弐萬打特別企画



『HR』
〜工藤先生の憂鬱〜











CAST


      





灰原哀


工藤新一


黒羽快斗


吉田歩美


円谷光彦


中森青子


小泉紅子


毛利蘭


白馬探




帝丹高校在校生の皆さん







*友情出演*


服部平次
      











present by

『未完成症候群』
−Lime Uduki−
2003.03.11





『HR』
〜工藤先生の憂鬱〜




「オメーら、さっさと席つけー」
テスト一週間前の、よく晴れたある日のHR。
教卓にはいつものように、工藤先生の姿。
「もうじき二年生になるんだから、ちょっとは大人しくしろよー」
それで大人しくなったら世話ないって。



「黒羽君」
珍しく起きている隣の彼に、前を向いたまま小声で声をかける。
「・・・・・・・・・・・何?」
改まったあたしの物言いに、少し驚いた表情を見せる。
「あたし、工藤先生のことが好きなの」
「・・・・・・・・・・・・だから?」
「だから・・・・・貴方とは付き合えない」
「・・・・・どうしてもオレは無理なわけ?」
「うん」
「随分あっさりだね」
「嘘を、つきたくないの」

自分に正直でありたい。
工藤先生を好きだという自分を好きでいたい。
それを誇りにしたい。

「・・・・・・・・・何か、あったの?」
「別に。フラれただけ」
「じゃぁ、お互いフラれた者同士仲良くしようよ?」
「嫌よ。工藤先生が好きなんだもの」
「強くなったネー」





自分が強いなんて、思ったことなかった。
自分を好きだって、思ったこともなかった。
誰かをこんなに好きになるなんて。
恋がこんなにも苦しいものだなんて。

先生を好きにならなかったら、解らなかった。
知りもしなかった。

だから先生、あたし諦めないよ。
受け止めてくれなくってもいい。
好きな人がいなくてもいい。
そういう対象に見れなくてもいい。

あたしの想いは色褪せないから。

こんな多感な時期だから
本当に好きな人だけを、ずっと好きでいたいんです。



「さーて、学年末考査の勉強しなくちゃ」
「誰かさんみたいに更級日記の作者を管原孝標女(くだわらのたかすえのむすめ)とか書かないようにね」
「・・・・・・・某さんに失礼よ」











to be continued?!











ってことで舞台裏。




えー、大変遅くなりましたが弐萬打企画です。
結構前から準備してたのに、結局こんなにかかってしまいました。
あまりの遅筆に涙が出そうです。



いつかやりたかった高校生哀ちゃんと教師な新一君ネタ。
切ない青春時代を描こうとしたのに。うーん。
登場人物が多すぎてきちんと皆動かせなかったり。
もっと青子や紅子や蘭ちゃんを動かしたかったなーなんて。

本文が珍しい系統(だってギャグじゃないんだぞ)だったので、予告と各章のサブタイトルで遊んじゃいました。
予告なんてふげけるにもほどがあります。本文と関係ないし。
各章のサブタイトルは私の好きな小説とかから取ってみたり、少し変えてみたり。
例えば一話は日向章一郎さんの星座シリーズより。牡羊座が牡牛座に変わっちゃいましたが。
二話のザブタイトル「貴方の高尚な悩み」は『ぼくは勉強ができない』(山田詠美・著)より。
他にもいろいろなところからひっぱってきたので、よかったら探してみて下さい。



今回この話を書くにあたり、日向章一郎さんの星座シリーズを何作か読み返しました。
やっぱり面白かったです。麦倉先生がねー、かっこよいのだよ。
担任が恋人で同居人で婚約者。すごいなー。
ノリミ→哀ちゃん、麦倉先生→新一、リョウ→快斗、幹世→歩美、恭平→光彦、堂島先生→白馬…みたいな。(笑)
当てはめてみると、これまた面白いかも。
星座シリーズは、というか日向さんの小説はすごく影響を受けました。
今でも大好きです。でも続きを書かないのなら完結させてくれー!



それにしても白馬エロいなー。(笑)
彼はやっぱり世界史って感じ。
新一は数学教師とかの方が似合うけど、私が古文好きなので。(そんな理由かよ)



作品中に使われた写真は全部私が撮影しました。
私の母校の写真です。制服も写ってます。
中学も高校もブレザーだったのですよ。
一回くらいセーラー服着てみたかったなぁ。

ちなみに人物が写ってる3枚の写真の中で一枚だけ私自身が写ってます。
二話に使われた足だけ写ってるやつですー。
どれにしたって顔見えてないけど。






最後になりましたが、弐萬打ありがとうございました。
そして某様。勝手にネタ使わせて頂いてどうもすみません。























Thank you for readers...see you again!!




リクエストのあった予告