に仮装した人々はなぜか楽しそうに群れています。「みんなで暴れれば怖くない」というところなのでしょうか。
TVをお茶の間で見ている側の反応は様々なのだろうなと思いつつ、どこもかしこもハロウィンの飾りつけで賑々しいことを不快に感じる自分は、今どきの風潮には距離感を覚えます。もともと、人のまねはしない反発精神が宿っている性分なので、どうしてもそこに群集心理というか、コマーシャリズムに乗せられているように感じてしまうのです。
一方、自分たちで掘った芋を、自分たちで集めた落ち葉で焼いて、自分たちが食べる、こんな日常はひよこ保育園にいるときだけではないでしょうか。誰かが得するとか損するとかということとは無縁な保育園でのお楽しみで、ただただ、ひたすら無心に熱々のお芋をほおばる子どもたちの表情が大好きです。
☆10月号(2018年10月1日)
猛暑にうだった今年の夏もやっと収まってきましたが、台風や秋の長雨に運動会を控えてやきもきしている保育園、幼稚園、小学校ですね。気象のことはどうしようもないのですから、「まあ、こんなこともあるさ」と、ピリピリせずに文字通り、天に任せて行きましょう。
幼児クラスではこの時期、子どもたちはすっかり一端のアスリート気分でやる気満々、頑張る気満々です。保育士たちが子どもたちの気分高揚を仕掛けている節もありますが、それはそれで子どもたちの体験する世界が拡がっていることと繋がっています。子どもたちが自ら頑張ろう、チャレンジしようという心と意欲は一朝一夕にできるのではなく、毎日の何気ない体験の中で自分が周囲に認められている、という安心感があってこそ育つものです。
先日、久しぶりの晴れ間に駐車場で幼児の見せ合う会をした後ですが、給食を食べながら「見せあう会って楽しいよね」と子どもの弾んだ声を耳にしました。すっきりした青空の下できりん、いるか、くじらの子どもたちがお互いの競技を応援しながら手拍子を打って見せ合う中で、友達と保育士みんなが楽しく笑っている場面が、子どもたちにとって何よりの安心感に繋がっているんだなと思える出来事でした。大きく言うなら「平和」を味わっているのかな、と。
運動会は保育園では最も大きな行事で、園児とその家族が全員一つ場所に集まって過ごします。ほかの家族と食事を共にしたり、思う存分おしゃべりしたりしながら、子どもたちの頑張った姿をほめてあげてくださいね。
運営面では例年通り9月末より、保育士はじめ全職員の来年度の就労についての調査と個人面談を行っています。全国的に保育士等の不足と待機児童の増加が顕著な状況ですが、ひよこ保育園も大波にもまれる事態が起こるかもしれません。これまでもそうでしたが「恐れず、慌てず、地道にコツコツと」をモットーに、「子どもたちにとって一番良いこと(最善の利益)」を探りながら、保育運営を続けます。
☆9月号(2018年9月1日)
先月8月6日、横浜市こども青少年局による指導監査がありました。会計、法人運営、保育、給食など保育所保育の重点項目について監査課職員4人が帳簿や証票、保育計画や記録、給食に関する書類全般を1日かけて調査確認しました。一昨年、昨年と二年続けて横浜市内の認可保育園で保育運営費の不正受給や私的流用があったので、細部にわたって監査が念入りに行われるようになっています。激しく動き回って遊んだ子どもたちがちょっとの間静かにリラックスしてリセットする時に好んで使っている低反発のクッションがありますが(幼児のクラスとランチルームに置いてある緑色のものです)一つずつ納品書や領収書と現物を確認していました。ひよこ保育園では金銭にかかわる行為は特に正確にするように心がけていますので、どこを見られても不明瞭なところはないという自負がありますが、保護者の方から預かる様々な現金についても当然、明確に正確に記帳しています。延長保育料や主食代、オムツリース代、黄色帽子代が主な現金の取引ですが、御承知の通り、ひよこ保育園では遠足や行事にまつわる費用は保護者からは一切徴収していません。
国、横浜市からの通知によると、2019年(平成31年度)より保護者からの実費徴収について【保護者に負担させることが適当と認められるもの(文房具代、遠足代、行事参加費など)については実費徴収することが出来る】としていますが、現在の厳しい労働状況やひよこ保育園に通われている様々な家庭の状況からみて、出来る限り保護者からの実費徴収は少なくしたいと考えています。ひよこ保育園では他園に比べて、子どもたちのおもちゃや遊具などの保育材料や給食の食材費などの事業費には十分な支出を保障しながら、事務費支出を極力抑えるように努めています。それは日々の保育運営の中で出来ることは外注せずに自分たちで行う、大ごとになる前に小まめに不調なところを修繕する、ものを無駄にしないなど、こつこつとした仕方でしのいでいることや表には出ないところでの職員たちの努力に負う所が多い事を知っていただきたいと思います。メンテナンスなど子どもに直接関わらない仕事は外注した方が保育資源の省力化につながるという考え方もあるとは思いますが、保育園が生活の場であるとするならば、環境保全のために小まめに働く保育者の姿は子どもたちに教育的効果があるとも思ってのことです。
教育・保育を行うにあたっては、国から公定価格として費用が支給されますが、保育所数が増大し、保育士の処遇改善費の捻出で財政が四苦八苦の中、公定価格の伸びは確実に抑えられて行くことでしょう。毎日、当たり前のように、何気なく過ぎていく保育園での保育が今後とも滞りなく続くように、保護者の皆さんには延長保育料、主食代、おむつ代等、自己負担すべきものは徴収期日を守って納めていただくよう協力をお願いします。
☆8月号(2018年8月1日)
7月初めには西日本を中心に各地で豪雨災害が発生し、200人以上の方が亡くなりました。大部分が土砂崩れや河川の氾濫、転落によるものだそうです。さらに台風12号では被災地に追い打ちをかける様な被害が出ています。
今朝のTVニュースで高齢の女性が「土砂にのみ込まれた我家の片付けもままならないうちに再び・・・。こんなところには住めない、と思っています」と語っていました。先祖代々守りつづけた家や土地、地縁があっけなく失われることの苦悩は計り知れないのだろうと思います。
政府が「1億総活躍社会」とうたいながら、一方でたびたびの自然災害で多くの命を失う事態を「不運」で済ませられるのか、豪華な公共建築物より危険個所の防災対策の予算を増やしてほしいと願うのは単純すぎるのか、庶民的感覚なのか。保育園で予算を組む時には先ず、子どもたちの安全や心の豊かな生活を考えるので、見栄えの良さや第3者からの評価は二の次ですが、国家レベルではそうもいかないのですね。
このたびの台風では保育園周辺の地域にも避難勧告が発出されて横浜市防災メールがひっきりなしでした。都筑区は鶴見川が流れていて護岸工事もしっかりされていますが、過去には何度も氾濫して床上浸水することもあったと古くからの住民は話しています。普段は穏やかな自然ですが、時に牙をむいて大きな被害が起きることを、自分たちがどのように対処すべきか、子どもたちと一緒に学んでいきたいと思います。
夏休みにキャンプや海水浴にお出かけ予定のご家庭もあるかと思いますが、気象状況には十分気をつけて楽しい思い出を作っていただきたいです。
☆7月号(2018年7月1日)
4月新年度開始以来、5月決算・理事会、6月定時評議員会と法人運営で最も慌ただしい時期を乗り越え、なつまつりや地域の盆踊りなど夏らしいお楽しみ感満載の7月が到来しました。梅雨明けして、このところの猛暑で子どもたちはすっかり夏気分です。保育士たちも帰省や旅行の楽しみを控えていますが、その前に8月に横浜市の指導監査があるので昨年度からの様々な記録等の点検に忙しい毎日を送っています。
「働き方改革関連法」が参議院本会議で可決・成立したとのニュースがありました。残業時間の上限規制や同一労働同一賃金などが盛り込まれているそうです。日本人はワーカーホリックと言われる人も多いほど、外国と比べて長時間働く人が多いといわれていますし、過労死やうつ病という文字もたびたび目にします。だいぶ前のことですが「モーレツ社員」という言葉が流行った時もありました。
ひよこ保育園では保育士は勤務時間8時間、休憩時間1時間、拘束9時間勤務になっています。一方、子どもたちは短時間保育で8時間、標準時間保育で11時間、加えて延長保育児は最長で13時間にもなるのですから、どう考えても子どもたちと一緒に過ごす時間以外に保育の計画や記録に費やす時間が取れないのが現状です。休憩時間も交代でやりくりして連絡帳を書きながらですし、勤務時間終了後も休憩室でたまった書類を書いたり、教材準備をしている姿を見るにつけ、ブラックだなぁと思います。保育や教育は子どもの姿をよく見ながら、時には心の奥にまで立ち入らなければ活き活きした実践にはならないという一面があるので、時間外にも子どもの姿を語り合う事のできる保育士の関係性を大事にすると退勤時間に食い込んでしまいます。
「保育士不足」の原因の一つに仕事のハードな事や給料等の処遇が劣悪であることがあります。この度、国を挙げて保育士の処遇改善のためにおおむね経験7年以上の保育士等に月額4万円の手当が支給されることになりましたが、今後の長期的見通しは立っていません。
高齢の親の介護や就学前の子どもを育てながらの職員が増えています。これは保育所のみならず、どの業界の悩みでもあり、今後の大きな課題ですが、さしあたって、ひよこ保育園では職員間の協働力を高めつつ、自分が今できることを端折らずする、お互いを思いやり、助け合って仕事する・・・精神主義と揶揄されそうですね。
☆6月号(2018年6月1日)
先週来、ニュース番組を賑わしているワードといえばN大学アメリカンフットボール部の反則プレー、M学園、K学園と総理大臣との関わり、国際的には米朝首脳会談でしょうか。TV画面いっぱいに映し出される面々は否応にも何度も目に入って来てしまいます。混乱ぶりを見るにつけ、この度の大きな報道も私たち一般市民の身の回りに生起する様々なトラブルも、その筋道は相通ずるところがあるものだな、と少々うんざりした気分を味わっています。それぞれの立場で保身が先立つのが人間の性なのですね。
自分が善であると信じるところに忠実に生き、行動したとして、それがほかの人々の平和や幸福に結びつかない事は中東のテロや世界中に多く存在する難民の姿が明らかにしています。もとはと言えば幸福に生きるよすがであるはずの宗教に紛争の発端があるというのも皮肉ですね。
ひよこ保育園には、たびたびユニセフ、国境なき医師団、国連UNHCR協会などから世界で現実に起きている悲惨な状況の報告と支援の要請が送られてくるので、エントランスの掲示板に貼っていますがご覧になっていますか。
保育園の幼い子どもたちに世界で起きている様々な悲惨をどのように伝えるか、また国内でも頻発する幼児に対する虐待や性犯罪は、とても複雑で難しい事だと思いながらも、それでも実際に同じ地球上で、同じ国の中で自分と同じくらいの幼い子どもが遭遇している出来事や事件に無関心でいない事は子どもたちの育ちゆく過程で決して無駄にはならないと信じます。
「自分が不幸な目に会っていなくて良かった」という上目線な位置からではなく、「みんなが幸せで安心していられてよかった」という感受性を子どもとおとなが共に育めていけたらいいですね
☆5月号(2018年5月1日)
新入園児を迎えて30年度の保育が始り、はや1カ月が過ぎました。ぴよぴよぐみではそれぞれのご家庭の都合に合わせて母子通園をおねがいしていましたが、いよいよ本格的な保育園での生活が始まりますね。幼児クラスでは友だちもできて楽しげに過ごしている様子です。さすが幼児さんですね。
ひよこまつりでは卒園児の久々の再会を喜び合う姿を見ることが出来ました。卒園してまだ1カ月しかたっていないのにみんなちょっと大きくなった気がしました。小学校入学という大きな節目に、どの子も言葉にはしなくても、不安なことや寂しい事、悲しいこといろいろな体験をしつつあるのでしょう。がんばれ!ゆっくり乗り越えていこうね。
ひよこ保育園の入園説明会では、「どの子どもも保護者にとって何よりも大切な宝物であること、そしていつかは一人で社会という大海に泳ぎだしていく子どもたちであることをたえず覚えて保育にあたりたい」とお話しさせていただいていますが、保育園という大勢の保育者が絶えずいる環境はいわば温室のようなものです。その中で見守られて日々様々な事を経験しながら、友だち関係を築き、葛藤を繰り返しながら育った子どもは土の中にしっかりと根を張り始めていると思います。地表に出ている部分はまだほんの双葉にすぎないのですが、温かいご家庭の中で適度の栄養をいただいて、いずれ本葉をつけ、花を咲かせ、実を結ぶようになっていきます。周りの大人たちはその道筋を楽しみ、喜び、寄り添っていくことがその役目の大部分なのかなと、思っています。
事務所にはひっきりなしに園児向けの体操教室、英語教室等の勧誘の電話が入りますが、多くの保育園でそういった保育内容を取り入れているのでしょう。1日を時間で区切って様々な教育を提供する保育園など、いろいろな保育観が並列しているのが昨今の保育事情だなぁと思いながらも「遊びたいだけ遊べるのは幼児期の特権!」とばかり、子どもたちが夢中で遊ぶ姿を楽しんでいます。
☆4月号(2018年4月1日)
進級・入園おめでとうございます
「さくら さいたら いちねんせい♪」や、「また ここに あそびに きてね♪」 など、子どもたちの伸び伸びと楽しげな歌声が園舎内のあちらこちらで聞こえた3月が猛スピードで過ぎましたが、桜の開花が例年より早く天候にも恵まれた今年は、お花見を楽しまれたご家庭が多いのではないでしょうか。
3月末には旧くじらぐみ21人の子どもたちとご家族がそれぞれに様々な想いを胸に、都筑ひよこ保育園から巣立って行きました。どの子も保育園にいる間には泣いたり怒ったりいろいろな表情を見せていたのに、もうじき小学校にランドセルを背負って通うのだなと思うと、不思議といろいろな場面での子どもたちの笑っている顔が思い浮かびます。
卒園式の後もほとんどの子どもがいつもどおりに登園してくる保育園は、うわべには普段どおりなのですが、卒園していく子どもたちは大きな葛藤を秘めているのでしょう。小学校入学という初めての試練に向き合っている子どもたち、赤ちゃんの頃から同じ園舎の中で、同じ空気を吸って過ごした子どもたちに「がんばれ!」とエールを送ります。
今年もぴよぴよぐみに14名、はとぽっぽぐみ4名、うさぎ1名、きりんぐみ1名、いるかぐみ2名が新しく仲間入りします。しばらくは泣き声で賑やかな日々になりますが温かく見守っていて下さい。
4月1日は「エープリル・フール」。最近はあまり言われなくなった気がしますが、私が子どもの頃はよく「うそをついてもいい日」だからと、子ども同士でうそつきごっこを楽しんだものです。「明日は学校が休み!」とか「火星人に会った!」などほとんどが他愛のないことでしたが、時々は度が過ぎて怒られたりもしました。
このところ、TVや新聞紙面ではもっぱら「M学園問題」取りざたされて大にぎわいですが、エープリル・フールもどきはいいかげんにしてほしいものです。「うそも方便」ということわざがありますが、結果が幸せに繋がる「うそ」ってどんなことがあるのでしょう?
