アンテナ建設記

 

1.はじめに

コールサインを復活させて1年半、高校の仲間と作った「クラブスラッシュ」も 再登録し「コンテストのクラブ対抗部門で何とか上位に」と目標は出来たのですが、 肝心の電波が飛ばない。 そこで、思い切ってタワーを建てることにしました。

着想は半年前の2000年10月頃からで、資料集めを開始しました。 30年前のシステムは今はなき旭無線(旭川市にあった会社でその当時は 鉄道便で北海道よりはるばる送られてきた)のOKタワーという 2.75m×6段の自立タワーに、モーズレーのMCQ−3Bというキュビカルクワッドと3.5と7の短縮ダイポールでした。 穴掘りはプロの方を頼みましたが、その他は、今は亡き親父と無線仲間で生コン練りから行いました。 もうあの思いはしたくはないが、お金も掛けたくない。 それにしても残念だったのは、家を新築したとき基礎工事だけはしておけば良かった ということです。

クランクアップタワーは前の保守経験より当然の選択でしたが、機種の選定が問題でした。 カタログを数社からとりましたが、同じような価格でした。 無線で使用者からの生の声を参考に、「実績のある業者の売れ筋を買うのが間違いない」が結論でした。

と言うわけで、FTI社のFDX−472Jに機種は決定しました。 元はUSタワーの4段クランク式に国産のモータ、配電盤を付加したものです。 オプションのリミットスイッチ、ケーブルクランプ、ローテータ台が標準で付いている お買い得?品です。 3月20日に見積依頼書を送付しました。必要事項を箇条書きするのですが、 見積には来ないようでしたので、後でトラブルのない様に建設場所、コンクリート搬入経路等を写真に撮って添付しました。 3月27日に見積書が送付されてきました。 消費税込みで、1460k弱でした。予算(あってないような物だが)からアンテナ代が でないと、プリセットコントローラ、残土処理代(庭に撒いて貰う)、アンテナ取付配線工事を省きました。アンテナはマストへの取付工事をサービスして貰いました。 これで1200k強となりました。 FTIのリンクページで見積が詳細に出ている方よりは、代理店抜き分安いようです。

FTI社の営業窓口は阿部さんでした。4月始めに工事を正式発注しました。 その結果、基礎工事4/10(火)、建柱工事4/20(金)と決定しました。 建柱に併せてアンテナの選定を行いました。HFのアンテナはクレーン使用が前提なので 建柱前に組み上げておく必要があります。 アンテナに関しては、この後の顛末があります。別記するとして、フォース12社の C−4XL(C3とEF−240Sが同一ブーム)とEF−180Sを選びました。 コンテストの為、多くのバンドに出たいが庭はすっきりさせたい。(ワイヤーアンテナは はりたくない) 30年前を考えると、7mの2エレと3.5mのロータリダイポールは夢の世界ということもあり無理をしました。 アンテナは野田のEDCに4月4日に発注して、2日で届きました。 組立とアンテナコートを塗布する作業はバルコニーで行いましたが、リニアローディング形式のアンテナ組立は、容易ではありませんでした。4/20にギリギリ間に合ったと 言う感じです。逆にいえば、FTIさんに頼んだら、FTIさんが側が間違いなく見積ミスをしたと思います。

2.基礎工事

基礎工事の4/10当日は、運良く快晴でした。10時頃、FTIの塩野さん、庄司さんが来宅されました。 事前に生コン経路確保のため門扉外し等を行いました。 塩野さんはこの業界で2リュウベの穴を掘らせたら最速の伝説の人です。 タワーの方向を確認(ウィンチ部を西にしました)してすぐ掘削作業に入りました。 まずスコップが違いました。粘土質の掘削用でしょうか穴あきスコップでした。 穴あき包丁と同じ原理です。肉厚の刃で日本刀のようにピカピカに光っていました。 値段を聞くの忘れました。残念です。買わないけど。 庄司さんが残土をネコで素早く庭に撒き、あっという間に塩野さんの身体は見えなく なりました。持参のクリ石を投入して、その上に背筋網をセットしました。

