◆ 伝えよ ◆ | ||||||||||
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2002/06/00 発行 「鬼のように面白いアイデアが思い浮かんだ!」 「泣ける・・・このシナリオなら・・・いけるぞ!」 「渋い!このキャラ最高!」 「すげぇ!素敵なシステムを実装できたぞ!」 さてさて・・・ RPG制作を続ける中で、制作者が上記のような場面に遭遇する事は多いに有り得るでしょう。 しかし!しかしです! そんな制作者の血と汗と涙の結晶であろう 「面白いアイデア」も 「泣けるシナリオ」も 「渋いキャラ」も 「素敵なシステム」も・・・ その良さがプレイヤーに伝わらない事には絵に描いた餅だと思うのです。 そこで・・・いかにして伝えるかを考えていきたいと思います。 とりあえず思いついただけリストアップしてから考える・・・という方法が 一人で考える場合に効率が良いという事に最近気付いたので、 今回もそれに準じて話を進めます。 ▼自分が考えた良さをプレイヤーに伝えるには 1.説明文を利用する。 2.とにかく繰り返す。 3.自分が良いと思うパターンにプレイヤーをそれとなく誘導する。または強制する。 4.プレイヤーに判断させ脳髄に叩き込む。 5.プレイヤーに「これが良い!」と思い込ませる。 ふぅ・・・あんまり思いつきませんでした。 どうも要素のタイプ(シナリオ・システム・キャラなど)で、 効果的な伝え方は変わるようです。まぁ・・・当然といえば当然かもしれません。 以下では各方法がどのタイプに向いているかと、具体的にどうすれば良いだろうか?という点について 考えていきたいと思います。 ▼1.説明文を利用する。
伝えたい内容を文章化して表示し、プレイヤーに読ませる・・・という方法。 しかし、文章で物事を伝えるという事は非常に難しいので、 よほどの筆達者でもない限り、この方法はオススメできません。 何よりゲームの雰囲気を壊さないように文章で何かを伝えるというのは非常に難しい気がします。 世界設定にしろ、キャラの個性にしろ、文章だけではその良さの半分も伝えきれないでしょう。 そんな訳で・・・他の方法のサポート的な役割にとどめるのが無難かと思われます。きっと・・・(^^; ▼2.とにかく繰り返す。
とにかく自分が「良い!」と思う要素をひたすら繰り返しプレイヤーの脳髄に叩き込もうという方法。 繰り返される要素は否応なしにプレイヤーの印象に残るので、 それを利用して良さを伝える・・・といった感じ。 「シナリオ」「キャラ」「システム」「アイデア」・・・いずれの場合でも有効な手法のように思えます。 押し付けすぎない程度にサラッと何度も繰り返す・・・きっと口でいう程簡単ではないでしょう。 それなりに熟練が必要な手法かもしれません。 伝達率は高いと思われますので、いろいろと試行錯誤してみると良さそう。 ▼3.自分が良いと思うパターンにプレイヤーをそれとなく誘導する。または強制する。
今回のメイン其の壱。 自分が良いと思う要素またはパターンにプレイヤーの意識を誘導する事で、こちらの思惑を伝えようという方法。 この方法に限らず前述の2つもそうなのですが、自分自身が「これはこうだから良い!」を 理解していないと、これらの方法は使えません。 漠然とでも良いので「これだ!」を押さえておく事が必須になります。 しかし、要点さえ押さえてしまえば後は簡単です。 自分が「良い!」と思う要素やパターンをこなさなければ先に進めないとか良さに追従するプレイスタイルだと楽になるといった方針で 制作を進めれば良いだけです。 この方法は、どちらかと言うとプレイヤーが「良さ」にひっかかるのを待つ的な方法なので、 押し付けない程度にプレイヤーを誘導する方向で考えを煮詰めると良さそうです。 強制するのも悪くはないのですが強制している事がバレると台無しになりかねないので バレないように上手く強制してあげるのがポイントのように思えます。 この方法は、システムの良さやシナリオの良さを伝えるのに向いていると思います。 折角「これは良い!」と思ってツクるのですから、それが上手く伝わるように工夫したいところです。 ▼4.プレイヤーに判断させ脳髄に叩き込む。
自分が「良い!」と思う要素をプレイヤーに考えさせ決断させる事で、その良さを伝えようという方法。 これもシステムとシナリオの良さを伝えるのに向いています。 まず・・・システムでもシナリオでもプレイヤーに思考させる事を考えてみます。 システムならば、その使い方や攻略法。シナリオならば毎回の行動や選択肢による分岐などが考えられます。 ここでポイントなのは、プレイヤーに「よし。こっちにしよう。」と決断させる事です。 「せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ。」ってな感じで適当に判断させてはいけません。 脳みそを働かせ考え判断した物事は深く印象に残るので、それを利用して良さを伝えようという訳です。 つまり・・・考え判断する余地のない要素には適用できないという事です。 場合に応じて考えていきましょう。 ▼5.プレイヤーに「これが良い!」と思い込ませる。
今回のメイン其の弐。つ〜か・・・コレが出来れば天下とれます・・・きっと・・・(^^; これは良さを伝えるために・・・という観点から大きく一歩踏み込んだ考え方です。 まぁ・・・ぶっちゃけ早い話が洗脳です。 ここまで書いてきた手法(もちろん他にもあるでしょう)をフルに活用し、 様々なベクトルからプレイヤーに「良い!」と思い込ませます。 手段は問いません。犯罪以外ならOKでしょう・・・(^^; さて・・・少々意味不明な文章を書き連ねましたが、 今回、最も伝えたかったのは「制作中は常に伝える事を考える」という事です。 常にプレイヤーの存在を頭の中に置いておく事で、伝達率は大きく上昇すると思います。 上手く伝達率を上昇させる事ができれば・・・ 「10の良さを持つが3つの良さしか伝わらない作品」ではなく・・・ 「4つの良さしかないが4つの良さ全てが伝わる作品」をツクりあげる事ができ、 非常に効率の良い制作を行なう事ができると考えます。 自分の労力を無駄にしないためにも、伝える事に重点を置きながら制作を行なうと良いのではないでしょうか。 以上でした♪ |