今年度も一歩一歩足元に気をつけて、保育園のあらゆる職種のおとなたちが協力しながら誠実に「うそ」の無い保育を追求していきます。保育の中でのこと、物理的環境のこと、運営面でのことなど、建設的なご意見を頂ければ幸いです。
都筑ひよこ保育園 園長 川上初代
☆最終号(2018年3月18日).
卒園おめでとうございます
3月半ばになると、おわかれ遠足やおわかれパーティーなど、くじらぐみを中心とした行事が続くので普段の保育園での生活とは少々趣が変わってくるようです。子どもたちは、ほぼ6年間を毎日一緒に過ごして、しかも一日の滞在時間が幼稚園や小学校とくらべてずっと長いので、まさに「加賀原の大きなおうち」の大家族のようにして過ごしてきました。毎日の園外保育では思いっきり体を動かして、自由気ままに好きな遊びに没頭していましたから体力は十分についています。3月の給食は恒例の「くじらリクエストメニュー」なので、好きなおかずをお皿に山盛りにしてたいらげる姿が見られます。「おうちでもそんなにたくさんたべるの?」とたずねると、「保育園の給食の方がおいしいんだもん」とのこと。給食を提供する側としてはよろこんでいいんですよね?
「たっぷりあそび、たっぷりたべ、たっぷりねむる」というのがひよこ保育園での子どもたちの生活ですが、一昔前なら当たり前だったこんな基本的なことを保障するのさえ、今は難しいんだなとつくづく感じています。
子ども同士が仲間として屈託なく戯れて、わがままやいざこざを体験しながらも折り合いをつけて育つ、というのが本当の教育であるという見方がある一方で、「鉄は熱いうちに打て」と、おとなの決めたルールに忠実に従う事が正しく、安全で、おとなの言う事に従順な子どもがよい子という見方も増えてきていると感じます。
少子化・超高齢化が進んで日本の総人口が減りつつある中、子どもの人数は減少しながらも保育所の需要はうなぎ上りになっているという現実に、今後、国の保育政策が大きく変わることは必至ですが、保育所に入るべき子どもが全員入所できる施策、しかも量ではなく質の問題をクリアーできる保育所を増やすことは並大抵のことではありません。ひよこ保育園は過去の日本の保育を連綿と育んできた先輩方の保育に倣って、「子どもたちが子どもらしい時代を生きられる」よう、微力ながらこれからも保育に携わっていこうと思っています。
在園中は保育運営にご協力いただきありがとうございました。また、今までのご家庭での子育てに敬意を表します。これからもお子さんを真ん中に幸せなご家庭であり続けますように、職員一同心より願っております。
都筑ひよこ保育園 園長 川上初代
☆3月号(2018年3月1日)
2月中は平昌オリンピックでもちきりでした。TVにくぎ付けで楽しんだ方も多かった事でしょう。メダルを獲得した選手も、惜しくも逃した選手も、本番ではほんの一瞬の勝負に気の遠くなるような練習を重ねてきたのだろうと、感動しました。10代20代の若い選手も多く、幼児の頃から「オリンピックに出る!」と、目標を高く掲げていろいろな事や物を切り捨てての努力のたまものなのでしょう。ご家族の協力や願いなど環境も整えられてのことでしょうが、一人の子どものためにそれだけの熱意と意思を継続できる親もすごいなぁと思います。私などは、「自分の子どもだからこんなもの・・・」とあまり期待しないで何事もほどほどで良し、として来ましたが、子どもにとって「親の期待がどうなのか」がその子が成長していく上でどのように作用するのか、興味深いです。
保育園では毎日の保育場面で「一人ひとりがメダリスト」であってほしいと願っています。リレーやドッジボールや鉄棒、竹馬、縄跳びなど運動面での能力や編み物や工作など手先の器用さ、お絵かきが上手なこと、きれいな声で歌えることなど、あらゆる場面で「じぶんをすごい!」と思えることを見付けたり、保育士が気付いてあげられればいいなと思います。自分が好きで得意な事を楽しんで続けられれば、評価は後から必ず付いてくるものです。
最近、海外の調査で日本の子どもの「自己肯定感の低さ」がよく言われています。国が子どもに期待することがちょっと的外れになっているせいなのかな思う事があります。幼いうちから「自分がすごいんだ。かけがえのない子なんだ」と思えないで、過ごすなんてとても辛いことだと思います。
保育園で過ごす日常で大切にしたいのは「あー、今日も楽しかった。いい日だったな」と何となく感じて帰路につく子どもたちの姿です。もちろん、日中、ともだちとけんかしたり、思うようにいかなかったりして不機嫌さを持ち帰ることもあるのでしょうが、ご家庭で親に守られ、保育園では保育士や友達と人間的な関わりを育むうちに将来、必ず自律的な素敵なおとなに育っていくと信じています。
今年度最後の月になりました。まだ、インフルエンザが終息していないようですが、大きな事故なく終えられるよう注意深く残りの日々を過ごします。1年間ご理解ご協力ありがとうございました。
☆2月号(2018年2月1日)
4年ぶりの大雪に続く寒波の到来で、横浜も氷漬けなりました。駐車場や門扉前の歩道、遊歩道など早朝から雪かきして下さったお父さん方、本当にありがとうございました。園児たち、保護者たちが転倒で怪我することなく登園出来ました。その後も園庭ではジャブジャブ池に氷が張り、前日子どもたちがあそんだ足跡の残る地面は霜柱がまだら模様を作っています。今日も子どもたちが遊びだす頃には溶け始めてドロドロ、ベチャベチャになって保護者の方々を困らせる顛末になることでしょう。たしかに靴は汚れるわ、ズボンやシャツはどろんこまみれになるわ、で大変ですね。先日、来年度入所希望の方が見学に来て、はとぽっぽの子どもたちが園庭で遊んでいる様子を驚嘆しながらじっくりみて帰られました。「今でもこんな風に遊んでいる子どもがいるんですね」と。「都筑区にはたくさん保育園があり、保育方針も多様なのでご家庭の育児観に合う所をえらんでくださいね。それが子どもさんにとって一番安心なことですよ」とお話ししました。
30年度から新保育所保育指針が施行しますが、乳児保育についてより詳細に記載されています。国際社会では以前より幼児教育の前段としての乳児期の保育の重要性が語られていましたが、日本でも子どもの貧困や虐待が多発する昨今、幼児期を見通して、保育所における乳児保育に高度な専門性を求められるようになったのです。
保育所は「子どもを預かって安全に遊ばせておく程度のところ」と思われがちですが、これからの時代に向かって育ちゆく子どもたちには、毎日楽しく充実した保育園生活を送り、学童期以降も自ら学び主体的に行動する意欲ある人になってほしいと願っています。そのためには現実に目の前にいる子どもたちの姿をみながら、保育理念と日々の保育実践について見直していくことが大切と思います。
保育所問題が今までになく深刻化しているため、国を挙げて保育士の処遇改善と資質の向上を政策課題に掲げていますが、具体策の一つとして、保育士にキャリアアップ研修が課せられる事になりました。今年度はまずクラスリーダーの保育士たちから研修を受講して、学んだことを全職員に伝えて成果を共有できれば、と願っています。
この加賀原に横浜市所有地を20年契約の無償貸与を受けて認可保育所を開園し、早15年が過ぎ来年度は残りの四半期が始ります。園長としては無認可の乳児保育室時代から抱いていた、子どもの幸せと保育に対する思いは変わらず、職員にも創設の想いを伝えてきましたが、世の中の変化のスピードは子どもの育ちに影響を及ぼしているのか、あるいは子どもの本質は変わらないのか、また、保護者と職員の想いはどうなのか。
子育て支援新制度への移行に続く保育所保育指針の改定など、私たち保育者にむけて求められることは保育制度の改変という一側面にとどまらず、「子どもが幸福に育つこと」について考えることです。
☆1月号(2018年1月4日)
あけましておめでとうございます。
年末年始長いお休みをいただきありがとうございました。年末年始にも多くの事業所が開いていました。勤務を続けられていた保護者の方にはお子さんの保育について大変だったこととお察ししています。申し訳ありません。保育士たちはそれぞれ自由に過ごして、リフレッシュ出来ました。新たな気持ちで一人ひとりの子どもと向き合って保育に励むことでお返ししたいと思います。
私個人としては、年末年始はどこに出掛けるという事もなく普段と変わらない生活でしたが、高齢の父親との暮らしは時間の流れがゆったりとしているので、同じ1日24時間といえども保育所勤務日とはずいぶんとちがうものだと改めて感じました。保護者の皆さんがご家庭でお子さんと過ごされた年末年始はどのような時間でしたでしょうか。
4月からは創設して16年目に入りますが、平成の後半を経過し来年には新しい元号になって保育所運営がつながっていくのですね。戦後70数年を経て子どもたちを取り巻く環境は全く変わりましたが、「子どもたちに最善の利益を保障する」事が保育所の義務と責任であることは変わるはずがありません。
人工知能・AIという文字がよく目に入るようになりました。超高齢化・少子化が進んで労働力の不足が顕著になりつつある昨今、これからは多くの場面でロボットが活躍する社会になるようですが、こどもの想いに寄り添うことが保育の始めである以上、保育までもがそうなるとは考えられません。子どもたちには生身の人間の体温を感じられる保育をしたいと願います。
子どもたちが子ども時代にあたまとからだとこころをしっかり使って大きく育つためには、身の回りの保育環境を整えるべく保育者の責に負うところが大きいと思っていますが、保育所のひとりよがりにならないためにも保護者の皆さんからのアドバイスをいただきたいです。今年もよろしくお願いいたします。
☆12月号(2017年12月1日)
気象変動の激しさに振り回された感の残る秋から、すっかり冬に向かっているようです。今朝、街を歩いていると銀杏並木からはらはらと黄金色の葉っぱが舞い降りていました。人々が足早に行きかう舗道は落ち葉に埋もれて、「なんて、すてき!まるでブローニュの森」とばかり、すっかりシックな気分・・・でも、自店舗前を義務的にせかせかと
竹ぼうきで掃く会社員の姿にあっという間に現実世界に引き戻されました。つかの間のフアンタジーでした。
フアンタジーの世界と言えば、うさぎぐみの子どものブームはいま、男の子も女の子も色とりどりの衣装を身にまといお姫さまやアイドルになりきって楽しんでいます。仕草や表情が色っぽいというか・・・何とも脱帽です。時にはお姫さま、おかあさん、あかちゃん、果てはいぬやねこにまで自由に変身できる力は頼もしいです。
幼児ともなると外遊びの経験の積み重ねがしっかりと体にしみ込んでいるのでしょう、ふとした些細なことからイメージをたっぷりと膨らませて空想の世界で遊ぶ事がとても上手になっている、しかも空、雲、風などスケールの大きな物も取りこむ素地が芽生えていると感じます。
昨日はいるかぐみが散歩の行きに月出松公園あたりの住宅で目にした東京タワーのような鉄塔(?)が帰りには跡形もなく消えていた!そうで、子どもたちは「宇宙船に吸い込まれたんじゃない?」とか「バタンって引っ張って倒したんじゃない?」とか大盛り上がりだったと担任から報告がありました。男の子も女の子もそれぞれに自分の考えを主張して、譲り合わない様子が目に浮かぶようです。現に持っている知識を総動員してあれやこれやと考えながら、次第に友達と折り合いをつけて行く姿はこの年齢の幼児の理想的な姿だと思います。
空想の世界と現実の世界を行ったり来たりしながら、身の回りの小さな自然や事物からも大きな贈り物を受け取ることが出来る子どもたちの感性の育ちに日々、心温まる思いです。
☆11月号(2017年11月1日)
今年ほど運動会の実施について気をもんだ年は今までありませんでした。近隣の小学校では順延に次ぐ順延で判断する側としては大いに悩んだのではないでしょうか。「たかが運動会、されど運動会」という所で、不安定な気象状況の中「やる、やらない」は子どもたちはもちろん、勤務やお弁当の用意など大人側の都合もあり、全員が100%
満足して決定を受け止めるのは不可能です。けれど、準備期間も含めて運動会という行事を通りぬけた子どもたちは何かしら大きな収穫を得て一回り大きく成長しているのですから、おとなたちは心から褒めてあげたいと思います。
先日、後期園児健康診断がありました。ぴよぴよは保育室で、はとぽっぽからくじらは一時保育室で園医の有本先生に診ていただきました。診察の最後に脊柱をなでて「よかろう!」と言って下さるのがおもしろく、早速子どもたちは「よかろう!」と口真似していました。ぴよぴよ、はとぽっぽ、うさぎ、きりん、いるか、くじらと大きいクラスになるにつれ、子どもたちの受診する態度がだんだんしっかりしています。くじらともなると「おねがいします!」「ありがとうございました!」と保育士が教えていないのにちゃんと挨拶する様子に、赤ちゃんの頃、診察を嫌がって大きな声で泣いていた顔を思い出しました。ご承知の通り、普段はやんちゃな子どもたちですが場をわきまえることも少しずつ学んでいるのだなと思いました。
テレビやゲームの影響なのでしょうが、子どもたちが乱暴な言葉を遣う事に不安の声をよく耳にします。子どもたちにとってはかっこいいヒーローのまねであったり、自分を大きく強く見せたいという願望の表れなのでしょう。頭ごなしにしかるばかりでなく、日常生活の中でかかわるおとなたちが正しい言葉遣いと穏やかな態度で接するならば、ほとんどの子は場をわきまえて遣うようになっていきます。言葉そのものよりどんな思いで言葉を発しているか、毎日、楽しく満足して過ごしているか、気にかけて見守って行きたいと思っています。
☆10月号(2017年10月2日).