 
これから先は写真で説明します。
穴掘り終了。割栗石を入れたところ。 通路側は地面は狭く、内部を抉ってある。
穴の縁に横木を置き、基礎アンカーを挿入する。 アンカー部もかなり重い、鉄棒を2本通し、御神輿を担ぐ様に 運搬する。 写真では見えないが、アンカー部を穴に吊った後 底部分に鉄筋を番線で追加し、補強を行う。 さらに、パイプを穴の側面に数カ所打ち込み、これも番線でアンカー部に 止める。(生コン投入時の横方向のぐらつき防止) アース棒を3本打ち込んで、穴内部基本作業終了。
塩野さんと庄司さんが連通管式の水準器を使用して、 水平だしを行っているところ。
準備完了。(穴の底まで見えるかな?) 背面の青のシートは生コンが飛び散らない 為の養生シート
午後1時にコンクリートミキサー車到着 生コン投入ピストン輸送開始。 敷地が1mほど高く、道路から片道15m。 何回往復したのでしょうか?
投入完了。ここで再度、水平だしの微調を 行う。プロのお仕事。
塩野さんが丁寧に鏝で仕上げて基礎工事完成。 天気が良いので、翌朝じょうろ1杯散水の指示を 受ける。

3. 基礎工事の総括

FTI社の工事は手際が良く、15時前には終了しました。(4.5h×2名=9hだが 移動を含めると2人工) 工事の人工単価としては高いと思いますが、(私は製鉄会社の設備工事に拘わったことがあります。)設置場所は千差万別であり標準価格を設定するとしたら、こんな物かとも思います。 若くて、サポート人数が多く工期不問でお金を掛けたくなければ、生コン代のみで 完成することは可能です。しかし細かい道具は必要です。 例えば一輪車移動のための渡り板を新規購入する気はしません。 専門家に頼んで良かったと思っています。 実は、もっと仕事振りを撮りたかったのですが、貴重な休暇。 アンテナをシコシコ組み立てていました。

4.建柱工事

タワー完成: 4月20日も快晴でした。仲間の榎本さんを迎えにいきました。(車で来てくれることになっていたのですが、完成祝賀会のため) 早速、屋根上でのC−4XLの最終組立を手伝って貰いました。 ブームが5ヶに分かれており、最終結合は当日と決めていました。 べつに3.5mのロータリダイポールは庭で組んであったのですが、建柱に支障がありそうなので前の道路に出しました。 FTIさんはやはり10時過ぎに、阿部さん、町田さん、庄司さんともう一方。 それにクレーンオペレータの方、総勢5名で来宅されました。 トラックにはピカピカのクランクアップタワーが乗っていました。 FTIさんからは最初に当方購入済みのローテータを要求されました。 タワーが横倒しの状態でローテータとマストを取り付けました。 横倒しの状態でタワーの延び縮みが出来ることがこのタワーの特徴だそうです。 (自重で下りるのではなく引き下げのワイヤも付いている) 電源が無かったのにどうして、駆動出来たのか?我が家の壁コンから、電工ドラムで 引いたのか、インバータ持参か、メカを一部外して手動によったのか、  この辺の写真を撮りたかったのですが、当方は必死にアンテナと格闘していました。 故に、写真はタワーが建ってしまってからのものです。

 

タワーをクレーンで吊り上げている。
とにかくタワーは建ちました。
ウインチ部のクローズアップ
アンテナ無し最終調整のためフルアップ
C−4XLの最後部のブーム接続 ヘルメット姿は阿部さん
すぐにクレーンでつり上げ。 玉掛け作業もプロの仕事。 バランスが良い。
マストへアンテナを移動
C−4XLを仮止めして次にEF−180Sの 取付。
最終調整中。仰角、並行出し等に時間をかけている。
作業を見上げる榎本さん
 
美しい。実に美しいアンテナですが 電波が飛ぶかはこれからの調整。
 

5.まとめ:

こうして、念願のクランクアップタワーと短縮コイルなしのビームアンテナが完成しました。

クラブスラッシュの皆さん多大なご協力ありがとう御座いました。 (Ht)