星屑のステージ










五月四日午前十時。
世間はG.W真っ只中。
しかしコナンは一人家にいた。
おっちゃんはパチンコ。蘭は園子と買い物に。



「何でオレ、一人で家にいるんだ?!」

そんなこと考えてたら、玄関のチャイムが・・・
ドアを開けたらそこには歩美の姿。

「どうしたの?何かあったか?」
「ううん、ちょっと来て欲しいの」
上目遣いの可愛らしい彼女。
「???」












言われるがままに連れてこられたのは博士の家。
「ここ?」
「うん」
何か嫌な予感がした。
(まさか博士のヤツ、また変な薬でも・・・?)



歩美が先に入り、
「いいって言ったら入ってきてね」
なんて言ってきた。

(何やらせる気だよ?)





少し立ってから、中から歩美の声。
「いいよー」

恐る恐るドアを開けたら、何かの爆発音。
その瞬間にカラフルな紙吹雪の嵐。

「な、何だ?!」
きょとんとしてると、」



「「HAPPY BIRTHDAY!!」」
「おまえら・・・・」
見るとそこには歩美、元太、光彦、博士。そして灰原の姿も。



「コナン君、今日誕生日でしょ?」
「みんなで驚かそうと思いまして・・・・」
「いろんな食いもんもあるぞ?」
「みんながパーティーの計画したんじゃよ?」
「驚いたかしら?」
皆口々に言う。





「そっか・・・オレ、誕生日なんだっけ」
「えー?!コナン君、忘れてたの?」
「名探偵さんも自分の誕生日を忘れることがあるのね・・・・」
「そーゆー、おまえの誕生日はいつなんだよ?」
「忘れたわ」
「・・・・・」
涼しげな顔でそう答えた彼女に何も言えなかった。





「まぁ、玄関先でもなんだから中に入りなさい」
「「はーい」」
リビングのテーブルには大きなケーキがあった。
自分の似顔絵まで書いてある。
「あのね、歩美コナン君のためにママに教えてもらってケーキ焼いてきたの!」
「ありがとな、歩美」
嬉しそうな歩美にコナンの顔にも笑みがこぼれる。



「オレもプレゼント用意してきたぜ」
「?」
「仮面ヤイバーの変身グッズだぜ」
「お、おう!サンキューな」
(何に使うんだよ・・・?)
「僕からはこれです!」
緑色のリボンがかけてあるそれは一冊の本だった。
「名探偵になれる本・・・・?」
「えぇ、コナン君にピッタリでしょ?」
「ハハハハ・・・・ありがと」
ちらりと灰原の方を見て、
「おまえは何もくれねーの?」
「後でのお楽しみよ」
クスリと意味ありげに微笑んだ彼女にドキっとしてしまった。
(ちゃんとくれるんだ・・・・・)
そう思ったら、何だか嬉しくなった。







パーティーは夜まで続き、
午後九時。二階のベランダで灰原と二人で話していた。
歩美達は疲れてしまったのか、下で寝てしまった。



「無理ないな、あれだけはしゃいでたもんな」
「彼らに感謝するのね。こんな素敵なパーティー開いてくれたんだから」
「あぁ・・・」

まだ夜の風は冷たい。
その風が彼女の髪を揺らし、シャンプーのいい香りがする。
何故かドキドキしてきた。
胸の鼓動を隠すように、わざと明るい声で聞いてみた。




「そういえば、まだおまえからプレゼントもらってねぇけど?」
「あら?そんなに欲しかったの?」
余裕の微笑みに、グッと詰まってしまった。
そう言い返されちゃ何も言えない。

「べ、別にただ気になっただけだよ」
「そう?じゃぁ、せっかくだからあげるわ」




















冷たい夜空をバックに、
星屑のステージ。
そして彼女の優しいキス。























「な、何?!」
驚いて、声が裏返ってしまった。

「だから誕生日プレゼント」
「だからって・・・・おい・・・」
頬が真っ赤なのが自分でもよく解る。
その割には彼女は冷静だ。

「何でおまえそんな・・・・」
「貴方だからよ」
にっこり笑って彼女は部屋に入ってしまった。
一人残されたコナンはただただ呆然。











「女ってやっぱわかんねー」























Happy Birthday to Shinichi&Conan