10月と言えばなんといっても「運動会」!つい先だってまで、プールで楽しんでいた子どもたちですが、早々と気持ちも切り替わり、幼児クラスでは前年の記憶がはっきりと残っているので、もうしっかりとアスリート気分です。リレーの練習でもどうしたら勝てるか、子どもたちで話し合い考えあっています。「勝ってうれしい、負けて悔しい、はないちもんめ」ではありませんが勝ち負けを意識してこだわる経験でもあります。当日には、精いっぱい力を発揮して一人ひとりが達成感、充実感に満たされて欲しいです。勝っても負けても、力を合わせて創った運動会を一緒に過ごすことで、きっと「ともだちっていいな」と心の中に刻んでくれる事でしょう。
普段の保育の中で経験を重ねたことを種目に仕立てる」というのが、ひよこ保育園での運動会のねらいですが、「言うは易く行うは難し」で、各クラス担任はあれこれ考え、4月からの子どもの姿や言葉を思い起こしながらクラス種目を決定しました。何気なく恒例となっている園の行事ですが、そんなことも知っていただけると運動会の楽しみ方がもう一つ増えるかと思います。
夕方暗くなる時刻が早くなりました。夜には虫の音がリンリンと聞こえます。リトミックのときに子どもたちが歌う歌もいつの間にか秋の歌になってきました。年齢のせいか月日のたつのがとても速くて、うっかりしているとすぐに年度末となって、くじらの子どもたちは小学校に行くようになります。そして、どの子も1クラスづつ確実に進級します。
北朝鮮、衆議院解散、新党結成・・・など慌ただしい世の中です。どれも国をめぐるおおきな動きですが、私たち一般人にもいずれ何かしら余波が及んでくるものです。今ほど流れの速い激しい時代だからこそ、最小単位である家庭の役割が大きいのだと思います。土にまかれた種から芽生えた双葉が光に向かって伸びようとするように、子どもたちはふっくらとした家庭から養分を得て育って行きます。子どもたちはゆっくりですが絶え間なく伸びています。
運動会では大きく育とうとしている子どもたちのけなげな姿を、ご家族皆さんでじっくりとご覧になっていただくようにお願い致します。
☆9月号(2017年9月1日)
今週半ばより小学校が始まりました。お弁当づくりから解放されてほっとしている方もいますか?夏休み中はこどもの体調不良や梅雨に逆戻りしたかのような天候不順で、計画していた旅行をあきらめたご家庭もあったのではないでしょうか。幼ない子どものいる家庭では計画通りに事が運ばず、直前までやきもきすることが多いですね。
ひよこ保育園では職員が交代で休暇をいただいて、帰省したり旅行したりしてリフレッシュしたようです。毎日、大勢の元気いっぱいな子どもたちに囲まれている時の時間の流れはとても速いのですが、時にはゆったりとマイペースに過ごすことで保育にも新鮮な気持ちで臨めるようです。休暇取得についてご理解ありがとうございます。
埼玉の保育園のプール遊びで水死事故がありました。園庭に木材を組み立て、ビニールシートで防水して水をためた手作りのプールのようです。プール最終日のため保育士が滑り台を撤去して片付け作業をしていた最中に起きた事故で、数分の間、監視の目が途切れた間に起きてしまったようです。そこは子どもたちがのびのびと遊べることを大切にして運営してきた保育園なので、ひよこ保育園とも方針に通じるところがあり、痛ましく感じます。わずか4歳で生涯をとじたお子さんと親御さんには何とも無念のことと思います。
ひよこ保育園では子どもたちに毎日を思いっきり楽しんで過ごしてもらいたい。体を十分に動かしてあそび、周囲の様々なことに感動し、頭と心を働かせて智恵をつけてほしいと願って保育しています。毎日の彩りある生活の中では友だちと喧嘩したり、走り回って転んだりして多少の怪我はありますが、保育士は何があっても子どもの命は守り抜かなくてはなりません。この事故の報道に触れた保護者からプール遊びに対する不安の声をいただきました。同じ年頃の子どもを預けていて心配になるのは当然です。保育園を信用していないというのとは違います。率直な思いを言葉で伝えて下さってとてもありがたいと思いました。プール遊びについて再度、安全管理を徹底します。子どもを守るということは、全てのおとなが何よりも真剣にならなければならないことだと改めて思います。
☆8月号(2017年8月1日)
保育園の所在地である横浜では梅雨の時期に雨が少なかったですが、全国各地で多くの被害があり、被災された方にはとても厳しい夏となっています。また、今までにないほどの豪雨や竜巻など異常気象に見舞われているのは日本だけではなく地球上のあちこちで大災害が起きている、という情報や映像もたくさん目に飛び込んできます。
この地域に住んでいると放映されている情景があまりにも日常、目にすることとかけ離れているために、それらが映画などのフィクションではなく実際に起きていて、被災して苦しんでいる方が多くいるという現実を捕えらきれないでいます。
自然界のことだけが際立って異常なのではなく、人間たちの世界でも、海外の多くの国でテロに象徴される沢山の異常な事が起きています。日本では平和憲法に守られて戦後70年余りを平穏に暮らして来ましたが、これからの時代はそんな姿が当たり前ではなくなってくるのだろうかと不安を覚えます。このところ政治家の不祥事と言われることが頻発して政治が混乱していますが、海外でも政治の方向が大きく変わり、国の在り方が不透明である時代になっているようです。それ以上に将棋や囲碁でにわかに有名になった言葉ですが「AI」の開発が進み、全ての物がコンピューターで繋がるなど早い速度でいろいろな事が変わろうとしています。近い将来に私たちの暮らしぶりも否応なく変わっていくのだろうという時代です。
小学校でも「英語教育」の導入で驚いていたら、次には「コンピュータープログラミング」だそうです。時代が変わったなぁー、時代に追い付いていないなぁー、と深いため息が増えたこのごろです。
台風がいくつか発生したようです。被害が起きる前に身の回りを点検して十分注意して夏の期間を元気にお過ごしください。
☆7月号(2017年7月3日)
昨日は「藤井聡太四段が29連勝で連勝ストップ」、今日は「小池百合子氏率いる都民ファーストの会が都議選で圧倒的勝利」のニュースでもちきりですね。
中学3年、14歳という藤井四段については天才棋士と評され、彼がどんな子どもで、乳幼児期をどのように過ごしたか、など興味深く取り上げられています。学校ではどんな生徒で、授業態度はどのようか、家庭ではどんなおもちゃであそんでいたか、わが子を藤井四段のように育てたいという親ごころから、幼少時に気に入って遊んでいたというおもちゃが店頭から消え、数か月先まで販売予約が殺到しているそうです。
人それぞれ、十人十色ですから、同じおもちゃ、同じ環境があったとしても、彼のように育つかどうかは???ですが
親が子にかける期待や夢はほほえましくもあります。「十で神童、十五で才子、二十過ぎればただの人」という故事成語がありますが、振り返ってみると自分の周りにもかつては多くの天才がいたっけなぁ、となんだか愉快な気分と共に思いだします。三歳の頃にすでにアルファベットを理解し、本をスラスラ音読出来たAちゃん、足が早くサッカーが得意で将来はJリーガーかも!、とママ友の期待を集めていたBくん、がり勉というわけでなく、いつもおっとりしてみんなと楽しく過ごしていたけど何の試験にも必ず一発で合格して女医になったCちゃん。本当にいろいろな育ち方、生き方があるものだなぁとこの年になるとほのぼのと思いだします。勿論、転落と言われる生き方をした友達もいますけど。
誰であっても「お一人さまに付き、一回限りの人生」ですから、人に言われてでなく自らがしたいことを見つけて、楽しく頑張る姿が認められるといいですね。ひよこ保育園の子どもたちには好きな事、やりたいことを見付けられる力と機会を提供できればいいなと思います
☆6月号(2017年6月1日)
6月になると、「やがて梅雨の長雨が続いて、次はプール遊びが始まるなぁ」と保育者はイメージしながら保育計画を立てます。6月は別名「水無月」ですが、水が無いのではなく「水の月」という意味合いがあり、陰暦では「田植えが終わって水を張る時期であるから」という説もあるようです。
一般的に6月は「梅雨・あじさい・カタツムリ・かえる」が必須アイテムとして、保育場面にしばしば登場します。今年は特に、幼児クラスでカタツムリが人気者で(クラスだよりに登場していますが園外保育で捕まえました。)子どもたちが競ってお世話しているようです。お家でもお父さんやお母さんを巻き込んで図鑑で調べたり、餌の用意をしたりする様子が想像できてほほえましく思います。子どもの興味や関心に寄り添っていただいてありがとうございます。
そんな日ごろのささやかで穏やかな関わりを土台として子どもたちの情緒面の安定が得られますし、想像力や、科学的好奇心など非認知的能力がグーンと伸びていくことが多くの保育実践から報告されています。おとなでは当たり前になった感のある様々なIT機器の使用が、今では幼児の間にも浸透して本物を見たり触れたりすることなく、スマホやビデオで初めて見たり体験したりすることで、あたかも本物を知っている様な気になってしまいます。
ひよこ保育園の周辺は公園や緑地に恵まれており、小さな自然に日々触れ合う事が出来るのは幸せと思っています。バッタやカタツムリ、セミなどのごく普通の昆虫さえ市街地では目にすることが出来ないところもあるのですから。
身の回りの小さな自然にどっぷりと浸かり、自分の目や手や全身を通して感じることが、今はのんびりおっとりであっても、将来の自立に向けて先伸びする知力、頭でっかちで無い知恵を育むのではないかと思います。
グローバル化に対応して小学校でも英語教育が取り入れられるようになり、幼児教育産業がこぞって英語教室などを展開しています。今後ますます拍車がかかると思います。英語に触れることは良いことだとは思いますが、様々な大人の思惑に子どもたちが振り回されなければいいなと案じています。
☆5月号(2017年5月1日)
4月29日(昭和の日)に第15回ひよこまつりを開催しました。連休は天候不順の天気予報が出ていたので、気をもみましたが、当日は青空がすっきりと晴れ渡り、子どももおとなも気分上々でみんなとてもいい表情をしていましたね。朝からターフ張りをしてくださった保護者の皆さんありがとうございました。3月に卒園した子どもたちもほとんどが参加してくれて、ちょっと照れながら再会を喜び合っていました。「小1の壁」と言いますが、子どもも親も環境の激変で大変な苦労の真っただ中にいるのだろうと、にこにこした笑顔の親子にエールを送りたい気持ちになりました。
小学校に入学したとたん、放課後の居場所探しや懇談会等で親の出番が増えるので、皆さん「保育園では楽をさせてもらっていたんですね」とおっしゃいますが、昭和に生きた園長としては「楽は×、親が子どもの事で苦労するのは当然!」と思っています。でも、その場で言うと、今のご時世では角が立つ事になりかねないので、「お口にチャック」していますが・・・。小耳にはさむところでは兄姉の学校行事に連れて行ってもらえない下の子が多いそうです。たしかに手が掛かり、上の子に行き届かないという事もあるのでしょうが、幼い子どもがいて当然である場にさえ同行させてもらえないとは「果たして家族って何だろう?幼い子どもが省かれる仕組みってアリ?」と思います。むろん、幼い子に許されない場、おとなだけが許される場があるのも当然ですが。その場限り行き当たりばったりの対応でなく何がよくて何がダメなのかきちんと考えることも子育てでは大切かと思います。
昨年4月から全国で「子ども子育て支援新制度」がスタートし一年経過しました。新制度では「父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有する」ことを基本認識にしています。保育園に入れない子ども、虐待を受けている子ども、孤立した育児を強いられている親子など包括的に子どもの最善の利益を追求する制度という事ですが、制度だけが先行して実態が無い、という事にならないように、行政が笛吹けど踊らず、とならないためには小さな単位の組織から=ひよこ保育園から子どもにとって最善の利益を求める気運を育てて行きましょう。基本的には各ご家庭の責任に負うのですがr本当に大変で困っている時には、お互いが手を差し伸べ合うこと、でも、ちょっとした工夫で乗り越えられるところはがんばってみる勇気も必要なのかもしれません。「どうしてもムリ!」という場合にはクラスの担任なり園長までご相談ください。
☆4月号(2017年4月1日)
進級・入園おめでとう
3月中はおわかれ遠足、おわかれパーティー、卒園を祝う会を経て、進級式では新しいクラスと担任保育士を発表して年度末の主な行事を終えることが出来ました。子どもたちは一連の流れを通じて、幼いながらに一つ大きな子の仲間入りをする気になっているようです。入園を祝う会では23名の新入園児を迎えて、新いるかの子ども数名に「むすんでひらいて」を歌って歓迎してもらいました。ぶっつけ本番なのに大勢の保護者の前で度胸満点で披露してくれました。2曲歌い終わってもまだまだ歌いたそうにしている新いるかさん、新入園児にメダルをはりきって渡しました。
保育最終日には短縮保育のご協力をありがとうございました。ひよこ保育園では年度末最後の日まで子どもたちには同じ部屋で、いつもと同じように過ごさせたい、特に卒園していくくじらぐみの子どもたちが「居場所がない感」を持つことのないように、という思いがあるので、毎年31日の夕方から突貫工事のように新年度準備を行うことにしています。短縮保育にさせていただいたおかげで、集中して出来たので大部分は新年度仕様になりました。おなじ保育室でも担任によって環境構成がかなり変わるので、今年度はどんなふうになるのか楽しみにしていてください。
ひよこ保育園は今年度創立して15年目に入ります。「吾十有五にして学に志す」とは論語にある名言だそうですが1日に行った29年度初めの職員会議で「子どもをよくみること。まずは子どもを受け入れて、そして切り返すこと」の大切さを某保育士の研修報告をたたき台にしながら論議しました。職員会議の後で「やっぱり勉強しなくっちゃ!!」 という若い保育士たちの言葉に「幸先よいスタートを切った」と嬉しく思う園長でした。今年度もよろしくお願いします。
☆3月号(2017年3月1日)
先月につづいてドッジボールで感じたこと・・・一昨日、駐車場でくじらぐみの子どもたちと職員とでドッジボールをしました。保育からちょこっと抜けられる保育士たちが食事もそこそこに駆けつけると、子どもたちは「絶対に勝つぞー」と、闘志満々でした。どの子どもの顔もこの時期になると、もうすぐ小学校に入学するにふさわしいしっかりとした表情になって来ていることを改めて感じ、残された時間がわずかであることを寂しくおもいました。
「○○くんはドッジボールですごく成長したんですよ」とは担任の弁ですが、確かにボールを手にして以前の○○くんからは想像できないほどの闘志と気迫がみられました。一人ひとりの個性を見極めての保育と、ご家庭での保護者の深い愛情が補い合ってこそ、子どもたちは健全な発達と成長が守られるのですね。○○くんの真剣な表情を見ながら、ふと、彼のお父さんやお母さんの顔が浮かびました。
この数日、マスコミでは某学校法人立幼稚園の教育内容について、大きく報道され騒がれていますが、私学の建学理念は自由とはいえ、人間性の根っことなる幼年期をすごす場は「人としてあるべき姿」の基礎を体に染みつけていく重要な場なのですから、教育の原点に立って熟考して対処するべきです。
ひよこ保育園は来年度創立15周年を迎えます。この間に園庭ではケヤキの木が大きく枝を拡げ、シンボルツリーとしての風格が十分となりました。この木は現在のひよこ保育園の前身だったひよこ保育室時代の保護者の方による寄付で記念植樹されたものです。夏季には子どもたちを紫外線から守る木陰となり、セミがたくさん集まって子どもたちを楽しませてくれます。みんなが楽しんでいる木製アスレチックはそろそろガタが来て、大規模修繕をする予定です。こんなことからも感覚的にはあっという間に時が流れていくようですが、時間は着実に経過したんだなぁと気付かされています。
果たして創立以来、ひよこ保育園の保育の質は向上しているのでしょうか。時間の浪費は無かったのでしょうか。15年目を目前に振り返りながら保育をたのしみつつ、改善していく気満々です。
この1年の間に、怪我や事故などでご心配をおかけしたことがあったと思います。お詫びと共に、ご理解ご協力いただきありがとうございました。
☆2月号(2017年2月1日)
エントランスのスライドショーでご覧になったかと思いますが、先日、くじらぐみが近隣保育園にドッジボールの遠征試合に出掛けて全戦勝利!!でした。往きはどきどき緊張感にどっぷりでしたが、帰りは足取りも軽く勝利の雄叫びをあげて・・・。オリンピックの記憶もまだ残っているのか一丁前のアスリートの気分です。子どもたちはだいぶ前から「絶対に勝ってやるー」と戦いモードにギアチェンジしていました。ドッジボール大会はおとなの側からすればさほどの労力をかけての大きな行事というわけではなく、保育の日常性を乱さないという配慮のもとでのミニ行事ですが、子どもたちにとっては大きなチャレンジをやり遂げた達成感に浸れる行事の一つのようです。「ボールを当ててやっつけたんだ!」といきまいて誇らしげに語る子どもの眼はきらきらして頼もしくもあり、可愛らしくもあり、よくぞここまで大きくなってくれた、と感動します。
ひよこ保育園では特定のスポーツに力を入れるというより、毎日、外で思う存分に体を動かして、自分の好きな事をして遊ぶことに重点を置いています。もちろん、見えないところでの保育士たちの保育のねらいや配慮あってのことですが、自由気ままに過ごしながらも、子どもたちは、おにごっこやドッジボール、サッカー、おおなわなどみんなで協力することで楽しさが倍増することを体で覚えてくれている、という所でしょうか。「ひよこの子は体力がある」とよく言われますが、嬉しい限りです。
女性が外で働くことが当たり前になっている現代には、乳幼児が1日の半分を過ごす保育園は乳幼児期の生活で重要なポストを占めています。毎日、外遊びもお部屋での遊びもたっぷり楽しみ、お腹をすかせて給食の先生たち心づくしの給食をモリモリ食べて、安心してお昼寝する、そういう風にしてひよこの子どもたちは育っています。
元気いっぱいに動ける体力、考えながら生活する知力、興味あることに前向きになれる気力、人の気持ちの分かる心の力、毎日喧嘩して泣いて笑って、を繰り返しながらけなげに身につけているのだなあと感じています。
☆1月号(2017年1月4日)
あけましておめでとうございます。年末年始長いお休みをいただきありがとうございました。勤務を続けられていた保護者の方にはお子さんの保育について大変だったこととお察ししています。申し訳ありません。保育士たちはそれぞれ自由に過ごして、リフレッシュ出来ました。新たな気持ちで一人ひとりの子どもと向き合って保育に励むことでお返ししたいと思います。
さて今年は酉年ですが、干支では丁酉(ひのと・とり)というそうで、丁と酉が相克する波乱に満ちた年ともいわれるようです。酉は鶏を意味するのでひよこ保育園の年でもあるかな、なんてこじつけています。「鶏」というと見るからにコッコ、コッコ言いながらせわしなく動き回りえさをついばむ姿を思い浮かべますが、昨年来の政治の姿や世界の情勢が全く落ちつきなく激しい変化にあったように、今年は更にせわしなくバサバサと羽音を立てて動き回りそうな気配です。
4月からは創設して15年目の節目の年になりますが、ついこの間創設10周年記念の会を行ったような気がします。年齢を加えるにつれ、時間がたつのがなんだかとても速くなったと感じるのか、あるいは福祉や保育をめぐる情勢の変化が加速化しているのか、何が本当に大切な事かをしっかり見極めて、ひよこ保育園の保育をしっかり自己評価しながら進めていく必要性を感じています。子どもたちの身の回りの保育環境は保育者の責に負うところが大きいのですが「変えていい事・変えてはいけない事」を保育者集団の話し合いの中で吟味しつつ、保護者の皆さんからのアドバイスをいただきたいと思う所です。今年もよろしくお願いいたします。
☆12月号(2016年12月1日)
今年の冬至は21日(水)、「1年で一番昼間が短い日=日の出が遅く日の入りが早い日」と思っていたら大間違いでした。今のころ11月末から12月初めが最も早く暗くなるそうです。本当に4時過ぎからだんだん暗くなり始めて4時半にはもう真っ暗ですね。おとなはあたりが暗くなってくるとなんだ気ぜわしくなってくるのですが、子どもたちはそんなことお構いなしで暗い園庭や2階のデッキででおおはしゃぎです。暗い中で遊ぶというのは特別感があるようです。そういえば懇談会で遅くなる時には仲間意識がヒートアップしていつもに輪をかけてはりきっていますね。
寒くなってきましたが、どのクラスも午前中にあちこちの公園を制覇して回っています。それぞれの公園に楽しむポイントがあり、何も遊具がなくてもそこにあるものを何かしら見つけて遊び道具にしてしまう天才たちが揃っているのですから、2時間おもいっきり遊んで帰ってくるなり、給食のサンプルケースを除いて「おっ!今日はブリ大根だぞ(しぶいなー)」、「やったー!カレーだぞ」とよろこぶ子どもたちはとても頼もしく、すてきです。まさに「遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとやうまれけん 遊ぶ子どもの声きけば わが身さえこそ動かるれ」です。
最近、出掛けた先の公園で折れた鉄パイプやとがった釘など大けがに繋がる危険な廃材やごみが散乱していることが目立ちます。気がつき次第、土木事務所に連絡して処理してもらっていますが、公園によっては管理が行きとどいていなかったり、子どもたちがのびのびと大胆に遊べる広さがなかったり、ゲートボールなどで占有されていて使えなかったりと子どもたちが外遊びで体力、筋力をつけようにも環境が乏しいと感じます。幼児期の子どもの運動能力向上には特別なスポーツではなく日ごろの遊びで歩く、走る、跳ぶ、投げる、けるなどの基本動作を十分に経験することが大切と言われています。保育園で育つ子ども、家庭で育つ子ども、みんなが家族と一緒に気楽に楽しめる環境が身近に十分に整備されるといいですね。
今年も残り少なくなりました。来年も安心できる保育園に向かって励みます。ご協力ありがとうございました。
☆11月号(2016年11月1日)
運動会や芋ほりなど10月を彩る行事が終わりました。どちらも天気次第なので気をもむ一方で、「思い通りにならないこともあるさ」という気分もあり、でも無事楽しめて子どもたちや保護者の方々の笑顔がたくさん見られてほっとしています。運動会には大勢の保護者のご協力をいただいてありがとうございました。やっぱり行事は「みんなで力を合わせて創り上げる」というのが醍醐味の一つでもありますね。また、アンケートの回答も44家庭からいただきありがとうございました。様々なご意見やご要望がありましたが職員間で検討して、改善すべきところは改善しながら来年度へと繋げていきます。しかしながら、特に新しく入園したご家庭に対しての事前説明が足りなかったのかもしれませんが、開催の日程など諸事情から変更できないところもあり、ひよこ保育園の行事についての考えや方針、および来年度以後に変更することなど懇談会でお話したいと思います。
11月は来年度の保育所利用申請が始まります。制度が変わって間もないためか、「保育所等利用案内」がずいぶんボリュームが増えています。入所申込に先立つ保育所見学や慣らし保育、給食費の負担金についてなど昔はそんなに詳しく記載されなかった事項が、「はじめにご確認していただきたいこと(重要)」として記載されています。
横浜市では様々な保育施設ができていますが、いざ入所した後になって親の期待した保育内容と保育所の保育理念とのミスマッチから保護者と保育所間でのトラブルが増えたためだと思います。
ひよこ保育園でも毎日のように見学者が来園しますが、エントランスのTVモニターに保護者が協力してターフ張りをしているところやなつまつりに園庭でどろんこになっている場面を流して見ていただいています。周辺にはいろいろな保育園がありますが、ひよこ保育園では「子どもの遊びには土と水とお日様が欠かせない」としていることや保護者との協働を重視していることを見学者にはっきりと説明して保育内容の情報提供をしています。子どもたちがどろまみれになって遊ぶ様子に目をキラキラさせる人もいれば、嫌だなという表情の人もあり、ご家庭での子育ての価値観が様々なことをいつも感じています。
「共育て」という言葉があります。常日頃から保護者と保育者が協力しあって子どもたちをあたたかく見守り育てる時に、子どもたちは心から保育者を信頼して安心してのびのびと育っていくのでしょう。
☆10月号(2016年10月1日)
雨模様に彩られているうちに、いつの間にかセミの鳴き声が聞こえなくなりました。かといって澄んだ夜空に虫の音が響くというさまにはいまだならず、何とも不完全燃焼の夏の終わりでした。9月中は近隣校の運動会が多く予定されていましたが、恨めしく空を見上げている子どもたちが大勢でした。天候に左右される行事は主催する側も参加する側も本当に大変ですね。
ひよこ保育園の運動会は毎年体育の日ですが、1964年の東京オリンピックが行われた日が第1回の体育の日となったそうです。この頃は比較的雨が少ないので体育の日としたようですが、近年は温暖化によりまだまだ暑さが厳しい日が多いので要注意ですね。とにかくお父さんお母さんなど家族の人たちや、友だち、保育園の先生たちみんなが集まってなんだか楽しそうに体を動かしている場面は平和でほほえましいと思います。幼児になると勝った、負けたで悔し涙を流す事もありますが、そんなこと一つ一つがかけがえのない成長の糧になるんだなぁと毎年子どもたちの姿から教えられています。お天気が支えられてみんなで運動会を楽しめるといいですね。
毎年行っていた芋ほり農園が昨年で終わりになったので、今年は地域の方の御好意で佐江戸町の畑をお借りして芋ほりをすることになりました。今までのようなお弁当を持ってマイクロバスで行って、帰りに四季の森公園に寄って遊ぶ、というのとは違った趣ですが、その代わり、夏の間はトマトやなす、オクラを植えて収穫して味わうという体験もできました。保育士も皆、畑しごとの経験がない者ばかりですが、少しだけ収穫の喜びを味わえました。畑を管理している方に「参考書を読んで勉強しないとだめだよ。畑はそんなに簡単ではないよ」と辛口のお言葉をいただきました。
☆9月号(2016年9月1日)
いくつもの台風に見舞われた8月でした。せっかくの夏休みが大雨にたたられたご家庭も多いのではないでしょうか。8月初めに都筑区内のK保育園で行われた公開保育に園長と保育士2名が参加しました。園庭を保育室の一環として重視しており、長年、環境による保育を提唱、実践している保育園で、全国から見学者が多数訪れてTVや保育関連の書物にも多く取り上げられている、知る人ぞ知る保育園です。私も何度か訪問していますが、その都度新たに手が加えられ進化し続けている事に驚嘆しています。ひよこ保育園からは歩いても15分ほどなのに、全くの別世界の趣でした。ひよこ保育園ではおとなが毎日の職務に追われている感が強く、怪我のないようにと安全保育に傾きがちである一方で、子どもが自らやりたいことを思う存分やりきることで「人間らしく成長していく子ども」、おとなは静かに見守る、というこの保育園の保育理念はまぶしくもありました。
ちょっとした怪我でも大きなトラブルにつながる昨今では、怪我をさせないようにとおとなが先回りして安全安心優先に走りがちです。おとなの手のひらの範囲の中での冒険しか許されない保育は、本性として大きく逞しく育ちたがっている子どもたちの心と体にとっては枷になっているのでしょう。最近はそんな風潮に疑問を持つおとなたちが子どもたちの冒険心を満たせるようにと、各地の公園で野遊びを自由にやり放題のプレイパークを開催しています。やりたいことをとことんやりきって怪我をしたとしても、責任は自分にあると納得できた時、やりたいことを十分にやる権利と共に、したくないこともみんなの利益のためにはするという義務を果たす感覚をも身につけていくのでしょう。
自分で決めて行動する子どもは時としておとなの思いとは異なった方向に進んでしまって困ることがあります。一方おとなの言う事をうのみにしてしまう子や聞き分けのよすぎる子はおとなにとっては扱いやすい良い子なのでしょうが一人ひとり個別的な人格の人間としての育ちはどうなんだろうと思ってしまいます。おとなから見れば良いことも悪いことも、生まれてからせいぜい〇年の子どもから見ると全く違って見えているのかもしれませんね。
ひよこ保育園でもどろんこになって園庭で遊び呆けている子どもたちの表情は自信に満ちて輝いています。セミを捕まえて友だちと顔を寄せて何やら話し合っている姿はとてもほほえましく魅力的です。充分に遊びきって満足した子どもたちは保育士の言葉にもすなおに耳を傾けるゆとりができます。おとな目線で指示を出すばかりでなく、子どもの思いをくみ取りながら満足できる遊びの環境を整えていきたいです。
☆8月号(2016年8月1日)
今、遊歩道や駐車場のわきに空を仰いで堂々とした姿でヒマワリが咲いています。東日本大震災の復興支援にと福島で「ひまわりプロジェクト」がたちあがり、復興の象徴としてヒマワリの花を咲かそう、「ふくしま」をずーっと覚えておこうと種が配られて全国に広まりました。一人の保護者の方から「ひよこ保育園でもどうぞ」と種をいただいたので5月の終わりに種をまきました。駐車場は粘土混じりの建築残土だったので園庭に移して泥団子づくりに有効利用することにして、園芸用の土を入れ替えてから種をまきました。水やりを欠かさずしていただけなのに、じきに双葉が芽生え、すごい生命力でぐんぐんと伸びて大輪の花を咲かせてくれました。子どもたちも気に入っているようで散歩の折にしっかり見ています。「あなただけを見ている」というのがひまわりの花ことばの一つにあるようですが、真夏の情熱的な太陽が似合う花としてインパクトが強いですね。種が取れたら子どもたちに配って来年ご家庭でも咲かせていただきたいと思っています。
また、19人もの尊い命が奪われるという衝撃的な事件が起きてしましました。新聞の1面を埋めて大きく書かれている活字を見て、あまりのむごさに却って現実感がそがれてしまう思いでした。しかし、映画や小説ではなく描きかえることのできない事実です。「なぜこんなことが起きたのか?」を解明するためにこれから学識経験者や精神科医、警察関係者たちが時間をかけて検証していくのでしょう。大変なことです。でも、事件とは無縁のところで生きていると思っている私たちも自らの深層を探っていくことが求められているのかもしれません。
この度の凄惨な事件の核心となる障害者や高齢者に対する冷たいまなざしや偏った見方が蔓延しないためには、キリキリした生活の中で、イライラした感覚から自由になって「自分も友だちも大切に(都筑ひよこ保育園保育目標)」する暮しを一人ひとりが心がけていくこと、日常の生活の中で自分が他人から受け入れられて生きている事に気付くことを、乳児期から保育の中で実践していきたいと思うのです。保育で最重要課題となる「自己肯定感」を育てることは子どもにはもちろんですが少々疲れ気味の大人にとっても大切なことと思います。
☆7月号(2016年7月1日)
梅雨の頃に美しく咲くアジサイは、色とりどりで見栄えが良く外国から入ってきたのかと思いきや、日本古来の花で古くは万葉集の中に詠まれているそうです。散歩の先々できれいに咲いたアジサイは子どもたちにも印象が強く残るのでしょう。「あめ・かたつむり・あじさい」はこの時期の保育には必ず登場しますね。最近は品種が改良されて以前より見慣れたアジサイとはまるで別物のような、美しい「墨田の花火」・「ダンスパーティー」・「夏祭り」・「万華鏡」などと気を引く名前の花が店頭に並んでいます。先日、エントランスに切り花を飾っておいたところ、「わ―きれい!なんていうお花?」とたずねた子がいて、うれしくなりました。元気いっぱいにエネルギーを体中から発散する子どもたちにも、きれいに咲く花を楽しんでもらいたいですね。
7月はいよいよプール遊びが始ります。9月までの2ヶ月間はほぼ毎日のようにプールに入りますので、お子さんの健康管理をよろしくお願いします。例年通り、エントランスの記帳台に連絡票と共に入水○×票を用意しますので忘れずに記入してください。一昨年までは未記入者には個別に電話で確認していましたが非常に手間取っていました。プール保育は子どもの安全確保のために特に保育士の見守りが重要ですので架電のために一人が抜けることは不利益につながります。子どもが用意万端でプールに入りたくてうずうずしていても、○の記入がない場合は安全対策上、保育士の判断で水遊びだけにしますので、お忘れにならないようにくれぐれもよろしくお願いいたします。
毎年、プール遊びをたっぷりと楽しむ中で、子どもたちは泳げるとか泳げないということ以上に、昨年までの自分を乗り越える、友だちと協力して水遊びの楽しさを満喫する、一歩先に向かってチャレンジするなど子どもの発達にとって何より代えがたい体験をしています。子どもが「○○ぐみの時は出来なかったのに出来るようになったんだよ」と誇らしげに言う時の表情はほれぼれするほど輝いています。
きちんと何でも出来る賢い子にしたい、聞き分けの良い、素直な優しい子に育てたいと誰しも親は願うものですが、果たして年長さんでさえ、生まれてたかだか6年です。時には保育中に混乱状態になり、保育士でさえお手上げという場面もあり、他の保育士とバトンタッチしてクールダウンするのを待つなどしていますが、子どものありのままの姿を受け入れながら、その時その時に子どもが本当に求めているものが何かを冷静に考えて対応することが子どもの最大の発達保障になると考えます。人生に何十年という月日を重ねたはずのおとなたちをぐるりと見渡したとして、全てのルールを守り、一片のミスや落ち度もなくきちんと何でもこなせて、温和でみんなに優しく、自分のことより人の利益を優先し、食べ物の好き嫌いもなく何でも感謝して食べられる人・・・・・・なんて、いないですよね。
子どもたちと過ごす日々は、良きにつけ悪しきにつけドラマティックです。毎日を精一杯に生きている子どもたちにエールを送り、安心して心穏やかに過ごせるように、未熟な保育者の集まりではありますが、みんなで知恵を出しあってチームプレーの底力を活かしながら、都筑ひよこ保育園の保育をくみたてていきたいと思っています。
梅雨が明ければ厳しい暑さがやってきます。1に健康、2に健康、上手に休養しながら暑い夏を楽しみましょう。
☆6月号(2016年6月2日)
都知事の政治資金流用疑惑が某週刊誌によって持ち上がって以来、過去に起きた政治家たちの同様の事件報道や新しいところでは横浜市長などさまざまに「政治と金」に関する問題が取りざたされて賑やかです。
「地獄の沙汰も金次第」、「阿弥陀の光も銭次第」とお金の持つ力をありがたがるものから「金の切れ目が縁の切れ目」、「金と塵は積もるほど汚い」など否定的に使われるものなどお金に関しては多くのことわざがあります。
たしかにお金がなければ生活出来ないのですから、お金は大切ですが(小さな子どもたちでさえ、おままごとなどでお金に対して大きな関心を持つ姿があるほどです)、コツコツと生活している一般人にしてみれば、「何でそんなにセコイ事までしてお金がほしいの?」と思うのですが、桁違いのお金を動かせるようになると人間は変わるのでしょうか。でも、国や自治体のトップに立つような人は決してそんなひとであってほしくないと思いますし、「悪銭身につかず」とも「金の切れ目が縁の切れ目」ともいいますよね。とにかく「清廉潔白」な人であってほしいです。
一方で、保育所入所待機児童問題からはじまり、保育士の処遇改善について大きく取りざたされていますが、遅きに失する感があります。一昔以上前、建設や土木、看護師、福祉現場で働く者に対して3Kと言っていましたが、厳しい労働環境の中でもまじめの働いている人たちは大勢います。保育士とて、人様の大事なお子さんを大勢、しかも長時間お預かりするのですからどんなにか精神的、肉体的に疲労するかは想像するに難くないことです。
27年度より、保育士に対して給料に処遇改善等加算という名目の加算金がつきました。報道では「5万円のアップを!」という声もあるようですが、消費税増税も先送りになり、財源はどう手配するのでしょうか?
鼻先に人参をぶら下げられて疾走する馬ではないのですから、給料さえ良くなれば保育士のなり手が増えると考えるのは短絡的です。子どもをかわいいと思い、平和で安心できる時間を子どもたちと過ごしたいという高邁な理想を抱いて保育の道を選んだのです。毎日保育士がどのように心をこめて働き、子どもたちを守ろうとしているのか、お金だけでは人の心は満たされないと知ってほしいと思います。保育士たちは保育という仕事について社会的にもっと深く理解して欲しい、評価して欲しいと願っているのです。
☆5月号(2016年5月2日)
新年度4月の終わりにひよこまつりを行いました。この時期に開催するねらいの一つに、卒園したての新一年生に遊びに来てもらう事があります。おうちのように過ごしたひよこ保育園から、全く規模や時間の流れの違う小学校に行って、はじめは物珍しさから張り切っていた子や、緊張して固くなっていた子など一人ひとり反応はちがいますが、5月病という言葉があるように1ヶ月くらい経つとそろそろ疲れが出始めたり、登校を渋ったりする子も出始めます。そんな時期にちょっと古巣に立ち寄ってもらって見慣れた保育室やおもちゃ、先生たちに会って、何も変わっていないんだ、いつも保育園はここにあるんだと、安心してもらいたいのです。6年間を、しかも1日の大半を過ごした子どもたちにとって、保育園が思い出の中で占める割合の大きいことをひと月ぶりに会った子どもたちの表情から感じました。子どもたちは口ぐちに「また来るねー」と言って帰って行きました。自分たちを守ってくれた先生たちや場所が変わらずに在るという安心感は何物にも代えがたいのです。利害相反のおとなの世界はとかくごたごたしがちですが、せめて保育園は何があってもこの子どもたちをがっかりさせないように頑張らなきゃ、と思ったことでした。
ひよこまつり当日の朝、大勢のお父さん方が園庭やデッキ、駐車場のターフ張りをして下さいました。ルーバーの上や高い脚立にのって力のいる作業をしていただき本当にありがとうございました。これから紫外線が強くなってきますので、園庭遊びやプール遊びの気がかりが一つクリア出来て本当にホッとしています。普段の優しい表情のお父さん方とはまた違う頼もしくて強いお父さんの姿に職員一同の瞳はハートマークになっていました。
☆4月号(2016年4月1日)
入園、進級おめでとうございます。子どもたちは今日を楽しみに待っていました。1クラス上がったことがうれしくてハイテンションです。バタバタと慌ただしく過ごした昨日の31日。くじらぐみはいよいよひよこ保育園で過ごす最後の1日でした。保育園の外回りや園舎内を「ありがとうの気持ちを込めて」お掃除してくれました。せっせとはき掃除や拭き掃除をする子どもたちはすてきですが、目の回るほどの忙しさの中で保育最終日まで指導している担任保育士には身内ながら頭が下がる思いがしました。いまどきはご家庭で「人に感謝すること、そして体と心を遣ってあらわしていくこと」を、教える機会が少ないのかなぁと感じる時が今までにしばしばありましたが、一体、保育園では子どもたちに杓子定規であったり、口先でない「心からのありがとう」を伝えているでしょうか。子どもたちが思わず「ありがとう」という時は、おとながイメージするような大それたことや特別な時ではなくj、日常の中で子どもが自らの力で遊びこんで満たされた時や、好奇心に的確な回答を得られた時です。だからこそ、子どもが本来的に持っている素直な感謝の気持ちを引き出すには環境設定が大切なのです。些細な事にうれしさや有難さを感じられる子どもは幸せな時間を過ごしているのだと思います。
昨日は保護者の皆さんに16:30お迎えのお願いをしましたが、年度末でいそがしいにもかかわらず、ほとんどの方が協力して下さったので混乱なく速やかに新年度準備に取り掛かることが出来ました。ありがとうございました。
ギリギリまで保育室の模様替えや、名前シールの交換をしないのは、子どもたちに最後まで同じ環境で落ち着いて過ごさせたいとの願いからですが、子どもたちは保育士の想いを引き受けて終日楽しげに過ごしました。そして今日です。
最近、数年前に卒園した子どもたちがよく遊びに来ます。そしてくじらぐみの子どもたちに先輩として「保育園でたくさん遊んでおきなよ。いい思い出を作りなよ」とアドバイスをしている姿はほほえましいです。
人として生まれてまだまだ幼く経験の少ない子どもたちにとって、ご家庭と保育園での生活がほとんどなのですから、保育者はおとなとして子どもへの責任・子どもたちが幸福であり続けることへの努力をしっかり自覚していきたいと思います。子どもたちがより良い時間を過ごすために、前向きなご意見をお待ちしています。今年度もよろしくお願いします。
☆3月号(2016年3月1日)
昨日は4年に1度の2月29日でした。29日生まれの方の誕生日は4年ごとにしかやってきませんが、行政手続き的には2月28日を「みなし誕生日」とするそうです。もっとも法律的には誰しも年齢は前日の午後12時に加齢されて1年上がることになります。年齢計算については複雑でわかりにくいので、提出書類の多い入園、入学を控えたこの時期にはミスのないようにと頭を悩ますところです。2月は1、2日少ないだけでとても時間が早く流れていく感があり、卒園行事と入園行事を控えて「とうとう3月になってしまった」と感じています。
先日のわくわくステージは今までよりさらに子どもの側に立って行事を見直すことに重点を置いて実施しました。準備の煩雑さや子どもたちが意欲的に取り組んでいる活動を繋げていこうと考えてのことでしたが、保育者の立場からするといつも以上に子どもたちは普段の自分を活き活きと表現していたように思います。「友だちと一緒に歌う」ためには、幼いなりの気配りやがんばり、集中する心が必要です。友だちを気にかけながらみんなの前で歌う姿にはクラス毎の成長と一人ひとりの子どものありのままの姿が見られました。皆さんはどう感じられたことでしょうか。
毎年、年度末になると通勤途上のあちらこちらで道路工事をしていて、交通渋滞を引き起こしています。お迎えの保護者にも、「道路が混んでいて遅れた」とあわててこられる方がいらして追突事故など起こさないでほしいなと気がかりです。 保育園でも卒園していく子どもたち、退園していく子どもたち、新たに入園してくる子どもたち、また、その子らを取り巻くおとなたちが入り組んで騒々しくなりがちな3月ですが、毎日が新年度に繋がる日々であり、子どもたちにとっては変わらないいつもの保育園での生活です。おとなたちは心して子どもの日常性を崩さないでいたいと思います。子どもがグーンと芽を伸びやかに開放して行く場は平和で落ち着いた日常に他ならないと常々感じています。
今年度も保育運営にご理解いただきありがとうございました。残り1カ月も気を緩めずにすごします。
☆2月号(2016年2月1日)
先週末、先々週末と2週にわたって大雪予報に翻弄された観がありました。記録的寒波で奄美大島に115年ぶりの降雪だそうです。当然「雪」というものを見たこと、触れたことのない人も大勢いることでしょう。子どもたちがどんな反応をしたか、興味深いですね。ひよこの子どもたちは降雪を心待ちにしていましたが保育者たちは子どもたちに申し訳ないと思いながらも、ちょっとホッとしてしまいました。雪が降ったら電車が止まってしまう=出勤が大変・・・2年前バスが全面運休で市ヶ尾から3時間かけて出勤した記憶があるので、この界隈での銀世界はこりごりなのです。(ある保育士はそれまでの人生で1番辛い経験だと言っていました!)子どもたちには「自然を楽しもう」と言っているのに悲しいかな、何とも追われる毎日、ロマンがない生活です。2月は如月(衣更着・寒くて重ね着する)と呼ぶそうですから本当に寒いです。
1月には幼い命が虐待で奪われる悲惨な事件が数件ありました。保育園に通っている子どももいたのですが、何ともやりきれない事件です。幼い子どもが育つ筋道には、何度か自我がはっきりとして来て、突然わがままになったり、親の言うことを聞かな悪い子になったりすると、おとなの側からは思える時期があります。赤ちゃんですと夜泣きがひどければ親はへとへとになります。一般的には発達の節目でしばらく待つうちにそんな嵐が治まることがほとんどなのですが、渦中にいる時は本当に大変ですね。保育園では保護者同士で経験を伝えあったり、おしゃべりしたりで気分転換出来るのですが、孤立した家庭環境では育児不安や子どもに対する偏った愛情が次第に憎悪になっていくという連鎖があるそうです。何か事起きるたびに組織間で責任の押し付け合いが繰り広げられていますが、そのあいだにも犠牲となる子どもが出るかもしれないということを、子どもに関わるおとなは肝に銘じておかなければいけません。
☆1月号(2016年1月4日)
あけましておめでとうございます
穏やかな天気に恵まれて2016年(平成28年)が始りました。年末年始には長い休みをいただきありがとうございました。昨年はひよこ保育園の中と外、また世界中で喜ばしいことや目をそむけたい悲惨なことが次々に起きましたが、今年はどうなっていくでしょうか。今年の干支は「丙申」(ひのえさる)、動物に当てはめると「猿」なので、申年生まれの人は占い的には明るく活発で頭の回転が速い反面飽きっぽいところもあるとか・・・・。当たるかどうかは不明ですが、どなたも明朗活発に、健康に過ごしたいですね。
暮れにユニセフよりシリア緊急募金の要請があり協力を呼びかけました。文字通りの緊急さで唐突感や趣旨説明不足の感があったとは思いますが、数人の保護者の方と職員から賛同を得て22,969円を寄付する事ができました。今後も募金活動を続けていこうと思いますので、お子さんに募金の意味を伝えていただいて更なるご協力をお願いします。
このところ日本では子どもの貧困や虐待がメディアに多く取り上げられています。一見平和と豊かさに浸っているような我が国ですが、実態は親の失業や疾病など家庭を機能不全にする落とし穴が至る所にあるということですね。
一方、ヨーロッパでの難民問題は歴史や発生の原因は国によって全く異なるにせよ子どもたちから当たり前の生活や時には多くの命を奪っている事実があります。自分の身の回りにいる子どもたちに、育つにふさわしい環境を整え日々を平和に安心して心身ともに満たされて育ってほしいとは誰しもが望むところですが、実際に自分の目に見えないはるか遠くの国の子どもたちの幸せについては想像力や共感力の助けが必要ですね。同じ地球上で、紛争の巻き添えとなり、いのちさえ保障されない状況の中で子どもたちは明日をどのように迎えようとしているのでしょう。未来という言葉さえ知らない子どもたちがきっとたくさんいることでしょう。
ひよこ保育園の子どもたちは家族や友達とその家族、保育士たちに守られながらのびのびと屈託なく育っていますが、それは決して当たり前ではないのだということ、そして世界には悲惨な境遇にいる子どもたちが大勢いるということを幼いなりに知ってほしいと思います。また、そのことを伝えていくことも保育の責任であると感じています。
☆12月号(2015年12月1日)
ハロウィンの賑やかな騒ぎが収まりかけ、次はクリスマス商戦がそろそろ始るという初冬のわくわくした気分を吹き飛ばす恐ろしい事件がありました。パリで同時多発テロ事件が起き、わずかな時間に130名もの命が奪われ世界中が深い悲しみと恐怖におののく中、翌日にはテロの首謀者とみなされる人物の潜伏先が爆撃されるという、現実とは思いたくない状況や類似の事件が世界のいたるところで発生しています。「目には目、歯には歯」という報復の連鎖と「汝の隣人を愛せよ」という隣人愛の教えを耳にした事がありますが、どちらも宗教との関わりの深い教えだと認識していました。私たちが生まれ育つ国日本は宗教戦争がないので、世界のいたるところで勃発する宗教のからんだ争いを本質的に理解しにくいのでしょう。テロは論外ですが、国と国の対立は更に様々な原因が絡み合って複雑化する一方なのですね。
お互いがお互いを非難して、認め合うこと受容する事の出来ない姿は私たちの周りにもごまんとあります。子どもたちの喧嘩ははじめ手や足が出てひっかいたりかみついたりと賑やかですが、しばらくするとクールダウンしてお互い何もなかったように仲直りします。下手におとなが介入しない方がすんなり、自然な気持ちで「ごめんね」が言える場合が多いようです。大人同士、国と国も子どもたちに学べると平和になれるのにと思います。
保育中に起きたけんかや怪我は毎度「事故報告書」に記載して事務所に報告する事になっています。内容は傷病の状況、事故発生の状況、保護者への連絡、経過などと共に「今後同じような事故を発生させないためにはどうしたらよいか」を考え、その日の保育を振り返るきっかけにしています。興味深い(?)のは大体喧嘩の場合は、やり、やられの子どもの組合わせが決まっていることです。保育士は怪我をしては困るので決まったペアーには見守りを丁寧にしていても、なぜかすぐにお互いが近づいていくのだそうです。以前、さんざん喧嘩して保育士泣かせであった男の子たちが今小学校でも仲よしでいつもつるんでいて、ひよこの行事のときにはみんなで冷やかし(?)に来てくれるのはうれしい限りです。
☆11月号(2015年11月1日)
このところ、保育園の上空にヘリコプターが数台旋回していて騒々しい日があります。散歩から帰ってきた園児たちが「お空にヘリコプターがいっぱいだった」と報告してくれますが、市街地に墜落する事故は過去に何度もあるので、子どもたちの散歩先に墜落したら怖いなと思ってしまいます。多分、今新聞紙面をにぎわせているマンションの杭工事偽装についての報道ヘリなのでしょうが、自然災害や大事故などの非常事態のようで不安な落ちつかない気分になります。
当該マンションの住民にとって突然降ってわいた災難に、お子さんを筆頭に今後の生活や損害補償など課題が山積しています。今回の事件とは直接的な関係のない者にとっても住居は人生の中でも大きなウエイトを占める問題ですから、当事者の方々の苦悩を察すると衝撃と怒りの感情を抱かざるをえません。
国内では○○ゴムのデータ不正、外国では車の排ガス不正と毎日のように「不正」の文字大安売りの観があります。
「天網恢恢(テンモウカイカイ)疎にして漏らさず」(老子)という故事があり、意味は「天の張る網は広くて一見目が粗いようだが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕えられ天罰をこうむる」ということだそうです(故事ことわざ辞典)。外国にも同じような言い回しがあり、ズルしても必ずバレルと昔からみんなが知っているのに、同じことを懲りずに繰り返すのは人間の性なのでしょう。
日々の子どもたちとの暮らしの中で、して良い事、して悪い事などいろいろなことが生起します。良し悪しの判断基準はひとさまざまですが、みんなが心地よく幸せな気持ちになれることはどんどん経験してもらって、うれしい気分をみんなで分かち合ってほしいと思います。いい気分を積み重ねることで、人に迷惑になることや人の嫌がることに気付けるように育つと思います。
秋晴れのとても心地よいある日、くじらぐみの子どもたちは遊歩道の落ち葉はきをしていました。ほうきで落ち葉を集める子、ちりとりに入れる子、ごみ袋の口を広げて落ち葉を入れやすいように気配りする子、どの子の顔も真剣で一生懸命お仕事していましたよ。
☆10月号(2015年10月1日)
運動会、芋ほり遠足と楽しい事が待ち受けている10月ですが、今年は天候不順で練習もままならぬ間に体育の日=運動会当日を迎えます。保育士たちには少々時間が足りない感があるものの、子どもたちは年齢相応に張り切って練習に臨んでいます。もともと、子どもたちを叱咤激励して「見せるための運動会」に仕上げることにねらいをおいていないので子どもたちが自発的に練習に励む様子を気楽に見守っています。それでも幼児クラスではやる気を出して真剣に技に立ち向かう姿があり、例年ながら運動会が子どもの発達の節目として大きな作用となっていると思わされます。
9月はすったもんだの大騒ぎの末、安保法案が成立しました。「今後日本の平和がどのようになるのか気がかりです」などと言えるほど深い考えを持って毎日を暮らしているわけではなく、団塊の世代には懐かしい響きである「ノンポリ」なのですが、保育園で子どもたちがご飯を食べた、泥んこ遊びをした、噛みつかれたなどという日常的な営みが本当は政治や法律などと密接なかかわりがあるのだと感じることがあります。
今年から子ども・子育て支援新制度が実施されましたが大変複雑なシステムで役所も保育現場も混乱しています。大きな目的の1つであった待機児童解消には結びつかず、来年度は相当数の待機児童が生まれるようです。新たに保育所を作ればまた、待機児童が生じるいたちごっこの中で、保育所本来の児童の福祉という大きな使命が徐々に女性の労働力確保政策とも結びついて保護者の利便性優先にすりかえられているのが実感です。
10月に入ると来年度入所のために大勢の見学者が来るので対応に追われるのですが、ひよこ保育園の保育の特色をしっかりと伝えて行きたいと思います。
☆9月号(2015年9月1日)
天候不順の夏が終わって3期になりました。予報では今週も天候はぐずつくようで、梅雨が戻った感ですね。このところプールに入れなかったので7日のプールじまいの前には大遊びさせたいなぁと願っています。子どもたちはというと雨であろうが晴れであろうが変幻自在、元気印です。
2階デッキの柵の高さを延長・補強しました。鉄棒、ブランコ、のぼり綱、ロープネットなど子どもたちがデッキでも体を動かしてのびのびと遊んでほしいと思う一方で、やんちゃ放題の年齢の子どもたちの2階からの転落というリスクを防止するためです。むろん、子どもたちに対しては「危険なことは自らの判断で避ける」と言う感覚を養ってほしいと願いますし、保育の中で伝えて行くべき重要課題であるとは思っています。
園舎新築当時、意匠を凝らして設計したので至る所に美観を重視したルーバーを設置をしていましたが、東日本大震災の経験から頭上落下物となりえる構築物や保育に不要な物は撤去し安全性を追求する作業を続けて行く中で、2階デッキのルーバーも取り外しましたが、鉄骨は本体と一体化していて頑丈なので有効利用して様々な遊具を設置しました。
広い公園と同じとは行きませんが、それでも子どもたちは喜んで遊んでくれています。男の子たちの好きな遊びに戦いごっこがありますが、年齢が上がるにつれて有り余るエネルギーをこれらの遊具でチャレンジしたり技を磨いたりと自分を乗り越える経験に高めてほしいという願いでもあります。
最近幼い子どもたちが犠牲になる事件や事故が多く発生しています。マスコミではいろいろに犠牲者の家族のことなど取りざたされていますが、将来へ夢と希望をたくさん抱いた幼い命が言語に尽くすことのできないほどの悲惨さですべてを奪われたことは本当に痛ましく、ひよこ保育園に繋がる子どもたちは何があっても事件や事故の巻き込まれることがないようにと園外保育の在り方、安全を今一度確認しています。また、保育中に子どもたちの話を耳にするのですが、子どもだけで外に出かけたり、長時間留守番しているなどあるようです。昔ほど御近所の人間関係が親密ではなくなっている昨今は、危険がいっぱいなのではないかと危惧します。
報道によると子どもの事件はほとんどが深夜か早朝に発生しているようです。子どもが巻き込まれるにはそれぞれ家庭にいろいろな事情があってのことだと思うと同時に、家庭の在り方が子どもにとって平和的でなくなっている背景は経済優先の国の在り方と無縁ではないと思います。
親だからと言って子どもの見守りを完全にできる時間的体力的余裕はなく、かといって保育園も目いっぱいという状況にでは一体子どもたちをどうしたら守れるか、「自分の身は自分で守れ」と教育するのがいいのか、考えどころです。
☆8月号(2015年8月3日)
夏の一大イベント「なつまつり」が終了しました。台風のため天候の予測が立たず、テント張りなど取りやめての実施でしたが大きな不都合なく、子どもたちはゲームやくじびきなど大はしゃぎでした。保護者の方から「チューペットがおいしい」との感想をいただきましたが、カレーやバーベキューの味はいかがでしたか?友達の家族とも入り混じってワイワイと食べることは子どもにとって、大きな楽しみですね。事前準備、当日の任務分担などご協力ありがとうございました。保育園の周辺では毎週末どこかでお祭りが行われているのでご家族で夏気分を楽しんでください。
猛暑が続いて連日、光化学スモッグが発生しているので保育はもっぱらプール遊び、湯水遊びですが各クラスとも年齢に応じたバラエティーに富んだ遊びが提供されていて子ども同士でやり取りし工夫しながら活発に遊んでいます。たっぷり遊んだ後は給食室心づくしの給食を食べて程よくクーラーのきいた部屋でぐっすり眠っています。他家の洗濯物や布団に水が掛からないように、ベランダでの水遊びさえ控えなくてはならないという声や長い夏休みを持て余す小学生の話を聞くたびに、のびのびと保育園で過ごす子どもたちは恵まれていると思います。熱中症が昨年の倍というデータがあるようですが、おとなでもきついこの暑さは子どもにとっては更に厳しいので、元気いっぱいに遊んではいますが、生活にメリハリをつけて休養することの大切さも心していきたいと思います。
☆7月号(2015年7月1日)
空を見上げて雲の様子を気にかけることの多かった6月でしたが、くじらぐみのお泊まり保育・遠足を無事に終えることが出来ました。短期間のうちに3回もお弁当を作っていただきありがとうございました。来春、就学を控えたくじらぐみは周辺の地域や自然を知るという目的でお昼ごはんをまたいで長時間の園外保育の機会が多いので、今後も時々のお弁当づくりよろしくおねがいします。毎日、散歩に出かけているので、子どもたちは健脚で1時間程度の距離を往復して目いっぱい遊んでも帰園後はすぐにリセットしています。最近、他の保育園との交流の機会が多くありますが、好奇心旺盛なひよこの子どもたちは体力と遊ぶ気(?)が特にたっぷりなようです。
待機児対策で保育園作りが急ピッチで進められています。園庭がない、ビルの中など保育園には不向きなところも多くありますが、泥んこ遊びはさせたくない、紫外線には当たらせたくない、室内でのしつけ教育や早期教育に魅力を感じるなど、おとなの価値観が自由で多様な中でそういう形態の保育園が却って人気のある保育園になるのかもしれません。
安全保障関連法について政府与・野党、学者・研究者始め多数の一般市民が論戦を交わす事態となっています。日本の戦後から現在にかけて70年にわたる時間の経過の中で先人によって築かれ、勝ち取られてきた平和主義や思想、国民の自由な生活と意識は、この先どうなっていくのでしょう。
子どもさんを送迎する時の保護者の皆さんの様子から、幼い子どもを育てながら働き続けることがどんなに大変なことかと、お察ししています。自分も同じだったのかもしれませんが、大変なことはあまり覚えていません。夜に会議がある日には夕食をカレーにしなかったことだけ妙に覚えています。カレーが嫌なイメージの食べ物になってしまっては困るから、というのが、単純な頭脳の持ち主の理由でした。老夫婦世帯となった今では平気でレトルトカレーですが!
ストレスの多い職場、手のかかる子どもたち、と慌ただしい毎日にホッとする間がないのが実感と思われますが、ひとたび戦争の時代になってしまうなら、そんなことが全て大切な宝物の時間としての思い出になるのだろうなと思います。それほどに戦争は怖い、悲惨な体験なのだろう、子どもたちを戦場に送りたくないと強く思います。
☆6月号(2015年6月1日)
5月9日(土)に佐江戸消防出張所署員・消防団員の指導のもと、親子防災訓練と園児引き取り訓練を実施しました。煙ハウス・水消火器や消防車試乗・消防服試着など子どもたちが喜ぶ内容を混ぜながら、約1時間かけて22家庭の参加者全員が体験しました。子どもの引き取りを行った後、ランチルームでAED実習や減災についてのお話を伺いました。大地震の被害想定が厳しく見直された折、消防所長も熱を入れて話して下さり、終了予定時刻が大幅に伸びてしまいました。毎年、同じように実施しているのでマンネリ感は否めませんが、それでもアンケートに「今後の実施が必要」として下さる方がほとんどですので、内容を検討しながら今後も継続していきます。アンケートをまだ提出されていない方はぜひ、率直なご意見を頂けますようお願いします。保育園は様々なご家庭が集う所ですので、下さるご意見も様々で一つにまとまらないですが出来るところから反映していきます。
鹿児島県口永良部島が噴火しました。最近、御嶽山や桜島、箱根山など火山活動が活発になり地震の不安をあおっていますが、地震王国日本の中でもとりわけ「地震の巣」と言われる首都圏で首都直下地震発生の際の横浜市の被害は延焼火災などで断トツだと言われています。保育園の子どもたちは災害時には自分一人ではどうにもならない災害弱者ですが、万一、保育園開所時間内に大震災が発生した場合には、職員は全力を尽くして子どもたちを守りますし、ご家族の身元に最後の一人を引き渡すまでは子どもたちを安全に安心して過ごすことに全責任を負います。そのためにも保護者のみなさんのお知恵を借りたいと思う所です。
☆5月号(2015年5月1日)
一昨日の昭和の日、第13回ひよこまつりを行いました。すっきり晴れて心地よい中、在園児やご家族が大勢集まりました。26年度の卒園児もみな来てくれて、子どもたちばかりかお母さん方も再会を喜んで話に花が咲いている様子に忙しいけれど行事をすることの意義を改めて感じました。手作りおもちゃコーナーやアイロンビーズ、ヨーヨー釣りなども盛況でしたが、今回は日差しがほどほどだったこともあってか、園庭で走り回って遊ぶ小学生の姿に、普段はちょっと大人びた様子を見せながらもまだまだ無邪気なところがたくさんあるんだなとほのぼのした気分になるとともに、卒園して何年もたっているのに覚えていてくれて足を運んでくれる子たちがいるからには「いつまでも保育園が子どもたちの心のふるさとであり続けなくちゃ」と思いました。
また、早朝よりターフ張りをして下さったお父さん方、本当にありがとうございました。昨年度末で退園した子どものおじいちゃんも一番乗りで駆けつけて下さり大感激でした。その方々のおかげですべての園児たちが紫外線から守られることになるということを皆さんに知っていていただきたいと思います。
今年度から新制度になり、少子化は着々と進んでいるようですし今後どのように運営していくか悩むところではありますが、そんな気分を一掃してくれるのはいつも子どもたちの笑顔です。子育て支援という言葉が頻繁に使われる昨今、やっぱり子どもたちの幸せを第1に考えて保育園を続けなくちゃ!と思う頑固な園長です。
☆4月号(2015年4月1日)
入園・進級おめでとうございます
春分の日に第12回卒園を祝う会が行われ、22人の子どもたちが卒園しました。いつもとは違う服装で緊張した面持ちの子どもたちはひとまわり大きくみえて、ランドセルを背負う姿が目に浮かぶようでした。残り1週間となった日々、4月には小学生になる子どもたちが、保育園での残された時間を大切に過ごしている様子をほほえましく見ていました。
今、保育園横の遊歩道はこぶしの白い花が満開です。秋には赤い実が子どもたちのおままごとにたっぷり登場します。靴を履いて歩き始めるころから毎日、園外に出かけては沢山のおみやげを持ち帰ってくる子どもたちですが、幼児になって少し足を延ばせば、竹林で探検遊びできる川和市民の森、一面の雪野原でそり遊びを楽しむ月出松公園、頂上からの見晴らしがすてきな川和富士公園など、近隣環境には事欠かないひよこ保育園です。室内での遊びも十分に楽しんでいますが、この恵まれた環境をもっと使いきって心と体を開放して遊び呆けなくちゃもったいない!
子ども・子育て支援新制度が始りました。いろいろな手続きの流れや運営費・補助金が変わりますので保護者の方にかかわるところは順次お知らせしていきます。
新制度についての検討と並行して昨夏以来、求人活動に多くの時間を割いてきました。以前ひよこ保育園で働いていた職員に再就職を打診したり、手作りの求人案内はもちろん有料の地域情報誌、インターネット求人サイト、新聞折り込み広告、自治体広報掲示板などいろいろ試しましたが、おかげ様でどうにか職員も集まって新たな気分で新年度の保育が始められることになり、ひと安心しているところです。
保護者としては顔見知りの保育士がいなくなってしまう寂しさやら、新入職員に対する不安など多々あるとは思いますが、子どもたちの保育については質の低下がないように、保育者みんなで総力を挙げて頑張ります。「保育はチームプレー!」といつも心してきましたが、保育士が大量に交代した今年度こそ、正にこのことをスローガンに掲げて行きます。加えて何よりもそのひよこ保育園チームに大勢の保護者のみなさんが参画してくだされば、怖いもの無しです。
☆3月号(2015年3月2日)
今年度最後の月になりました。例年今頃になると感じることですが、くじらぐみの子どもたちはここに至って、成長の節を一つ飛び越えつつあります。子どもながらに長年通った保育園、毎日何気なく顔を合わせていた友だちや保育士たちとの別れが近づいていることを、大人以上にシリアスに受け止めているのでしょう。にこにこ笑顔でふざけながらですが、突然「おせわになってありがとうございます」とくじらの女の子に言われて、びっくりしました。いつの間にか、そんな言葉を遣えるようになっていたのですね。
川崎市で起きた中学1年の少年殺人事件の報道に、この数日、胃のあたりが重苦しく吐き気がするような気分がしています。昨年まで小学生だった幼い子どもの死はたとえ不治の病としても辛い事なのに、ましてや暴行の揚句に命を奪われるとは筆舌に尽くしがたい悲惨です。なぜそんな目に合わなければならなかったのか、そして加害者はどのような生い立ちなのか。犯罪心理学者や精神科医がこれから事件の核心を探っていくのでしょうが、被害者と年齢のさして変わらない子どもたちと日々接している保育者にとっては他人事ではありません。友だちと関わって、嬉しそうにはしゃぐ姿や自己主張のぶつかり合いからけんか相手に手を出している姿など、子ども同士の素のままを目にしている保育者にとっては、子ども時代にはそのようななまなましい関わりをたっぷりと経験して欲しい。笑ったり泣いたりしながら人間という存在を肌と肌で感じ取ってほしいと願います。インターネットやゲームの有害性が語られて久しいですが、仮想空間にふわふわと漂う現実に存在しない人間でなく、怪我をすれば血が出て、痛くて泣くし、手をつなげば温かいのが人間である事を知ってほしいと願います。子どもたちの一人としてこのような犯罪の被害者・加害者にしてはならないと切実になります。
毎日の何気ない生活で、全ての子どもが自分に自信を持って安心してのびのびと過ごせること、同時に友だちも自分と同じように大切なのだと気づき、関わりを深めて行くことを今後も保育の最も大事な目標として掲げたい思います。
国において新制度による保育が始まる平成27年度は、ひよこ保育園にとっても新たな出発になる年度です。果たして子どもたちの最善の利益を全職員が実現しようと心しているか。そもそも子どもの最善の利益とは何なのか。今までの12年間の保育実践はどうだったのか。きちんと自己評価をしていかなければと思っています。保護者はどう感じておられるか、先日配布した重要事項説明書を読み、ご意見を頂ければ幸いです。1年間、ご理解ご協力ありがとうございました。
☆2月号(2015年2月2日)
やっぱり降りましたね、雪が。昨年2月の大雪ほどではないにしろ雪に不慣れな者にとっては緊張する冬の事象の1つです。空からちらちら舞い降りる雪を恨めしく見上げながら「雪かき・凍結・転倒」と否定的な言葉ばかりが脳裏に浮かんでしまいます。
子どもたちはというと朝から大はしゃぎで、くじらさんは早速、そりをもって月出松公園に出かけて行きました。自分もこどもの頃には雪が降るとわくわくしたものだったのに、いつから厄介に感じるようになってしまったのかな、と思いますが、おとながみんな、そうなのではなく、雪を見るとスキーやスノボーを思い浮かべる人、万年青年・生涯青年もたくさんいらっしゃるのでしょうね。
今月は節分とみんなのわくわくステージがあります。節分では子どもたちは鬼に向かって豆(子どもたちの製作物)を投げつけ、退治するという大仕事をすることになります。世にも恐ろしい形相の鬼を打ち負かした子どもたちは(怖さのあまり固まってしまったり、泣きじゃくっている子もちらほらですが)強い自分にさらに自信をつけて、給食の焼イワシを頭から丸かじりするほどです。ほんわかしたことばかりでなく、時にはほどほどの怖い体験も楽しさのうちかなと思い、毎年行っています。
わくわくステージではみんなで力を合わせて出し物を完成させること、人に見てもらうことを経験をします。保育園で過ごすあいだに、子どもたちが自分の力で友達と関わりあいながら確立しているその子らしさや自我が、何気ない表情や、仕草、友だちとのやり取りに表れていると保育士は気づきます。
いろいろ行う保育園での行事では子どもたちが楽めること、一生懸命になれることを最優先にしていますが、保護者の方には、主としてテレビモニターや写真で様子をご覧いただくようにしています。ご家族団欒の時やお風呂に入っている時など子どもさんに保育園での出来事など聞いてみてください。子どもさんの成長ぶりに驚かされることが満載ですよ。
☆1月号(2015年1月5日)
あけましておめでとうございます
長い年末年始の休園日が終わり、新しい年の保育が始りました。皆さんのご家庭ではどのように過ごされましたか。就労のご家庭も多々あったことと思いますが保育園では長い休みをいただきありがとうございました。私は年末に一泊で足柄に行き、帰りに江の島に寄ってきました。案の定、休みに入ったとたん、孫たちが体調不良になり深夜救急診療を受診するなど不安材料はありましたが、どうにか行動をセーブして娘や息子の家族全員、総勢10名で行くことが出来ました。
孫は半年前から「みんなで温泉に行く!」ことを楽しみにしていたので行けてよかったです。家族がそろうこと、みんなでおいしい物を食べること、わいわい言いながらお酒を飲むこと、テレビでお笑い番組を見てゲラゲラ笑うこと、そんなことの1つ1つがやはり年末年始の特別の日なんだなぁ、心がリラックスしているんだなぁとつくづく思いました。保育士たちも帰省して、リフレッシュしました。また元気に励みます。
さて、2015年は干支で言うと未年(羊年)ですが、羊は群れをなして行動するため、家族の安泰や平和をもたらす縁起物と言われるそうです。確かに羊は穏やかな風貌で動物園では子どもたちに人気のある動物ですね。今年は4月からいよいよ子ども子育て新制度の導入が始まりまりますが、日本の保育制度が始まって以来の大きな変換ですので、運営の要となる運営費の請求方法や様式の変更など大混乱が予想されます。
国も混乱ですがひよこ保育園でも、以前お知らせしたとおり、3月末で10人の職員が退職、など今までに経験したことのない試練に向き合います。現時点では子どもたちの保育が損なわれることのないように職員採用や保育室環境、園庭環境を整えることに全力を投入しています。保育は人が命ですし、しかも個人の力以上に職員集団の底力がものを言うと思いますので、やはり職員同士が保育について語り合い、高め合うことが大切と思っています。
そういえば都筑ひよこ保育園が加賀原で開所した時も羊年だったので干支が一巡したのですね。心機一転、がんばります!
☆12月号(2014年12月1日)
先週末より長雨が続いていますが、ちょっとした晴れ間にひかれて昨日、立川の昭和記念公園に紅葉を見に行きました。あいにく次第に青空がどんよりと雲に押しやられたように消えてしまいましたが、広大な敷地に銀杏の葉の黄色と紅葉の赤、常緑樹の緑がバランスよく映えてきれいでした。何より生まれて間もないような乳児をつれた家族連れも多く訪れていて、お兄ちゃんやお姉ちゃんと思われる子どもたちが銀杏の葉の雨を降らせたり、広い芝の上を走りまわったり、とほのぼのとした光景でした。今週はいよいよ冬将軍到来とか・・・。本格的に寒くなる前に、赤ちゃんが生まれたことで何かと我慢を強いられることの多い上の子たちにも楽しいひとときを、と思ってのことか親の方々の表情がにこやかで、なんだかそんな家族連れを見てホッとしました。でも、きっと平日はそんなおかあさん方も仕事に追われて子どもたちに「早く!早く!」と連発しているんだろうな。子どもたちは保育園での長時間保育で平日、おうちではゆっくり過ごす間もない生活なんだろうなと、子育てしながら働くことが如何に大変なことかと思いを馳せてしまいました。
衆議院解散、総選挙、消費税増税先送りと、また年末に来て慌ただしくなってきました。来年度4月、消費税増税を見越していよいよ子ども子育て新制度がスタートすると伝えられてきましたが、この先どのようになるのか、税収が不足する中、医療や介護もどうなっていくんだろうと不安になります。
都筑ひよこ保育園の運営において、園長としてはあらゆることの判断基準を先ず「子どもにとってどうなのか」という視点を中心に据えて来ました。目の前の子どもが安心して過ごせる保育園に向かっていきたいと思いながら30年来保育を続けて来ましたが、果たして最近の子どもを取り巻く風潮の激しさに、「子ども優先」という保育の生命線がともすると脅かされてしまうのではないかと危惧しています。
人は十人十色、みな大切に思い、守りたいと思うものは違いますが、国レベルでも文化や国民性の違いに依るのでしょうか、子どもを始めとして弱い人々に遣うお金の額も国によってずいぶん違うようです。日本は本当に子どもたちを大切な国の宝と考えているのかと、最近の保育所をめぐる混乱した状況に直面して感じています。
☆11月号(2014年11月1日)
運動会・芋ほりと秋の行事を経験した子どもたちは、まだ余韻を楽しんで遊んでいます。運動会では練習の時にはなかなか見せない真剣な表情で、「さすがひよこの子たちは本番に強い!」と改めて思いました。練習の中ではみんなと一緒にしなくてはいけない、出来なくてはいけない、ということが大なり小なりストレスになっているのでしょう。幼いながらに輪の中からはみ出してみたり、保育士の指示に従おうとしなかったりすることで、自分の落ちつかない心持を表現しようとしているのかもしれません。保育の振り返りの中で「葛藤体験」という言葉がしばしば遣われますが、子どもとて、周囲から褒められ認められる立派な姿になりたいという願いと、素のまま、ありのままに振舞いたいという気持ちのはざまで揺れながら過ごしているように感じます。やんちゃでききわけない子どもの表面的な姿ばかりにおとなが気をとられるのではなく、葛藤しながら今を懸命に生きている姿としておとなが共感しながら寄り添い関わるときに、ちがう局面が拓かれたりするのかと自問自答しながら子どもたちと接しています。
横浜市は待機児童解消に向けて保育所をたくさん新設していることから、保育士不足が深刻となっています。ひよこ保育園でも先月お知らせしたように、27年度に向けて保育士の求人を行っていますが、いろいろな媒体を利用して募集しており徐々に見学者が来ています。近隣に2か所が新しく開園しますが、保育所により保育方法は様々ですので、新卒・既卒問わず、十分に事前見学して自分のしたい保育かどうか検討して欲しいと願います。
保育という仕事は奥行きが深く、学ぶことがたくさんで、生涯の仕事としての意義があるということ、ひよこ保育園の子どもたちは元気いっぱいで、一緒に過ごす時間は楽しく、保育士にとっては学びの宝庫であり、元気の源となっていることを伝えたいと思います。来年4月からの保育は保護者の皆さんと子どもたちに不安の無いように、十分に準備し整えたいと思っています。
☆10月号(2014年10月1日)
大自然の脅威を目の当たりにする災害がまた起きました。木曽・御嶽山の噴火で犠牲になられた方々、また、突然の不幸に心身とも疲弊されているご家族の方々にはなぐさめの言葉も見つかりません。昔から「おやま」と親しまれ、民謡でも声高らかに唄われてきた名峰が牙をむいたということ。現代科学をしても予知は難しいということですから、人間の力の及ばないところがいかに多いか。大勢の子どもを任されている私たちは、日常の暮らしで出来るかぎり、危険回避をこころがけていかなくてはと、改めて思います。
10月に入り、平成27年度の保育所入所申込書配布が開始します。来年度は子ども・子育て支援新制度がいよいよ始まりますが、保育所運営の当事者である私たちにも十分な理解が出来ているとは言えない中で、保護者にも不安があるのではないでしょうか。横浜市による意向予備調査では都筑ひよこ保育園は従来通りの児童福祉法24条1項による保育所として運営すると回答しました。幼稚園、保育園、認可外保育施設などすべての子どもに関わる施設の大きな転換に対面する年になるわけですが、いたずらに不安を増大させることなく、正確な情報を収集しながら、今までコツコツと営み培ってきた「私たちの保育」に自信を持って冷静に対処していきたいと思います。
☆9月号(2014年9月1日)
蒸し暑くて、今日をどのように健康に過ごすかが大きな課題である夏が終わりました。先週以来、気温が下がり、野菜の価格が高騰しているようです。ご家庭の食卓や保育所の給食では食材の調達に気をもむところですね。
今日、9月1日は国で決めている防災の日です。昨日から、各地で行われている防災訓練の様子がTVで流されていますが、最近では広島で起きた広域の土砂崩れと被害の状況が記憶に新しいところです。大きな災害が実際に起きると必ず、発災以前から起きていた微細な兆候についての情報が取りざたされますが、横浜市内にも各地にある土砂崩れ危険個所など、何よりも人命尊重が優先されるべきですから対応策をとってほしいと思います。
保育園の周辺には小さな自然が多くあり、子どもたちにとっては多くの発見や驚きの宝が満載なのですが、その分、保育者たちは自然の怖さにも鈍感でいてはならないと心しています。ひよこ保育園では当たり前になっていて、日常のことではありますが、毎日当然のこととして行っている園外散歩では、急斜面に面した道を通らないなど大雨の後は目的地に十分注意をしたり、雷、竜巻の情報を正確にキャッチして伝えるなど事前準備が大切と思います。
阪神・淡路大震災の後に、被災者の体験から「減災」という概念が生まれました。「防災」が被害を出さないことを目指す総合的な大きな取り組みであるのに対して、あまりに大きな自然災害に対しては限られた予算や資源では対応しきれないので、平常時の被害を減らすための取り組みが人命尊重につながるという経験から生れた概念だそうです。ひよこ保育園では消防署による防災訓練のたびに「減災行動のススメ」という小冊子をいただいていますが、そこには東日本大震災の教訓から@まずは、地震が起きる前にやらなければいけないことを知り、備えをしっかりしておくこと。A次に、実際に地震が起きた時の対処方法を知っておくこと。Bそして、地震が起きた後の対応を知り、適切に行動することが「減災」に直結すると言っています。保育園では産休明け生後57日目の乳児から満7歳近い幼児まで130人ほどの子どもが集まってくるのですから、減災対策について再検討していきます。お気づきのことがありましたら指摘して下さい。
☆7月号(2014年7月1日)
「経済協力開発機構(OECD)が調べた国や地域の中で、日本の中学校の勤務時間が最も長いという結果が出た。クラブ活動の顧問をしたり、事務書類をつくったりと、授業の他の仕事が少なくない。生徒にとって中学校の3年間は瞬く間に過ぎるが、次々と送り出す教師の役割には終わりがない。日本の先生は忙しい。夜更けの部活も早朝練習も、いつもそばに先生がいた。それを当り前だと思っていた。叱られて、時にはうとましく感じた。大人になって振り返れば、恥じいるばかりだ。熱心な教師との夏がなければ、物理学者寺田寅彦は誕生しなかったかもしれない。ひたすら上を見て咲く凌霄花(ノウゼンカズラ)に街角で出会い、我が師の恩を思う。」(6月27日 日経新聞 春秋より引用 )
苦手だった算数を夏休みの間、熱心な教師から根気よく教えてもらった物理学者寺田寅彦の子どもの頃のエピソードを紹介しての記述ですが、休みも全く取れず、ひたすら働く中学教師を家族に持つ者としては全く同感に思います。
最近、マスコミに教師や警察官などの不祥事がとりあげられることが続いており、不信感を増長している印象ですが、自分の時間を削って職務に忠実に、研究熱心に取り組む人たちを私は身近に大勢見ていますし、そうでなければ日本の子どもたちの将来は大変悲観的だと言わざるをえません。ただし、教育環境が欧米と比較して劣悪と言われる中、職務の遂行を支えて行くのは地域であり、子どもたちの親であるのは自明であり、対立ではなく協調が求められるのでしょう。
おとまり保育でのくじらぐみの子どもたちは広い遊び場で思う存分遊んだり、親と離れて一人で泊まるという生活体験の中で、ひとりひとりがいろいろな個性を持っていること、これからの成長に伸びしろを沢山蓄えていることを改めて示してくれました。そして、子どもたちの周りを包む時間と空気によって、子どもたちの育ちはいか様にも変幻自在なのだなと今更ながら学ばせてもらいました。お忙しい中、子どもたちとの時間を作って下さった4人のお父さん方には本当に感謝です。これからもよろしくお願いします。
☆5月号(2014年5月1日)
ぎりぎりに天候が支えられて12回目のひよこまつりを行うことができました。テントやターフ張りには大勢のおじいちゃんやおとうさんに活躍していただいて大助かりでした。また、おかあさん方は初めてのフリー・マーケットを開いてくださり、大にぎわいでしたね。地域の子どもたちも大勢来てくれて受付の記帳集計では全体でこども251名、おとな 152名の参加でした。毎日仕事にお忙しいにもかかわらず、準備や当日のご協力ありがとうございました。
卒園児たちは友だちとの再開に嬉しそうな様子でしたし、初対面の小学生の中には保育士が椅子や机を移動していると進んで手伝ってくれる子もいたりして思いがけない異世代交流もできました。ちょっとした気持ちの持ちようと積極的な振る舞いが他人の手助けとなった経験は彼らにとって大きな財産になると感じました。
行事のたびに保護者の方には「参加と協力」のお願いをしていますが、わずらわしく感じている方もいらっしゃると思います。「保育料を払っているのだから手伝う必要はない」、「保育所の業務だから保育士が全てやるべき」という考え方があることは承知していますが、それでもあえて毎度、協力のお願いをしています。なぜなら、都筑ひよこ保育園では保育の根っことして「保護者と共に子どもを育てる」ことを大切にしているので、日々の保育にしても行事においても保護者の方々に積極的に参画していただき、ありのままの子どもの様子や保育の状態をご覧いただいて、率直なご意見をいただきたいのです。乳児クラスの母子通園もしかり、です。
日本において戦後より営まれてきた保育は物質的にもなにも整っていない厳しい状況の中で、心ある保育者たちの身を削るような努力と子どもたちへの思いで紡がれてきたと、書物で目にします。保育室やおもちゃ、絵本など貧しい中で少しでも子どもたちが平和に、豊かに育つようにと先輩の保育者たちは街頭に立って訴えたり、行政に働きかけたりと生き生きと働き続けて、今日の世界に誇れる保育の思想を築きあげてきたそうです。
飽食ニッポンと言われるほど物質的に豊かになったと言われながら、児童虐待や育児放棄が蔓延している現状や親が子どもと過ごすことが苦痛であったり、モノに頼らないゆったりとした生活を不満に感じざるを得ない風潮は一体どこから派生しているのだろうと思うと同時に保育所の担うべき責任は重いなぁと感じています。
☆4月号(2014年4月1日)
春が来て日差しがポカポカと心地よくなるとエントランスのかめきちも待ってましたとばかり、首をぬーっと伸ばしてあたりを見回しています。冬の間、固い殻の中に手足をうずめてじっとしている様は、こたつの中から頭を出している自分とぴったりかぶって、親近感を感じていました。桜の開花が聞かれる頃は子どもたちも自然と縮こまっていた手足を思いっきり動かして走りたい欲求に駆られるようで、外遊びから戻ってくる声が一段と弾んでいます。子どもが子どもらしい時間を過ごせて、おとなも子どもたちの元気な顔や声を見聞きして、活力をわけてもらえる保育所は地域になくてはならないいい所だなぁと思います。
世の中はいろいろな事件が多発して子育て中の親を不安にさせています。先日、新聞折り込み広告の中に「子どもの見守りサービス」というのがありました。数年前には同じ会社が「高齢者の見守りサービス」のチラシを入れていたなぁと思いながら見てみると、学校や塾の行き帰りに駅の改札を通るときにカードをかざすことによって保護者の携帯電話やパソコンに通知される仕組みで、子どもがどこにいるか逐次把握出来ることで働く親の安心を保障し、ニーズにぴったりと適合するシステムであるといううたい文句でした。親は安心かもしれないけれど、小学校高学年ともなれば、少々窮屈で不自由に感じる子もいるだろうなぁとも思います。自分が小学1年生のころ、親に黙って都バスに乗って一人で遠くまで行った時の冒険心に満ちたわくわくした気分は今でも鮮明に覚えています。体がとても小さかった私を幼児と思った交番のお巡りさんが心配して当時の小児運賃だった10円玉をくれて自宅方面へのバスに乗せてくれたこと、親には怒られたくないので黙っていたことなどセピア色の思い出です。
日本が超高齢化社会と言われて久しいですが、定年を迎えても元気な団塊シニアはそれこそ大勢いるのですから子どもたちや後期高齢者と言われる方々の安全安心の暮しに貢献できること、社会的評価の枠組みができるといいかなと思います。ひよこ保育園でもおばあちゃん世代、お母さん世代、お姉さん世代と年齢層に幅が出てきました。体力、気力ともますます充実させるべく努めたいと思っています。
今年度もまた子どもたちを真ん中にしてより良い保育園にしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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